猫を新しく家に迎えた人も、すでに猫と暮らしている人も、猫との日々に欠かせないのが猫砂。ずっと使うものだからこそ、猫にとっても人間にとっても快適なものを選びたいですよね。
子猫のために初めて猫砂を買う方や、今使っているものから買い替えを検討している方に、どんな点に注意して猫砂を選べばよいのか、猫専門病院の院長で獣医師でもある山本宗伸さんに聞いてみました。
猫にとって安全なものや、気になるにおいを抑えてくれるもの、処理が簡単なものなど、かいサポ編集部おすすめの商品もご紹介します。
〈監修〉山本宗伸さん
Tokyo Cat Specialists院長、獣医師
日本大学獣医学科外科学研究室卒。子どもの頃に子猫を保護したことをきっかけに獣医学の道に進むことを決める。都内の猫専門病院で副院長を務めたのち渡米。ニューヨークの猫専門病院Manhattan Cat Specialistsで研修を積み、帰国後に猫専門病院Tokyo Cat Specialistsを開院。国際猫医学会(ISFM)、日本猫医学会(JSFM)所属。自身も3匹の猫を飼う愛猫家。
https://tokyocatspecialists.jp/clinic/
猫砂の種類とかいサポが選ぶ猫砂ランキング
鉱物系
植物由来のもの
– 紙系
-おから系
-木粉系
シリカゲル
システムトイレ用
猫砂の選び方
猫が好むものを使う
害の少ないものを選ぶ
処理のしやすさで選ぶ
買いやすさや保存のしやすさで選ぶ
迷ったら「トイレビュッフェ」で選ぶ
猫砂の種類とかいサポが選ぶ素材別猫砂ランキング
猫砂と一言でいってもその種類は実に多種多様。それぞれの素材によって、「鉱物系」「植物由来のもの」「シリカゲル」に分類することができます。
鉱物系

ベントナイトと呼ばれる鉱物が主成分なのが鉱物系の猫砂。粒が細かく、砂に近いじゃりじゃりとした感触のため、一般的に猫が好む猫砂とされます。ベントナイトは粘土の一種で、水分をよく吸収するため、猫の尿をしっかりと固めてくれます。
一方で他の素材の猫砂に比べて重いため、持ち運びが不便な面も。自治体によって使用済みの猫砂の処分方法が異なるため、処理について事前に確認しておく必要があります。
粒が細かいため、細かな粉が舞いやすかったりするので、なるべく粉立ちが少ないタイプを選ぶのがよいでしょう。
猫は用を足す前後に砂をかける習性があります。足で砂を描くときのザラザラとした感じが自然に近いため、砂粒が細かくかきごたえがある鉱物系の猫砂を好む傾向があります。
かいサポが選ぶ鉱物系猫砂4選
ライオン ニオイをとる砂 5L

砂の粒が小さいベントナイトを主成分とした猫砂。尿をしっかり吸収し、ガッチリ固めてくれるのでトイレのお手入れも簡単に。抗菌・消臭剤を配合しているので、尿やウンチのにおいをしっかり消臭し、アンモニア臭も長時間抑制してくれます。粉が舞いにくいところもうれしい。
素材 | ベントナイト、消臭・抗菌剤 |
容量 | 5L |
重量 | 3.93kg |
処理方法 | – |
Catmania ターキッシュホワイトの猫砂 カーボン粒子入り 5L

トルコのホワイトベントナイト鉱山で採掘した砂で作られた白色に近い猫砂。色が白いので、尿の色がよくわかり健康管理にも役立ちます。製造過程で二段階の処理を行い、鉱物特有のほこりを99.5%カット。
粒が小さいため尿をがっちり固め、ウンチをコーティングするので猫砂に匂いを残しません。カーボン粒子配合で消臭効果を高めた無臭タイプのほかに、せっけんの香りのするタイプもあります。
素材 | ホワイトベントナイト |
容量 | 5L |
重量 | 4.25kg |
処理方法 | – |
エバークリーン 無香タイプ 6L

高品質のオランダ産ベントナイトを使用した猫砂。活性炭を配合した特殊な粒で、においを瞬時に吸収します。悪臭の原因になる細菌の増殖を妨げる抗菌作用もあり。崩れにくく、しっかりと固まります。
極限まで不純物が取り除かれているため、ほこりがたちにくいのもうれしい。においの気になる猫や人におすすめの無香料タイプのほかに芳香タイプもあります。
素材 | ベントナイト |
容量 | 6L |
重量 | 6kg |
処理方法 | – |
アイリスオーヤマ クリーン&フレッシュAg+ 8L

