Photographed by Motoki Adachi
連載「みんなのキッチン」では、ネイバーズ(「みんなの部屋」出演者)のお宅に再び訪問して、キッチンに関するお話をさらに詳しく伺っていきます。
今回訪問したのは、「みんなの部屋取材から3年。家族が選んだのはシェアハウス付きの一軒家(池袋)」にご出演いただいた樋山さん一家のお宅。
1日の大半をキッチンで過ごすという千恵さんは、大のお料理好き。使いやすさにとことんこだわったキッチンは、これまでROOMIEでも度々ご紹介させていただきました。
そんな樋山家のキッチンで、今すぐ参考にしたい便利なアイテムから、キッチン作りに役立つ収納の工夫まで、たくさんお話を伺ってきました!
場所:東京都豊島区池袋
今のキッチンの使用歴:4年
作業スペース:シンク横+ユニットシェルフ上の作業台
コンロの口数:3口
1. お気に入りのキッチンアイテム
–長谷園「かまどさん」
–工房アイザワ「ストレートケトル」
–照宝「桧のせいろ」
–バーミキュラのフライパン
–ボダムのフレンチプレス
2. 切らしたくない食材・調味料
–ヨンドゥ 順(ライト)
–MC タコシーズニング
3. 工夫しているところ
–アイテムごとにあるべき場所を決める
–事前に入念な計画を立てる
–野菜の管理には紙袋を使う
5. 掃除の頻度や方法
お気に入りのキッチンアイテム
長谷園「かまどさん」
お気に入りのアイテムとして真っ先に紹介してくださったのが、長谷園の「かまどさん(3合)」です。ご実家が炊飯器を使っていなかった影響で、千恵さんご自身も自然と土釜を使うようになっていたのだそう。
「手軽に美味しいご飯が炊けるので、毎日使っていますね。火にかけて10分、そこから15分ほど蒸らして最短で25分くらいで炊き上がります。
浸水には1時間くらいかかりますが、事前に用意しておけばいつでも炊けるので、例えば朝ご飯に食べたいときは前日の夜から水に浸けておいたりします」(千恵さん)
以前のおうちから使い続けているこちらは、今年で7年目。既に2個目も購入しているそうで、日々の食卓に欠かせないアイテムだということが伝わります。

かまどさんを使って炊いたお米(撮影:千恵さん)
工房アイザワ「ストレートケトル」
デザインも気に入っているという工房アイザワの「ストレートケトル」は、お茶づくりの強い味方。
「電気ケトルも持っているのでお湯を沸かすのにはほとんど使わず、お茶づくり専用みたいになっていますね。まとめて買った麦茶もこのケトルで煮出すとなんだか美味しい気がしています」(千恵さん)
照宝「桧せいろ」
「これで野菜を蒸すと何でも美味しくなるんです」と見せてくださったのは、ご友人からプレゼントでもらったという照宝の「桧せいろ」。調理器具の中でも、特に出番が多いアイテムなのだといいます。

せいろで作った蒸し野菜(撮影:千恵さん)
こちらを使うと、桧の柔らかい香りが食材にほんのりと移るのだそう。
「野菜以外にも中華まんを蒸したり、少し硬くなったパンをふっくらと戻すのに使ったりと、とにかく使い勝手がいいです」(千恵さん)
バーミキュラのフライパン
バーミキュラのフライパンは、お肉料理に欠かせない逸品。
「毎日使うアイテムではないですが、簡単に美味しいお肉を焼けるので気に入っています。
鉄フライパンと違ってシーズニングやメンテナンスがいらないので、サッと気軽に使えるのも嬉しいですね。使った後は洗剤で丸洗いできて、お手入れも簡単なんです」(千恵さん)
ボダムのフレンチプレス
学生時代から好きで飲んでいるというコーヒー。カウンターには電動ミルや抽出器具など、本格的なアイテムが並んでいました。
▼おすすめのコーヒーアイテムは、こちらでもご紹介いただいています。
お話を伺っていると「よかったら飲みますか?」と嬉しいお誘いが! お言葉に甘えて、淹れたてのコーヒーをいただくことに……。
「近くに美味しい自家焙煎のお店があって、そこで豆を買っているんです」と言いながら、手際よく準備を進める千恵さん。挽いたばかりのコーヒーのいい香りがキッチンに広がります。
「ハンドドリップやマキネッタもありますが、淹れるのが簡単なボダムの『フレンチプレス』をメインで使っていますね。主人がいるときは一緒に飲むので、人数に応じてサイズを使い分けています」(千恵さん)
淹れていただいたコーヒーはとっても美味しく、取材を忘れてゆったりとした時間を過ごすことができました。
切らしたくない食材・調味料
ヨンドゥ 順(ライト)
大豆や野菜をベースとした万能調味料の「ヨンドゥ 順(ライト)」は常にストックしている定番アイテム。
「韓国の友人に教えてもらった調味料で、一度使って以来ハマって常備しています。
よく作るのはパスタですね。お肉と野菜を炒めて、ヨンドゥで味付けしたら茹でたパスタを加えるだけと、簡単ですがとっても美味しいんです! これだけでしっかりと味が決まるのでお手軽です」(千恵さん)
MC タコシーズニング
「メキシカンをどうしても食べたいときがある」千恵さんにとって、「MC タコシーズニング」も欠かせない調味料の1つなのだそう。
「スーパーでも売っていますが、すぐに使い切ってしまうので大きいタイプをネットで買うようにしています。どんなお肉とも相性がよくて、その中でも個人的にはチキンと合わせるのが好きですね」(千恵さん)

