キャンプなどのアウトドアで料理をするときに欠かせないものがガスコンロ。焚き火や炭火とは違って火起こしの必要がないので、手軽にキャンプ料理を楽しめる、キャンパーの強い味方です。
コンパクトさが魅力のシングルバーナーや、同時に2口の調理や温めが可能なツインバーナーに加え、最近ではアウトドアでも使いやすい、風よけがついたカセットガスコンロなども登場しています。
数や種類が多すぎて選べない!という人のために、キャンプの達人の佐久間さんにそれぞれのシチュエーション別におすすめのガスコンロをランキング形式で選んでもらいました。
目的に合わせたガスコンロを選んで、キャンプで手軽に調理を楽しんでみませんか?
佐久間 亮介さん
キャンプブログ「Hyper Camp Creators(ハイパーキャンプクリエイターズ)」の発起人であり共同運営者。日本全国の250箇所以上のキャンプ場をめぐるキャンプ旅を経て、ライターやモデル、イベントやコンテンツ企画など、キャンプにまつわる幅広い仕事に携わる。著書に『キャンプ職業案内』(三才ブックス)。
シチュエーション別ガスコンロおすすめランキング
手軽にキャンプを楽しみたい人におすすめBest 3
ソロキャンプにおすすめBest 3
大人数でのキャンプにおすすめBest 3
ダッチオーブン使用など、料理にこだわる人におすすめBest 3
使いやすさや価格のバランスがよいおすすめBest 3
キャンプ用のコンロの選び方のポイント
安全に配慮した使用を心がけよう
シチュエーション別ガスコンロおすすめランキング
手軽に調理を始めたいキャンプ初心者から、目的にあったものを買いたい・買い換えたい人まで、佐久間さんにシチュエーション別のおすすめガスコンロを教えてもらいました。
手軽にキャンプを楽しみたい人におすすめBest 3
Image: GettyImages
扱いやすいガスコンロが欲しいという人には、アウトドア仕様のカセットガスコンロをおすすめします。
登山用のバーナーなどに比べると大きなサイズにはなりますが、家庭のガスコンロのように簡単に着火できますし、カセットガスが入手しやすいのも良いところです。
風が吹いても火力が落ちづらかったり、持ち運びやすかったりと、通常の卓上コンロにはないアウトドア環境で使用する際の配慮がされています。
おすすめランキング 第1位
イワタニ カセットフー マーベラスII CB-MVS-2

取り外し可能なトップカバーとバーナーを囲む風防リングがついた、風が気になる屋外での使用に適したカセットコンロ。別売のイワタニアクセサリーシリーズで料理の幅を広げる楽しさもあります。取っ手がついているので、持ち運びにも便利です。

出力 | 3.5kW(3,000kcal/h) |
本体サイズ | 380 × 329 × 324mm(使用時最大) |
収納サイズ | 380 × 329 × 110mm |
本体重量 | 約2.8kg |
使用できる鍋の大きさ | – |
点火方式 | 圧電点火方式 |
おすすめランキング 第2位
イワタニ カセットフー タフまる

空気を通して風を通さない「ダブル防風ユニット」を搭載した、風を気にせずに使えるコンロ。耐荷重20kgで鍋底24cmまでのダッチオーブンも使用可能です。別売の「カセットフー アクセサリーシリーズ」に対応しているので、網焼きや焼肉、鉄板などのプレートも使用できます。カラーはブラックとオリーブの2色展開。専用のキャリングケース付き。

出力 | 3.3kW(2,800kcal/h) |
本体サイズ | 341 × 283 × 129mm |
ケースサイズ | 376 × 341 × 136mm |
本体重量 | 約2.4kg(ケース重量:約3.6kg) |
使用できる鍋の大きさ | 鍋底直径16cm〜24cm |
点火方式 | 圧電点火方式 |
おすすめランキング 第3位
スノーピーク HOME&CAMP バーナー ブラック

その名の通り、家でもキャンプでも使える卓上コンロ。使わないときはガス管をセットする部分に五徳を折りたたんで格納し、ボトルのような形状になるので、収納場所をとらず、手軽に持ち運ぶことができます。重心を可能な限り低くした安定感のある設計で、土鍋などの大きめの鍋も使用可能(最大直径30cmまで)。カラーはブラック、カーキ、シルバーの3色があります。

出力 | 2.4kW(2,100kcal/h) |
本体サイズ | 301 × 346 × 120mm |
収納サイズ | 90 × 120 × 255mm |
本体重量 | 約1.4kg |
使用できる鍋の大きさ | 最小Φ14cm〜最大Φ30cm/ダッチオーブン使用不可 |
点火方式 | – |
家でもキャンプでも使えることを意識したアイテム。新しいデザインで発売当初から人気のある、とてもコンパクトなバーナーです。
ソロキャンプにおすすめBest 3
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ソロキャンプにもさまざまなやり方がありますが、荷物をなるべく減らしたい人や、お湯を沸かす程度の調理しかしないという人は、なるべくコンパクトで軽量なものを選ぶのがよいでしょう。
おすすめランキング 第1位
SOTO アミカス SOD-320

