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軽量&コンパクトで手軽に使いやすい、折りたたみマットレス。部屋が狭い一人暮らし用や、来客用にも向いています。睡眠の質を向上させるためには、体型に合ったマットレスを選ぶことが重要。

「最近の折りたたみマットレスは研究・開発が進んで、寝心地も一般的なマットレスに大きく劣るものではないです。

床の硬さを感じるのを避けたいなら厚みが8cm以上のものから選ぶのが必須。一人で使用する場合でも、ダブルサイズにすることで、スペースを気にしながら寝返りをする必要がなくなり睡眠の質が向上します。また、寝心地を考慮して、高反発か低反発かを選択しましょう」

今回は、上級睡眠改善インストラクター安達直美さんが折りたたみマットレスのメリット・デメリットや、選び方を解説。また、編集部おすすめの折りたたみマットレスをランキング形式でご紹介します。

上級睡眠改善インストラクター・安達直美さんのイメージ

上級睡眠改善インストラクター・安達直美さん
国内大手航空会社において国際線客室乗務員として勤務後、寝装品メーカーの研究所で主任研究員として睡眠に関わる研究に従事。睡眠文化戦略コーディネーターを経て現在職に至る。リラクゼーション及び眠りに関するコーディネーターとしてエビデンスをもとにユーザーオリエンテッドマーケティングに携わる。雑誌・WEB掲載やTV出演もあり、現在は主に、睡眠健康教室などの講師として活躍中である。

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折りたたみマットレスのメリット・デメリット


折りたたみマットレスは三つ折りや、六つ折りなどに折りたためるマットレスのこと。床に直接敷いて使うのが基本ですが、マットレスの上に載せて硬さを調整する用途にも使えます。折りたたんでソファ代わりとしても使用可能

コンパクトに収納できるため、一人暮らしの狭い部屋用来客用にもぴったり。軽量で持ち運びがしやすいので、二段ベッドやロフト用、キャンプ用としても人気。

「折りたたみマットレスは、最近では素材の研究・開発も進んでおり、切れ目が気にならないものも多いです。また耐久性も向上し、従来のイメージと異なり折りたたみだからといって寝心地が悪いわけではありません。フローリングに敷いても底つき感がなく、快適に寝ることもできますよ。ただし、一般的なマットレスに比べて、腰の部分がへたりやすく、素材によっては継ぎ目が硬く感じられるため気になるというデメリットがあります」


折りたたみマットレスの選び方

Image: Shutterstock

ここからは、折りたたみマットレスの選び方のポイントを5つに絞って解説。

1.予算
2.厚さ
3.サイズ
4.硬さ
5.素材

1.予算

折りたたみマットレスの価格帯は安いもので1万円以下、高額なもので5万円程度。自分のライフスタイルなどを考慮して注目してみてください。

「高額なものほど原材料が多く使われており、密度や耐久性が高く、へたりにくいです。また、3~10年ほどの長期保証が付いていることもあります。低価格のものは汚れてもすぐに買い替えやすいのがメリット。

最近は、大量生産によるコストダウンなどの企業努力によって、1万円程度でも優れた商品が多く出回っています。高額だからといって、必ずしも快適な睡眠が得られるとは限りません。寝心地のよさは、金額ではなく自分に合っているかどうかで決まります」

2.厚さ

Image: Shutterstock

折りたたみマットレスの厚さは3cmから12cm程度のものがあり、厚みのあるものほど底つき感がありません。一方で、薄いものほど軽量で、収納や持ち運びがしやすいです。3~5cm程度の薄いものはトッパーと呼ばれ、マットレスの硬さを調整する用途で使われます。

「マットレスを直接床に敷く場合は、最低8cm以上はないと底つき感があるでしょう。ただし、畳などのクッション性がある場所に敷く場合は5~6cmのものを検討してもよいです

体重が重い人などは、8cmでも底つき感がある場合も。また、フローリングのような硬い場所に敷く場合は、10cm以上のものがおすすめ」

3.サイズ

サイズ 寸法 使用人数の目安
セミシングル 幅85cn×長さ195cm 1人
シングル 幅97cm×長さ195cm 1人
セミダブル 幅120cm×長さ195cm 1人
ダブル 幅140cm×長さ195cm 1~2人
クイーン 幅160cm×長さ195cm 2~3人
キング 幅180cm×長さ195cm 2~3人

