こちらは2022年3月15日に掲載された記事の再掲載です。
テレビ会議や動画配信のときに活躍するアイテム、Webカメラ。購入する際は画質や内蔵マイクなど、どこに注目して選べばよいか悩んでしまいますよね。
Webカメラは目的や映る人数に合わせて選ぶことが大切。画質は動画配信なら1080p以上のものがよいでしょう。画角は2人で映るなら90°のものがおすすめ。予算のバランスを考慮して、機能面にも注目してみてください。
今回は、Webカメラの選び方をITライターの柳谷智宣さんに解説いただきました。柳谷さんにお聞きした選び方のポイントを参考に、おすすめWebカメラを「高画質」「会議用」「配信用」「Mac対応」とタイプ別に厳選して紹介します。
柳谷智宣さん
1972年生まれ。スマホやPCから様々なガジェットやネットサービスを扱っているIT・ビジネスライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は1983年発売のX1C(シャープ)から。お酒好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、三田本店で営業中。
②Webカメラの選び方
– 画質
– 画角
– フレームレート
– 内蔵マイク
– 設置方法
– 対応OS
– 機能
– 【コラム】安価なメーカーは大丈夫?
③おすすめWebカメラ12選|ジャンル別に紹介
– 【高画質】おすすめWebカメラ
– 【会議用】おすすめWebカメラ
– 【配信用】おすすめWebカメラ
– 【Mac対応】おすすめWebカメラ
④購入後はマニュアルの確認を
Webカメラとは?使い方は簡単!
Image: Shutterstock
「Webカメラは主にビデオ会議で使われています。動画配信やウェビナー、学校の授業などにも使われていますね。ノートパソコンのカメラの性能が低すぎる方や、そもそもノートパソコンにカメラがついていない方からの需要があります。
基本的にソフトをインストールする必要がなくUSBで接続するだけで使えますよ。
スマホでWebカメラの代用をすることもできます。スマホのほうが高画質ですが、充電しながら使う必要があったり、発熱でアプリが落ちたりするデメリットがあります」
Webカメラの選び方
Webカメラを選ぶときのポイントは以下の7つ。使用目的や映る人数に合わせて注目してみてください。
・画角
・フレームレート
・内蔵マイク
・設置方法
・対応OS
・機能
画質
Image: Shutterstock
解像度が高いものほど高画質になります。ビデオ会議用と動画配信用では最適な画質は異なりますので、目的に合わせて選びましょう。また、Web会議システムが720p対応のものだと、1080pのWebカメラを使用しても720pの画質で表示されます。
▼Webカメラの主な解像度
名称 | 解像度 | 画素数 |
---|---|---|
HD | 720p | 約100万 |
フルHD | 1080p | 約200万 |
4K | 2160p | 約800万 |
※画面は小さな点が集まって画像が構成されています。画素数は点の数で、解像度は点の密度。
「ビデオ会議で相手ひとりの顔だけが映っている状態だと、720pだと画質が粗くなります。ただ複数人が参加する会議では、映る画面が小さくなるので、720pでも気にならないでしょう。
ZoomやGoogle Meetは720pなので、これらのサービスを利用するなら720pで十分です。Microsoft TeamsやCisco Webex Meetingは1080pに対応しているので、フルHD対応製品を選ぶといいでしょう。
動画配信は最低1080p必要で、なるべく高画質なものがおすすめ。YouTubeは4Kにも対応していますよ。
技術やレンズなどの要因で同じ720pでも画質に違いがでます。スペック表をみても判断できませんが、新しい製品や高価な製品ほど、高画質な傾向にあります」
画角
「画角は映る人数に合わせて選びましょう。画角は広いほどよいわけではありません。広い画角に1人だと、スペースがあまりすぎて不自然ですよね。
1人で映るなら78°がおすすめ。60°だと、ドアップになるので、人によっては近いと感じる方も。2人で映るなら90°が、部屋中を映すなら110°以上あるとよいでしょう。
なかには、画角を広くしたり狭くしたり設定を調整できる製品もあります」
フレームレート
フレームレート(FPS)が大きいほど映像がなめらかになります。逆に小さいと、残像が残り、カクカクした動きに見えることも。
「最近のモデルは30fpsのものがほとんどですが、ビデオ会議では30fpsあれば充分。
動画配信のときは、60fpsは必須。動きは非常になめらかに見えますよ」
内蔵マイク
Webカメラには、内蔵マイクを搭載した製品があります。音質がよい製品だと、相手が音声を聞き取りやすくなります。
「モノラルマイクは音質に優れないので、音質を重視するならステレオマイクを選ぶとよいでしょう。
2~3人で使うなら『360°無指向性マイク』搭載のモデルがおすすめ。『ノイズリダクション』や『ゲインコントロール』という音を調整する機能があると、より相手が聞きやすくなります。
ヘッドセットを使う前提であれば、内蔵マイクはなくても問題ありません。動画配信をするなら、音質は最上位にする必要があります。別途、専用のマイクを購入することも検討しましょう」
▼内蔵マイクの機能
360°無指向性マイク | すべての方向からの音を拾い上げる |
ノイズリダクション | エアコンなどのノイズをカットし、クリアな音質に。 |
ゲインコントロール | 最適な音量に自動で調整。子どもの泣き声など突然出る大きな音が、相手にそのまま聞こえてしまうことを防止。 |
設置方法
Webカメラの設置方法は以下の3種類。使いやすさと価格のバランスを考慮して選びましょう。
・スタンド式…平らな場所に置く
・三脚式…三脚に取り付ける
「クリップ式のなかには、ディスプレイを傷つけないように装着する箇所がゴムになっている製品も。
三脚式は高価ですが、斜め上から映すことで見栄えをよくみせたい方から人気です」
▼クリップ式

