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いまやアスリートだけではなく、厚底のハイスペックスニーカーを履いている人が街中に溢れているけど、そのスペックをきちんと正しく活かせていますか、と問いたい。

そりゃ、ぼくだって流行りには乗っかりたいから、たいして考えずにハイスペックスニーカーを履いちゃっていましたが、そんな疑問が湧いたのは、フランス発のインソールブランド「シダス」の完全オーダーメイドのインソールを体験してしまったから。

タウンユースのスニーカーはもちろんだけど、ランニングや登山などでもシューズのスペックを最大限に活かすなら「中敷き」にもこだわりたいところ。

インソールをあなどるなかれ!

そもそもインソールって、スニーカーを買えばもともと入っているものだし、わざわざ取り出してみることすらありませんでした。でも考えてみたら足の形は人によって違うし、長時間外出したり、運動したりすると足の裏が痛くなることがあるな……。

足の裏は、言ってしまえば体を支える土台。骨格、筋肉を支え、正しい姿勢を保つのも、体重を支えるのもベースとなるのは足の裏。

人にはそれぞれクセがありますし、アスリート並みの正しい姿勢を保てている人はほとんどいません。だからその人の足にフィットしたインソールを使い、“補矯正”しながら姿勢を正していくことが必要なんです。

こう説明してくれたのは、シダスフィッティングラボ」のチーフフィッティングマイスター・斉藤昌彦さん

なるほど。このうえない納得感——姿勢を正し、骨格のバランスを整えて「疲れにくい体」を手に入れるには、足の裏からアプローチするというわけだ。

素足になったおみ足が丸裸に!

今回訪れたのは、自分だけのオリジナルのインソールをオーダーメイドできる「シダスフィッティングラボ」。世界45カ国で展開するシダスですが、世界初の直営店が東京・青山にあります。

事前予約を済まし、店舗奥のラボスペースで出迎えてくれたのは今回ぼく専用のインソールをカスタムしてくれた斉藤さん。

斉藤さんは、足元から体のバランスやパフォーマンスアップにアプローチする足裏のスペシャリストです。シダス社認定の資格をもっていて、本国・フランスでインターナショナルのライセンスを取得した数少ない技術者だそう。

簡単なカウンセリングのあと、7つの工程を経てぼくの足を丸裸にしていきます。なんだか普段の生活習慣を見透かされるようでちょっと恥ずかしい……が、これも健康な体を手に入れるため! 順を追って説明していこう。

①立位時の荷重計測

まずは立位時の荷重をデジタル計測。足裏のどの部分に強く荷重がかかっているのか、左右のバランスはどうかなどを専用機器の上に乗って計測していきます。

②歩行時の荷重計測

同じ機器で今度は歩行時の荷重を計測していきます。この計測では、かかとからつま先までどういう順で体重移動されているのかがコマ送りでデジタル化されます。

このとき、かかとからつま先へ前後の荷重移動と合わせて、左右の重心移動までわかります。アーチが高く、土踏まずが広いので左右のバランスが取れていないことがわかりました。あとガニ股であることも露見……。

③触診

続いて触診をおこなっていきます。関節の位置や足の可動域を確認します。

「右足は昔ケガされていますね」と斉藤さんの触診がズバリ的中(あのケガさえなければ…というぼくのプロ野球選手の夢を砕いた古傷が見破られました)。

どうやらガニ股の原因はこれのよう。

④接地面の確認と補強パーツの調整

次は鏡で足の裏から地面との接地面を確認します。同時に片足立ちになってスクワットしたりして、加重時の前後左右のバランスを見ながらサポートすべき部分に補強パーツを加えていきます。

左足は必要ありませんでしたが、右足には次々とパーツが入れられていきます。薄いプレートがはさまるだけでずいぶんバランスが取れるようになりました。

このとき、アスリートはパフォーマンス向上を目的とし、一般の人は姿勢改善を重視します。アスリートは動きを阻害しないように伸び代を持たせ、非アスリートは全体のバランスを調整します。

⑤足裏の型取り

シダスのカスタム・インソールの特徴のひとつでもある、シリコンパッドの専用機器の上で足型を取ります。空気の出し入れでシリコンの細かな粒子を移動させて足裏の形状をトレースします。砂浜に立ったような弾力でひんやりと冷たい。