「マットレスのサイズは、部屋のスペースを考慮しつつ、できるだけ大きいものを選んだ方がよいでしょう。

人間は眠っているときも、ベッドから落ちないように無意識のうちにベッドの幅を意識しています。幅が狭いと脳が緊張感をもつ分、眠りの質が浅くなります。そのため、一人で使用する場合もダブルサイズを使うのがおすすめ

また、複数人が同じベッドを使うと、誰かが寝返りしたときに振動を感じるため睡眠の質が低下します。睡眠の質を向上させたいなら、2人で使う場合はシングルやセミダブルのマットレスを2つ並べて使うのがおすすめ。クイーンやキングサイズよりも、割高になりますが、寝返りの振動の影響を受けず、住居への搬入がしやすいというメリットがあります」

4.硬さ

Image: Shutterstock

「自分に合っているマットレスの条件は、横になった時に、腰や背中が浮いておらず、腰の隙間が埋まっているもの。マットレスが硬すぎると腰が浮いて体に負担がかかり、柔らかすぎると腰が”く”の字に曲がり寝返りが打ちにくくなります。

実際に店で寝心地を確認することが大切ですが、ネットで購入する場合は消費者庁が出しているニュートン(N)値を参考に、自分に合った硬さを想像するとよいです。

110N以上は硬めで、180Nを超えるとかなり硬いと感じる人が多いでしょう。硬め好きな人でも150Nくらいに抑えるのがおすすめ。どの程度沈み込むかなど、レビューを参考にするのもよいでしょう。

また、これまで硬いマットレスを使っていた場合、急に柔らかいものに変更すると、違和感で深く眠れないことがあるかもしれません。ただし、自分に合ったマットレスであれば、約1週間で慣れて、安心して眠ることができるようになります」

▼N(ニュートン)値による硬さの目安

硬め 110N以上
普通 75~110N未満
柔らかめ 75N未満

参考:消費者庁

5.素材

折りたたみマットレスの素材は大きく分けると、高反発低反発に分けられます。寝心地メンテナンスのしやすさ通気性などを考慮して注目するとよいでしょう。

素材 寝心地 メンテナンス性 通気性 価格 向いている人
高反発 硬めで
弾力がある
やや高い 寝返りが多い、
体の凹凸が小さい
低反発 柔かめで
包まれるような感覚
安い 寝返りが少ない人、
体の凹凸が大きい

「高反発は、洗える製品が多いので、メンテナンス性を重視する人にもおすすめ。製品によっては、カバーだけでなく中材も洗えます。また、寝返りがしやすいため、寝返りが多い人にも向いています。高反発のなかでもファイバー素材であれば通気性が圧倒的によく、汗っかきの人にも向いているでしょう。

低反発は、沈み込むような寝心地で、体の凹凸にフィットしやすいです。体の凹凸が大きく、高反発だと硬くて腰の部分に隙間ができてしまう人にもぴったり。また、水に弱いため汗をかく人はシーツや敷きパッドを敷く必要があるでしょう。

比較的高額な製品のなかには、上層は低反発、下層は高反発の二重構造になっているものもあります。沈みこむような寝心地でありながら、体はしっかり支えますよ」


折りたたみマットレスのおすすめランキング12選

ここからは折りたたみマットレスのおすすめランキングをご紹介。商品は編集部が厳選し、ランク付けしています。安達さんにお聞きした選び方の観点を参考に、人気・価格・使いやすさを評価のポイントとしました。

※価格は執筆時現在のAmazon・楽天のもの。サイズはシングル

1位:マニフレックス メッシュ・ウィング

公式サイトを見る

通気性抜群。10年間の長期保証付き

プロスポーツ選手からの支持も高い、創業約60年のイタリアブランド「マニフレックス」のマットレス。

独自の高反発素材の「エリオセル」を採用し、通気性と耐久性に優れています。側地には「エアーサーキュレーションメッシュ」を採用し、サラッとした触り心地。年間通して快適に使いやすいです。

10年間の長期保証付きで、長年使いたい人にもおすすめ。直敷きとしてだけでなく、ソファとしても使えますよ。

サイズ展開 セミシングル・シングル・シングルロング・セミダブル・ダブル・クイーン
素材 エリオセル
厚さ 11cm
硬さ 硬め
メンテナンス 側地は洗える、10年保証

