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在宅ワークの増加や、食べものを自分で育てたいという意識の高まりから、ガーデニングに取り組む人が増えています。

何かを育ててみたい!と思ってはいても、ガーデニングを始めるには場所や道具が必要ですし、なるべく失敗したくないけれど、なにが必要で、どこに気をつければよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、園芸のプロである小島さんに初心者にも始めやすいガーデニングや、夏や秋にかけて楽しめる野菜や花について伺いました。
植物の成長を見守ることや、収穫した野菜を食べることは何より楽しいものですし、庭がなくてもプランターで手軽に野菜や花を育てることができます。苗を植えるのに適したこの時期に、ガーデニングを始めてみませんか?

小島理恵 さんのイメージ

小島理恵 さん
人や動物、環境へ配慮しながら景観の保持や生物多様性、種の保存をめざす「オーガニックガーデン」づくりを手がける株式会社Q-GARDEN代表取締役。著書に『はじめてでもカンタン! おいしいベランダ野菜』(西東社)がある。

Q-GARDEN

まずはどこに何を植えるかを決めよう!

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ガーデニングと一口に言っても、広い庭でやるのか、プランターを使うのか、育てるものは野菜なのか花なのか、内容は実にさまざまです。

まずは自分がどんな環境や条件で育てられるのか、次の2つの質問に答えることで見つけていきましょう。

Q1. プランターで育てたい?

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Yes

家に庭がなかったり、あっても植物の栽培に適していない場合などはプランターを使って野菜や花を育てましょう。

プランター栽培は、道具類を揃えてしまえば土を耕す必要がなく、手軽に始められるので初心者にもおすすめです。

プランター栽培のデメリットとしては、最初に育てる植物に合わせたプランターを選んでおく必要があることや、日々の水やりなどに少し手間がかかるということが挙げられます。

No

庭など、植物を植えることのできる場所でガーデニングをしたい場合は地植えをしましょう。

地植えは育てる植物の大きさを考えてプランターを用意する必要がなく、毎日の水やりがプランター栽培に比べて楽なこともあり、日々のお世話に手間がかからないというメリットがあります。

プランター栽培などと比べて自然な状態で育てられるので、植物が大きく育ちやすいという利点も。

ただし、土が固くなっている場合は土壌改良が必要だったり、水はけが悪い場合はよくする必要があったりと、土の状態に左右され、一度植えると動かせないというデメリットもあります。

毎日の世話に少し手間がかかりますが、プランター栽培のほうが土を作る必要がないため、初心者には始めやすいでしょう。

Q2. 季節ごとに植え替えて楽しみたい?

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Yes

一年の間に発芽から、開花、結実して種を残すというサイクルを終わらせる植物を一年草と言います。

例えば春に植えたものを秋頃まで楽しんで、秋から別のものを植えるなど、その季節ごとに野菜や花を育てて楽しみたいという場合は一年草を選びましょう。

・一年草の野菜

・キュウリ ・ナス ・カボチャ ・エダマメ ・ソラマメ ・大根 など
※多くの野菜は一年草です。多年草であっても一年で収穫を終えるものも多くあります。

・一年草の花

・アサガオ ・ヒマワリ ・パンジー ・ケイトウ ・マリーゴールド(一部多年草)など

No

一年でサイクルの終わる一年草に対して、根が残っていれば毎年だんだん大きくなって2年目以降も楽しめるものを多年草と言います。

一度植えたら、そこまで手間をかけずに長く楽しめるものを育てたい、という人は多年草を選びましょう。

一度植えてそのままだからといって、季節感がないわけではありません。新芽の時期には新芽が、花の時期には花が楽しめますし、秋に花が咲き終わって枯れた姿も風情があり、一年を通して季節を感じられますよ。

