一度に10合炊けて、4〜5人以上の大家族にはぴったりの「一升炊き炊飯器」。一日分のごはんをまとめて炊けるので、何度も炊飯する手間が減り、電気代の節約にもなります。

最近では一日分の料理をまとめてつくるための用途にも使われています。5合炊きよりひとまわり大きい程度なので、たくさん炊けるわりには設置場所を取りませんよ。

今回は、一升炊き炊飯器のメリット・デメリットや選び方を家電専門家の倉本春さんに教えてもらいました。また、倉本さんのアドバイスのもと、編集部おすすめの一升炊き炊飯器を価格帯別にピックアップしました。

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倉本春さん
白物家電やIoT家電、ガジェットなどのレビューをはじめとした最新情報を執筆し、雑誌、WEBなどで活躍。元ドッグカフェオーナー兼シェフという経歴から調理家電の使いこなしや犬用ガジェットなどの記事も多数執筆。AI搭載家電などの最新技術をわかりやすく解説する記事にも定評がある。 
Twitter:@HaL_Kuramoto ブログ:家電あるき

一升炊き炊飯器の用途。メリット・デメリット

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一升炊き炊飯器は、一度に最大10合、お茶碗約23杯分炊くことが可能。一度にたくさん炊けるので、小さい炊飯器を使っているなら何度もごはんを炊く手間が省けます。4~5人以上の大家族や食べ盛りのお子さんがいるご家庭、冷凍用にまとめ炊きする人にもぴったり。

「一升炊きのサイズは5合炊きのひとまわり大きい程度。たくさん炊けるわりには、そこまでスペースを取りません。内釜が大きいので一度に大量に調理できるのも魅力。ケーキやパン、ローストビーフなどの保温調理をする人も多いです。

炊飯器の上位機種は電力消費量が大きくなりがちですが、一升炊きの炊飯器を使って炊飯回数が減れば長期的にみると電気代の節約になります。

炊飯器でごはんをおいしく炊くには、内釜の空間に適度な隙間が必要。一升炊きは8合くらいがいちばんおいしく炊きやすいです。3合以下をおいしく炊くには不向きですが、少量炊きモード付きのモデルを選べばおいしく炊けます

炊飯器の容量の主流は5~5.5合炊きで、一升炊きは種類が少なめ。製造コストが上がる分、価格は割高。また、内釜が重いので洗うときに大変なのがデメリット」

価格による違いは?

一升炊き炊飯器の詳しい選び方は後述しますが、製品の価格による違いを大まかに理解しておくと選び方も理解しやすくなります。

1~2万円前後の製品の多くが、マイコン式を採用しているものが主。なかにはIH式を採用しているものもあります。低価格モデルは調理機能付きのものが多いです。

5万円前後の製品は、圧力IH式を採用したものが多いです。保温性能が高いものなど、おいしさに寄与する機能を搭載したモデルも増えます。味にこだわりがある人はこのあたりの価格帯から選ぶのがおすすめ

10万円前後の製品は、メーカーの最上位機種で、ハイテクな機能を搭載。長時間おいしさをキープして保温できる機能や、その年のお米の出来栄えに合わせた炊き加減に調整する機能を搭載したモデルも登場しますよ」

一升炊き炊飯器の選び方4つのポイント

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ここからは、一升炊き炊飯器の選び方のポイントを4つに絞って解説。

1.加熱方式
2.お手入れのしやすさ
3.機能
4.メーカー

加熱方式

加熱方式は大きく分けると「マイコン式」「IH式」「圧力IH式」「ガス式」の4種類。基本的には「マイコン式<IH式<圧力IH式<ガス式」の順でおいしく炊きやすくなります。

「ごはんをおいしく炊くには、お米にムラなく熱を伝えることが大切。高火力になるほど釜の中のお米の対流がうながされるので、お米の芯までムラなく火が通りやすくなります。

マイコン式は釜の下からヒーターで加熱する仕組み。火力も控えめで、お米全体に熱がムラなく伝わりにくいです。安いですが、味にこだわりがある人には不向き

IH式は、内釜自体を発熱させる仕組みで、マイコン式のヒーターよりも発熱効率が良いです。火力も強く、おいしく炊きやすいのが特長。また、一升炊きは内釜のサイズが大きくなる分、5合炊きよりも、マイコン式とIH式との味の差が際立ちます。

