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沈み込みにくく寝返りがしやすい、硬めのマットレス。安定した寝姿勢を保ちやすく、腰痛持ちの人からも人気です。

「寝たときにお尻の部分が沈み込む場合は、マットレスが柔らかすぎます。腰や背中に負担がかかるため、硬めのマットレスに切り替えるとよいでしょう。

弾むような寝心地が好みならコイルマットレス、じわっと沈みこむような寝心地が好きなら低反発マットレスから選んでみてください。サイズは、一人で使う場合もダブルにしておくと、寝返りがしやすく睡眠の質が向上しますよ」

今回は、上級睡眠改善インストラクター安達直美さんが硬めのマットレスに向いている人や選び方を解説。また、編集部おすすめの硬めのマットレスをランキング形式でご紹介します。

上級睡眠改善インストラクター・安達直美さんのイメージ

上級睡眠改善インストラクター・安達直美さん
国内大手航空会社において国際線客室乗務員として勤務後、寝装品メーカーの研究所で主任研究員として睡眠に関わる研究に従事。睡眠文化戦略コーディネーターを経て現在職に至る。リラクゼーション及び眠りに関するコーディネーターとしてエビデンスをもとにユーザーオリエンテッドマーケティングに携わる。雑誌・WEB掲載やTV出演もあり、現在は主に、睡眠健康教室などの講師として活躍中である。

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まずは知りたい!自分に合うマットレスの条件とは?

Image: Shutterstock

「自分に合うマットレスの条件は、横になった時に、腰や背中がバランスよく支えらており、腰の隙間が埋まるものです。横になったときにお尻の部分が沈んで体が”く”の字に曲がるのは、マットレスが柔らかすぎる証拠。背中や腰に余計な負担がかかり、腰痛の原因になる可能性があるため、硬めのマットレスに切り替えましょう。

また、腰痛対策のマットレスは、硬ければ硬いほうがよいと考える人もいますが、それは間違い。自分に合ったマットレスを使うことが一番の腰痛対策です」

硬めのマットレスが向いている人は?

「硬めのマットレスは、沈み込みが少なく、寝返りがしやすいため、寝返りが多い人に向いています若い人運動をよくする人は基礎代謝が高く、暑さを感じやすいため、寝返りが多くなり、硬めの寝具を好む傾向があります。

一方で、お尻や背中が平らで体に凹凸がない人は、硬めのマットレスだと腰が浮いて合わないことが多いでしょう。また、寝返りが少ない人にも硬めは不向き。年齢を重ねると寝返りが減る傾向があるので、硬めで寝にくさを感じてきたら、柔らかめに替えるのがおすすめ。

マットレスのウレタンフォームの硬さの基準は、消費者庁が出しているN(ニュートン値)が参考になります。110N以上は硬くて、200N超えるとかなり硬いですね。自分にとって適切な硬さがわからなければ、硬めが好きでも150Nくらいまでのものを選ぶほうが無難でしょう」

▼N(ニュートン)値による硬さの目安

かため 110N以上
ふつう 75~110N未満
やわらかめ 75N未満

参考:消費者庁


硬めのマットレスの選び方

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ここからは、硬めのマットレスの選び方のポイントを4つに絞って解説。

1.価格
2.構造・素材
3.サイズ
4.メンテナンスのしやすさ

1.価格

マットレスの価格帯は安いもので1万円以下、高額なもので10万円以上です。自分のライフスタイルなども考慮して検討してみてください。

「価格で大きく違いがでるのは耐久性。高額なマットレスは、原材料も多く使われており、密度も高く、へたりにくいです。同じウレタンを原材料にしたものでも、何層にもして、振動が伝わりにくくしているものは、10万円以上しますよ。

1万円以下のものは、耐久性が低い傾向がありますが、すぐに買い替えるような人には向いているでしょう。ただ、安いからといって、寝心地が悪いわけではないです。その人にとって寝心地がよいかは、価格で決まるものではありません」