2位:GOKUMIN プレミアムグランマットレス~三つ折り~

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180Nと250Nの二層構造!2種類の硬さを選べる

累計販売枚数30万枚突破の国産の人気の折りたたみマットレス。比較的安価でありながら長年使いやすい仕様なのが魅力。

高密度で耐久率も高いです。厚さは10cmで、底つき感も避けられるでしょう。中身を入れ替えられるので、へたった腰部を入れ替えることで、長年使用することが可能。

180Nと250Nの二層構造で、好みの硬さを選択可能。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
中材 ウレタンフォーム
厚さ 10cm
硬さ 硬め(180Nと250Nの2層構造)
メンテナンス 洗えるリバーシブルカバー付き、12か月品質保証

3位:エアウィーヴ スマート Z01 シングル

お手入れ簡単!衛生的に長年使える

メンテナンス性重視の人におすすめの高反発マットレス。

エアウィーヴの独自素材「エアファイバー」採用で、極細繊維を絡み合わせて90%が空気でできています。そのため、通気性が抜群で夏でも蒸れず、さわやかな使い心地です。また、空気の層をカバーで閉じ込めることで、冬場は暖かく使用することができます。

中の素材の入れ替えができるのが魅力。頭、腰、脚の部分が3分割になっており、へたった部分を入れ替えることで長年使えます。カバーだけでなく中材も洗えるため、メンテナンス性は◎。

床や畳で一枚敷きしても、厚さは約9cmで底つき感を抑えて寝られます。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
素材 エアファイバー
厚さ 約9cm
硬さ 硬め
メンテナンス カバー・中材が洗える、中の素材入れ替え可能

4位:タンスのゲン 「純」高反発マットレス 3つ折りタイプ 13810084

価格が安く、底つき感がない

価格の安さ重視で、底つき感を抑えたい人にはおすすめ。厚さは10cmあり、床に敷いて寝ても底つき感を抑えて快適に寝られますよ。

カバーは取り外して洗えるので衛生面も◎。メッシュ生地採用で通気性がよいです。手頃な価格なので、長期間使うのではなく短期間で買い替えるような使い方にも向いているでしょう。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル・クイーン・キング
素材 ウレタンフォーム
厚さ 10cm
硬さ 硬め(190N)
メンテナンス 洗えるカバー付き

5位:西川 Afit 三つ折りマットレス

2層構造&季節を通して使いやすい

上層2cmはソフト、下層6cmは硬めの2層構造で、ソフトなクッション性でしっかり身体を支えます。「多孔質ウレタン」採用で、比較的に通気性がよく蒸れにくいのが特長。8cmの適度な厚みで、ベッドマットレスの上に重ねて使用する用途にも使えます。

ユニセックスなデザインで、季節を問わずインテリアに合わせやすいのが特長。マットレスのカバーは洗濯が可能で衛生的に使えます。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
素材 ウレタンフォーム
厚さ 8cm
硬さ 硬め(頭部 脚部:150N,腰部190N)
メンテナンス 側地の洗濯可

6位:トゥーベスト エムリリー 三つ折マットレス 敷き布団 優反発&高反発の二層構造

ボヨボヨとした、マシュマロのような感触を好む方向き

世界72か国、シリーズ累計1,200万枚突破の人気マットレスシリーズ。独自素材「優反発」を採用し、体重に合わせて反発力が変化。低反発のようなフィット感と、高反発のような弾力を兼ね備えますボヨボヨとしたマシュマロのような感触が好む人向き。

買い替えの目安は8年で耐久性重視の人にもおすすめ。3年間の保証も付いています。

サイズ展開 セミシングル・シングル・セミダブル・ダブル
重量 8.2kg
素材 低反発ウレタンフォーム(超高密度51D)/高反発オープンセールスウレタンフォーム
厚さ 8cm
硬さ 硬め(上層80N,下層140N)
メンテナンス カバー洗濯可、3年の品質保証

7位:フランスベッド 折りたたみマットレス フォールドエアー FD-Ag-01

衛生面を重視する人におすすめ

側地に除菌機能糸の「アグリーザ」を使用し、銀イオンの力で99.9%除菌。悪臭の原因菌も除菌するため、体臭や汗のニオイが気になる方にもおすすめ

「高密度連続スプリング」採用で、通気性と耐久性が高いです。寝返りもしやすく、弾力のある寝心地を好む方にもぴったり。

しっかりした感触なので敷き布団としても使えます。収納するときは三つ折りにしてバンドで固定してしまえばOK。

サイズ展開 シングル
素材 ポリエステル、ウレタン、スプリング
厚さ 12cm
硬さ 普通
メンテナンス

8位:昭和西川 ムアツマットレス ベーシック シングル《MuAtsu》

公式サイトを見る

衛生的で通気性もよい

独自「凹凸構造」採用で、身体を面ではなく点で支えることで、耐圧をバランスよく分散。山の最大の沈み込み量は25mmで、身体が沈み込みすぎず、寝返りもしやすいのが魅力。