圧力IH式は、圧力をかけることで水の沸点を上昇させて、IH式以上の高温で加熱。お米の芯までしっかり火が通りやすいうえに、米の糖化による甘みを引き出しやすいといわれています。価格は高いですが、味にこだわる人には向いています。ただ、構造が複雑になる分、お手入れの手間がかかりやすいです。

ガス式はガス栓につなげて使う炊飯器で、味にすごくこだわる人にはおすすめ。釜の底に直接火を当てて高温で加熱し、かまどで炊いたような味わいに。価格が安く、炊き上がりが早いのも魅力。購入時はプロパンガスと都市ガスのどちらに対応しているかチェックしましょう。保温機能は付いていない製品が多いです」

お手入れのしやすさ

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「お手入れのしやすさだけを重視するなら内釜の重量は1kg以下がおすすめです。ただ、高性能な炊飯器ほど内釜が重くなりがちなので、おいしさとのバランスを考慮して選びましょう。

洗うパーツは少ないほうがラク。毎回洗うパーツが、内釜と内ぶたの2つだけだともっともお手入れが簡単」

機能

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ここでは、一升炊き炊飯器にあると便利な機能をご紹介。高機能なものほど高額になるので、予算を考慮して必要かどうか取捨選択してください。

・少量炊き機能

「少量炊き機能があると、少量のごはんもおいしく炊けるようになります。子どもが成人して家から出たあとも、少量炊き機能があると買いなおさずに使い続けやすいですよ」

・冷凍ごはんコース

「冷凍ごはんコースは、ごはんをまとめ炊きして冷凍する人にはおすすめ。

普通に炊飯したごはんを冷凍して解凍すると、べちゃっとしたり、だまになったりしがち。冷凍ごはんコースがあると加熱プログラムや浸水時間を自動調整してくれるので、解凍して電子レンジで温めたときにも、パラっとおいしいごはんに炊きます」

・調理機能

「炊飯器でおかずを調理したい人は調理機能があると便利。煮込み・低温調理・パンなど搭載メニューは製品によって異なります。

調理機能がなくても調理は可能。ただ、調理メニューがない場合は炊飯器がどのようなプログラムで動いているか把握しておく必要が。

たとえば、炊飯器によっては浸水の工程を自動で行う場合があり、それを知らずにケーキをつくるとうまく膨らまないことがありますよ。また、圧力式の炊飯器では調理できないおかずもあるので注意が必要です」

・食感の炊き分け機能

「やわらかい・かたいなどの炊き分けができる機能があると好みに合わせて炊きやすいです。あとは、カレーや寿司などメニューに合わせて食感を炊き分けられると便利」

・保温機能

「12~24時間保温できる製品でも、2~3時間でごはんの水分が抜けて独特のニオイや、黄色く変色することも。朝に炊いて夜まで保温して食べる方は、内釜の中を真空にして水分の蒸発を抑える機能付きのものなど、保温中にごはんの劣化を防止する機能が付いているものがおすすめ」

・蒸気レス(蒸気カット・蒸気セーブ)

「蒸気レス機能があると、炊飯器から出る蒸気量を抑えられます。蒸気は100℃以上あり、触れるとやけどする可能性があるので、小さいお子さんがいるご家庭は注目してみるとよいでしょう。また、蒸気で棚が劣化する心配がないので、炊飯器の設置場所も選びません」

4.メーカー

「炊飯器は、メーカーによってごはんの味の傾向が異なります。自分の好みに合わせて選ぶことが大切。1~2万円前後の製品では違いを感じにくく、上位モデルになるほどメーカーの個性が際立ちます

▼メーカー別、食感の特徴

かため 日立・東芝・三菱
やわらか タイガー・パナソニック
中間 象印

※倉本さんの感じ方をもとに作成

象印

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おいしさ・弾力・甘さがハイレベルです。食感はかたすぎず、やわらかすぎません。バランス重視の人にはおすすめ」

タイガー

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「タイガーは甘みが強く、食感はやわらかめ。上位機種は、専用の中ぶたを使っておいしく少量炊きをする独自機能を搭載。1合以下を炊きたい人にはおすすめ」

パナソニック

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食感はやわらかめ甘みが強く出る印象で、後味のよさを追求する人にもおすすめ。高温スチームを釜の中で噴射し、お米に熱を浸透させることで、お米のうまみを閉じ込められるモデルがあります。炊くときには、スチーム用の水容器に毎回水を入れる必要も」

東芝

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食感は比較的かためで、味のバランスがよいです。中の空気を抜くことでお米の酸化を防止する機能を搭載したモデルは、保温性能を重視する人にはおすすめ」

