lifehackerより転載

こちらは「かいサポ(お買いものサポーターチーム)」が編集・執筆した記事です。

高圧・高温で食材をやわらかく仕上げる調理器具、圧力鍋。時間のかかる煮込み料理をスピーディーに作れるので、ガス代や電気代の節約になります。蓋があれば普通の鍋としても使えるので一台あると便利。

圧力鍋を選ぶ際は、使いやすさや使用人数を考慮することが大切。初心者は、圧力がかかったタイミングを音で知らせてくれるおもり式が安心です。容量は人数+1Lが基本ですが、作り置きをする方は少し大きめがおすすめ。

今回は、圧力鍋の選び方や、使い方などの基礎知識を料理研究家の森崎友紀さんに解説いただきました。また森崎さんにお聞きした選び方のポイントを参考におすすめ圧力鍋を、人気ブランドの商品から厳選して紹介します。

森崎友紀さんのイメージ

森崎友紀さん
管理栄養士・製菓衛生師・中医薬膳指導員の経験を生かし、「アンチエイジング」「ダイエット」「妊婦・授乳婦」の簡単レシピを考案。身近な食材でお洒落な食卓を演出。料理研究家として各種メディアへ出演。「ママがんばらないで離乳食」 (TWJ books) を出版。2児の母。

■ 目次

圧力鍋の魅力・作れるメニュー

圧力鍋の選び方

人気ブランドの圧力鍋おすすめ9選
 -初心者が使いやすい圧力鍋
 -1人暮らしにおすすめの圧力鍋
 -ファミリーにおすすめの圧力鍋

Q&A|使い方・お手入れ・簡単レシピ

圧力鍋の魅力・作れるメニュー

Image: Shutterstock

「人数が多いときに、普通のお鍋で煮込み料理をつくると、調理時間が長くなります。圧力鍋があると半分以下の時間で調理できるので、大人数の調理をする人は重宝するでしょう。

角切りにしたかたまり肉を使うカレーなら、圧力鍋で煮込んだほうがお肉がトロトロになります。お米を炊くと早いうえに美味しいですよ」

【向いているメニュー】
・ブロック肉(豚の角煮・チャーシュー)
・煮込み料理(カレー・シチュー・おでん)
・煮豆(五目豆・黒豆)
・根菜類(豚汁・筑前煮)
「お鍋で15分以上煮込む料理」が圧力鍋を使うのに向いています。

電気圧力鍋との違いは?

「電気圧力鍋は電気を使った調理器具なので、火を見ておく必要がなくほうっておけるのがメリット。ただ電気圧力鍋は調理に時間がかかるので、早く調理するのが目的なら圧力鍋がおすすめ


圧力鍋の選び方

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圧力鍋の選ぶ際のポイントは「種類」「圧力の調整」「素材」「容量」「対応熱源」の5つ。使用人数や使いやすさ、作るメニューなどを考慮して注目してみましょう。

種類(おもり式・スプリング式)

圧力鍋の種類を大きく分けると「おもり式」「スプリング式」の2種類。圧力鍋は圧力がかかったら弱火にする必要があります。おもり式とスプリング式では圧力がかかったタイミングの知らせ方に違いがあります。

なお、圧力鍋を洗う時に、おもり式とスプリング式で大きな違いはありません。どちらも内側のゴムやパッキンを外してしっかりと洗浄し、乾かしましょう。

・おもり式:音で知らせる!初心者向け

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おもり式は蓋の蒸気が出るところにおもりをセットして使用します。「シュー!」と音が鳴り、圧力がかかったタイミングを知らせます。

「おもり式は音が大きいですが、火力調整のタイミングがわかりやすいのがメリット。ものによっては、二階まで音が聞こえるレベルなので、大きな音が気になる方には不向き。おもり式は、圧力調整ができないものもあるので購入の際にはしっかりチェックしましょう」

・スプリング式:音が静か!慣れている方向け

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スプリング式は、蒸気口のバネで圧力を調整します。圧力がかかると表示ピンで圧力がかかったタイミングを知らせます。

「スプリング式は音が静かなので、圧力がかかったタイミングを目視で確認する必要があります。ただ慣れてくると圧力がかかるタイミングは体感でわかりますよ。スイッチで圧力を調整ができるモデルは、切り替えがしやすくて便利」

圧力の調整

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圧力鍋は製品によってかけられる圧力の強さが違います。圧力は低圧・高圧と切り替えられるタイプが多いですが、なかには圧力が調整できないものも。

