料理監修:渡辺あきこ 撮影:合田昌弘

口に入れるとほろりと崩れて、甘じょっぱさがたまらない……シンプルなのに後を引く味わいの「ジャガイモの煮ころがし」。

つくり方は簡単ですが、ネーミングにつられて間違った方法でつくっている人が多いおかずかもしれません。

調理科学でもっとおいしく定番料理(2)』(朝日新聞出版)から、応用自在の「煮物のコツ」を紹介します。

「転がす」のは最初だけ。煮崩れせず、味も決まるコツ

ジャガイモがやわらかくなったら動かさない! 煮汁をすくって、まわしかけるようにして。(『調理科学でもっとおいしく定番料理(2)』5ページより)


家にジャガイモがあったら、ぜひ試してみてほしい「ジャガイモの煮ころがし」。『調理科学でもっとおいしく定番料理(2)』の巻頭レシピとして登場するだけあって、おさえておきたいコツが満載の一品でした。

この料理を監修された料理研究家の渡辺あきこさんによると、ポイントは「煮るときは転がさない」こと。そう、「ジャガイモの煮ころがし」は“名前に偽りあり”の料理なのです。

「煮ころがし」という名前ですが、ころころと転がすのは炒める時だけ

煮汁を入れたら1~2度ひっくり返し、後は時々鍋を動かす程度にしましょう。煮崩れず、きれいに仕上がります

(『調理科学でもっとおいしく定番料理(2)』4ページより引用)

煮物におすすめのジャガイモの種類は、でんぷんが少なく煮崩れしにくいメークインとのこと。

ジャガイモさえあれば、あとの材料はサラダ油・砂糖・しょうゆだけ! 早速つくってみました。

「ジャガイモの煮ころがし」のつくり方 

(『調理科学でもっとおいしく定番料理(2)』5ページより引用)

<材料(2人前)>

  • ジャガイモ(メークイン)…300g 
  • サラダ油…小さじ2
  • 砂糖…大さじ2
  • しょうゆ…大さじ1 1/3
  • <つくり方>
    1.ジャガイモは皮をむいて乱切りにし、すぐに水につける。乱切りにすることで、味がしみこみやすくなる。ざるにあげ、キッチンペーパーで水気をふく。

    2.鍋にサラダ油を熱し、ジャガイモを入れ、中火でサラダ油がなじむまでさっと炒める。

    3.水3/4カップ、砂糖を加え、ふたをし弱火で5分煮る。

    4.ジャガイモを裏返し、しょうゆを加え、ふたをして弱火で8~10分、竹串がすんなり通るようになるまで煮る。

    5.ふたをとり、弱火で時々煮汁を表面にかけながら汁がほとんどなくなるまで煮つめる。

    (『調理科学でもっとおいしく定番料理(2)』5ページより引用)

    油を入れた鍋にジャガイモを入れると、意外と鍋底にジャガイモがくっつきます。そこで、全体に油がなじむまで動かし続ける。この段階を過ぎたら、煮ているときは転がさない

    仕上げの段階で、ときどき煮汁を表面にかけることで味をなじませていくので、鍋のスペースは少し余裕があるくらいがやりやすいと思います。

    また、最初は「砂糖だけの汁」で5分ほど煮るのですが、これは塩と砂糖の場合、塩の方が「分子量が小さく移動速度が速い」から。

    調味料は「さしすせそ」の順番で加えると言われますが、先に塩気を入れるとしょっぱくなってしまうのは、このためだったんですね。

    レシピどおりにつくると、みたらし団子風のほっこりした味わいで、味見が止まりません……! 同じ方法で里芋や、カボチャの煮物もおいしくつくれそうです。

    次回は一度おぼえておけば一生使える、「煮干しだしのみそ汁」のコツをお届けします。

    調理科学でもっとおいしく定番料理(2)

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