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Text by 新海美保

食欲の秋! 旬の食材にも合うお酒が、このたび北アルプスの麓で「蔵出し」されました!

秋の日本酒といえば、冬から春にかけて醸造されたお酒を夏にじっくり熟成させて秋に蔵出しする「ひやおろし」や「秋上がり」などの呼称が有名ですが……

今回紹介するのは、ひやおろしの中でも珍しい「風穴(ふうけつ)貯蔵」の日本酒です。

風穴のお酒ってなんだろう!? 長野県松本市にある3つの酒蔵によって蔵出しされた風穴貯蔵酒「アルプス正宗」「大信州」「笹の誉」を飲んで、その魅力を探ってみました。

天然の冷蔵庫「風穴貯蔵」って?

©︎道の駅 風穴の里

北アルプスの玄関口、長野県松本市安曇・稲核(いねこき)にある風穴で、今年9月14日、4月から貯蔵されていた日本酒の蔵出しが行われました。松本市内3酒蔵が手がけるひやおろしの酒で、9月下旬から松本市内を中心に各地へ出荷されています。

風穴って、一体どういう意味?

あまり聞き慣れ合い「風穴」という言葉。石が積み重なった山の斜面にあるすき間から冷風が吹き出す穴のことなんですって。

稲核では、この風穴の冷気を活用して、古くから漬物や地酒熟成などを貯蔵しています。

稲核風穴の内部は、夏でも8度程度に保たれます。34カ所もの風穴が残る稲核は、風穴の「今」と「昔」が色濃く残る貴重な地域で、実際に貯蔵されている様子を見学できる風穴もあるんです。

アルプスの恵みを五感で醸す「アルプス正宗」

亀田屋酒造店「アルプス正宗 風穴貯蔵純米酒」720ml 1,273円(税込)

明治2年創業の株式会社亀田屋酒造店が手がける「アルプス正宗」。創業以来、変わらず、敷地内の井戸に湧き出る北アルプスの伏流水でお酒を醸しているそうです。

「アルプス正宗」には、さまざまな種類がありますが、風穴貯蔵のアルプス正宗は地元松本産の酒米「ひとごこち」を100%使用した純米酒です。

長野県の農事試験場で1994年に誕生した酒米「ひとごこち」は、日本酒づくりに適した「酒造好適米」と呼ばれ、寒さや風に強く、キレのある淡麗で味に幅があるのが特徴。亀田屋酒造店のウェブサイトには、「搾った時点では骨太な大辛口」と書いてありますが、いざ飲んでみると、繊細でスッキリした飲み口です。

天然の冷蔵庫「風穴」でじっくり熟成されたからこその優しい味がしました。

アルプス正宗の風穴貯蔵酒は、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード 2016」で金賞を受賞したこともあり、合わせるのはワイングラスがいいみたい!

天恵の美酒「大信州」

大信州酒造「大信州 純米吟醸 風穴貯蔵(無濾過原酒)」720ml 1,870円(税込)

長野の銘酒「大信州」を手がけるのは、明治13年創業の大信州酒造。アルプス正宗と同様に「ひとごこち」が使用されています。

ラベルに「無濾過原酒」と書かれていますが、読んで字のごとく、絞り上がった酒は火入殺菌のみ、無濾過で瓶詰めされているそうです。ほんのり色があるのはそのためなんですね。

絞り上がりの香りがぎゅっと凝縮されていて、スッキリ辛口の中に米の旨味が溶け込んでいます。風穴で寝かせることで、まろやかさが加わり、秋の旬の料理にもあいそうです。

大信州酒造では、ほかにも季節や出荷期限定のお酒を多数販売中!

城下町松本のさけ「笹の誉」

笹井酒造「笹の誉 純米吟醸 風穴貯蔵」720ml 1,815円(税込)

上の2つの蔵元と同様、酒米「ひとごこち」を100%使った「笹の誉(ささのほまれ)」は、大正15年創業の笹井酒造株式会社の代表銘柄。北アルプス山麓源流と美ヶ原の伏流水の合流地点に位置する蔵元です。

ラベルには「蝶ケ岳、常念岳、燕岳を一望できる田園地帯に位置する小さな蔵元です。決して多くは醸造できませんが、米、水、人すべてが松本で育まれるさけをどうぞお楽しみください」と書かれています。

また、裏側には「風穴 蔵入れ日 2022年4月28日」「風穴 蔵出し日 2022年9月14日」の文字。厳冬に仕込んだお酒が春に風穴で貯蔵され、秋までの約5カ月間、じっくり熟成されたことを改めて実感できます。

まろやかな旨味と酸が調和した優しい味が魅力。幅広い温度帯で楽しめるので、少し肌寒い日には熱燗もオススメです。

今回ご紹介した3種を飲み比べできる「風穴貯蔵セット」もあるみたいですよ。

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