低圧(50~70kPa程度)は野菜の煮崩れを避けたい方向きです。高圧(100kPa以上)は肉や根菜などの硬めの食材や、魚を骨ごと調理したい方向き

「家庭用であれば、圧力は100kPaあれば十分。100kPa以上かけられないものもあるので、かたまり肉を頻繁に使う方はチェックしましょう。野菜に高圧をかけると、ドロドロになります。圧力の調整機能があったほうが使い勝手がよいですよ」

素材

素材は大きく分けると「ステンレス」「アルミ」「多層構造」の3種類。調理の目的や使いやすさを考慮して予算に合わせて選びましょう。

■ ステンレス
◎保温性が高い
△重い・熱伝導率が低い
向いている用途:圧力がかかるまで時間が長いが保温性が高いため、ビーフシチューなどの余熱調理向き

■ アルミ
◎安価・熱伝導率が高い・軽量
△酸性やアルカリ性に弱く汚れやすい
向いている用途:熱伝導率が高いため、調理時間を短くしたい方向き

■ 多層構造(ステンレスの層の間にアルミなどの金属を挟んだ構造)
◎アルミとステンレスの長所を兼ね備えている
△高価
向いている用途:幅広いメニューを作れる

「ステンレスは水分をきっちり拭いて使えば長持ちしますよ。多層構造は高価ですが、アルミとステンレスのいいとこ取りなのでおすすめ

容量

家庭用の圧力鍋の容量は2~6Lほどです。使用人数を考慮して選びましょう。

人数+1Lが選び方の基本ですが、私はそれよりひとまわりくらい大きめのサイズを使います

野菜は入れる段階ではスペースをとりますが、圧力をかけると大分縮みます。少し多めに作りたいときも、小さいと入らないことがあるのですが、大きめだと安心感がありますよ。煮物をたくさん作り置きしたいときにも便利です。

ただ急冷するときに、大きすぎてシンクに入らない場合があるので購入の際は注意が必要。ご飯や玄米を炊く用途なら小さい圧力鍋でも十分です」

対応熱源

圧力鍋によってIH・ガスなどの対応熱源が異なります。

「最近はオール熱源対応のものがほとんどですが、購入の際は必ず確認しましょう」


人気ブランドの圧力鍋おすすめ9選

初心者が使いやすい圧力鍋

ティファール クリプソ ミニット デュオ レッド 4.2L

世界的に有名な調理器具ブランドの「ティファール」の圧力鍋は、デザイン性を重視する方にも支持されています。

「クリプソ ミニット デュオ」はひとつで「圧力鍋」「普通の鍋」の両方使える人気モデル。セレクターを回すだけで「圧力鍋モード」「鍋モード」の切り替えができますよ。

特許取得のハンドルは、上げ下げするだけで片手で簡単に開閉が可能。チタンコーティングを施してあるため、食材がこびりつきにくく、油汚れも落としやすい仕様です。軽量なので持ち運びも楽。

厳しい安全基準をクリアした安全設計も魅力。機能重視の方にもおすすめの一台です。

種類 スプリング式
容量 4.2L
容量展開 4.2L/5.2L
素材 本体:アルミニウム、底:アルミニウム・ステンレスSUS430(アルミニウム+ステンレス鋼16-0)
圧力調整
対応熱源 ガスコンロ/電磁調理器(IH 100V-200V対応)/電気プレートコイル/セラミックヒーター/ハロゲンヒーター

パール金属 圧力鍋 2.5L クイックエコ H-5039

1967創業の新潟県三条市に本社を置くキッチン用品メーカー。人気アウトドア用品ブランド「キャプテンスタッグ」を手掛けています。圧力鍋は使いやすくてリーズナブルなのが特徴。

「クイックエコ」はダイヤルで高圧・低圧の切り替えが可能。煮崩れしやすい野菜は低圧で、硬いお肉の調理は高圧にするなど、食材によって使い分けができます。

鍋の底面がステンレス鋼・アルミニウム・ステンレス鋼の3層構造になっているのも魅力。焦げ付きにくく保温性に優れる仕様です。オール熱源対応なのもうれしいポイント。

2.5L・3.5L・4.5L・5.5Lとサイズ展開も豊富なので、人数に合わせて選びやすいですよ。

種類 スプリング式
容量 2.5L
容量展開 2.5L/3.5L/4.5L/5.5L
素材 本体:ステンレス鋼、はり底:アルミニウム合金・ステンレス鋼
圧力調整 高圧(100kPa)/低圧(60kPa)
対応熱源 ガスコンロ/IH/シーズヒーター/ハロゲンヒーター/エンクロヒーター/ラジエントヒーター