2.構造・素材


Image: Shutterstock

硬めのマットレスは、内部にスプリングが入っている「コイルマットレス」と、内部にスプリングが入っていない「ノンコイルマットレス」に分けられます。寝心地耐久性通気性などを考慮して特徴に注目するとよいでしょう。

種類 構造 特徴
ボンネルコイル 複数のコイルを1つに連結し、身体を面で支える ・耐久性が高い、低価格
・バネ感が強く、振動が伝わりやすい
ポケットコイル 独立したコイルを使用し、身体を点で支える ・耐久性が高く、横揺れが少ない
・ボンネルより高額な傾向
高反発 ほどよいフィット感があり、押すと強い力で跳ね返す ・軽量、廃棄しやすい
・ポケットに比べると耐久性が低いものも多い

「コイルマットレスは弾むような弾力があります。高反発素材はじわっと下から押し上げるような反発性はありますが、弾むような弾力はありません

実際にお店で寝てみて、どちらの寝心地が安心するかを体感するのがおすすめ。揺れ感や寝返りの響き具合で、好みを直感的に理解しやすいですよ。

また、廃棄時の処分方法や環境への負担を考慮して、今後どのくらい長く使うかを考慮するとよいでしょう。廃棄のことを考えると、コイルマットレスよりも高反発のほうが気軽に選びやすいでしょう」

種類 寿命の目安
ボンネルコイル 6~8年
ポケットコイル 8~10年
高反発 6~8年

「ボンネルコイルは硬めの寝心地で、ポケットコイルのほうが柔らかめ。また、ポケットコイルは『並列配列』『交互配列』に分けられます。

並行配列は、縦横にコイルを並べており、密度は低くなりますが、通気性がよいのが特徴。交互配列は、隙間を埋めるようにコイルが高密度に並べられています。密度が高くなる分、高額で、しっかりした寝心地。通気性は低くなります。

高反発に中材にはウレタンが使われていることが主流。高反発のなかでも、ファイバーが使われているものは、通気性がよく汗っかきの人にもおすすめ

3.サイズ

サイズ 寸法 使用人数の目安
セミシングル 幅85cn×長さ195cm 1人
シングル 幅97cm×長さ195cm 1人
セミダブル 幅120cm×長さ195cm 1人
ダブル 幅140cm×長さ195cm 1~2人
クイーン 幅160cm×長さ195cm 2~3人
キング 幅180cm×長さ195cm 2~3人

「マットレスのサイズは部屋のスペースに余裕があれば、できる限り大きいものを選んだほうがよいです。

人は寝返りをする際に無意識のうちにベッドのサイズを気にしています。サイズを気にせずに自由に寝返りできるほうが、睡眠の質が向上します。一人で使用する場合もダブルサイズを検討すると良いでしょう。硬めのマットレスが好む人は、寝返りをすることが多い傾向があるので、サイズはとくに意識したほうがよいでしょう。

ポケットコイルはコイル数が多ければ多いほど、隣で寝ている人に与える影響が少ないです。ダブル以上の大きいサイズのマットレスを購入するときは、重要視したほうがよいでしょう。また、複数人で使う場合に隣の人の振動を避けたい場合は、割高にはなりますが、シングルやセミシングルを2つ並べて使うのがおすすめ

4.メンテナンスのしやすさ

マットレスはお手入れを怠ると、カビやダニが発生してしまう可能性も。メンテナンスのしやすさを考慮することも大切。

ポケットコイルは本体の水洗いは不可です。表裏を変えることで長く使えるようにするものが多いです。大きいからメンテナンスは大変なので、お布団やベッドを剥がして、ベッドで少し立てるような形で通気性を保つと衛生的に使えます。

高反発マットレスのほうがお手入れしやすいです。なかでも、高反発ファイバーは水分を吸収しないため、水洗いが可能。高反発ウレタンは基本的に水洗いは不可ですが、ものによって中材を洗えるモデルもあります。

折りたたみマットレスは、体重が重い方の場合は、とくに腰の部分のへたりが目立ちやすいですが、軽量で持ち運びがしやすく、メンテナンスはしやすいですよ」

【コラム】マットレスを替えたら、枕も買い替えたほうがいい?

