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朝起きたときに腰に違和感があるなら、マットレスの影響かもしれません。自分に不向きなマットレスを使っていると、腰に余計な負担がかかり、腰痛悪化の原因になります。

「腰痛対策のマットレスは自分に合ったものを選ぶことが大切です。腰痛対策には硬いものが人気ですが、最適な硬さは人それぞれ。横になったときに腰が浮くなら、表面がやや柔らかいものに切り替えるとよいでしょう。腰痛の人はへたりやすいものは避けたほうがよいので、3~5万円以上の耐久性が高いモデルがおすすめ

今回は、上級睡眠改善インストラクター安達直美さんが腰痛対策向きのマットレスの選び方を解説。また、編集部おすすめの腰痛対策向きのマットレスをランキング形式でご紹介します。

上級睡眠改善インストラクター・安達直美さんのイメージ

上級睡眠改善インストラクター・安達直美さん
国内大手航空会社において国際線客室乗務員として勤務後、寝装品メーカーの研究所で主任研究員として睡眠に関わる研究に従事。睡眠文化戦略コーディネーターを経て現在職に至る。リラクゼーション及び眠りに関するコーディネーターとしてエビデンスをもとにユーザーオリエンテッドマーケティングに携わる。雑誌・WEB掲載やTV出演もあり、現在は主に、睡眠健康教室などの講師として活躍中である。

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腰痛対策に向きのマットレスの特徴は?

Image: Shutterstock

硬いマットレスが腰痛対策によいという声もありますが、それは間違い。マットレスの適切な硬さや密度は、人それぞれ異なります。

背骨がキレイなS字のカーブを描く姿勢が保てるものが合っているマットレスの条件。仰向けに寝たときに、硬すぎて腰が浮いてしまうものや、柔らかすぎて身体が『くの字』になるものは避けるべきです」

マットレスを替えれば腰痛は治る?

「腰痛の原因が不自然な寝姿勢である場合、適切なマットレスを選ぶことで治る可能性が高いです。ただし、腰痛の原因が他にある場合は回復が難しいでしょう。しかし、適切なマットレスを選ぶことで腰痛の悪化を抑止する効果が期待できますよ」


腰痛対策向きのマットレスの選び方

Image: Shutterstock

ここからは、腰痛対策向きのマットレスの選び方のポイントを5つに絞って解説。

1.価格
2.硬さ
3.構造・素材
4.サイズ
5.厚さ

1.価格

高額なものほど密度が高く、耐久性が高い傾向にあります。腰痛の場合は、少しへたったマットレスを使うだけでも敏感に影響を受けるため、耐久性を重視して選ぶことが重要

1万円程度の安価なものだとへたりやすいため、3~5万円以上のものから選ぶのがおすすめ。安価なものは、使いはじめは違和感がなくても、半年後くらいに違和感が再発する可能性もありますよ」

2.硬さ

マットレスは自分の体型を考慮しつつ、自分に合った硬さのものを選びましょう。体重が55kg以下の小柄な体型の人には柔らかめのマットレスが、体重70kg以上のがっちりとした体型の人には硬めのマットレスが好まれる傾向があります。

特徴 向いている人
柔らかい ・フィット感がある
・体圧分散性に優れる
・保温性がある
・横向き寝
・小柄で体重が軽い
・身体の凹凸が大きい
硬い ・変形しにくく、寝返りが打ちやすい
・耐久性&通気性に優れる
・仰向け寝
・大柄で体重が重い
・寝返りが多い

「同じ姿勢で長時間いると腰に悪影響を与えるため、寝返りがしやすいことも大切です。硬いマットレスは寝返りがしやすい一方、硬すぎると腰の筋肉が緊張して腰痛が悪化するため、避けることが望ましいです。

ウレタンフォームの硬さは、『N(ニュートン)』がひとつの目安になります。110N以上は硬いとされており、170Nを超えるものは硬すぎると感じる人も多い印象。自分に合った硬さがわからないなら、110~150Nに抑えておくのが無難です」

▼N(ニュートン)値による硬さの目安

硬め 110N以上
普通 75~110N未満
柔らかめ 75N未満

出典:消費者庁

3.構造

Image: Shutterstock

マットレスに使用されている素材は、「高反発」「低反発」に分けられます。さらに、マットレスの内部にバネが入っている「コイルマットレス」があります。これらの特徴を考慮して選ぶとよいでしょう。

