自宅で挽き立てのコーヒーを簡単に淹れられる、ミル付きコーヒーメーカー。コーヒーは粉になった瞬間から味の劣化が急速に進むので、おいしいコーヒーを淹れたい人には必須のアイテムです。以前は高価でしたが、最近は1万円以下でも購入できますよ。
ミル付きコーヒーメーカーは「全自動」「セミオート」の2種類に分けられます。全自動タイプは、豆挽きからドリップまで全自動で行うので、なるべくラクに淹れたい人におすすめ。セミオートタイプは安い傾向にありますが、ミルで挽いた粉をフィルターに移すのが手間。
今回はミル付きコーヒーメーカーの選び方を元カフェオーナーで家電専門家の倉本春さんが解説。また、倉本さんにお聞きした選び方のポイントを参考におすすめのミル付きコーヒーメーカーをタイプ別に厳選してご紹介します。
倉本春さん
白物家電やIoT家電、ガジェットなどのレビューをはじめとした最新情報を執筆し、雑誌、WEBなどで活躍。元ドッグカフェオーナー兼シェフという経歴から調理家電の使いこなしや犬用ガジェットなどの記事も多数執筆。AI搭載家電などの最新技術をわかりやすく解説する記事にも定評がある。
Twitter:@HaL_Kuramoto ブログ:家電あるき
ミル付きコーヒーメーカーにできること。ミルなしとどっちがいい?
ミル付きコーヒーメーカーは2種類ある
ミル付きコーヒーメーカーの選び方
▼商品紹介▼
専門家おすすめNO.1のミル付きコーヒーメーカー
ミル付きコーヒーメーカーおすすめ9選
【全自動タイプ】でおすすめのミル付きコーヒーメーカー
【全自動タイプ】でコンパクトなおすすめミル付きコーヒーメーカー
【セミオートタイプ】でおすすめのミル付きコーヒーメーカー
ミル付きコーヒーメーカーにできること。ミルなしとどっちがいい?

一般的にミル付きコーヒーメーカーは、豆挽き・蒸らし・抽出、サーバー付きならドリップ後の保温までできます。コーヒーを淹れる手間が大幅に減るので、忙しい朝に手軽にコーヒーを淹れたい人にもおすすめ。
- 挽き立てのおいしさを楽しめる
- 簡単操作で淹れられる
- 味が安定する
- 保温できる製品も
- 一度にたくさん淹れられる製品も
「ミル付きコーヒーメーカーは挽き立てのコーヒーを飲めるのが大きなメリット。コーヒーは、豆を挽いた瞬間から酸化がはじまり、味が劣化していきます。挽き立てだと、香りが豊かで、非常においしいですよ。
ミルなしコーヒーメーカーだと、豆を挽くことができないので、粉のコーヒーをドリップする使い方が主。本体価格が安く、粉のコーヒーの味で満足できる人には向いています。また、本体サイズが小さいので、狭いスペースにも置きやすいです。そのほか、豆を挽くグラインダーの性能にこだわりたいというユーザーが、あえてミルなしを選ぶこともあります」
ミル付きコーヒーメーカーは2種類ある
ミル付きコーヒーメーカーは「全自動タイプ」「セミオートタイプ」の2つに分けられます。
・全自動タイプ:豆挽き~ドリップまで自動で行う

「全自動タイプのミル付きコーヒーメーカーは、豆挽きからドリップまで自動で行います。楽に淹れたい人におすすめ。全自動タイプは高価で手が届きにくい家電でしたが、最近は比較的リーズナブルになり買いやすくなりました」
▼全自動コーヒーメーカーの操作方法の例。作るカップ数に応じた分量の豆と水を入れて、ボタンを押すだけ。製品にもよるがコーヒー1杯分を約3分、3杯分を約6分で淹れられる

「全自動タイプは、ふつうのコーヒーを抽出できる『ドリップ式』と、圧力をかけることで少量の濃厚な味わいのコーヒーを抽出する『エスプレッソ式』の2種類に分けられます。エスプレッソ式は、雑味の少ないさわやかな香りのするレギュラーコーヒーも淹れられますよ」
・セミオートタイプ:豆挽きは手動で行う

