ライフハッカー[日本版]より転載。

仕事のメールや、ソーシャルメディアの通知がひっきりなしに届く今の世の中で、集中力を保ち続けるのは永遠の課題です。

高い集中力を保つことの大切さ(と難しさ)はよく話題になりますが、これから説明するように「注意力(attention)」のタイプはいくつかあり、そのすべてにそれぞれの役割があります。

退屈から生まれる創造性というものが存在します。頭を使わない決まりきった作業から得られる安らぎもあります。困難で逃げ出したくなるような仕事にさえ、全力で取り組むと満足感が得られる場合があります。

注意力には一般的に「集中している状態」と「集中していない状態」の2つの状態があると考えられてきました。

研究者であり『Attention Span: A Groundbreaking Way to Restore Balance, Happiness and Productivity(注意力の範囲:安定、幸福、生産性を取り戻すための画期的な方法)』(邦訳なし)の著者でもあるGloria Mark氏はそう説明します。

ところが実際は、もっと微妙な違いによって分かれているのです。

注意力の4つのタイプとは

Mark氏をはじめとする研究者によると、注意力を構成する要素は2つあります。「困難さを伴うやりがい(challenge)」と「意欲(engagement)」です。

注意力というと、たいていは集中力(deep focus)が思い浮かびますが、これには高いレベルの「意欲」と「困難さ」が含まれます。しかし「やりがい」はあるのに「意欲」がないこともあれば、「意欲」はあるのに「やりがい」がないことも。

ということから、注意力は次の4つのタイプに分類できます。

つまり、「集中する時の注意力(focus)」、「頭を使わない作業をする時の注意力(rote)」、「退屈な時の注意力(boredom)」、「フラストレーション(ストレス)下での注意力(frustration)」です。

集中する時の注意力

私たちが注意力という時、たいていは「1つのことに集中する時の注意力」を意味しており、「集中する時の注意力」には一定の意欲があります。あなたは積極的に注意を払って取り組み、困難さを伴ったやりがいも感じているのです。

「それが集中している状態です」とMark氏は説明します。

あなたが何かに集中している場合、頭は、その何かを深く理解しようと働いています。そこには多少の困難さもあります。

頭を使わない作業をする時の注意力

高い集中力には、「意欲」と「困難さを伴ったやりがい」が欠かせません。ところが、何かを意欲的に行なっていても、実は困難さのある作業に取り組んでいない場合も。

Instagramフィードのスクロールなどがこれに当たり、このタイプの注意力を「頭を使わない作業をする時の注意力」と呼びます。

「これは特に、デジタル時代に関係することです」とMark氏。

パソコン(やスマホ)には、私たちの注意力をとらえるものが実にたくさんありますが、困難さを伴うやりがいを感じることはありません。使われるのは、根本的に違う種類の注意力なのです。

退屈な時の注意力

やりがいがなく、積極的に取り組んでもいないなら、退屈します。これは誰もが経験することです。

「退屈すると、時間の経過をもっと意識するようになります」とMark氏。

それは、「注意資源(attentional resources:何かに意識を向ける時に使うエネルギー)」を使って何かに取り組んでいる状態ではなく、頭の中に空きスペースがあるからです。

退屈は楽しくないかもしれませんが、それが役に立つことも。「退屈は、かなり苦痛を伴う経験でしょう」とMark氏は言います。

けれども、退屈を紛らわせるためにしたことによって、新しいことや、思いもしなかったことに気づき、創造性に富むたくさんの方法で集中力のスイッチを入れるきっかけになる場合があるのです。

フラストレーション下での注意力

フラストレーションは、「困難さを伴うやりがい」はあるものの、ほとんど、あるいはまったく意欲がわかない作業をしている時に感じます。つまり、難しくて高い注意力が求められるけれど、楽しくはない仕事をしている時に抱きがちな感情。

Mark氏が指摘するように、この状態になると、エネルギーを急速に使い果たしてしまう傾向があるため、何としても避けたいものです。

注意力を最大限に発揮するには

何かに集中する時の注意力は貴重なものですが、実際のところ多くのエネルギーを必要とします。つまり、長時間持続させることはできないのです。「人の『注意資源』は限られています」とMark氏は言います。

注意力の容量」と考えてもいいでしょう。

注意力を最大限活用するために、限られたエネルギーを賢く使う方法の1つとしてMark氏が勧めるのが、「集中する時の注意力」と「頭を使わない作業をする時の注意力」を切り替える方法を見つけることです。

1日中何かに集中していると、エネルギーはたちまち尽きてしまいます。1つのことに集中するには、たくさんの注意資源が必要です。

けれども、頭を使わない作業をする時に必要な注意資源や、退屈な時に必要とされる注意資源は、ごくわずかです。その一方で、フラストレーション下では多くの注意資源を必要とします。

Mark氏のアドバイスによると、あまりエネルギーを使わないのに、意欲を大いに掻き立ててくれる「頭を使わない作業をする時の注意力」は、エネルギーを回復する1つの方法になります。

単純で頭を使わないゲームであっても、エネルギー補給の役割を果たしてくれるのです。

自分の注意資源の容量を意識して、自分の注意力の状態を自分で切り替えられるようになりましょう。そうすれば、手遅れになる前に切り替えができます。

集中する時の注意力」のためのエネルギーを補給するには、単純なゲームをしたり、散歩してリラックスしたりなど、「楽しめるけれど頭を使わないアクティビティ」を見つけるといいでしょう。

本当の課題は、注意力に振り回されないようにすることです。

「集中する時の注意力」を使ったあとには、「頭を使わない作業をする時の注意力」を使ってエネルギーを補給し、必要な時に「集中する時の注意力」に戻れるよう、しっかりコントロールするのです。

とMark氏はアドバイスしています。

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Rachel Fairbank – Lifehacker US [原文] 翻訳 浅野美抄子(ガリレオ)

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