種類 構造 特徴
高反発 ほどよいフィット感があり、押すと強い力で跳ね返す ・寝返りしやすい
・通気性がよい
低反発 柔らかい寝心地で、ゆっくり沈み込む ・体圧分散性が高い
・寝返りしにくい
・蒸れやすい
コイルマットレス(ポケット・ボンネル) 厚みと弾力があり、沈み込みすぎない ・耐久性&体圧分散性が高い
・廃棄&お手入れが難しい

「高反発は、硬めのものが主で寝返りを打ちやすい観点では腰痛対策用にはおすすめ

低反発のものは柔らかく、寝返りがしにくいため、腰痛の人には不向きでしょう。ただ、低反発は体の隙間を埋めるようにフィットするので、体の圧力を分散し負担を軽減できるというメリットがあります。

そのため、もっともおすすめなのは、低反発と高反発の二重構造のもの。寝返りが打ちやすいうえに、腰へのダメージも抑えられますよ。

コイルマットレスは、弾むような弾力のある寝心地が好みの人向き。体圧分散性も高いので腰痛の人にも向いています。ただし、内部にバネが入っていないものに比べると、廃棄に手間がかかることを留意しておいたほうがよいでしょう」

4.サイズ

サイズ 寸法 使用人数の目安
セミシングル 幅85cn×長さ195cm 1人
シングル 幅97cm×長さ195cm 1人
セミダブル 幅120cm×長さ195cm 1人
ダブル 幅140cm×長さ195cm 1~2人
クイーン 幅160cm×長さ195cm 2~3人

「マットレスの幅が狭いと横になったときに寝返りの回数が減ります。その結果、同じ姿勢を保つ時間が長くなり、腰に悪影響を及ぼす可能性があります。部屋のスペースに余裕があるなら、一人で使う場合もシングルではなくダブルを選んだほうがよいでしょう」

5.厚さ

マットレスの厚さは、薄いもので5cm以下、厚いもので20cm以上あります。厚さが5cm以下のものはトッパーと呼ばれ、マットレスの上に敷いて硬さを調整するために使用されます。トッパーは、1万円以下のものが大半で、一般的なマットレスよりも安価なため、コストを抑えて寝心地を改善したい人におすすめ。

「厚さがあるものほど底づき感が抑えられます。底つき感があると腰痛が悪化する原因になるでしょう。底つき感がないものがよいなら、厚さが10cm以上のものがおすすめ。コイルマットレスは底つき感はないでしょう」


腰痛対策向きのマットレスおすすめランキング9選

ここからは腰痛対策向きのマットレスおすすめランキングをご紹介。商品は編集部が厳選し、ランク付けしています。安達さんにお聞きした選び方の観点を参考に、人気・耐久性・コスパを評価のポイントとしました。

※価格はAmazon・楽天、執筆時現在のもの

1位:西川[エアー01]マットレス

公式サイトを見る

ソフトな受け止めで身体をしっかり支える

「特殊立体波形凹凸構造」を採用。表面の凹凸の点の数は約1200個で、体圧を分散しつつ、ベース部分は全身をしっかり支えます

新素材のウレタンフォーム「レフレフォーム」は、優れたクッション性で、圧迫感を抑えた寝心地を好む人にも向いているでしょう。36個の上下に貫通した通気孔「クロスホール」採用で、通気性もよい仕様。

比較的に軽量で持ち運びもしやすいですよ。

サイズ展開 セミシングル・シングル・セミダブル・ダブル
中材 ウレタンフォーム
厚さ 8cm
硬さ 普通

2位:New コアラマットレス

10年保証&寝心地が普通・硬いから選べる

オーストラリア発の人気寝具・家具ブランド「コアラ」。New コアラマットレスは数々の受賞歴をもつ、同社の定番商品です。厚さ23cmの重厚感のあるマットレスで、安定した寝姿勢をキープできますよ。

最上部のトッパーレイヤーを裏返すことで、普通・硬いの異なる2つの硬さが選べるのが大きな魅力。

「テンセル™リヨセル繊維」採用で、通気性に優れて、ムレにくいのが特徴。独自の「ゼロ・ディスターバンス技術」により振動を吸収し、寝返りがしやすいですよ。10年保証付きで耐久性にも安心感があります。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
構造 ウレタンフォーム
厚さ 23cm
硬さ 上層部「ふつう」:80N
下層部「かため」:100N
ベース層:160N