セミオートタイプは、抽出・蒸らしは自動で行いますが、豆挽きの工程は電動ミルを使って事前に行っておく必要があります。挽いた豆をフィルターに移し替える工程がある分、全自動よりも手間がかかります。価格は全自動タイプより安価な傾向。
「セミオートタイプは、ミル単体でも使いやすいのが魅力。休日はハンドドリップでコーヒーを淹れたいといった人にも向いています。セミオートタイプは本体サイズの高さが抑えられているので、棚の天板が低い場所にも置きやすいです」
ミル付きコーヒーメーカーの選び方
ここからは、ミル付きコーヒーメーカーの選び方のポイントを6つに分けて解説。
- ミルの方式
- フィルター
- サーバーの素材
- 容量
- お手入れのしやすさ
- 機能
ミルの方式

ミルの方式は「プロペラ式」「コーン(コニカル)式」「臼式」の3種類。
「プロペラ式は、リーズナブルな製品に多く採用されている方式。設計がシンプルで、製品のサイズもコンパクトになりやすいです。ただし、豆の粒度が揃いにくく、コーヒーの味に雑味が出やすい、味にこだわりがある人には不向き。セミオートタイプは、基本的にプロペラ式を採用しています。
コーン式・臼式は、主に高価格帯の製品に採用されている方式。低速回転する製品が多く、回転による熱の影響を豆に与えにくいです。挽いた豆の粒の大きさが均一になりやすく、抽出されたコーヒーの味が安定しやすいですよ。豆本来の味を引き出し、おいしく淹れやすいです。
高額になるほどミルの性能も高まる傾向があるので、価格にも注目して選んでみてください。グラインダーの性能はコーヒーの味にかなりの影響を与えるので、おいしいコーヒーにこだわりたいならグラインダーは必ずチェックしてほしいです」
フィルター

フィルターは、挽いた豆にお湯を注いでろ過するための器具。全自動コーヒーメーカーに使われているフィルターは「ペーパー」「メッシュ」の2種類です。フィルターは味の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
「ペーパーフィルターは、コーヒーの油分をペーパーで吸収しながら抽出します。そのため、雑味が抑えられたすっきりとした味わいになりやすいです。ペーパーは使用後にサッと捨てればよいので、お手入れの手間も少なくすみます。
メッシュフィルターは豆の油分や微粉も入るので、コーヒー本来の味や香りが出やすいのが魅力。ペーパーと違って何度も使えるのでエコですが、使用後に洗う必要があるのが手間です。ペーパーとメッシュの両方を併用できる製品もありますよ」
サーバーの素材

サーバーは、抽出されたコーヒーを受けるための器具です。ミル付きコーヒーメーカーに使われているサーバーの素材は「ガラス製」「ステンレス製」の2種類あり、保温方法が異なります。
「ガラス製は透明なので、残っているコーヒーの分量を確認しやすいのが特長。主に保温はヒーターで行います。ヒーターの熱によって、コーヒーが蒸発して煮詰まったり酸化したりすることがあるため、長時間保温したときに味が劣化しやすいです。
ステンレス製は、『真空断熱』という熱を逃がしにくい構造によって保温します。ヒーターを使わないため、コーヒーの味がガラス製に比べると劣化しにくいのが魅力。電気代の節約にもなりますよ。一方、中が見えないのでコーヒーの分量を確認しにくいのがデメリット」
容量
ミル付きコーヒーメーカーは大容量のものは一度に10杯ほど抽出することが可能。容量の大きいものほど、本体サイズも大きくなるので、設置場所を考慮することが大切。
「家族で飲む人や、たくさん飲む人は、一度に5杯以上淹れられる容量が大きい製品がおすすめ。
普段飲んでいるカップの大きさを考慮することも大切です。ミル付きコーヒーメーカーが抽出する1杯分は約130〜150mほど。マグカップに入れるなら、2杯分抽出して1杯分くらいになりますよ」
お手入れのしやすさ
ミル付きコーヒーメーカーは、お手入れを怠ると酸化した豆の油が付着して、コーヒーの味が変わることも。
「ドリッパーを固定する『バスケット』というパーツを洗う必要がある製品もあります。洗うパーツの数が少ない製品のほうがお手入れは簡単。
ミルの部分は水で濡らすのがNGな製品もあります。お湯を使えたほうが洗いやすく、ミルの自動洗浄機能付きだと非常にラクです。
給水タンクが取り外せないと、お手入れが面倒。取り外せない製品もあるのでチェックしておくとよいでしょう」
機能