⑥インソールの型取り

カスタム専用のインソールは温めると柔らかくなり、常温で形状記憶します。ヒートガンでこのインソールを温めて、先ほど型取りした機械の上にはめ込むことで、ぼくの足型がインソールにトレースされます。

⑦インソールの成形

最後は補強パーツをつけたり、実際に足裏と合わせたりしてインソールを成形していきます。余計な部分をハサミで切り落としたり、専用のヤスリで削り落としたり(まさにハンドメイド!)、斉藤さんの熟練の技が光ります。

⑧完成!

最後に熟練の技で微調整を施し、ついに自分専用のインソールが完成! ご覧の通り、左右で違う形状のインソールができあがりました。

今日履いてきたスニーカーに入れてみて歩いた感想は「カタイ……」。でも、何歩か歩き始めると不思議と馴染む。これがシダスの目指しているところ。

この足裏の“補矯正”を含めてアプローチがシダスの特徴であり、この辺りの疑問点を斉藤さんにぶつけていこうと思います。

ハイスペックスニーカーの盲点をインソールがサポート

晴れてカスタムソールを手に入れたわけですが、既存のインソールと何が違うのか、はたまたアウトソールに傾倒しがちな昨今トレンドはどうなのか、斉藤さんに聞いていこうと思います。

——既存のスニーカーのインソールとの大きな違いはなんでしょうか。また、スニーカーによって、カスタム・インソールの向き・不向きってあるんですか。

まず、既存のインソールと、シダスの「カスタム・インソール」はアプローチが異なります。ご自宅のスニーカーのインソールを見てもらえればわかると思いますが、既存のものは柔らかいと思います。これは「履き心地」を重視しているからです。クッション性が高くて、履いていて気持ちいいと思います。

一方でカスタム・インソールの硬さは、自分の足裏にフィットした履き心地と同時に、サポート力と補矯正というメッセージを込めています。最初は違和感があるかもしれませんが、適度な硬さでかつフレキシブルな柔軟性があると思います。

また、インソールがフラットで靴底と一体化している(取り外しできない)ものにこそインソールが活躍します。靴選びとしてはスリッポンや上部が布地であったり、しっかりと足の甲をカバーしていないスニーカーよりは足のサイズに合った靴紐のタイプをおすすめします。同じサイズのシューズでもそれぞれ形状や感触も異なるため、シューズ一足に対して、カスタム・インソールひとつが理想的です。

——最近はハイスペックスニーカーがトレンドで、クッション性の高いアウトソールが主流ですがカスタム・インソールとの相性はどうでしょうか。

ハイスペックスニーカーのトレンドは、厚底でとても柔らかく、アウトソールの機能が進んでいますが、履きこなすにはそれなりの筋力が必要な場合があります。柔らかさゆえに、しっかりと踏み込めない場合は体が不安定になり、疲れやすさやトラブルにつながる可能性もあるようです。

そんなハイスペックスニーカーに起きやすい軸のブレを多少なりともカバーすることがインソールにはできるかと考えています。いかにアウトソールの機能を殺さずに、インソールでしっかりと足裏をサポートできるかが重要だと思います。その点、ハイスペックスニーカーに合わせてカスタム・インソールをつくっていただくのは効果的だと思います。

しっかりと自分のバランスと整えてから体づくりをしていくことが肝心です。足裏は体全体を支える土台となるので、バランスの取れていないままトレーニングを重ねると、均衡のとれていない体づくりをすることになります。

なるほど。トレーニングを始める前に、姿勢を矯正することが大事で、姿勢を矯正するためには自分に合ったインソールが必要というわけですね!

カスタム・インソールを入れて歩くと、いつもより目線が高く、スッと背筋が伸びて歩いているような感覚。少しずつでも外出のたび、トレーニングのたびに姿勢を意識するきっかけになりそうだ。

ちなみに料金は下記の通り。

シダスのインソール料金表

インソールブランドSIDAS

元サッカー日本代表選手も認めたシダスの実力

インソールって本当に大事なんだなぁ……

Photographed by Junmaru Sayama

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