3位:ニトリ シングルマットレス (Nスリープ プレミアムP2-02CR VH

包み込むような寝心地のポケットコイル

低反発の寝心地が好みで、ポケットコイルの安定した寝心地を求める人にはおすすめ。ポケットコイルの2層構造で上段は体に合わせてフィットし、下段は体をしっかり支える構造になっています。

低反発ウレタンが体の凹凸にフィットし、包み込むような寝心地を実現。厚さ30cmで安定感にも優れます。30年の品質保証付きで耐久性は抜群。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル・クイーン
構造 ポケットコイル
スプリング数 上段630個・下段450個(計1080個)
厚さ 30cm
硬さ 普通

4位:エムリリー 優反発 マットレス 8cm

フィット感がよく、身体もしっかり支える「二層構造」

世界累計1,200万枚突破の人気マットレス。上層部は重さにより反発力が変化するウレタンフォーム「優反発」を採用。下層部は「高反発オープンセルフォーム」を採用で、身体をしっかり支えて寝返りもしやすいです。

低反発のフィット感と、高反発の反発力の高さを兼ね備えているのが特徴。身体に負担がかかりにくい仕様です。三つ折りタイプなので収納のしやすさも◎。

サイズ展開 セミシングル・シングル・セミダブル・ダブル
中材 優反発&高反発の二層構造 ウレタンフォーム
厚さ 8cm
硬さ 硬め(140N)

5位:エアウィーヴ スマート Z01 シングル

公式サイトを見る

コンパクト&しっかりした寝心地

中材に同社独自の「エアファイバーR」を採用。三つ折りでコンパクトに収納できますが、しっかりした寝心地がほしい人にも向いています。反発力が高く、寝返りのしやすさは◎。

通気性が高く、湿気もたまりにくいですよ。

頭、腰、脚の部分が入れ替えられるので、腰の部分がへたった時に入れ替えが可能。カバーは洗濯機で、中材はシャワーで洗えるので、メンテナンス性もよいです。3年保証付き。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
中材 エアファイバーR
厚さ 約9cm
硬さ 硬め

6位:雲のやすらぎプレミアム マットレス

極厚17cm!浮いているような寝心地と話題

約17cmの極厚のマットレス。独自開発の「高反発スプリングマット」を採用し、弾力性に優れ、浮いているような寝心地が魅力。

リバーシブル仕様で通年使えるのも特徴。表面はメッシュ生地で熱がこもらずに、春夏に快適に使いやすいです。反対の面は保湿力や吸湿力の高い「ロレーヌダウン」を使用し、秋冬にも適度な温度や湿度で眠りやすいです。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
中材 高反発ウレタンフォーム
厚さ 17cm
硬さ 柔かめ

7位:モットン 高反発 マットレス レギュラー 170N

高反発マットレスモットン

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累計販売数10万本突破の人気のマットレス。体をふんわり押し上げるような寝心地が特徴です。

反発力にこだわられた、次世代高反発ウレタンフォーム「ナノスリーR」を採用。少ない力でも寝返りを打ちやすいのが特徴です。

また、通常のウレタンフォームに比べて泡が大きく、通気性が高いです。夏場でも熱がこもりにくいですよ。

サイズ展開
中材 高反発ウレタンフォーム「ナノスリーR」
厚さ 10cm
硬さ 170N(普通)

8位:GOKUMIN プレミアムグランマットレス~三つ折り~

三つ折りマットレスで耐久性の高さを求める人向き

厚み10cmの重厚感のある三つ折りマットレス。腰の部分がへたったら頭部や足部と入れ替えて使えるので、耐久性が高いです。180Nと250Nのふたつの硬さから好みの寝心地を選べるのも魅力。

折りたたみで、安定した寝心地を求める人にもおすすめ。1万円程度なので、コスパも良好です。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
中材 高反発ウレタンフォーム
厚さ 10cm
硬さ 180/250N

9位:アイリスオーヤマ エアリーマットレス MARS-S

公式サイトを見る

丸洗い可能な折りたたみマットレス

丸洗いが可能でメンテナンス性を重視する人にもおすすめの高反発の折りたたみマットレス。

製品の体積の約95%が空気でできている、新素材「エアロキューブ(R)」を採用。通気性に優れており、オールシーズン快適に使いやすいです。寝心地は浮いているような感覚とも称されます。

厚さ5cmと薄め。そのまま床に敷いて使うこともできますが、マットレスの硬さを調整する用途にも使えます。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
中材 エアロキューブ(R)
厚さ 5cm
硬さ 普通

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取材・文/福永太郎

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