フィスラー(Fissler)ビタクイックプラス 4.5L

1845年設立の世界的に知られるドイツの高級調理器具ブランド「フィスラー」。世界初のスプリング式圧力鍋を開発したことで知られています。

「ビタクイックプラス」はフィスラーのなかでも購入しやすい価格で、初心者に使いやすい機能満載圧力表示がシンプルで確認しやすく、フタの開閉も目印付きなのでスムーズにできます。

音も静かでデザインもおしゃれ。フタの取っ手などのパーツは取り外し可能でお手入れも簡単です。正しくロックされないと圧力がかからないなど安全機能も優秀。

種類 スプリング式
容量 4.5L
容量展開 2.5L/3.5L/4.5L/6.0L
素材 本体:ステンレス、底:ステンレス・アルミニウム
圧力調整 高圧/低圧
対応熱源 ガスコンロ/IH/電磁調理器/ハロゲンヒーター

アサヒ軽金属 ゼロ活力なべ M

1944年創業の国産調理器具メーカー「アサヒ軽金属」のシリーズ累計300万台突破のおもり式の圧力鍋

146kPaの世界最高クラスの調理圧が特徴。かたまり肉や魚の骨など硬い食材も短時間でやわらかくなりますよ。加圧時間0分でカレーが作れると話題で、時短調理したい方にはおすすめ。

赤と白のおもりを交換するだけで、低圧・高圧の設定が可能。鍋には最大調理量を記したメモリも記載してあるので初心者も安心

98レシピ掲載したガイドブック付きなのもうれしいポイント。安心の30年保証で長持ちですよ。

種類 おもり式
容量 3.0L
容量展開 2.5L/3.0L/4.0L/5.5L
素材 本体:ステンレス・アルミ 5層クラッド鋼
圧力調整 高圧/低圧(おもりの付け替えで調整)
対応熱源 ガスコンロ/IH/電気クッキングヒーター/ハロゲンヒーター

ティファール クリプソ ミニット パーフェクト 4.5L

ティファールの圧力鍋の上位モデル。スプリング式ですが、タイマー付きで火加減調整のタイミングをアラームで知らせてくれます

調理時間を最大1/3まで短縮できます。従来品よりも本体重量が30%ほど軽量化。ステンレス製ですが重量2kgほどで持ち運びしやすく、洗いやすいのも魅力です。特許取得のハンドルは上げ下げするだけで簡単に開閉が可能。

ガラスぶた付きなので、普通の鍋としても使えます。タイマーが不要ならほぼ同じつくりで価格が安いクリプソ ミニット イージーがおすすめ。

種類 スプリング式
容量 4.5L
容量展開 4.5L/6.0L
素材 本体:ステンレスSUS304、底:アルミ・ステンレス
圧力調整
対応熱源 ガスコンロ/電磁調理器(IH 100V-200V対応)/電気プレートコイル/セラミックヒーター/ハロゲンヒーター

1人暮らしにおすすめの圧力鍋

アイリスオーヤマ 片手圧力鍋 3L KAR-3L

アイリスオーヤマの3Lのスプリング式の圧力鍋。リーズナブルで使いやすい設計が魅力です。

ハンドルをスライドするだけなので開閉が簡単。圧力はレバーを切り替えるだけで、低圧と高圧を切り替えられます。圧力がかからないと蓋が開かない、などのセーフティ機能も多く搭載している安心設計。3層構造で保温性と熱伝導率に優れますよ。

持ち手とは反対側にも取っ手がついているため、両手で持ち運びができるのもうれしいポイント。ガラス蓋も付属しているので普通の鍋としても使えますよ。

種類 スプリング式
容量 3.0L
容量展開 3.0L/5.0L
素材 本体:ステンレス鋼(クロム18%、ニッケル8%)、はり底:ステンレス鋼(クロム16%)
圧力調整 高圧(60kPa)/低圧(100kPa)
対応熱源 IH/ガスコンロ

ビタクラフト スーパー圧力鍋アルファ 2.5L

1939年アメリカ創業で、高級調理器具メーカーとして世界的人気を誇る「ビタクラフト」。

こちらは1人暮らしにぴったりの2.5Lの圧力鍋。アルミとステンレスの長所を兼ね備えた、全面多層構造採用で、保温性が高く熱が伝わりやすい仕様です。熱効率に優れるため、魚や肉に含まれる油だけで調理が可能。ヘルシー志向の方にもぴったり。

付属のエキストラカバーを使えばお鍋として使えます。温めなおしするときや、カレーのルーを入れるときにも便利。本体とフタがしっかり密着し、熱や水分を逃がさないため、無水調理もできますよ。

種類 スプリング式
容量 2.5L
容量展開 2.5L/3.5L/6.0L
素材 本体:アルミ・ステンレス
圧力調整
対応熱源 ガスコンロ/IH(電磁調理器)/ハロゲンヒーター/ラジエントヒーター/シーズヒーター

