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撮影:合田和弘

ヘルシーで高タンパク、お財布にもやさしい「鶏ささみ」。もっと使いたいと思いつつ、料理すると「パサついてる」「アッサリしすぎ」と評判がイマイチで、あまり活用できずにいました。

ところが公邸料理人こばこばさんの「10分でひと晩漬け込んだみたいな魔法のレシピ」を試したら、鶏ささみが超しっとり・柔らかなお肉に大変身したんです。

下味で「塩をふる」とパサつく理由

ケニアの日本大使館で公邸料理人をつとめ、現在は堺市にてイタリアンレストランを営むこばこばさん。


肉や魚に下味をつけたいときは、「塩をふる」のが常識です。でもこれだと、食材中の水分が表面に出て旨みが逃げてしまう。その上、表面の水分を拭き取ると、素材が脱水症状になってパサついてしまう……とこばこばさん。

そこで、こばこば流では素材を保水しながら下味をつけていきます。名付けて、塩分濃度2%のポリ袋密閉!(中略)

塩分濃度が2%以上になると、ポリ袋の中は魔法の世界に! 素材から一旦外へと流れ出た旨みを含んだ水分が、合わせ調味料と混ざり、極上の調味料となって再び食材の中へと戻るのです。

(『公邸料理人こばこばの 家庭の味が劇的にアップする 極上! 神ワザレシピ』99ページより引用)

鶏ささみを100g(約2本)使うなら、ポリ袋の中身は「塩・約小さじ2+水・約大さじ2」。さっそくこの分量で、手軽なパスタを作ってみました。

「至福の鶏ささみペペロンチーノ」のつくり方

(本書100ページより)

<材料(2人分)>

  • 鶏ささみ…100g(約2本)
  • A 水…30g(約大さじ2)
  • A 塩…12g(約小さじ2)
  • ブロッコリー…100g(約1/2株)
  • にんにく…10g(約2かけ)
  • 唐辛子…2g(約1本)
  • オリーブオイル…40g(約大さじ3)
  • スパゲティ…140g
  • <つくり方>

    鶏肉を漬け込んだ塩水は、スパゲティをゆでるときに再利用する。(本書101ページより)

    1. ポリ袋に鶏ささみとAを入れ、軽く手でもむ。中の空気をできるだけ抜いて、口を結び、10分おく

    2. ブロッコリーを小房に分ける。 にんにくは瓶の底でつぶし、粗みじん切りする。

    ささみをゆでたお湯でブロッコリーをゆでると、肉の旨みが移っておいしくなる。(本書101ページより)

    3. 鍋に1の塩水と鶏ささみさらに水400g(約2カップ/分量外)を入れてから、中火にかける。沸騰したら2のブロッコリーを入れて1分ゆで、鶏ささみとブロッコリーをざるにあげる。ゆでたお湯は捨てずに残しておく。

    4. 鶏ささみを手で食べやすい大きさに割く。

    にんにくはきつね色になるまで炒めるのはNG。にんにくの周りが少し泡立ったら、火を止める。(本書101ページより)

    5. フライパンにオリーブオイルをひき、2のにんにくと唐辛子を入れて中火にかける。にんにくの香りが立ったら火を止めて、3のブロッコリーと4の鶏ささみを加えて絡める。

    6. 3のお湯が残った鍋に水400g(約2カップ/分量外)の水を足す。沸騰したらスパゲッティを袋の表示時間ゆでる

    7. スパゲティを5のフライパンに入れて中火にかけ、絡める。

    (『公邸料理人こばこばの 家庭の味が劇的にアップする 極上! 神ワザレシピ』100ページより引用)

    鶏ささみは加熱が難しいと思っていましたが、下味のつけ方でここまでしっとり、なめらかな舌ざわりになるなんて。アッサリしがちな部位とは思えない、深みのある肉の旨みにも驚かされました。

    栄養豊富なブロッコリーもたっぷり食べられて、これはランチの定番になりそう……。

    塩分濃度2%のポリ袋密閉」の技は、鶏もも肉の唐揚げや、豚バラ肉をベーコン代わりに使うカルボナーラにも応用できるとのこと。ぜひ本書を参考に、肉料理のレパートリーを増やしてみてください。

    公邸料理人こばこばの 家庭の味が劇的にアップする 極上! 神ワザレシピ

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