マットレスを買い替えたら枕も見直しましょう。マットレスが硬くなると体が沈まなくなる分、枕が低く感じます。バスタオルで底上げをするとよいでしょう」


硬めのマットレスおすすめランキング10選

ここからは折りたたみマットレスのおすすめランキングをご紹介。商品は編集部が厳選し、ランク付けしています。安達さんにお聞きした選び方の観点を参考に、人気・使いやすさ・コスパを評価のポイントとしました。

※価格は執筆時現在のAmazon・楽天のもの。サイズはシングル

1位:マニフレックス 高反発マットレス メッシュ・ウィング

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10年間の長期保証付きの、通気性のよい三つ折りマットレス

世界的に有名なイタリアの老舗寝具ブランド「マニフレックス」の折りたたみマットレス。

独自の高反発フォーム「エリオセル」を採用。空気を多く含んでいる素材なので、通気性が高く、1年を通じて蒸れにくいです。側地は外して洗濯機で水洗いも可能。汗をかきやすい人にも向いています

しっかりした硬めの寝心地で、腰痛の人からも人気。高反発マットレスのなかでは高額ですが耐久性が高く、10年間の長期保証付き。長年使いたい人にもおすすめ。

サイズ展開 セミシングル・シングル・シングルロング・セミダブル・ダブル・クイーン
中材 エリオセル
厚さ 11cm
硬さ 170N

2位:西川[エアー01]ベッドマットレス/HARD

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クッション性&通気性に優れる

やや高額ですが、寝心地のよい軽量なマットレスを探している人におすすめ。表面は凹凸構造で、約1200個の点で身体をしっかり支えます。クッション性が高く、寝返りもしやすい仕様。

肩口部分に36個の通気孔「クロースホール」、高通気素材「レフレフォーム」を採用しており、通気性が優秀。湿気や汗を拡散・放湿することで、睡眠中の不快感を防止します。

丸めて保管することが可能なので、コンパクトに収納しやすいですよ。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
中材 ウレタンフォーム
厚さ 8cm
硬さ 140N

3位:ニトリ ポケットコイルマットレス R05 厚さ20cm

とくに安いポケットコイルマットレスがほしい人におすすめ

ニトリのマットレスは、種類が豊富で人気。なかでもこちらは、1万円程度という非常に安価なのが特長のポケットコイルマットレス。ポケットコイルを使いたいけど、はじめから高級なモデルを買うのに抵抗がある人にもおすすめ。保証年数は1年。

側面はメッシュ素材を採用で、コイル同士の隙間が広く、通気性は◎。硬めのしっかりした作りで、”寝心地は雲の上に寝ているみたい”という口コミも多いです。

サイズ展開 スモールシングル・シングル・セミダブル・ダブル・クイーン
構造 ポケットコイル(並行配列)
スプリング数 SS:416個/S:512個/SD:640個/D:736個/Q:896個
厚さ 約20cm

4位:GOKUMIN プレミアムスプリングマットレス

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通気性がよい、高コスパのポケットコイルマットレス

「GOKUMIN」は、累計販売枚数100万個以上の人気の国産寝具メーカー。プレミアムスプリングマットレスは、496個(Sサイズ)の高密度スプリングで、しっかり体を支えます。

コイルは「並列配列」で、「3Dメッシュ生地」を採用。適度に隙間があり、通気性が優秀ですよ。抗菌防臭加工で衛生面もよいです。

価格を抑えて通気性のよいポケットコイルマットレスがほしい人にもおすすめ。

サイズ展開 セミシングル・シングル・セミダブル・ダブル・クイーン
構造 ポケットコイル(並行配列)
スプリング数 S:496個
厚さ 20cm

5位:アイリスプラザ Sheep 眠りを変えるポケットコイルマットレス PMTS21H

安いモデルのなかで耐圧分散性を求める人向き

シングルのスプリング数は528個と密度が高く、耐圧分散性がよいです。“価格が安いわりに快適に寝られる!”と評判の一台です。

ポケットコイルは「並行配列」採用で、コイルの間の隙間が広く、通気性は◎。表地ニットには抗菌・防臭・防ダニ加工が施してあり、衛生面に優れます。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
構造 ポケットコイル(並行配列)
スプリング数 S:528個
厚さ 21cm