ファミリーにおすすめの圧力鍋

ヘイワ アルミ 片手圧力鍋 PC-45A

40年以上支持されている国産圧力鍋のロングセラー商品。おもり式なので圧力がかかったら音で知らせてくれるので初心者の方にも向いています。

玄米やお米が美味しく炊けると評判の一台。おもりを交換することで、圧力調整もできます。容量6Lは一升まで炊飯が可能なので大家族用にもぴったり。1人暮らしの方には、容量2.8Lのコンパクトサイズがおすすめ。

アルミニウム製なので軽量で持ち運びしやすい点も魅力。IHには対応していませんが、大容量でありながら価格はお求めになりやすいですよ。

種類 おもり式
容量 4.5L
容量展開 2.8L/4.5L/6.0L/10.0L
素材 アルミニウム
圧力調整
対応熱源 ガスコンロ

ワンダーシェフ 魔法のクイック料理 両手圧力鍋 5.5L

140kPaの超高圧が特徴の圧力鍋。玄米は4分、角煮は8分で調理が可能。時短重視の方にもおすすめ。

野菜や魚介系の食材を使うときは、圧力を抑えることもできます。おもりをまわすだけで、超高圧と高圧の2段階の圧力を簡単に切り替えられますよ。

サイズは5.5L。4~5人家族にぴったりで、作り置きしたい方も便利に使えます。料理研究家浜田陽子先生の圧力鍋のレシピ本付きなのもうれしいポイント。

種類 おもり式
容量 5.5L
容量展開 3.0L/5.5L
素材 側面:ステンレス鋼、底面:ステンレス鋼・アルミニウム・ステンレス鋼 (3層構造)
圧力調整 超高圧(140kPa)/高圧(80kPa)
対応熱源 ガスコンロ/200V電磁調理器/ラジェントヒーター/ハロゲンヒーター

Q&A|使い方・お手入れ・簡単レシピ

Q.圧力鍋の使い方は?

A.「圧力がかかったタイミングで弱火にします。圧力をかけ終えたら余熱。そのあと蓋を開けるのですが、『自然に冷えるまで待って開ける』『水をかけるなどして急冷して開ける』ふたつのパターンがあります。肉はしっかりやわらかくするため、急冷よりも自然に開けることが主。野菜の食感を残したいときは急冷することが多いです」

【圧力鍋の使い方】
(1)火にかける
(2)圧力がかかったら弱火に。加熱時間はレシピに合わせる
(3)火を止めて15分ほど放置
(4)蓋を開ける

Q.圧力鍋のお手入れ方法は?

A.「圧力鍋はニオイが残りやすいです。おもり式とスプリング式とも洗い方に大きな違いはなく、必ず洗って、しっかり拭いて、乾燥させることが大事。洗うときは、雑菌の繁殖の原因になる内側のゴムやパッキンを外すのがポイント。

パッキンを逆につけると圧力がかからないので、付け直すときは注意してください。タワシでゴシゴシ洗うと傷がつくので、やわらかいスポンジを使ってください。使い古しの歯ブラシは細かい部分も洗いやすいのでおすすめですよ」

Q.圧力鍋を使う際の注意点は?

A.「レシピに合わせて、水分や食材の量を守ることが重要。中身を入れすぎると爆発する可能性も。水を満杯に入れるのは控えましょう。ただ、水が少なすぎると煮ている豆が焦げてしまうことも。少なめのほうが成功しやすいですが、最初はレシピ本通りにきっちり計量して作るのがおすすめ。

ちくわや、はんぺんなどの練り物系は膨張するので使用を控えましょう。カレーのルーも加圧すると爆発する可能性があるため、加圧の工程が終わってから、蓋を開けて入れるようにしましょう」

Q.おすすめの簡単レシピは?

Image: Shutterstock

A.「『やわらか簡単チャーシュー』をおすすめします」

【「やわらか簡単チャーシュー」のレシピ】

■材料(4人分)
・豚肩ロースかたまり 600gぐらい
・ぶつ切りした長ネギ 1本
・しょうがの薄切り 5枚

A
・水 150cc
・酒・みりん・醤油 各60cc
・砂糖 大さじ2

■作り方
(1)Aは混ぜ合わせておき、圧力鍋にすべての材料をいれる。
(2)15分ほど圧力をかける。自然に蓋を開け、煮汁に浸る状態で冷ます。
(3)適当な厚さに切って器に盛る。

「ラーメンのトッピングにしたり、ご飯に乗せて温泉卵と小口切りのネギをトッピングしたりするのもおすすめ。豚丼にしても美味しいですよ」

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