風に強い構造で耐風性能を向上したモデル。本体重量が81gと軽量なので、キャンプ以外に登山にもおすすめです。コストパフォーマンスにも優れ、ビギナーからベテランまで使える、バランスのよい一台。
出力 | 3.0kW(2,600kcal/h) |
本体サイズ | 76 × 100 × 86mm |
収納サイズ | 40 × 43 × 75mm |
本体重量 | 81g |
ゴトク径 | 外径106mm、内径42mm |
点火方式 | 圧電点火方式 |
おすすめランキング 第2位
プリムス 153 ウルトラバーナー

3,600kcal/hのハイパワーな火力が特徴のガスバーナー。ハイパワーなのに軽量でコンパクトなので、キャンプだけでなく、ハイキングや高所登山でも活躍します。防風性能に優れたX字ゴトクタイプなので、着火を保ちながら調理が行えます。

出力 | 4.2kW(3,600kcal/h)※T型ガス使用時 |
本体サイズ | – |
収納サイズ | 75 × 88 × 30mm |
本体重量 | 116g |
ゴトク径 | 大148mm、小90mm |
点火方式 | 圧電点火方式 |
僕自身ずっと使っていますが、火力が強くお湯が沸くのが早いと感じます。
おすすめランキング 第3位
プリムス ウルトラ・スパイダーストーブⅡ

軽量を実現した分離型のガスバーナー。脚部と一体型になったゴトクには延長ゴトクが装備されているので、安定性のある調理が可能に。ガスの気化を促進させるプレヒートパイプを備えているので安定した燃焼を実現します。
出力 | 3.6kW(3,000kcal/h) |
本体サイズ | – |
収納サイズ | 93 × 100 × 35mm |
本体重量 | 167g |
ゴトク径 | 大168mm、小118mm |
点火方式 | -(圧電点火装置なし) |
大人数でのキャンプにおすすめBest 3
Image: GettyImages
大人数のキャンプなどで、たくさんの種類の料理を作りたい人は、火口が2つあるツーバーナータイプ、または火力の強いものを選ぶとよいでしょう。
おすすめランキング 第1位
UNIFLAME ツインバーナー US-1900

カセットボンベ式のツーバーナー。耐荷重は約15kgで、直径約26cmの鍋を並べて使うことができます。取り外し可能な蓋を外すと約33cmまでの鉄板も使用可能。引き出し式のハンドルがついているので、移動時にも持ち運びしやすいのも◎。サイドには低い風防が付いています。

出力 | 3,900kcal/h × 2(プレミアガス) 3,000kcal/h × 2(レギュラーガス) |
本体サイズ | 約540 × 325 × 290mm(ゴトク面) |
収納サイズ | 約540 × 325 × 115mm |
本体重量 | 約3.9kg |
使用できる鍋の大きさ | 鍋径約26cmまで(並べる場合) |
点火方式 | 圧電点火方式 |
おすすめランキング 第2位
プリムス トゥピケ

1つのガスカートリッジで2つの火口が使えるコンパクト設計のツーバーナー。ロック機能がついたスタンドを立ててセットすれば、バーナーの下に食材などを置くこともできます。二段階調整ができる風防付き。ステンレスゴトクと受け皿は簡単に取り外して洗えます。
出力 | 2.9kW(2500kcal/h) |
本体サイズ | 約700 × 400 × 295mm |
収納サイズ | 約475 × 82 × 295mm |
本体重量 | 約4.5kg |
ゴトク径 | 約20.5cm |
点火方式 | – |

おすすめランキング 第3位
スノーピーク ギガパワーLIストーブ剛炎

最大火力が8,500kcal/hを誇るハイパワーなシングルストーブ。4本の脚は5段階の調整が可能で、設置する地面の凹凸に対応します。寒さにも左右されにくいオリジナルの燃焼方法を採用しているので、寒い季節も安定した火力で使えます。中華料理や大鍋料理にも。

出力 | 8,500kcal/h |
本体サイズ | 375 × 420mm |
収納サイズ | 約Φ240 × 210mm |
本体重量 | 1.8kg |
使用できる鍋の目安 | 最大直径31cmまで |
点火方式 | -(圧電点火装置なし) |
ダッチオーブン使用など、料理にこだわる人におすすめBest 3
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大きめの鍋を使用する際は、ガス缶が熱くなってしまわないように、カセットコンロタイプのものかツーバーナータイプのもの、またはシングルバーナーの場合はガス缶と本体が離れた「分離型」と呼ばれるタイプのものがおすすめです。
分離型のものは、鍋を置く位置が地面に近く低いので、安定しやすいというメリットもあります。
使用できる鍋のサイズや耐重量はガスコンロによって異なります。安全に使うためにも、自分の持っている鍋が使用可能かどうか、事前に確認するようにしてください。
おすすめランキング 第1位
イワタニ カセットフー“タフまる”

