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Sponsored by 住宅金融支援機構

これから住宅を建てたい方や、中古住宅を買ってリノベーションをしたいと考えている方も多いはず。

ROOMIE編集部員のマツザキもそのひとりです。

収入と支出をしっかり把握し、ふだんから節約を心がけているマツザキ。

いますごく気になっているのが、「取り入れるべき住宅設備」だと話します。

この間の冬は例年よりも電気代が高かったから、エアコンの設定温度を高くするのにビビっちゃって、できるだけ家の中でも厚着しておこうかな……なんて思って着込んでいました。

そのおかげで、家なのに体が重くてリラックスできない! みたいなことがあったんです(笑)。断熱性が低い家は今後ツライかも、と急に心配になってきて……。

そこで今回は「ちゃんと考えて建てないと後悔する住宅設備のポイント」について、建築家の蟻川佑太さんと村田奈津子さんに教えてもらうことにしました。

建築家に聞いた! ちゃんと考えないと後悔する住宅性能3選

ROOMIEの人気連載「みんなの部屋」で、築50年ほどのヴィンテージマンションをフルリノベした住まいを紹介してくれた蟻川佑太さんと村田奈津子さんのおふたり。マツザキの話に頷きつつ、ご自身もリノベの際に力を入れたのは、快適な暮らしを実現するための「省エネ化」だったと話してくれました。

外壁部分の断熱性や、効率の高い給湯器と暖房機器選びにはこだわりました。サッシは交換が難しかったので備え付けの物のままですが、内窓やハニカムブラインドなど、後から設置できるものをいま検討しているところです。

「省エネ住宅」にするためには、大きく分けて「断熱性能」「開口部性能」「高効率設備機器」の3点を検討する必要があります。それぞれポイントを見ていきましょう。(蟻川さん)

1. 断熱性能

屋根・外壁・床などの断熱性能を上げることで、室内の温度を一定に保ち、外部からの熱や冷気を防ぎ、冷暖房の効率がアップ。エアコンの効きが良くなると、消した後の涼しさ、暖かさが長く続くというメリットもあります。

断熱材はあとからの交換・設置が難しいので、可能な範囲で性能の高いものを選定しましょう。

2. 開口部性能

窓やドアといった開口部の性能を上げると、熱や冷気の流入を抑え、断熱効果を高めることができます。窓の断熱性を高める主な手段としては二重サッシ(二重窓)と複層ガラスがあります

二重サッシは窓枠の内側と外側に1枚ずつガラス窓を配置するもの。冷暖房の効率も防音性能も向上しますが、窓が2つの設置となるため、掃除の手間が増えるところは少し注意しなければいけません。

一方、複層ガラスは1枚のサッシの中にペアガラスだと2枚、トリプルガラスだと3枚と複数のガラスと空気の層で構成され、ガラスそのものの断熱性能を向上させたもの。ガラスの枚数を重ねることで断熱性能は上がります。現在では一般的な断熱窓の一つとして広く利用されています。

3. 高効率設備機器

近年、断熱材やサッシへの注目は高まってきましたが、節約面ではエネルギー消費の高い機器──特に給湯器や暖房機器の選び方が重要。より高効率の機器を選定することで、エネルギーの消費量を抑えることができます。

例えばガス式給湯器の「エコジョーズ」は、使わずに捨てていた排気熱を利用してガス消費量を減らし、CO2の排出量を削減します。効率が良いので光熱費を抑えられるだけでなく、環境保全にも役立ちます

人気の床暖房は足元から部屋全体が温まり、エアコンの風で乾燥することもないのが魅力ですが、光熱費も安くなるとは限りません。快適性能も上げて、光熱費も節約したいということであれば、太陽光パネルやエネファームで必要なエネルギーを補助することも検討してみましょう。

経済的メリットだけでなく、健康面でのメリットも

3つの性能を向上させた「省エネ住宅」は、室内の温度差が少なく、快適に過ごせることが最大のメリット。高い断熱性と気密性は、体への負担を減らし健康を守ってくれるそう。

窓や出入り口など開口部の断熱性能を高めれば、結露も軽減することが期待できます。結露はカビの発生につながるので、できれば設計の段階から予防しておきたいところです。

これらの設備は建設費は上がるものの、日常の光熱費を下げることができ、長期的な視点で見れば経済的なメリットを受けられる可能性が高まります。設備によっては補助金の対象となるものがあるので、どの設備が対象になるのか確認すると良いと思います。とはいえ導入にはコストがかかるため、生活スタイルや予算に合わせて最適な設備を選ぶことが大切です。(村田さん)

2025年から新築住宅は「省エネ基準適合」が必須だって知ってた?