尿がかかった部分だけ素早くしっかりと固まる、約1〜4mmの小粒のベントナイト製猫砂。銀イオン(Ag+)を配合した抗菌粒がにおいの元になる雑菌の繁殖を抑えます。
砂自体のにおいはほとんどないため、においを気にする猫や飼い主にもおすすめです。
素材 | ベントナイト |
容量 | 8L |
重量 | – kg |
処理方法 | – |
植物由来のもの

植物系の猫砂は軽量で、捨てやすいことがメリット。誤って砂を食べてしまったときも、他の素材の猫砂に比べて安全性が高いため安心です。一方で鉱物の猫砂よりは固まりづらいという傾向もあります。
紙系 | 再生紙パルプなどを原料にした猫砂です。軽量なので取り扱いやすく、燃えるゴミとして捨てることができるの で処理も手軽です。トイレに流せるタイプのものも多く、すぐに処理することでにおい対策にもなります。 |
おから系 | 食べ物を原料にしているので、安全性が高いのが特長です。ほかにもコーンや豆類などを原料にした猫砂もあり ます。 |
木粉系 | 木の粉やおがくずなどを使用した猫砂。木の香りがしたり、木の消臭効果でにおいを軽減したりするものもあり ます。燃えるゴミとして出せるのも便利です。 |
かいサポが選ぶ紙系猫砂3選
アイリスオーヤマ 紙の猫砂 ペーパーフレッシュ 7L

トイレットペーパーにも使われる再生パルプを使用した猫砂なので、水に溶けやすく、トイレに流すことが可能です。大きめのペレットタイプなので、猫砂が飛び散りづらく、猫の肉球に挟まりづらいのも◎。
猫の尿がかかった部分が青く変色するので、尿の量がわかりやすく、取り逃がしも防ぎます。燃えるゴミとしても処理できます。
素材 | 再生パルプ |
容量 | 7L |
重量 | 約1.7kg |
処理方法 | 可燃ゴミ、水洗トイレ |
ユニ・チャーム デオサンド ギュッと固まる紙砂 5L

猫の尿がかかった部分が青く変色するタイプの紙タイプの猫砂。しっかりと固まって崩れにくいのでお手入れが簡単です。独自の消臭技術で嫌なにおいが残らず、高い消臭効果を実現。
小さく固まるのでゴミの量も軽減し、経済的です。
素材 | 再生パルプ、高分子吸水材、デンプン、香料 |
容量 | 5L |
重量 | – kg |
処理方法 | 可燃ゴミ |
ペパーレット カタピー 8L

原料に再生パルプを使用した固まるタイプの紙の猫砂です。尿の色にチェックがしやすい白い粒。尿がかかった部分が固まり、においを閉じ込めます。
燃えるゴミとして処分できます。チャック付き袋なので保存にも便利です。
素材 | 再生パルプ、高分子吸水材、デンプン、香料 |
容量 | 5L |
重量 | – kg |
処理方法 | 可燃ゴミ |
かいサポが選ぶおから系猫砂3選
常陸化工 おからの猫砂グリーン 6L

食品として使用されている高純度のおからを原材料に使用した猫砂。水に溶けやすいため、水洗トイレに流せます。燃えるゴミとして捨てることも、生ゴミ処理機でコンポスト(堆肥)化することも可能。
おからのにおいを抑えたライトグリーンの粒はペレット状に成形されているので、猫の足につきにくく、粒自体に適度な重さがあるので散らかりや飛び散りが少ないのもうれしいところ。
素材 | おから、炭酸カルシウム、木粉、糊剤、抗菌剤、着色料、香料 |
容量 | 6L |
重量 | 約4kg |
処理方法 | 可燃ゴミ、水洗トイレ |
ぺグテック クリーンビート トフカスK 7L

油脂分の少ない良質のおからで作られた、においと固まりやすさにこだわった猫砂。おからのフラボノイド効果で、排泄物のにおいをしっかりと消臭します。
猫の足につきづらい、転がりにくい形状なので、猫砂の飛び散りを抑え、粉立ちが少ないのも◎。トイレに流して処理できるほか、燃えるゴミに出すこともできます。
素材 | おから、炭酸カルシウム、コーンスターチ、食品澱粉、他 |
容量 | 7L |
重量 | 4kg |
処理方法 | 可燃ゴミ、水洗トイレ |
アイリスオーヤマ お茶の猫砂 7L