おすすめランキング 第2位
UNIFLAME ツインバーナー US-1900

おすすめランキング 第3位
イワタニ・プリムス トゥピケ

使いやすさや価格のバランスがよいおすすめBest 3
Image: GettyImages
持ち運びしやすく軽量なシングルバーナーで点火が簡単な点火装置付きのもの、入手しやすいカセットボンベ缶が使用できるものを紹介します。
おすすめランキング 第1位
SOTO レギュレーターストーブ ST-310

マイクロレギュレーター搭載で、外気温が低下しても火力が落ちにくいバーナー。大きめのゴトクで安定した調理ができます。レギュレーターストーブ専用の別売のオプション製品も豊富なので使い道が広がります。
出力 | 2.9kW(2,500kcal/h) |
本体サイズ | 166 × 142 × 110mm |
収納サイズ | 140 × 70 × 110mm |
本体重量 | 330g |
ゴトク径 | 外径130mm、内径47mm |
点火方式 | 圧電点火方式 |
おすすめランキング 第2位
SOTO レギュレーターストーブ フュージョン ST-330

マイクロレギュレーターを搭載した、分離型のバーナー。連続使用時や低温時にも安定した火力で使用できます。約300個の炎口から出る炎とすり鉢状のバーナーヘッドで防風性能にも優れた一台。
出力 | 2.6kW(2,200kcal/h) |
本体サイズ | 350 × 120 × 90mm |
収納サイズ | 150 × 75 × 90mm |
本体重量 | 250g |
ゴトク径 | 165mm |
点火方式 | 圧電点火方式 |
おすすめランキング 第3位
イワタニ カセットガス ジュニアコンパクトバーナー

風防兼用ゴトク構造で風に強いシングルバーナー。小さく折り畳めるので、コンパクトに収納でき、持ち運びにも便利です。専用のハードケース付きで、キャンプやハイキング、トレッキングだけでなく、防災備品としても。
出力 | 2.7kW(2,300kcal/h) |
本体サイズ | 155 × 155 × 127mm |
収納サイズ | 82 × 68 × 109mm |
本体重量 | 約274g |
使用できる鍋の大きさ | 18cm鍋(鍋底16cm以下)まで |
点火方式 | 2アクション圧電点火方式 |

キャンプ用のコンロの選び方のポイント
移動手段で選ぶ
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車やバイクで移動するのか、バックパックに荷物を詰めて移動するのかといった移動手段によってキャンプの道具選びは変わってきます。
荷物の大きさや重さが制限されるキャンプや登山などを想定している人は、軽量・コンパクトなタイプを選ぶようにしましょう。
どんな料理を作るかで選ぶ
お湯を沸かすことができれば十分なのか、鍋を持参してちゃんと調理をしたいのかといった、作りたい料理のバリエーションによっても選ぶべきガスコンロは変わります。
お湯を沸かして軽食やコーヒーを楽しみたい人は、手のひらサイズのものを。家族やグループでダッチオーブンや鉄板を使いたいという人は、タフまるのようなタイプのコンロを選ぶなど、使う鍋や道具に合ったものを選ぶようにしましょう。
OD缶とCB缶の違いや選び方
ガスコンロに使用されるガス缶には、アウトドア専用のOD(アウトドア)缶とカセットコンロなどに幅広く使われるCB(カセットボンベ)缶の2種類があります。
OD缶とCB缶、どちらのガスコンロにするか迷ったときは、これからどういったアウトドアライフを送っていきたいのかという観点で選ぶのがよいでしょう。
OD缶はアウトドア専門店やホームセンターなどで入手する必要がありますが、気温が低い場所でも使いやすいなど、アウトドア環境に適したものなので、登山や寒い季節のキャンプで使いたい場合におすすめです。
CB缶は入手しやすく、扱いに慣れている人も多いので、手軽にコンロを使いたい人におすすめです。
安全に配慮した使用を心がけよう
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ガスコンロの使用に際してはそれぞれの商品の説明書をよく読んで、取り扱い方法を守るようにしましょう。
火災や一酸化炭素中毒の危険性があるため、テントの中や車中泊の車内でガスコンロを使うことは厳禁です。
風よけについて
風防(風よけ)は単体でも売られていますが、使い方を間違えるとガス缶の周りに熱がこもってしまい、危険な場合もあります。
キャンプの経験があまりない人は、危険かどうかを判断することが難しいでしょうし、基本的にアウトドア仕様のコンロやバーナーは風の影響を受けづらい構造になっているので、初心者の方が風防をあえて用意する必要はないでしょう。
ガスとその他の燃料について
ガスコンロの他にもアルコールやガソリンを使うバーナーもあります。
アルコールは引火しやすく、火力調整がしづらいなど取り扱いが難しい特徴があります。
ガソリンを使用したガソリンバーナーは気温が低いところでも使いやすいという利点があるのですが、使用時にポンピングやプレヒートといった作業が必要になったり、専用の携行缶でガソリンを持ち運ぶ必要があったりと、こちらも取り扱いに注意が必要です。
どちらもいきなり扱うにはハードルが高いため、まずはガスコンロを使ってみて、もっとキャンプやアウトドアを深めていきたくなった段階で検討することをおすすめします。