▼スタンド式

▼三脚式

対応OS(Windows・Mac)
「WindowsならほぼすべてのWebカメラが動作します。Macは、Windows向けでも大半は動きますが、なかには動かないものも。Macで動くことをうたっている製品を選んだほうが安心です」
機能
機能性に優れる製品ほど高価になる傾向があります。予算とのバランスを考慮して注目してみてください。
オートフォーカス | 自動でピントを合わせる。 |
自動光補正機能 | 明るさを自動で調整。暗い場所の映りがきれいに。会議用におすすめ。 |
プライバシーシャッター | シャッターをスライドして簡単に隠せる。 |
「オートフォーカスはピントを合わせるのが簡単。
固定フォーカスは安価ですが、近づいたり離れたりするとピンボケします。ただ、Web会議で使うのであれば、ピントもあってしっかり映りますよ。
プライバシーシャッターがついていないと、プライベートな様子が映ってしまう可能性があります。カメラにプライバシーシャッターがついていない場合は、別途Webカメラ用のセキュリティシールの購入を検討してみてください」
▼Webカメラ用セキュリティシール
安価なメーカーは大丈夫?
「Webカメラの性能は、価格に比例する傾向があります。あまり知られていない安価なメーカーのものを買うなら注意が必要です。
商品説明が魅力的でも、画質などの性能は実際に確認するまでわかりません。もし安価な製品を購入したいなら、別途レビュー記事を参照するなどして、必要な機能があるかなど、徹底的に調べたほうがよいでしょう。
安定した性能の製品がほしければ、ロジクール・バッファロー・Ankerなどの有名メーカーの製品がおすすめです」
おすすめWebカメラ12選|ジャンル別に紹介
【高画質】おすすめWebカメラ
・サンワサプライ『ワイドレンズWEBカメラ CMS-V51BK』

水平103°・対角118°の広視野角の高画質Webカメラ。6人ほどの会議でも、全員がしっかり映りますよ。
約500万画素の高画質。自然な発色のガラスレンズを採用しているため、画面にゆがみが出にくい仕様です。ケーブルも3mと非常に長いため、パソコンから離れた場所に取り付けたいときに便利。
「アクティブノイズキャンセル機能」搭載の高感度デュアルマイクを採用。空調の音などの雑音をカットしたクリアな音質を届けられます。
キレイな映像で大人数の会議を行いたい方におすすめ。
解像度 | 最大2592×1944p |
画角 | 水平103°/対角118° |
フレームレート | 最大30fps |
内蔵マイク | 有 |
設置方式 | クリップ式/スタンド式/三脚式 |
・Razer(レーザー)『Kiyo Pro』

カリフォルニアのゲーミングデバイスメーカー「レーザー」の視野角が調整できる&暗い場所でも高画質なWebカメラ。
103°・90°・80°の画角設定が可能!1人・大人数と状況に合わせて使い分けができます。会議から動画配信まで幅広い用途にぴったり。
フルHD・60fpsで高画質。「1/2.8 型超高感度 CMOS センサー」を搭載で、逆光や暗い部屋など厳しい状況下でもクリアな映像を届けます。
レンズには傷つきにくい「Gorilla Glass 3」を採用。高価ですが、耐久性に優れるため長年使いたい方にもおすすめ。
解像度 | 1080p(フルHD)/720p(HD)/ 480p/360p |
画角 | 103°/90°/80° |
フレームレート | 60/30/24fps(1080p)/60fps(720p)/30fps(480p)/30fps(360p) |
内蔵マイク | 有 |
設置方式 | クリップ式/スタンド式/三脚式 |
・Logicool(ロジクール)『BRIO ULTRA HD PROビジネスウェブカメラ』