▼ミル付きコーヒーメーカーに搭載されている機能の例
保温 | 抽出後のコーヒーの温かさをキープ。長いものは2時間以上保温可能。 |
挽き目調節 | 「細挽き」「中挽き」「粗挽き」など豆の粒の大きさを調節可能。粒の大きさは「細挽き<中挽き<粗挽き」 となり、粒が大きいほどさっぱりとした味わいになりやすい。 |
味の濃さの調節 | 「普通」「濃い」など味の濃さを調整できる。 |
タイマー | タイマーで設定した時間にコーヒーを淹れられる。夜にセットしておいて、朝に淹れたい人におすすめ。 |
カップに抽出 | カップに直接抽出できる。 |
浄水フィルター | カルキをカットしたり、水を軟水化したりするフィルターなどがあり、コーヒーをまろやかな味に。定期的にフ ィルターを交換する必要も。 |
「高価格帯の製品は、調節できる挽き具合の段階が多いなど、好みの味に調整しやすい傾向があります。豆の量、お湯の温度、抽出時間などで最終的なコーヒーの味を調整できます。また、蒸らし機能は標準的に搭載されていますが、高価格帯の製品のなかには『長め』『短め』と蒸らし時間が選べるものも。
マグカップに直接抽出できる機能付きだと、サーバーを洗う手間が省けます。最近は背の高いステンレスボトル(水筒)に直接コーヒーを抽出できるタイプも増えてきました。コーヒーサーバーは一般的に、サーバーを置かずにマグカップに直接抽出すると、ロックがかかってできない仕様になっています」
専門家おすすめNO.1のミル付きコーヒーメーカー
ここでは元カフェオーナーで家電専門家の倉本さんのおすすめNO.1商品をご紹介。全自動タイプ・セミオートタイプから1台ずつ選んでいただきました!
全自動タイプの専門家おすすめNO.1
ツインバード 全自動コーヒーメーカー 3杯用 CM-D457B

専門家太鼓判のおいしさ!コスパ抜群の一品
3杯用の全自動タイプのミル付きコーヒーメーカー。臼式ミルを採用で、味にこだわる人におすすめの一品。
「味とコストバランスのよさを考えると、いちばんおすすめ。コーヒー界のレジェンドとして知られる田口護さんが抽出プログラムを監修しており、すごくおいしいのでぜひ一度飲んでほしいです!
好みの味に調整しやすいのも魅力です。抽出温度は83℃・90℃から、挽き具合は粗挽き・中挽き・細挽きから選べますよ」
セミオートタイプで専門家おすすめNO.1
象印 珈琲通 コーヒーメーカー EC-CB40

豆の個性を引き出す!お手入れも簡単な一台
容量4杯のセミオートタイプのミル付きコーヒーメーカー。省スペースで置きやすいのが特長。浄水機能付きで、カルキをカットするので豆本来の味を引き出しやすいです。ミルは取り外して水洗いできるのでお手入れも楽です。
「抽出したときに、豆の個性がしっかり出ていておいしいです。スッキリとしたデザインも好きです」
ミル付きコーヒーメーカーおすすめ9選
おすすめのミル付きコーヒーメーカーを人気商品から厳選してご紹介。倉本さんにお聞きした選び方のポイントや、Amazon・楽天などの人気通販サイトのランキングや口コミを参考に選出。「全自動」「全自動&コンパクト」「セミオート」とタイプ別に紹介しております。
【全自動タイプ】でおすすめのミル付きコーヒーメーカー
パナソニック 沸騰浄水コーヒーメーカー NC-A57

機能が豊富で使い勝手がいい。ミル自動洗浄機能付き
使い勝手のよい機能を多く搭載しているのが魅力の一台。最大5杯抽出可能です。
ミルの自動洗浄機能付きで、自動でミルを清潔に保つため、お手入れが面倒な人にもおすすめ。「デカフェ豆」コース搭載で、味が薄くなりがちなカフェインレスコーヒーを、コクや香りを感じられるよう抽出可能。
「煮詰まり軽減保温」により、おいしさをキープしながら2時間保温。プロペラ式のミルを採用で、比較的サイズもコンパクト。豆の挽き具合と味の濃さは、それぞれ2段階調整可能。
象印 コーヒーメーカー 珈琲通 EC-SA40-BA

カップに直接抽出できる!分解して丸洗い可能
プロペラ式ミル採用の4杯用の全自動コーヒーメーカー。まほう瓶構造のステンレスサーバー採用で、煮詰まらず保温しやすいです。
お手入れが簡単なのも魅力。ミルケース内部は自動で洗浄します。分解して丸洗いも可能。コーヒーカップに直接抽出可能で、サーバーを洗う手間が減るので楽ちん。
高温抽出することにより、コクと香りを引き出します。ペーパー・メッシュ、どちらのフィルターも使用可能。4通りの味に調整できます。
メリタ アロマフレッシュサーモ AFT1021-1B