日立

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「食感は比較的かためで、モチモチとした弾力のよさが特徴的。軽量な内釜を採用しており、使い勝手のよさも魅力です。蒸気を抑える機能を搭載したラインナップも多いです」

アイリスオーヤマ

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すこしやわらかめの食感。安くても性能が優秀な製品が多いのが特徴です。なるべく予算を抑えて一升炊きをほしい人にもおすすめ」

三菱電機

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かための食感を好む人におすすめ。圧力をかけるともちもちした食感になりやすいですが、最上位機種でもあえて圧力をかけないことで、しゃっきりとした炊き上がりを実現しています」

専門家おすすめNO.1の一升炊き炊飯器

ここでは家電専門家の倉本さんのおすすめNO.1商品をご紹介

象印 炎舞炊き NW-FA18

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専門家がおいしいと太鼓判!お米の特徴を引き出す

「食感や味のバランスのよい炊き上がりで、すごくおいしい! お米の甘みや香りも引き出してくれます。

また、それぞれのお米の特徴を引き出すのが魅力。たとえば、ミルキークイーンを炊けば、特長であるモチっとした食感が強調されます」

「わが家炊き」機能搭載で、食べたあとに感想を入力すると、炊き方を次回から調整。121通りの炊き方から好みの食感に近づきます。「冷凍ごはん」「お弁当」メニューも搭載。

「極め保温」機能では40時間ごはんの劣化を抑えて保温。毎回洗うパーツは内ぶたと内釜の2点だけでお手入れもラク。

一升炊きの炊飯器おすすめ9選|安い製品から高級な製品まで紹介

おすすめの一升炊きの炊飯器を人気商品から厳選して価格帯別にご紹介。倉本さんにお聞きした選び方のポイントや、Amazon・楽天などの人気通販サイトのランキングや口コミを参考に選出。

【1~2万円前後】でおすすめの一升炊き炊飯器

タイガー魔法瓶 炊きたて JBH-G181

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価格が安く必要十分な機能搭載

シンプル設計で価格が安いのが特長のマイコン式炊飯器。「安いけど十分おいしい」という口コミも多く、とにかく炊ければよいという人にもおすすめ。

調理メニュー付きでビーフシチューなどの煮込み料理も簡単につくれます。調理専用機として使っている人も多いです。「エコ炊き」「早炊き」「炊込み」「おかゆ」メニューも搭載。

象印 極め炊き NL-DA18-WA

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炊き分け機能付きの格安モデル

象印のマイコン式炊飯器で、安価でありながら、食感の炊き分けができるのが魅力。「やわらか」「ふつう」「かため」から選択可能。

「うるつや保温」は火加減を調整して水分の蒸発を抑えることで、おいしい状態をキープして24時間保温可能。アツアツのごはんが食べられる「高め保温」は12時間保温可能。

アイリスオーヤマ IHジャー炊飯器10合 RC-IK10-B ブラック

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価格が安いのにIH式!40銘柄炊き分け機能付きの

安価でありながら、IH式を採用しているのが特長。コスパ重視の人にはおすすめ。

かたさは「やわらか」「ふつう」「かため」から、食感は「もっちり」「ふつう」「しゃっきり」から選べます。

40銘柄炊き分け機能付き。「おかゆ」「低糖質」「雑穀米」「おこわ」「玄米」「麦飯」と健康米メニューも多く搭載。保温時間は24時間。

リンナイ ガス炊飯器 こがまる RR-100FS LP

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味にこだわりがある人におすすめ!ガス栓につなぐ必要アリ

プロパンガス用の一升炊きガス炊飯器。ガス栓につないで使う必要がありますが、直火で炊くことで電気炊飯器には再現が難しい、粘りや甘み、香りが際立ったおいしいごはんが炊けます。炊飯時間が短く、電気代も抑えられるのも魅力。都市ガス用もありますよ。

【5万円前後】でおすすめの一升炊き炊飯器

日立 圧力IH RZ-G18EM

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価格が安い、圧力IH式!蒸気セーブ機能付き

なるべく予算を抑えて圧力IH式がほしい人におすすめ。「少量」コース搭載で、1~3合もおいしく炊きやすいです。「蒸気セーブ」機能搭載で、炊飯器の蒸気で周囲に結露がつくのを防ぎます。