・多年草の野菜

・アスパラ ・ニラ ・ミョウガ ・クレソン など

・多年草の花

・スイセン ・アネモネ ・クリスマスローズ(ヘレボルス) ・アガパンサス ・クレマチス ・シバザクラ ・キキョウ など

ガーデニングを始めるときに大切なのが年間の計画をたてること。野菜を育てるのか、花を育てるのかというよりは、まず一年草にするか多年草にするかを決めてしまいましょう。その上で、育てたものを食べたい人は野菜やハーブ類を、花を観賞したいという人は花を選ぶというやり方をすると後悔や失敗が少ないでしょう。

初心者向け 育てやすい植物の選び方

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病害虫に強い品種を選ぶ

なるべく失敗したくない場合には、病気や害虫に強い品種を選ぶようにしましょう。苗の説明書きに病気や害虫に強いと書いてあるものがおすすめです。特に書かれていない場合は病気や害虫に弱い可能性も。初心者は失敗しやすいので避けた方がよいでしょう。

病気や害虫に強いものとして、ハーブ類もおすすめです。

特に初心者の方におすすめしているのが、パセリや万能ねぎ、大葉といった彩りを添えたり薬味に使えるハーブや野菜類です。使うときに少量ずつ収穫できるので、非常に便利です。

パセリの苗は~300円程度と安価で半年ほど収穫できます。香りの強いハーブや野菜類は病気や害虫に強いものが多いので、初心者の方にもおすすめです。

季節や場所に合わせたものを選ぶ

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植物には生長に適した時期があるので、苗が出回っている旬のものを選ぶようにしましょう。

「適地適作」という言葉があるように、それぞれの植物に適した環境で育てることは基本中の基本。ヒマワリのような日向を好む植物を日陰で育てようとしても病気になってしまったり、大きくならなかったりとうまく育ちません。

育てたい植物が必要とする環境を準備できるか事前に確認しておきましょう。

・5月中に植えるのに適した野菜類

・ミニトマト、ピーマン、ナス、キュウリ、ゴーヤ、シシトウ、トウガラシ、葉ネギなど

・5月中に植えるのに適した花類

・ニチニチソウ、マリーゴールド、ペチュニア、サフィニアなど

・5月中に植えるのに適したハーブ類

・パセリ、ミント、ラベンダー、ローズマリー、タイム、バジルなど

種よりも苗を選ぶ

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植物を育てるときには、種から育てるのか、苗から育てるのかという違いがあります。赤ちゃんの世話に手がかかるのと同じで、植物も種の状態から苗まで成長させることはとても難しいもの。

初心者が野菜や花を育てる場合は種からではなく、苗を買って育てることがおすすめです。

初心者には難しい野菜や花は?

野菜の場合、例えばマスクメロンのように売られている値段の高いものは育てるのが難しい傾向があります。逆に単価の安いピーマンなどの野菜は簡単に、たくさん作ることができます。

花の場合、売られているのをよく目にするわりに育てるのが難しいのがバラです。バラは病気になりやすかったり、虫がつきやすかったりするため、初心者には難しいものの一つ。

どうしても育ててみたい場合は、耐病性のある品種を調べて選ぶようにしましょう。

必要な道具を揃える

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初心者がガーデニングを始めるためには次のような道具類が必要になります。ここでは主にプランター栽培に必要なものを紹介します。

  • プランター、鉢
  • 鉢底石
  • 鉢底網
  • 培養土
  • じょうろ
  • はさみ
  • 移植ごて
  • 手袋

地植えの場合は庭の広さにもよりますが、じょうろの代わりにホースを準備して水やりをした方が早いでしょう。移植ごての代わりに足で力を加えて使う大きなスコップも必要になります。

ガーデニングのおすすめアイテム

かいサポスタッフの選んだガーデニンググッズと小島さんのおすすめグッズを紹介します。

プランター、鉢

大きさ、素材、形状について

育てる植物に適した広さや深さのプランター、鉢を選びましょう。一番自然に近い形で植物を育てられるのは素焼きの鉢なのですが、欠点はその重さ。土を入れるとさらに重くなってしまうため、重量を気にする必要のあるベランダで使用するときは、プラスチック性のものをおすすめします。

