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手軽な移動手段として人気のキックボード。法改正によって、電動キックボードにも注目が集まっていますが、公道走行のためにはまだ様々な手続きが必要です。

それに比べて、地面を蹴って進むタイプのキックボードは、今すぐに手軽に楽しむことができるのでおすすめ!

公園などで自由に乗るだけでなく、交通量が少ない場所でちょっとした移動に使ったり、キャンプ場での手軽な移動に使ったりすることもできます。

でも、たくさんの種類があるキックボードの中から自分に合ったものを選ぶのは至難のわざ。そこで、これまで数多くのキックボードを乗り比べてきたキックボードマニアの大原さんに、おすすめのキックボードを聞いてみました。

自分にあったものを選ぶために注目したい機能についても紹介します。

大原秀明さんのイメージ

大原秀明さん
日本ローラースポーツ連盟公認指導者。日本全国でインラインスケートの講習会を行ったり、パフォーマンスを披露するほかに大会運営や大会の審査員などを務めるなど幅広く活動している。購入する機種に迷ったことからキックボードにのめり込み、共同運営するwebサイトでは実際に20種類以上の機種を乗り比べたレビュー記事を紹介している。
ソトビバ

タイプ別おすすめキックボード8選

Image: GettyImages

大原さんが実際に試した中で自信を持っておすすめできるキックボードを教えてもらいました。キックボードをどのように楽しみたいのか、どんな場面で乗りたいのかといったタイプ別に紹介します。

手軽にキックボードを楽しみたい人に

とにかくキックボードを試してみたいという人や、ちょっとした移動に使ってみたいという人におすすめの、価格が手頃なものや、コストパフォーマンスに優れたものを紹介します。

JD RAZOR MS-105R

Image: Amazon.co.jp

頑丈ながら軽量なので子供から大人まで楽しめるキックボード。前輪のホイールが5インチになったことで走行性もアップしました。本体のカラーは4タイプ。別売りのショルダーストラップを取り付けることもできます。

重量 2.8kg
本体サイズ L66 × W34 × H86cm
耐荷重 90kg
対象年齢 6歳以上
ブレーキタイプ フットブレーキ
タイヤサイズ 前輪:127mm(5インチ)後輪:101.6mm(4インチ)
タイヤタイプ ウレタンタイヤ
折り畳み
高さ調整

本体サイズが小さめで軽く、持ち運びが便利。ホイールサイズは最低限のサイズなので滑走性能は低い。ちょっとした移動に最適です。なんといってもコストパフォーマンスに優れた一台。

StreetSurfing TRICK STER

Image: Amazon.co.jp

ジャンプやトリックなどにも耐えられる頑丈なつくりの一台。車輪が小さめなので過度なスピードが出ず、大人も子供も楽しめます。本体カラーは3色。

重量 2.7kg
本体サイズ L66 × W48 × H81cm
耐荷重 100kg
対象年齢
ブレーキタイプ フットブレーキ
タイヤサイズ 100mm
タイヤタイプ ウレタンタイヤ
折り畳み ×
高さ調整 不可

「JD RAZOR MS-105R」と同じ小型の機種で、こちらはハンドルが折りたためないタイプ。競技の入門モデルでもあり、折りたためない分、減速しにくくなっています。

距離のある移動を楽しみたい人に

Image: GettyImages

自転車のようなものから減速しにくいタイヤを使っているものまで、移動に適した乗り心地機能面に優れたキックボードを集めました。移動手段としてキックボードを使いたいという人におすすめです。

StreetSurfing K-BIKE KB3

Image: 楽天

自転車のような大きなタイヤが特徴の走破性にすぐれ、乗り心地も快適なキックボード。オンロードにもオフロードにも対応しているので、アウトドアシーンでも活躍してくれます。キャンプ場や公園での親子二人乗りが可能なサイズ。

重量 10.8kg
本体サイズ L145 × W66 × H95
耐荷重 150kg
推奨年齢 12歳以上
ブレーキタイプ ハンドブレーキ(フロント・リア)
タイヤサイズ 前輪:508mm(20インチ)後輪:406.4mm(16インチ)
タイヤタイプ エアタイヤ
折り畳み ×
高さ調整

自転車とキックボードのいいところを足したようなタイプ。タイヤが大きければ大きいほど転がり続ける力が強いので、高速安定性が高く、減速しにくいという特徴があります。
自転車と同じブレーキシステムを採用しているのでブレーキもしっかりかかります。サイズを気にしないのであれば一番おすすめ。キャンプ場でものれますし、路面状況を選ばない一台です。