リサイクル原料(おから、お茶)を使用し、環境に配慮した固まるタイプの猫砂。おからに木粉を混ぜることで、くずれにくく、尿がかかった部分だけコンパクトに固まります。燃えるゴミとして捨てる以外に、水にすぐ溶けるので水洗トイレに流して処理することもできます。
肉球に挟まりにくいペレットタイプの粒の静岡県産の茶葉を使用したさわやかなお茶の香り。
素材 | おから、炭酸カルシウム、木粉、茶葉、香料 |
容量 | 7L |
重量 | 3kg |
処理方法 | 可燃ゴミ、水洗トイレ |
かいサポが選ぶ木粉系猫砂3選
アースペット しっかり消臭するひのきの猫砂 森林からの贈りもの 7L

ひのきの香り玉を配合した、香りが長続きする猫砂。小さくしっかりと固まり、トイレに流したり、燃えるゴミに出せたりするので処理も手軽です。
粒が大きめなので飛び散りづらく、トイレ清潔に。抗菌成分が悪臭の発生を抑えます。
素材 | ひのき木粉、おから、でんぷん、抗菌剤 |
容量 | 7L |
重量 | 3.36kg |
処理方法 | 可燃ゴミ、水洗トイレ |
ペティオ 流せる固まる木の猫砂 7L

主原料にリサイクル材の木粉を使用した猫砂。環境に優しく、消臭効果もあります。尿を吸収した部分が小さく固まり、水洗トイレに流せるので処理が簡単。
可燃ゴミとして処理することもできます。1袋で尿約200回分使用できます(1回の尿量が20ccの場合)。
素材 | 木粉、おから、コーンスターチ |
容量 | 7L |
重量 | 約2kg |
処理方法 | 可燃ゴミ、水洗トイレ |
常陸化工 トイレに流せる木製猫砂 6L

木の粉が主原料の環境にやさしい猫砂です。ヒノキを配合しているので、優れた消臭力も魅力。大粒のペレットタイプなので散らかりにくく、尿をしっかりと固めます。
水洗トイレに流すほか、可燃ゴミとしても処理できます。
素材 | 木のオガクズ、糊剤、香料 |
容量 | 6L |
重量 | 約2.3kg |
処理方法 | 可燃ゴミ、水洗トイレ |
シリカゲル
シリカゲルは乾燥剤などにも使われている物質で、消臭力が高く抗菌作用もある点で優れています。一方で猫が誤って食べてしまった場合、植物性の猫砂などに比べると少し心配な面も。
鉱物系の猫砂と同様に、自治体によって捨て方が異なる場合もあるため、事前に処理方法について調べておくようにしましょう。
かいサポが選ぶシリカゲル系猫砂2選
ジョイペット シリカサンドクラッシュ 4.6L

シリカゲルのミクロの穴で水分やにおいを吸収・吸着。しっかり脱臭します。固まらず、尿やウンチの水分を吸収するので、尿のたびに砂を捨てたり継ぎ足したりする手間がかかりません。
猫1匹の場合、使用環境にもよりますが2〜3週間使用することができます。飛び散りにくいクラッシュタイプの大きめの粒。
素材 | シリカゲル |
容量 | 4.6L |
重量 | 2.1kg |
処理方法 | 不燃ゴミ |
アイリスオーヤマ 消臭砂シリカゲルサンド 5L

主原料のシリカゲルが尿とにおいを吸収して水分を放出するので、おしっこのたびに砂を取り除く必要がない猫砂です。標準的な体格の成猫の場合、猫砂の交換や継ぎ足しは不要で消臭や脱臭の効果が約1か月持続します。
脱臭剤として木製など他の猫砂に混ぜて使用することもできます。
素材 | シリカゲル |
容量 | 5L |
重量 | 2.1kg |
処理方法 | 不燃ゴミ |
システムトイレ用
システムトイレはすのこ状の床の上に猫砂を敷き、下に吸水シートを敷くタイプのトイレです。通常の猫用トイレに比べて尿の処理の回数が少なくてすんだり、においが抑えられたりするというメリットがあります。
システムトイレを使う場合は、通常の固まるタイプの猫砂ではなく、粒が大きくすのこから落ちないシステムトイレ用の猫砂を使う必要があります。
メーカーによってはトイレに対応する猫砂を作っている場合があるので、最初はセットで試してみるのもよいでしょう。
かいサポが選ぶシステムトイレ用猫砂4選
ユニ・チャーム デオトイレ 飛び散らない消臭・抗菌サンド 4L