水はけのよい形状として、スリットの入ったスリット鉢もおすすめです。

色について

いろいろなものを育ててみたいと考えている方は、白系や茶系など、プランターの色をある程度揃えておきましょう。色が統一されていると、スペースをすっきり見せることができます。

気に入った色のプランターや鉢がない場合、ペンキで好きな色に塗ってしまうのもおすすめです。

amabro アートストーン コンテナ スクエア Sサイズ

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石のように見えるデザインのコンテナ。鉢底部に貯水スペースがあり、水を溜めることができます。ポリプロビレンとストーンパウダーを混ぜた環境に優しい素材を使用していて、見た目に反して軽く持ち運びしやすい点もうれしい。

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リッチェル ボタニー プランター 45型

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プラスチックに石粉や木粉などの自然素材を加えることで、陶器のような見た目を実現した「ボタニー」シリーズのプランター。根腐れ防止のために排水穴は大きめにあけられています。落ち着いたカラーバリエーションが上品な空間を演出してくれます。

スリット鉢 30cm 10号

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側面から底面にかけて、水抜きのための排水穴がスリット状に設けられたスリット鉢。排水性に優れているだけでなく、鉢底で根が回ることを防ぐため、植物にとって大切な根がバランスよく育ちます。野菜や観賞用の花など、あらゆる園芸に使用できます。

大和プラスチック 根はり鉢 10号

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植物の根が鉢全体に広がりやすい、スリット構造の鉢。鉢いっぱいに張った根が培養土の栄養をしっかり取り込むことができるので、植物が元気に育ちます。すっきりとしたデザインも◎。

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培養土

培養土とは、植物を育てるのに必要な保水性や水はけの良さ、養分を備える保肥性や通気性に優れたバランスのとれた土のこと。

培養土は100円ショップでも売られていますが、安すぎるものは植物がうまく育ちません。極端に高いものを使う必要もありませんが、園芸店やホームセンターで売られているもので、標準の値段から少し高価格帯のものであれば問題なく育てられるでしょう。

培養土には野菜用や花用などと用途が明記されているものもありますが、基本的な構成は同じなので、どちらを使っても問題ありません。

タキイ 花と野菜の土 20L

花や野菜の栽培に適した、植物にやさしい天然素材などを使用した培養土。肥料の効果は30日余り期待できます。

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プロトリーフ 花と野菜の有機培養土 12L

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初期育成に必要な栄養素が入った有機培養土。花にも野菜にも安心して使うことができる、定番の人気商品です。

岐阜緑園 花と野菜の土 12L

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通気性や保水性、保肥力に優れた軽くてふかふかした培養土。花や野菜のほかに観葉植物の植え替えにもそのまま使えます。

じょうろ

じょうろの代わりにペットボトルややかんを使う人もいますが、じょうろを使うと断然水やりが早く、楽になります。忙しい朝の時間帯の時間短縮にもなるので必ず準備しましょう。

じょうろをいちいち出したりしまったりするのが面倒という方は、オブジェとして置いておいてもおしゃれに見えるものがおすすめです。ガーデニングが盛んなイギリスやフランスなどのものは見た目もかわいいものが多いですよ。

HAWS トラディショナルカン

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世界中のガーデナーに愛されるイギリスHAWS社製のじょうろ。ダブルハンドルなので、重くなったじょうろも安定して持ち運べます。ハス口は取り外し可能。機能性とデザインの両方を兼ね備えたじょうろです。

HAWSのものは見た目もよく、いろいろな色や形があり、使いやすいのでおすすめです。

アイリスオーヤマ ブリティッシュウォーターポット

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落ち着いたアースカラーがおしゃれなじょうろ。ハス口もかんたんに取り外しができ、用途にあわせた2通りの使用が可能です。ベランダや庭の植物の水やりに。容量約3.6リットル。

