毎日の料理に欠かせない調味料、オリーブオイル。おいしいものを選びたいと思っても種類が多く、どれを買えばいいのかわからなくなることも…。
でも、オリーブオイルソムリエの資格を持ち、イタリア修行経験もあるシェフ・ファビオさんによれば、オリーブオイルを買うときのポイントは「たった2つ」なんだそう。
「エクストラバージンオリーブオイルを選ぶ」
「認証マークつきのものを選ぶ」
この2つを守るだけでおいしいオリーブオイルを選ぶことができるのだそうです。
今回は、ファビオさんがオリーブオイルの知識やオリーブオイルの選び方を徹底解説! 後半ではおすすめの19選をご紹介します。
特に、スーパーなどでも買える、高コスパのオリーブオイルランキングは必見です!
■ この記事の監修者
ファビオ
16歳からイタリアに留学。19歳でローマ発足AISOオリーブオイルソムリエを取得する。20歳からドイツ、イタリアの大衆店から星付きレストランまで6年間修業。
現在はYouTubeチャンネルやメディアで活動中。家庭でも本格的な味わいの料理を楽しめるおもてなし料理を紹介し、多くの視聴者から支持を得ている。著書に『ファビオのとっておきパスタ』(ナツメ社)、『自分史上最高においしくできる ファビオ式定番おうちごはん』(PHP研究所)『火入れを極めるファビオの肉料理』(ナツメ社)がある。
オリーブオイルの選び方、ルールはたった2つ
–①買うのは「エクストラバージン」だけでOK!
–②「4つの認証」で見分ける
スーパーでも買える、高コスパのオリーブオイルランキング10選
Q&A|保管・賞味期限など
–賞味期限は?どのくらいで使い切ればいい?
–保管はどうする?冷蔵庫に入れてOK?
–スパイシー、フルーティーなど、味に違いがあるのはなぜ?
–辛み・苦みが苦手。上手な使い方はありますか?
オリーブオイルの選び方、ルールはたった2つ
Image: Shutterstock
お店に行くとたくさんのオリーブオイルが陳列されています。「どれを選べばいいの?」と迷ってしまいますが、実は選ぶのはとても簡単で、2つのルールを守るだけです。
①買うのは「エクストラバージン」だけでOK!
オリーブオイルには「バージン」や「エクストラバージン」など色々な種類がありますが、いつでもエクストラバージンオリーブオイルだけを使うのがおすすめです。その他のオリーブオイルは、品質の面からあまり推奨できません。理由は次の通りです。
「エクストラバージン」が最もフレッシュで高品質だから
オリーブオイル関連団体の中で最も権威あるIOC(国際オリーブ協会)の基準によれば、エクストラバージンオリーブオイルは、以下の条件を満たしているものを指します。
・オリーブの果実をそのまま搾っている(洗浄、デカンテーション、遠心分離、濾過以外の処理をしていない)
・成分分析検査をクリアしている
・官能検査をクリアしている
・酸度0.8%以下
簡単にいえば、一番フレッシュで高品質なオリーブオイルだということです。
酸度が高いほど、味が落ちやすいから
オリーブオイルの酸度は、油脂100gあたりに遊離脂肪酸がオレイン酸換算でどれだけ含まれているかで決まります。
オリーブの実の収穫から搾油までの時間や、その後の保存状態によって酸化は進み、徐々に酸度は高くなります。
酸度が高くなるほど味は損なわれる傾向があるため、一番酸度の低い「エクストラバージン」のオリーブオイルを選ぶことが、すなわちおいしいオリーブオイルを選ぶことになるのです。
IOC(国際オリーブ協会)による分類 |
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①バージンオリーブオイル ・酸度0.8%以下:エクストラバージンオリーブオイル ・酸度2%以下:バージンオリーブオイル ・酸度3.3%未満:オーディナリーバージンオリーブオイル ・酸度3.3%以上: ランパンテバージンオリーブオイル(そのままでは食用に適さない) ②精製オリーブオイル(法的な許可がある場合のみ食用として販売) ③オリーブオイル(①と②をブレンドしたもの) ④オリーブポマースオイル(そのままでは食用に適さないか、法的な許可が必要か、あるいはそのブレンド) |
JAS(日本農林規格)による分類 |
①オリーブ油 ②精製オリーブ油 |
【コラム】日本の分類の場合、エクストラバージン=高品質とは限らない
日本におけるオリーブオイルの分類には、JAS(日本農林規格)の基準が採用されています。表にある通り、JASの分類は大まかに2種類だけです。
そのため、IOC分類における「エクストラバージンオリーブオイル」の基準に満たないものが、エクストラバージンオリーブオイルと称して販売されていることも。
日本では、エクストラバージンと書いてあっても高品質とは言い切れないのです。
②「4つの認証」で見分ける
「エクストラバージン」の分類に関わる絞り方や酸度は、瓶やラベルに記載されていないこ場合がほとんど。そこで活用したいのが、4つの認証です。
IOC、IGP、DOP、JOAの4つの機関のうちいずれかの認証を受けていることがパッケージのどこかに書かれているか、認証マークがあれば、一定のクオリティを保った高品質なエクストラバージンオリーブオイルといえます。
IOC | ![]() |
国際オリーブ協会(International Olive Council)による認証。 IOCは国連下部組織で、その活動のひとつとしてオリーブオイル等の製品の貿易基準を定め、 品質向上に努めています。 |
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IGP | ![]() |
保護指定地域表示の認証。 州のように広い地域の特産品で、厳しい品質基準を満たした製品であることを認証しているマーク。 イタリア語のIndicazione Geografica Protettaの略。 |
DOP | ![]() |
保護指定原産地表示の認証。 IGPよりも狭い範囲である町や村の特産品で、 厳しい品質基準を満たした製品であることを認証しているマークです。 イタリア語のDenominazione di Origine Protettaの略。 |
JOA | ![]() |
日本オリーブ協会(Japan Olive Association)による認証。
上述のIOCの品質検査をクリアしたオリーブオイルを日本で販売する際に、 |
以上の認証を受けていないものの中にも高品質なオリーブオイルはありますが、それらを確かめるにはワインのようにテイスティングをするしか方法はありません。
オリーブオイルソムリエはテイスティングで味わいから細かな酸度の違いまでを感じ取ることができますが、一般の人には難しいでしょう。
そのため、上記4つの認証の有無が一般の人でも判別できるわかりやすい指標になるのです。
スーパーでも買える、高コスパのオリーブオイルランキング10選
生でも加熱してでも毎日気兼ねなく使えて、およそ2000円以内で購入できる商品を厳選!
ファビオさんのアドバイスやテイスティングを参考にして、編集部がおすすめ商品のランキングを作成しました。
1位 日清オイリオ|トスカーナエキストラバージンオリーブオイル