6位:タンスのゲン マットレス 男の高反発 13810052

高反発ウレタン&折りたたみタイプがよい人向き

中材に高反発ウレタンフォームを採用した硬めの折りたたみマットレス。3つ折りタイプで収納や持ち運びがしやすいです。厚みは10cmで、床に直接敷いて使っても底つき感はないでしょう。

カバーは洗濯可能。ウレタンには消臭効果のある竹炭が入っているため、汗をかきやすい人にも向いています。

サイズ展開 シングル・ダブル・クイーン・キング
中材 高反発ウレタンフォーム
厚さ 10cm
硬さ 220N

7位:アキレス AK-328 高反発キルトバランスマットレス

腰部のみ硬めの設計の折りたたみマットレス

年間100万枚以上のウレタンフォームマットレスの生産実績のある老舗メーカー「アキレス」。こちらは、高反発の三つ折りマットレスで価格が安いです。

頭・脚・腰が3分割されており、腰部のみ硬めに設計することで、沈み込みを抑えているのが特長。キルティング加工で肌ざわりはやさしいです。カラーはブラウン、ブルーの2色から選択可能。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
中材 高反発ウレタンフォーム
厚さ 10cm
硬さ 頭部:150N/腰部:200N/脚部:150N

8位:モットン 高反発マットレス ハード

高反発マットレス_モットン

公式サイトを見る

寝返りの打ちやすい高反発マットレスがほしい人向け

販売累計10万本突破の人気の高反発マットレス。280Nと非常に硬く、体重が81kg以上でやわらかいと沈み込みやすい人にも向いているでしょう。少し硬さを抑えたいなら、同シリーズの170Nのマットレスもありますよ。

次世代高反発ウレタンフォーム「ナノスリー」を採用。反発力が強いのが特長で、寝返りのエネルギーが約20%減に。筋肉が衰えていても、自然な寝返りを打ちやすいでしょう。

またウレタンの泡を調整することで、空気が通りやすくなっています。高反発のなかでは、通気性はよいでしょう。

サイズ展開 シングル
中材 高反発ウレタンフォーム(ナノスリーR)
厚さ 10cm
硬さ 280N

9位:フランスベッド マットレス ライフトリートメント LT-5000 ハード

安定性&耐久性に優れる高級マットレス

一本の鋼線をつなげて作られる「高密度連続スプリング」という国内でフランスベッドだけが生産している特殊な構造を採用。

スプリングを高密度に配置することで、横揺れが少なく、耐久性も非常に高いのが特徴。背中や腰の部分的な沈み込みが少なく安定性は抜群

また、マットレスの中に湿気をため込まない構造により、通気性も優れています。寝汗の湿気によるムレが気になる人にもおすすめ。

側生地は銀イオンの力で除菌し、衛生面にも優れます。エコマーク認定商品で、廃棄のときの環境負荷も少ないです。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
構造 高密度連続スプリング
スプリング数
厚さ 28cm

10位:シモンズ エクストラハード AB2121A

高品質なマットレスがほしい人向き

「シモンズ」は、アメリカの大手寝具メーカーで、高級ホテルへの導入実績が豊富。高額ですが、ホテルのような寝心地を求める人にはおすすめ

マットレスには多くの独自技術が詰まっており、コイルの配列、コイル数、コイルスプリングの素材などあらゆる要素にこだわりがあります。

特殊な不織布でコイルを1つずつ包み、弾力の強いコイルを圧縮することで、豊かな弾性をしています。力強くしっかり身体を支える構造を実現。寝返りがとても打ちやすいですよ。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル・クイーン
構造 ポケットコイル(並行配列)
スプリング数
厚さ 23cm

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取材・文/福永太郎

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