Zhiren じょうろ 1.8L

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シンプルなデザインとシックな色が特徴的なじょうろ。ハス口の取り外しができるので2通りの散水方法で水やりができます。

Image: Amazon.co.jp

ハサミ

ハサミは茎などを切るときや、野菜を収穫するときに使用します。キッチンバサミで代用する方も多いのですが、硬い茎を切ると刃がだめになってしまいますし、いちいち洗ったり持ち運んだりするのも面倒です。

サビに強い素材のガーデニング専用のハサミを準備するようにしましょう。

アルス クラフトチョキ 園芸/農作業/家庭菜園

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野菜の収穫や摘果、枝のカットだけでなく、麻紐やビニール紐などもカットできる便利な多用途ハサミ。現場で活躍してくれる一本です。

このハサミは使いやすいのでおすすめです!

金象印 マイフィット ガーデン鋏

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野菜の収穫や園芸、工作に使える万能ハサミ。刃部にはステンレス刃物鋼を使用していて、屋外での使用にも適しています。

移植ゴテ

苗の植え付けや、土を掘る際などに使う移植ゴテはガーデニングに欠かせない道具です。

永塚製作所 ステンレス共柄移植ゴテ 補強付

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サビに強いステンレス製の移植ゴテ。細巾のほかに、太巾タイプもあります。

Do LABO ガーデンツール 移植ゴテ メジャー

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ステンレスのスコップ部分に10cmまで測れるメジャーがついた移植ゴテ。ウッドハンドルの持ち手につけられた革紐が、ナチュラルな雰囲気を演出します。

福井 OWL ファイバーグラス ハンドスコップ

Image: 楽天

丈夫で軽いファイバーグラスを使用した移植ゴテ。軽いので持っていても疲れにくいところが◎。

手袋

手袋をつけることで手が汚れることや怪我を防ぎます。かわいいデザインのものも多いので、飾っておけるようなおしゃれなものを選ぶのもおすすめです。

東和コーポレーション WithGarden フォレスタ

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グリップに優れた天然ゴムを使用したガーデニング用手袋。袖口が少し長くなったタイプ。サニタイズ抗菌抑臭加工が施されています。

FOXGLOVES ガーデングローブ

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アメリカ・フォックスグローブ社の特殊なナイロン製の手袋。通気性に優れ、蒸れにくく指先までフィットします。手のひら側には滑り止め付き。色展開が豊富なのもうれしい。

東和コーポレーション WithGarden ルミナス

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優れたフィット感で作業のしやすいガーデニングのための手袋。おしゃれなプリント柄です。

『はじめてでもカンタン! おいしいベランダ野菜』(西東社)

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小島さん監修の書籍。初心者にもわかりやすい育て方や、栽培に適した時期のカレンダー、それぞれの作物の難易度なども明記されていて、これからベランダで野菜やハーブを育てたい方に役立つ情報が満載です。

基本の育て方

土入れの手順(プランターの場合)

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プランターの穴やスリットから土が流れ出ないように、底に鉢底ネットを敷き、その上に鉢底石を敷き詰めてから培養土を入れます。育てる植物に適した方法で苗の植え付けや種まきをしましょう。

一般的な鉢底ネットの代わりに霜よけなどに使われる寒冷紗を使うと、細かい網が土の流出を防いでくれます。ベランダの床が汚れるのが気になる方におすすめです。

水やりについて

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植物を置く環境や、その植物の成長具合によって、水やりのタイミングや必要な水の量は変わります。基本的には、土が乾いたら水をあげるようにしましょう。

慣れないうちは土の中に指を入れて確認することをおすすめします。湿っている場合は乾くまで待って水をあげてください。乾いたり湿ったりを繰り返すことで根っこの生育によい影響を与えます。

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