「極上しゃっきり」「極上ふつう」「極上もちもち」から炊き方は選択可能。温泉卵・ケーキなどが作れる調理コースも搭載。

東芝 真空圧力IH RC-18VST

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「真空保温」で40時間おいしく保温

東芝の圧力IH式炊飯器。業界トップクラスの1420Wの大火力で加熱することで、ごはんの甘みを引き出します。

東芝独自の「真空技術」により、釜の中の空気を抜いて密閉。水分の蒸発を抑えて、ごはんの黄ばみや乾燥を抑制し、最大40時間おいしさをキープして保温します。保温性能を重視する人にもおすすめ

「お弁当」「おかゆ」「麦ご飯」「玄米」「玄米・白米混合」「雑穀米」コースも搭載。毎回お手入れするのは、内ぶた・蒸気口・内釜の3点のみ。

三菱電機 備長炭 炭炊釜 NJ-VVD18

Image: 楽天
冷凍ごはんが炊きたてのような味わいに

三菱電機のIH炊飯器。「可変超音波吸水」技術により、超音波振動でお米の吸水を促すので、洗米してからすぐに炊いてもふっくらとして炊き上がりに。

冷凍機能が優秀で、炊きたての粒感を95%以上キープ。冷凍ごはんを解凍すれば、炊きたてのようなおいしさを楽しめます。

炊飯メニューが豊富で、「玄米」「麦飯」「炒飯」「中華粥」「分づき米」などのモードを搭載。さらに「長粒米(インディカ米)」モード搭載で、ベタつくことなく、パラっとした食感のお米が炊けます。エスニック料理をつくりたい人にもおすすめ。

タイガー 炊きたて ご泡火炊き JPI-S180

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高性能でおいしく炊き上がる!調理もしやすい

タイガーのハイグレードモデルの圧力IH炊飯器。「ご泡火炊き」により、土鍋で炊くときのような泡立ちや火力を炊飯器で実現し、甘みのあるふっくらとした炊き上がりに。

「少量旨火炊き」メニュー搭載で、火力をコントロールし、0.5~2合までをおいしく炊けます。すぐに炊きたいときに便利な「少量高速」メニューは1合約17分で炊飯可能。

「冷凍ご飯」「すし・カレー」「玄米」「雑穀」「麦めし押麦」「麦めしもち麦」メニューも搭載。調理機能付きで、肉じゃがや麻婆豆腐など幅広いメニューがつくれます。

360°デザインでどの角度からでも、美しくみえる洗練されたデザインも魅力。大型の液晶で、操作もしやすいです。

【10万円前後】でおすすめの一升炊き炊飯器

パナソニック スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器 SR-VSX181

Image: 楽天
豊富なハイテク機能を搭載のパナソニック最上位モデル

一升炊き炊飯器のなかでは、数少ない10万円前後の高価格帯モデル。高性能&高機能で、ごはんの味にこだわる人にはおすすめ

高温スチームで加熱することで、お米の芯まで熱が浸透。旨みがしっかり閉じ込められて、冷えてもおいしいごはんに炊き上がります。お弁当用にもぴったり。さらに、保温中にもスチームを加えることで、ごはんのやわらかさをキープします。

「冷凍用ごはん」コース搭載で、冷凍して加熱したときにも、おいしく食べられるごはんを炊けますよ。炊き分けられる食感は13通り。

お米の鮮度に合わせた炊き方に調整することで、乾燥したお米もパサつきを抑えたおいしいごはんに炊き上げます。さらに、アプリと連携することでその年のお米の出来栄えに合わせた炊き加減に調整可能。

Q&A|ごはんの冷凍方法など

Q.おいしくごはんを冷凍するときのポイントは?

A.「お米は保温中も味が劣化していくので、なるべく早く冷凍することが大切。食べる分だけよけたら炊飯後すぐ、ごはんがつぶれないようにふんわりとラップに包んで冷凍するのがおすすめ」

Q.ブレーカー落ち対策は?

A.「自宅の契約アンペア数が低い場合は、電子レンジ・ドライヤー・電気ケトルなどの熱を発する家電は消費電力が高いので、同時に使うのを避けましょう」

Q.一升だと炊きあがり時間は遅くなる?

A.「5合炊きと比較すると、同じコースで炊いたときに5~10分程度炊き上がりが遅いものが多いです。早く炊きたいときは早炊きモードを活用するとよいでしょう」

Q.中古品を買うときの注意点

A.「中古品は買ってすぐに壊れてしまう可能性もあるので、メーカー保証が残っているものを選ぶとよいでしょう。安く買いたいならアウトレットの新古品がおすすめ。基本的にメーカー保証が付いてくるので安心」

 

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