今回ご紹介した住宅設備は、脱炭素社会の実現に向けて、国が定めた「省エネ住宅」の条件に合うものです。これまでも新築住宅の省エネに関して国の制度が制定されてきましたが、ついに2025年4月(予定)から、すべての新築住宅・非住宅に「省エネ基準」への適合が義務付けられることになりました

これは、将来的には「省エネ基準」適合住宅以上でないと、新築住宅の住宅ローン控除が受けられなくなるということです。「省エネ基準」義務化後に新築の住宅を建てたい方は、控除を受けるためには省エネ住宅にする必要があります。(蟻川さん)

省エネ基準とは、国が建築物省エネ基準法によって定めた基準のこと。屋根や外壁、窓といった住宅の外皮基準と、暖房機器や照明、給湯器などのエネルギーを使用する設備の基準が定められています。

そして、新築住宅を取得する際に、これら一定の条件を満たしていれば、住宅ローン【フラット35】Sを利用することによって、【フラット35】の借入金利から一定期間金利の引下げが可能になります。

【フラット35】とは、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する、最長35年の全期間固定金利の住宅ローン。【フラット35】S「省エネルギー性」「耐震性」「バリアフリー性」「耐久性・可変性」の4つの基準のうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅を取得する場合に利用することができます。

さらに、住宅が「ZEH(net Zero Energy House:ネット・ゼロ・エネルギーハウス)」の水準に達していると、さらなるお得が。【フラット35】S(ZEH)を利用することで、【フラット35】の金利引下げだけでなく、税制の特別措置が受けられ、国からの補助金が利用できるのです

出典:住宅金融支援機構2023年4月版【フラット35】パンフレットより

2025年4月(予定)から新築住宅に省エネ基準への適合が義務化されることに先駆け、2023年4月から新築住宅で【フラット35】を利用するためには、 「省エネ基準」への適合が必須条件になりました。求められる断熱性能は、「等級2相当以上」から「等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上」へと上がっています。

詳しくは【フラット35】の「省エネルギ-基準ポータルサイトなどを参考に、しっかり確認していきたいですね。

フラット35で「快適に健康に過ごすための施工」を

蟻川さんと村田さんのお話を聞き、「冬も夏も快適に過ごせるうえに、光熱費も住宅ローンも安くなって、しかも環境にもやさしいなんて、これほどいいことないんじゃないかな」と乗り気のマツザキ。

物件を購入するのなら、「家の機能」として持っておいた方がいい設備にはこだわりたいなと思いました。機能的な設備がない住まいだと、結局は家電に頼るしかない。電気代が、環境問題が……と気を遣わなきゃいけなくなって、心が貧しくなりかねないなって思うんです。

賃貸じゃなくて「快適な暮らしを実現するために選んだ、自分たちのための住まい」だから、それを叶えるためにも我慢しない選択をしたいですね。(マツザキ)

「省エネ住宅」は電気代の節約になったり、健康的で住み心地が良くなったりするだけでなく、お得に住宅ローンを組むためにも必須の条件

2025年以降に家を購入したい方や、今まさに【フラット35】の利用を検討している方は、ぜひ「省エネ住宅」と【フラット35】の金利の引下げ制度についてチェックしてみてください。

蟻川佑太さん、村田奈津子さん
共に大学院卒業後、蟻川さんは公共施設などを多く手掛けている時設計事務所に入所、村田さんは住宅の新築やリノベーションを多く手掛けている設計事務所に入所。その後、2015年に共同主催で設計事務所を開設し、現在は文京区を拠点として新築住宅の設計やマンションのリノベーション設計を中心に活動中。
株式会社 蟻川建築設計事務所

Photographed by Kosumo Hashimoto(4、5、6、8枚目以外)

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