メリタクオリティの本格的な味わい!一度に10杯まで抽出可能
世界的に知られるコーヒー機器総合メーカー「メリタ」が、はじめて手掛けた全自動コーヒーメーカー。高価格帯の製品で、コーヒーの味にこだわる人におすすめの一台。
メリタ独自のコーヒー抽出理論にもとづいて設計し、いつでも安定したおいしさを楽しめます。コニカル式のミル搭載で豆の粒の揃いがキレイ。
ステンレスサーバー採用で、味の劣化を抑えながら長時間保温しやすいです。挽き目調節とコーヒーの濃度はそれぞれ3段階調整可能。タイマー機能も搭載しています。
デロンギ マグニフィカS 全自動コーヒーマシン ECAM22112B

エスプレッソ式の定番!お手頃価格も魅力
イタリアの家電メーカー「デロンギ」のミル付きコーヒーメーカー。高価格帯の製品が多いエスプレッソ式のなかでは、比較的リーズナブル。
レギュラーコーヒー機能搭載で、スッキリとした後味と芳醇な香りが感じられるコーヒーを淹れられますよ。ミルクフロッサー付きで、カプチーノやカフェラテなどのミルクメニューも作れます。
自動内部洗浄機能付きでお手入れも楽。同時に2杯抽出可能です。
【全自動タイプ】でコンパクトなおすすめミル付きコーヒーメーカー
シロカ 全自動コーヒーメーカー カフェばこ SC-A211

コンパクト設計&お手頃な価格が魅力
4杯用のプロペラ式全自動コーヒーメーカー。
コンパクト設計でデスクや食卓にも置きやすいです。全自動がほしいけど置き場所に困っている一人暮らしの人にもおすすめ。おしゃれなデザインでインテリアにもなじみます。
ガラス製のサーバー採用で、最大30分保温可能。豆だけでなく、粉の状態からでもドリップできます。ステンレスフィルター採用で、豆本来の持ち味ををしっかり堪能したい方にも向いています。
アイリスオーヤマ全自動コーヒーメーカー BLIAC-A600-B

価格の安さ重視の人におすすめ
必要十分な機能を搭載した、価格の安さ重視の人におすすめの全自動コーヒーメーカー。プロペラ式のミルを採用で、サイズは幅17cm×奥行28cmほどと比較的コンパクト。
挽き具合は「粗挽き」「中挽き」の2通りから選択できます。「ドリップモード」では、粉の状態からでもドリップが可能。ガラス製のサーバー採用で、最大40分まで保温できます。
ラドンナ Toffy 全自動ミル付アロマコーヒーメーカー K-CM7

機能はシンプル。デザイン重視の人におすすめ
スタイリッシュなデザインがおしゃれ。幅13.2cm×奥行16.8cmほどのコンパクト設計。重量は約1.2kgなので持ち運びもしやすいです。
直接マグカップに淹れられるので、使いやすさも◎。静音設計で、動作音が静かなのも魅力。
粉からでもドリップ可能なので、ギフトでレギュラーコーヒーをもらったときにも便利。
【セミオートタイプ】でおすすめのミル付きコーヒーメーカー
東芝 コーヒーメーカー HCD-L50M

アイスコーヒーもおいしく淹れられる
2〜5杯分淹れられるセミオートタイプのミル付きコーヒーメーカー。
「可変蒸らしドリッパー」搭載で「深くコクのあるコーヒー」「すっきりキレのあるコーヒー」の2通りの味を楽しめます。
付属のアイスバスケットに氷を入れてセットするだけで、簡単においしいアイスコーヒーを淹れられるのも魅力。
浄水フィルター搭載でカルキを取り除いたキレイな水でコーヒーを淹れられますよ。
カリタ コーヒーメーカー MD-102N

老舗メーカーが手掛ける、5杯用セミオートコーヒーメーカー
国産の老舗コーヒーメーカー「カリタ」のセミオートタイプの5杯用のミル付きコーヒーメーカー。
「アロマシャワー」機能により、お湯がシャワー状に降り注ぐので、コーヒーの成分をまんべんなく抽出することが可能。サーモスタットウォーマー付きで、おいしい温度をキープ。
浄水機能付きで、カルキを除去したキレイな水でコーヒーを淹れられます。ペーパーフィルター採用で、フィルターのお手入れが面倒な人にもおすすめ。
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