30

料理家の松本日奈さんが、キッチンにまつわるあれこれをつづる連載「キッチンにひと工夫」。

今回ご紹介するのは、おがくずの中に隠れているもの。さて何でしょう。

おせちや茶碗蒸しでしか見かけない?

おがくずの中に隠れているものの正体は「百合根」です。おせちや茶碗蒸しなどに入っているほかは、あまり食べる機会がないですよね。

以前、カリフラワーがあまり買われない野菜のひとつとお伝えしましたが、百合根もお店で出されたものを食べるだけで、調理の仕方を知らない方も多いかもしれません。

しかし、植え付けから収穫までに3年をかけて大切に育てられている百合根を、おうちでも美味しく食べたい。そう思い、今回ご紹介することにしました。

美しい花びらのよう。優しく扱って

傷や乾燥を防ぐためにおがくずに入って売られているものが多いのですが、おがくずからそっと取り出した百合根は、白いお花のようです。

おがくずを拭うように優しく洗い、1枚ずつはがしていきます。美しく花びらのようで、うっとりしてしまいます。

チーズフォンデュやサラダ、グラタンにも

百合根は和食で食べることが多いですが、洋風にも合いますよ。鍋に少量の水を入れて蒸し上げたら、オリーブオイルと塩をかけるだけでもじゅうぶん美味しいです。

先日、バゲットやボイルした野菜とともに、百合根をチーズフォンデュにしたところ、あまりの美味しさにびっくり。百合根はチーズにも合うという新たな発見でした。

百合根そのものは淡白な味わいですが、軽く火を通すとシャキッとした食感に。しっかり火を通すとほくっとした食感になります。

バラして生のまま揚げてチップスにしたり、豚肉や鶏肉と一緒に炒めたりしても美味しそう。ごま油との相性も良いですね。「グラタンにも! あ、サラダにも!」と妄想が止まりません(笑)。

2月ぐらいまでが美味しい旬の百合根。店頭で見かけたらぜひ手にとって料理に生かしてみてください。

花粉症のマストアイテム。ティッシュケース兼用のポーチがあれば安心!

Ranking

RELATED ARTICLES