ロジクールのWebカメラで最高水準のモデル。
4K超高解像度カメラを搭載。さらに「RightLight3」「HDR」のテクノロジーにより、逆行や微光などの条件を選ばずに、自然な肌の色合いを表現できます。
画角は65°・78°・90°の設定が可能です。5倍HDズーム搭載で、ホワイトボードの文字を読み取れるほどクリアな映像。
「Windows Hello」対応なのも大きな特徴。Windows10で顔認証ができ、パスワードを入力する必要がありません。
ビデオ会議用でとにかく高機能な一台がほしい方にはおすすめです。
解像度 | 2160p(4K)/1080p(フルHD)/720p(HD) |
画角 | 90°/78°/65° |
フレームレート | 30fps(2160p)/60/30fps(1080p)/90/60/30fps(720p) |
内蔵マイク | 有 |
設置方式 | クリップ式/スタンド式 |
【会議用】おすすめWebカメラ
・Logicool(ロジクール)『C920n HD PROウェブカメラ』

Webカメラの定番メーカー「ロジクール」。「C920n」はコスパと性能のバランスに優れる一台です。
「自動HD光補正機能」採用で、薄暗い環境でも明るい映像に自動で調整。カメラの両サイドにはデュアルマイクが搭載され、クリアな音声を相手に届けます。重要な商談の利用にも安心。
画角は78°とやや広め。少し離して置けば複数人での使用もできます。
マルチスタンド採用で、ディスプレイに挟めるのはもちろん、三脚に設置して使用ができますよ。最初の一台におすすめですよ。
解像度 | 1080p(フルHD)/720p(HD) |
画角 | 78° |
フレームレート | 30fps |
内蔵マイク | 有(ステレオ) |
設置方式 | クリップ式/スタンド式/三脚式 |
・サンワサプライ『オートフォーカスWEBカメラ CMS-V45S』

1951年創業の国産パソコン製品メーカー「サンワサプライ」のWebカメラ。
フルHDでオートフォーカス機能つきなのが特徴です。カメラを向けるだけで自動でピントを調整してくれますよ。
5,000円ほどのリーズナブルな価格でありながら、便利な機能が満載。上下に動かすだけ簡単にカメラの位置を調整できるので便利。マルチスタンド採用で、三脚に設置して使えますよ。
画角は65°で少人数用の会議用向きですよ。リモート飲み用にもぴったり。
解像度 | 最大1920×1080p(フルHD) |
画角 | 水平65° |
フレームレート | 最大30fps |
内蔵マイク | 有 |
設置方式 | クリップ式/スタンド式/三脚式 |
・Anker(アンカー)『PowerConf C300』

高性能な会議用Webカメラがほしい方におすすめの一台。
広角レンズ搭載で78°~115°の画角調整が可能です。複数人の会議でも、全員が画角におさまります。人数に合わせた使い分けがしやすくて便利。
「高速オートフォーカス」も大きな特徴で、人物や物などのピントを約0.35秒で合わせます。商品を見せながら行うプレゼンもスムーズにできますよ。
内蔵マイクの性能も優秀。「ノイズリダクション機能」搭載で周囲の雑音をカットして会議もしやすくなります。さらに「オートゲインコントロール機能」搭載で、小さい声も相手に届きやすくなりますよ。
Zoom認証を取得しているので、Zoomとの相性も抜群。
解像度 | 最大1920×1080p(フルHD) |
画角 | 78°~115° |
フレームレート | 最大60fps |
内蔵マイク | 有 |
設置方式 | クリップ式/スタンド式 |
【配信用】おすすめWebカメラ
・Microsoft(マイクロソフト)『 LifeCam Studio for Business 5WH-00003』

マイクロソフトのHDに対応のカメラ。リーズナブルですが映像がキレイです。
True Colorテクノロジーを採用し、照明に合わせて色彩を調整。薄暗い空間のなかでも、鮮やかな映像を映せます。相手に好印象を与えられますよ。
さらに10cm~無限大まで対応するオートフォーカス付き。配信者の顔にもしっかりフォーカス。カメラや物を動かす必要がなくピントが合います。
音質に優れる内蔵マイクで、高画質で音声通話したい方にもぴったり。
解像度 | 1080p(フルHD・センサー)/720p(HD・ビデオチャット) |
画角 | ー |
フレームレート | ー |
内蔵マイク | 有 |
設置方式 | クリップ式/スタンド式/三脚式 |
・Logicool(ロジクール)『STREAMCAM C980OW』

