撮影:合田和弘

突然ですが、電子レンジの「低ワット加熱」の機能を使ったことはありますか?

 「150W」「200W」など、低いワット数でチンできるらしいけど、時間もかかるし何かいいことあるのかな……と、ずっと疑問だったのです。

ところが『公邸料理人こばこばの 家庭の味が劇的にアップする 極上! 神ワザレシピ』(徳間書店)によると、「低ワットレンチン」には驚きのメリットがあるのだそう。

この技を生かして、玉ねぎの甘さが際立つオニオングラタンスープをつくってみました。

野菜は「低ワットでレンチン」がこばこば流

ケニアの日本大使館で公邸料理人をつとめ、現在は大阪心斎橋でイタリアンレストランを営むこばこばさん。(本書3ページより)


今までの「当たり前」を覆す料理テクニックで、おなじみのメニューをおいしくて簡単、しかもヘルシーな傑作に変えてくれるこばこばさん。

今回の神ワザは、野菜の甘みをぐぐっと引き出す「低ワットレンチン」です。

こばこばさんいわく、野菜を100~200Wで「低ワットレンチン」すると、65~80℃の温度帯で長く加熱できます。こうすることで野菜のシャキシャキ感は残りつつ、甘みが俄然増すのだとか。

この温度帯では野菜の甘みが育つ糖転化という現象が起こっています。アミラーゼという酵素が働き、でんぷんを麦芽糖やオリゴ糖へと変化させているのです。

(『公邸料理人こばこばの 家庭の味が劇的にアップする 極上! 神ワザレシピ』50ページより引用)

(本書50ページより)


「低ワットレンチン」した玉ねぎは、クタッとしてつややかで、蜜を染み込ませたような甘さが出てきます。じゃがいも、にんじん、かぼちゃなど、アクが少なくでんぷんの多い野菜は、この方法でおいしく火を通すことができるそうです。

「ナッツ香るとろ~りオニオンスープ」のつくり方

(本書54ページより)

<材料(2人分)>

  • 玉ねぎ…200g(約1個)
  • アーモンドスライス…10g
  • ピザ用チーズ…30g
  • A 洋風だし汁…200g(約1カップ)
  • A 粉チーズ…2g(約小さじ1)
  • A 塩…2g(約2つまみ)
  • A シナモン…1g(約1つまみ)
  • A オリーブオイル…3g(約小さじ1)
  • <つくり方>

    (本書54ページより)


    1.玉ねぎを電子レンジで150W16分加熱後(※)、1cm幅のくし切りにする。

    (本書54ページより)


    2.耐熱容器に1の玉ねぎ、アーモンドスライスとAを入れ、ピザ用チーズをのせてオーブントースターで1000W8分加熱する。

    ※低ワットでレンチンする際、100Wの場合は3/2の時間、200Wの場合は3/4倍で計算してください。

    (『公邸料理人こばこばの 家庭の味が劇的にアップする 極上! 神ワザレシピ』54ページより引用)

    「玉ねぎってこんなに甘かった?」神ワザの効果に驚き

    玉ねぎをまるごとチンするの?」とびっくりするかもしれませんが、思い切って低ワットでゆっくりレンチンしてみてください。終わる頃には玉ねぎのあま~い香りが漂ってきて、見るからにおいしそうな仕上がりに。

    あとはスープの材料(筆者はお湯に顆粒コンソメを溶いたものを使いました)と合わせて、チーズに焼き色がつき、全体がグツグツしてくるまで火を通すだけでOK。もちろんオーブンや魚焼きグリルを使っても大丈夫です。

    オニオングラタンスープはつくるのにすごく時間がかかる印象がありますが、こばこば流なら片手間でサクッとつくれてしまいます。

    意外な組み合わせのナッツは、シナモンと合わせると香りが抜群。玉ねぎを油で炒めない分、ちょうどよく食べごたえと香ばしさをプラスしてくれていました。

    これならお昼にパンと合わせてもいいし、レストランみたいにまずはオニオングラタンスープを出して、そのあとメインというのも楽しいかも……!

    アツアツで玉ねぎが甘くとろけるオニオングラタンスープ、寒い日にぜひつくってみてくださいね。

    公邸料理人こばこばの 家庭の味が劇的にアップする 極上! 神ワザレシピ

    煮干しの出汁が染みます。意外にカンタンにとれるからやってみてほしい!

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