StreetSurfing XPS AIR

Image: 公式サイト

簡単に折り畳みができるワンクリックフォールディングシステムを採用した一台。ハンドルバーの高さが調節できるので、8歳以上の子供から大人まで楽しめます。ハンドルバーは固定式なので安定性が高くガタつきがなく、キック力がダイレクトにスピードに変換できます。205mmのエアタイヤで乗り心地も◎。

重量 4.5kg
本体サイズ L70 × W48 × H99cm
耐荷重 100kg
推奨年齢 8歳以上
ブレーキタイプ フットブレーキ
タイヤサイズ 205mm
タイヤタイプ エアタイヤ
折り畳み
高さ調整

エアタイヤの空気圧が非常に高いのでエアタイヤなのにウレタンタイヤ並のスピードが出せます。減速しにくく、路面を選ばないので長距離を移動したい人におすすめ。

FRENZY FR205DB3

Image: Amazon.co.jp

イギリス発のおしゃれなキックボードブランドFRENZYのモデル。ハンドルバーは4段階に調整可能。ハンドルバー固定用のクランプがついているのでガタつきが軽減されています。フレームはワンアクションで折り畳め、コンパクトに持ち運べます。カラーはマットなブラックとアース系コヨーテの2色。

重量 4.76kg
本体サイズ L91 × W49 × H89?104cm
耐荷重 100kg
対象年齢
ブレーキタイプ ハンド・フット・デュアル・ブレーキシステム
タイヤサイズ 205mm
タイヤタイプ ウレタンタイヤ
折り畳み
高さ調整

折りたたみができて、かつ距離のある移動を楽しみたい人にはこれがおすすめ。ショルダーストラップ付きなので持ち運びにも便利です。折りたたんだとき自立するのも◎。

キャンプなどアウトドア環境で楽しみたい人に

Image: 楽天

キャンプ場など凹凸のある地面でも問題なく走れるタイプのオフロード仕様のキックボードはキックボードを楽しむ範囲を広げてくれます。

ここで紹介しているものはすべてエアタイヤのものです。価格や携帯性など他にメリットがない限り、タイヤ径は最低でも180mm以上、できれば200mm以上のものを選ぶのがよいでしょう。

StreetSurfing K-BIKE KB2

Image: Amazon.co.jp

大きなタイヤで滑走性を追求したモデル。オンロードでもオフロードでも路面を選ばず乗ることができます。ドリンクホルダー装備のためのビスが標準搭載されているのでカスタムも可能。アウトドアワゴンを牽引できるリアキャリアを装着すると荷物を運べます。

重量 7.9kg
本体サイズ L132 × W66 × H86?96cm
耐荷重 120kg
推奨年齢 10歳以上
ブレーキタイプ ハンドブレーキ(フロント・リア)
タイヤサイズ 前輪:406.4mm(16インチ)後輪:304.8mm(12インチ)
タイヤタイプ エアタイヤ
折り畳み ×
高さ調整 可能

「StreetSurfing K-BIKE KB3」の小さいタイプ。KB3は長距離向きですが大きいので、アウトドアにちょうどよいサイズなのがKB2。専用のリアキャリアもつけられます。エアタイヤなので路面状況を選ばずに走れます。

FRENZY FR205PP

Image: Amazon.co.jp

走破性に優れたエアタイヤを搭載したモデル。石畳のような路面の多少の凹凸には対応できるので行動範囲を広げてくれる一台です。カラーはブラックとミリタリーの2色展開。

重量 4.6kg
本体サイズ L91 × W49 × H87?96cm
耐荷重 100kg
対象年齢
ブレーキタイプ フットブレーキ
タイヤサイズ 205mm
タイヤタイプ エアタイヤ
折り畳み
高さ調整

「FRENZY FR205DB3」と同じシリーズのものですが、こちらはエアタイヤを搭載しています。

StreetSurfing XPS AIR

Image: 公式サイト

同商品

ハンドルバーは折りたためませんが、それが安定性を生んでいます。こちらもエアタイヤ搭載です。

Osprey Dirt Scooter SK2005US

Image: Amazon.co.jp

オフロード用に設計されたタイヤを備えたキックボード。土の上や草地などあらゆる地形に適した一台です。12歳〜大人の方に。

重量 7.4kg
本体サイズ W51 × H93cm
耐荷重 100kg
対象年齢 12歳以上
ブレーキタイプ フットブレーキ
タイヤサイズ 200mm
タイヤタイプ エアタイヤ
折り畳み ×
高さ調整 不可