フルHD/60fpsのロジクールの超高画質モデル。滑らかで鮮やかな映像を届けてくれますよ。
縦方向の撮影が可能なのは大きな特徴。スマートフォン向けの動画の撮影用にもぴったりです。Instagramのストーリー撮影など多岐にわたって活躍しますよ。
画角は78°と広めなので2人での配信や動画撮影も可能。三脚を取り付けられるのはうれしいポイント。自動露出補正やオートフォーカス機能も搭載しています。
撮影した映像はロジクールの専用アプリで編集ができます。手軽に配信をはじめたい方にはおすすめ。
解像度 | 最大1080p(フルHD) |
画角 | 78° |
フレームレート | 最大60fps |
内蔵マイク | 有(ステレオまたはデュアルモノラル) |
設置方式 | クリップ式/三脚式 |
・Cisco(シスコ)『Webex Desk Camera』

ビデオ会議専用機器などを開発するメーカー「シスコ」の最大4Kの高画質Webカメラ。
81°の広視野角なので、ホワイトボードを映しながら行うオンライン授業にもおすすめ。10倍ズーム搭載で、資料や物など見せたい部分を拡大できますよ。
高性能ですがコンパクトなので、SNS用の動画撮影なども気軽にしやすいですよ。プライバシーシャッターもついているので、カメラの消し忘れの際も安心。
ノイズキャンセリング機能を搭載した内蔵マイクつき。
解像度 | 最大4K/1080×720p |
画角 | 81° |
フレームレート | 30fps/60fps |
内蔵マイク | 有 |
設置方式 | クリップ式/三脚式 |
【Mac対応】おすすめWebカメラ
・Elecom(エレコム)『UCAM-C520FBBK』

大阪に本社を置く国産のコンピューター周辺機器のメーカー「エレコム」のWebカメラ。
3,000円以下! コスパに優れるMac対応の製品。画質は会議用には十分なHD。また、800万画素の静止画を撮影して送れますよ。
ディスプレイだけでなく平面にも設置できるマルチスタンドを採用。上下に角度調節できる仕様で、リモートワーク用にも便利に使えます。
「エレコム WebCamアシスタント」をインストールすれば、簡易的な動画編集ができます。
解像度 | 最大1600×1200p |
画角 | 68° |
フレームレート | 30fps(~1280×720p)/6fps(~1600×1200p) |
内蔵マイク | 有(モノラル) |
設置方式 | クリップ式/スタンド式 |
・BUFFALO(バッファロー)『BSW200MBK』

国産パソコン周辺機器メーカー「バッファロー」のWebカメラ。
120°の広視野角が大きな特徴の一台。複数人が参加するWeb会議やオンラインセミナーで部屋全体を映したいときにもぴったり。
「ムービングアームスタンド」搭載でノートパソコンだけでなく、少し厚みのある液晶ディスレイにも設置が可能。さらに「フレキシブルネック」搭載で、上下左右にカメラの向きを変えられます。
ステレオマイク内蔵で相手にクリアな音質を届けられますよ。
解像度 | 1920×1080p(フルHD) |
画角 | 約120° |
フレームレート | ー |
内蔵マイク | 有(ステレオ) |
設置方式 | クリップ式/スタンド式 |
・ASUS(エイスース)『WEBCAM C3』

パソコンのマザーボードの生産量世界1位の「ASUS(エイスース)」のWebカメラ。Mac・Chrome OSに対応しています。
カメラ本体を360°回転させられるのが特徴。映したい場所にアングル調整がしやすく便利です。
「ビームフォーミングマイク」採用で、ゲーム内の音と自分の声以外のノイズをカットします。ゲーム配信にもおすすめのモデル。
広角なのも特徴で、2人で並んで映るときにも安心。フルHDと高画質なので、会議や配信に活躍が期待できる一台です。
解像度 | 1920×1080p(フルHD) |
画角 | ー |
フレームレート | 30fps |
内蔵マイク | 有 |
設置方式 | クリップ式/スタンド式 |
購入後はマニュアルの確認を
「画角などを調整できるカメラの設定変更をするときには、ホームページから専用のソフトをダウンロードする必要があります。マニュアルをしっかり読まないと専用ソフトがあることに気づけないこともありますよ」
専用ソフトをインストールすれば、動画編集ができたり、高画質な写真を撮影できるようになったりより便利に使えるようになりますよ。専用ソフトをダウンロードして、より快適にWebカメラを活用してみてください。