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撮影:西山 航(世界文化ホールディングス)

ROOMIE KITCHENの人気連載こぐれひでこの「ごはん日記」グルメなこぐれさんのお取り寄せも楽しみで、お店の情報は欠かさずチェックしています。

いつからか頻繁に登場するようになったのが、南インド料理専門店「エリックサウス」のカレー。ずっと気になっていたのですが、今回、総料理長である稲田俊輔さんの新しいレシピ本が刊行されたと聞いて、さっそく2種類のクイックカレーに挑戦してみました。

簡単なのに味が決まる「スパイスの力」に驚き

「クイックスパイシーチキンカレー(写真左)」と「クイックバターチキンカレー」。本書52ページより

全56点、すべてのレシピがとことん丁寧なプロセス写真つきで紹介されている『「エリックサウス」稲⽥俊輔のおいしい理由。インドカレーのきほん、完全レシピ』(世界文化社)。

本格インドカレーというとスパイスを何種類も混ぜ合わせたりして、ちょっと難しそう……と思っていました。ところが稲田さん曰く、「実際のところインドには、ごくごくシンプルな材料で、あっという間にできるカレーが山のように」あるのだそう。

ここでは日本人なら誰もが素直においしいと思えるであろう、シンプルながら極めてキャッチーなチキンカレーを2種類、厳選してご紹介します。

これだけシンプルでもしっかり印象的なおいしさに仕上がるのが、スパイスの力であり、またインドカレーの懐の深さと言っていいでしょう。
(『「エリックサウス」稲⽥俊輔のおいしい理由。インドカレーのきほん、完全レシピ』52ページより引用)

「クイックスパイシーチキンカレー」は、スパイスを揉み込んだ鶏もも肉と玉ねぎを手早く炒めて、刻んだトマトと15分ほど煮込むだけ。

「クイックバターチキンカレー」は、スパイスとヨーグルトでマリネした鶏むね肉を、トマトと生クリームのソースで軽く煮込んだマイルドなカレーです。

実際につくってみると、まさに稲田さんのおっしゃるとおり。ひとさじ口に入れた瞬間「あれ、これ私がつくったの……!?」と嬉しい驚きが湧き上がるほど、味がバチッと決まっているのです。

びっくりしたのは、レシピどおりにしっかり計量したスパイスが、かなりの量だったこと。余らせ気味だったスパイスが一気に主役になった感じです。

香菜はカレーをおいしくする、緑の“味の素”

もちろん、忙しい日のご飯にぴったりのクイックカレーだけでなく、スタンダードなインドカレーや、レストランスタイルの手の込んだレシピもたくさん紹介されています。

「ビーフキーマベイガン」本書24ページより

こちらは牛ひき肉となすのキーマカレー「ビーフキーマベイガン」。スパイスはシンプルですが、仕上げのヨーグルトと香菜(コリアンダーリーフ)で風味がぐっと豊かになるのだそう。

香菜をカレーに入れるイメージがなかったのですが、実は「あらゆるカレーのおいしさを底上げしてくれる緑の“味の素”だ」と稲田さん。

こんなふうに、食材やスパイスの新しい使い方を教えてくれるのも本書の魅力です。

イナダシュンスケ名で発信するTwitter (@inadashunsuke) も人気の稲田さん。

ハマると抜けられない、と噂には聞いていましたが、「スパイスカレー沼」は想像以上に深そう……。

まずはコリアンダー、クミン、カイエンヌペッパー、ターメリックの基本4種を買い足して、この夏はあれこれ試してみるつもりです。

「エリックサウス」稲⽥俊輔のおいしい理由。インドカレーのきほん、完全レシピ

カルディで見つけた「印度の味」は手軽だけど本格的!

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