天然消臭成分のゼオライトとシリカゲルを配合し、においのもととなるアンモニアをキャッチします。体重8kgまでの猫1頭の場合、消臭効果は約1か月持続。
粉立ちカットコーティングを採用し、粉立ちしにくく、尿をさっと通過させて足元に残しません。
素材 | ゼオライト、シリカゲル |
容量 | 4L |
重量 | 約3.5kg |
処理方法 | 不燃ゴミ |
システムトイレ用 |
新東北化学工業 ラクラクサンド 4L

アンモニアの消臭に優れた天然のゼオライトを主原料としたシステムトイレ用猫砂。粉飛びが少ない成形加工がされています。脱臭力に優れ、猫砂の交換は約1か月に1回(2L使用、猫1頭の場合)でOK。
素材 | ゼオライト |
容量 | 4L |
重量 | 約3.2kg |
処理方法 | – |
システムトイレ用 |
花王 ニャンとも清潔トイレ 脱臭・抗菌チップ 大きめの粒 4.4L

針葉樹を使用したシステムトイレ用猫砂。針葉樹にはにおいや菌の繁殖を抑える効果のある成分が含まれているため、しっかり脱臭・抗菌します。取り替えるときに粉が舞いにくいのもうれしい。
大きめの粒の他に、小さめの粒、極小の粒タイプもあるので、猫の好みに合わせて選ぶことができます。
素材 | 木材、撥水材、脱臭剤 |
容量 | 4.4L |
重量 | 2.75kg |
処理方法 | 可燃ゴミ |
システムトイレ用 |
スーパーキャット システムトイレ用天然ひのき脱臭チップ 3L

国産の天然ひのきを使用したシステムトイレ用猫砂。大粒なので周りに飛び散りづらく、ひのきに含まれるフィトンチッド成分で尿やにおいを消臭・抗菌します。尿をすばやく通すため、さらさらと清潔に保ちます。
素材 | ひのき粉、バインダー、撥水材 |
容量 | 3L |
重量 | 1.8kg |
処理方法 | 可燃ゴミ |
システムトイレ用 |
猫砂の選び方
猫が好むものを使う
だいたいの猫はどんな猫砂でも用を足してくれますが、こだわりが強かったり、気難しかったりする猫の場合は特定の猫砂を嫌がる場合もあります。そういった場合は粒の小さい猫砂を試してみることをおすすめします。
害の少ないものを選ぶ
子猫の場合は誤って猫砂を食べてしまうこともあるため、子猫のうちは植物由来の猫砂を選ぶなど、食べてしまっても比較的害のすくないものを選ぶとよいでしょう。
処理のしやすさや健康管理の面から選ぶ
飼い主の使い勝手のよい猫砂を選ぶことも大切です。トイレの掃除や猫砂の処理をするのは飼い主なので、掃除のしやすさは猫の快適なトイレ環境の整備にもつながります。
色が薄い猫砂は尿の色の変化に気づきやすいため、健康管理をしっかりしたいという方にもおすすめです。
買いやすさや保存のしやすさで選ぶ
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猫砂は日常的に使うものなので、コストパフォーマンスのよいものを選ぶことも重要です。
ふだんの買い物のスタイルや猫砂の保管場所などによって、重すぎる猫砂は扱いづらいこともあります。
猫砂を薄く敷いてしまう飼い主さんもいらっしゃいますが、必要な量をしっかりと敷いてあげるようにしてください。また、1か月に一度は猫砂をすべて入れ替えて掃除をするようにしましょう。
迷ったら「トイレビュッフェ」で選ぶ
Image: GettyImages
猫がどのタイプの猫砂を好むかわからないときは、トイレをいくつか並べて、それぞれに違う種類の猫砂を入れ、猫がどれを好んで使うかをみる「トイレビュッフェ」もおすすめです。少し手間はかかりますが、猫が気に入るものがわかるでしょう