幅が広く、大きな凹凸のあるエアタイヤを使っているので、しっかりと地面を感じることができます。折りたたみできず、持ち運びは少し大変ですが、キャンプ場で遊ぶときにはおすすめの一台です。
デッキの高さが地面から15cm程度と他のものに比べて高いので凸凹したところでもデッキの底を擦りにくく、タイヤのコア部分がアルミ製なので衝撃に強い作りになっています。

自分にあったキックボードの上手な選び方

Image: GettyImages

求める性能をはっきりとさせておく

キックボードに求めるものとして、滑走性能(路面を選ばずスムーズに走る力)、乗り心地安全性収納性が挙げられます。

  • 滑走性能

    滑走性能はタイヤのサイズによって変わってきます。最近の車種はタイヤ径が200mm以上のものもあるので滑走性能を求めるのであれば200mm以上のものを選ぶのがベストです。ただ、収納性や価格などによってそのサイズが選べない場合は、タイヤ径が145mm以上のものであれば、ある程度の滑走性能が期待できるでしょう。

  • 乗り心地

    乗り心地の良さは、デッキのサイズやハンドルの横幅が関係します。正面から見て両脇のグリップとタイヤで作る三角形が鋭角になると倒れやすくなるので、ハンドルの横幅が広ければ倒れにくくなります。私の基準ではハンドルの横幅が39cm以下のものは短いと規定しているのですが、60cmくらいあるとしっかりと持つことができるでしょう。
    乗り心地や滑走の安定性を高めるためにはハンドルはなるべくブレない方がよいので、ハンドルバーを折りたためないものの方が安定します。折りたためるものも、ハンドルの真ん中にクランプというハンドルバーを固定する部品がついているとブレはだいぶ改善されます。

  • 安全性

    安全性で大切なのはブレーキ。キックボードのブレーキの基本は、リア(後輪)タイヤの上のカバーを踏んでブレーキをかける、リアフットブレーキで、これはほとんど全車種についています。
    ハンドブレーキには前輪に効くハンドレバーフロントブレーキと後輪に効くハンドレバーリアブレーキの2種類があります。この中でもあまりおすすめできないのがハンドレバーフロントブレーキ。キックボードは自転車に比べると立っているだけで体が固定されていないため、自転車に比べてバランスが非常に悪く、前輪のブレーキをかけると簡単に前につんのめってしまいます。もしハンドレバーブレーキを使うのであればリアの方がよいでしょう。
    フットブレーキは後ろのタイヤに体重がかかるので、摩擦力が上がって効くようになっていますが、ハンドレバーリアブレーキを使った場合、キックボードが軽量なので後輪が簡単にロックしやすく、ブレーキが効いても止まる力はそれほど大きくないということになります。

  • 収納性

    折りたたみができるキックボードには、ステアリングコラムという部分が折りたためるものと、ハンドルバーが折りたためるものの2種類があります。
    ハンドルを折りたためるものの方がよりコンパクトになるのですが、デメリットとしてどうしても少しガタつきがでるので滑走性能が下がるということがあります。
    車に載せたり、電車やバスに持ち込んだり自宅で保管したりするときに折り畳みは必要ですが、紹介したkb3のように滑走性能が非常に高いものは選択肢から外れてしまうことになります。

これらの性能の中で、自分が何を重視したいのか。たとえば、キックボードを会社に置きたいから折り畳めるものがよいとか、バスに持ち込むからショルダーストラップがついたもので、そのかわり滑走性能が多少低くても仕方がないというように、それぞれの良いところと自分が求めるものとのバランスを見て選ぶようにしましょう。

極端に安いものには注意を

たくさんのキックボードを試すなかで、走っているときにハンドルが下がってきたり、前輪のブレーキをかけたらそのまま前転してしまったりするようなものもありました。あまりに安いものは何か理由があることもあるので、極端に低価格のものは避けた方が無難でしょう。

おすすめのキックボードの使い方

Image: GettyImages

キックボードはローラースケート、スケートボードなどと同じ「遊具」のカテゴリーに入り、道路交通法で交通や人通りが頻繁なところでは使用してはいけないという決まりになっています。
大原さんにおすすめのキックボードの使い方を教えてもらいました。

手軽な楽しみ方としておすすめなのが、車を降りた駐車場から目的地までとか、公共交通機関に乗るまでの間、もしくは降りてから目的地までの間などの移動にキックボードを使うことです。
その他にキャンプ場では純粋にオフロードを楽しめますし、荷物の運搬に使うのも便利でしょう。公園であれば、駐車場から遊び場までや、公園内を一周といった楽しみ方もできます。

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