下層には「高通気ウレタン」を採用することで、湿気を逃がしやすい構造になっており、通気性を重視する人にもおすすめ

上層のウレタンには「Ag+抗菌加工」、側地には「抗菌防臭加工」を施しているので、衛生的に使うことが可能。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
素材 ウレタンフォーム
厚さ 8cm
硬さ 硬め(上層180N/下層230N)
メンテナンス 側地洗濯可

9位:ニトリ 3つ折り高反発マットレス 厚さ10cm

手頃な価格で軽量な三つ折りマットレス

ニトリのマットレスは種類も豊富で人気ですが、こちらは硬めの寝心地を好む人向きの高反発の折りたたみマットレス。沈み込みが少なく寝返りを打ちやすいですよ。厚みも10cmあるため、底つき感もないでしょう。4.6kgと比較的軽量で、持ち運びもしやすいですよ。車中泊用としても人気のある一台。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
素材 ウレタンフォーム
厚さ 10cm
硬さ 硬め(150N)
メンテナンス

10位:トゥルースリーパー プレミアケア 布団タイプ

公式サイトを見る

包み込むような感覚を好む人向き

「二層式」を採用しているのが特徴。上の層は約5cmの低反発素材下の層は約2cmの硬めのウレタンフォームとなっています。体の凹凸が大きい人にもぴったりフィットしやすいでしょう。体を包み込むような柔らかい寝心地が好みで、しっかり体を支えたい人にはおすすめ。

夏は熱がこもるなど、通気性に関してはネガティブな口コミもありますが、冬場は暖かく使いやすいでしょう。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル
中材 ウレタンフォーム
厚さ 7cm
硬さ 柔らかめ
メンテナンス

11位:アイリスプラザ ふつう3つ折りマットレス

マットレスの硬さを調整したい人向き

非常に価格が安く、来客用にもぴったりの高反発マットレス。柔らかめよりの普通の硬さで、マットレスが硬いときに、重ねて硬さを調整する用途にもぴったり。軽量で収納がしやすく使い勝手は◎。厚さは6cmのため、使用環境によっては、底つき感が気になる場合があるでしょう。

サイズ展開 シングル
中材 ウレタンフォーム
厚さ 6cm
硬さ 普通(90N)
メンテナンス

12位:ブレインスリープ マットレス フロート

とくに通気性を重視する人&長く使いたい人向き

独自の3層構造のファイバー素材を採用し、脚・腰・肩を支えます。体に負担が少ないといわれる”少し脚が上がった姿勢”で眠ることが可能。浮遊するかのような反発で、リラックスした状態で眠れる仕様。

90%以上が空気の層でできている超通気性素材を採用で、熱や湿気がこもらずに快適な睡眠に導きます。

また、素材は非常に優れた復元性をもつので、へたりにくく買い替えの目安は約10年と非常に長く使えます。マットレス本体はシャワーで洗うことができ、メンテナンス性も◎。

サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル・クイーン
素材 コットン
厚さ 5cm
硬さ
メンテナンス シャワーで中材洗える、カバー洗濯可

Q&A

Q.マットレスを替えたら、枕も買い替えたほうがいい?
A.「マットレスを買い替えたら枕も見直しましょう。マットレスが硬くなると体が沈まなくなる分、枕が低く感じるので、バスタオルで底上げをするとよいです。

一方、柔らかくなると、体が沈むので枕が高く感じるようになります。中身の素材が変えられる場合は、少し抜いて調整してみてください」

Q.折りたたみマットレスを収納するときのポイントは?
A.「押入れやクローゼットに収納する場合は、湿気がこもらないように、開けて収納するのがおすすめ。それができない場合は、週に1回は通気性のよい場所に出して、開けっ放しにして扇風機で空気の入れ替えをすることが望ましいです。ものを上に載せるとへこむため、立てて収納するのがベスト

Q. 折りたたみマットレスはどれくらいの寿命ですか?
A.「折りたたみマットレスの寿命は3~5年程度。ただし安いものは寿命が来る前に、へこんできて寝にくくなることがあるでしょう。お尻の部分を手で触ってみて、へこんできたら買い替え時期ですね」

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取材・文/福永太郎

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