タコシーズニングを使って作った肉料理(撮影:千恵さん)
工夫していること
アイテムごとにあるべき場所を決める
整理整頓の行き届いたミニマルなキッチンという印象を受ける一方で、「物が好きでどうしてもアイテムが増えてしまいがちなんです」と語る千恵さん。収納の秘訣を伺うと、さまざまな工夫が見えてきました。
「収納にはとにかく力を入れました。引越し前はinstagramで整理収納アイデアばかり調べていましたね」(千恵さん)
たくさんの情報の中で、特に参考にすることが多かったというのが、こちらの「おさよさんの無理なくつづく家事ぐせ」。
「今の暮らしをするにあたって、この本はとても役立ちました。本に書かれている内容を100%実行できているわけではないですが、自分なりに無理のない範囲で取り入れています」(千恵さん)
パッと見ただけで、どこに何があるのか分かる引き出し収納も、そうしたアイデアの1つなのだそう。
「無印良品や100均のアイテムを使って、引き出しの中を区分けしています。あるべき場所が決まっていれば自然と整理整頓できるので、住みはじめた当初からほとんど変わらずにこの状態を維持できていますね」(千恵さん)
事前に入念な計画を立てる
キッチンの奥、壁面に沿ってずらっと並んだ収納棚には、さまざまなアイテムが綺麗に収まっています。

千恵さんがiPadで描いたという収納の見取り図
「収納棚の中に何をどうやって入れるかは、引越し前に見取り図を描いて考えていました。事前準備には時間がかかりましたが、最初の段階で手を抜かずに頑張ったからこそ住みはじめてから楽をできているなと感じています」(千恵さん)
収納棚の隅、ゴミ箱の隣にさりげなく並んでいたのは、ファイルボックスを2段重ねたゴミ袋収納。サイズ感や色味が統一されているため、生活感の出やすいアイテムもスッキリとまとまっています。
事前にイメージを固めた上でアイテムを揃えていくことも大切なポイントなのだなと実感しました。
野菜の管理には紙袋を使う
「3人家族には少し小さいのでいつもギチギチなんです」と笑いながら見せてくださった冷蔵庫。
食材はたくさん入っていますがそれでも流石の整頓力で、キッチン収納同様にどこに何があるのかひと目で分かります。
冷蔵庫を使う上で工夫しているのが野菜の管理の仕方。
「野菜をそのまま入れておくと葉っぱや土が落ちてしまうので、紙袋に入れて管理しています。こうしておくと掃除が簡単ですし、見た目もゴチャゴチャしないのでオススメです」(千恵さん)
掃除の頻度や方法
隅々まで綺麗なキッチンですが、お手入れは特別なことをしているわけではなく日々の積み重ねによるものなのだそう。
「掃除はその都度汚れたところを綺麗にするよう心がけています。まとまった掃除は週に1回できたらとは思っていますが、忙しくてできないこともありますね。
コンロ周りはIHと比べると凸凹していますが、五徳を外すとある程度フラットになるので掃除しやすくて助かっています」(千恵さん)

スポンジは「サンサンスポンジ」を半分に切って使用
お話を伺う中で「なるほど」と勉強になったのがマイクロファイバーの布巾を使っているということ。
「基本のお手入れはマイクロファイバーを使っています。吸水力もあってすぐに乾いてくれるので使いやすいですね。1日の終わりには必ず洗濯をするようにしているので匂いも気になりません」(千恵さん)
シンク周りには「メラミンスポンジ」、油汚れにはJ.R.Watkinsの「ナチュラルオールパーパスクリーナー」を使っているのだそう。シトラス系の香りが心地よく、汚れも綺麗に落としてくれるのだそうです。
設備面で気に入っているところ
「どれも本当に気に入っています」と語るシステムキッチンは、使いやすさを追求したオーダーメイド。
その中でも特に気に入っているのが、乾燥機能付きの食洗機なのだそう。
「食洗機を導入したことで家事が格段と楽になりました。大事に使いたいので予洗いだけはしていますが、あとは全部任せっきりです。乾燥機能付きなので、そのまま後ろの収納棚にサッとしまえるのもいいですね」(千恵さん)
動線を考えて作られたキッチンは、ゆとりのある幅感でとっても使いやすそう。
奥には収納力抜群のパントリーもあり、こんなに素敵なキッチンがあったらお料理も捗るだろうなと将来のキッチン作りに向けた想像が広がりました。
現在のキッチン完成度と今後の展望
「実際に住みはじめてから課題に感じることはほとんどなかったので、現在のキッチンの完成度はほぼ満点ですね」と答えてくださった千恵さん。それは偏に入念な事前準備の賜物と言えそうです。
取材の終盤に「実は、おにぎり屋さんをはじめようと考えているんです」と教えてくださった千恵さんと旦那さんの潤さん。おにぎり屋「山太郎」の準備も万端で、すでに老舗のおにぎり屋「ぼんご」での修行を終え、今は店舗を探している段階なのだそう。
キッチンに並んで談笑するお二人を見て、心地いいキッチンが暮らしの中心にあることで、より自分らしい生き方ができるのかもしれないなと、ふとそんなことを思いました。
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