どれを買えばいいかわからない、という人にまずおすすめしたいのがこちら。
日清オイリオがイタリアのトスカーナ州から輸入販売している、高品質のエクストラバージンオリーブオイルです。日清オイリオはBOSCOの緑ボトルが有名ですが、高品質なラインもあるんです。
特徴はピリッとした辛み! マイルドな中に辛みと少々の苦みがあり、フレッシュな風味も楽しめます。
ピリッとした辛みは、ステーキは仕上げなどにかけることで効果を発揮。ほどよいアクセントになり、肉のうまみを引き立てますよ。
このオイルは「IGP(保護指定地域表示)」と「トスカーナオイル生産者協会」の2つの認証を受けています。いずれも、厳しい基準をクリアしたトスカーナ産であることを認証するもの。品質は間違いありません。
相性のいい食材 | ・どんな料理にも合わせやすい ・サラダ ・野菜のスープ ・赤身肉のステーキ(焼くときも、仕上げにも) |
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2位 ウルル|エクストラバージンオリーブオイル

オーストラリアの契約農園で収穫・生産されている高品質のエクストラバージンオリーブオイル。
まるでグリーンオリーブの実を食べているかのよう!なフレッシュさが印象的なオイル。マイルドさの中に、ピリッとした辛みもあります。
万能なタイプですが、グリーンオリーブのさわやかな風味が、刺身やカルパッチョ、焼き魚などと相性抜群。
特に、少し魚臭く感じられるときにかけてみてください。マスキング効果で臭みがとれますよ!
オリーブオイル専門店「クレアテーブル」と、日本オリーブオイル協会認定のオリーブオイルソムリエが監修しているもので、高い品質を誇っています。
相性のいい食材 | ・どんな料理にも合わせやすい ・刺身やカルパッチョ ・焼き魚 ・サラダ |
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3位 アルドイノ|エキストラヴァージン オリーブオイル フルクトゥス

イタリア北西部のリグーリア州で収穫・生産されたエクストラバージンオリーブオイル。
1位、2位に比べると辛味や苦味は控えめなので、マイルドなタイプを探している人におすすめ。やさしい味わいではありますが、青くフレッシュな香りも特徴的です。
オイルが持つ青さや苦味が、苦みのある生野菜によく合います。
苦味同士を合わせると一層苦くなると思われがちですが、効果は逆。野菜の苦味が打ち消され、野菜・オイル双方のフレッシュな風味がぐっと際立ちます!
相性のいい食材 | ・どんな料理にも合わせやすい ・バジルペーストを使ったパスタやサラダ ・レタスなど、苦みのある野菜 |
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4位 バルトリーニ・エミリオ|エクストラバージンオリーブオイル D.O.P

イタリアにおけるオリーブの名産地であるウンブリア州で収穫・生産されているエクストラバージンオリーブオイル。
万能タイプではありますが、軽やかな味わいで料理の邪魔をしないので、素材の味を大切にする料理に合わせやすく、和食好きにおすすめ。
さわやかな青リンゴの香りが特徴的なオイルです。辛み、苦み、マイルドさ、フレッシュさのバランスがよいことも特徴ですね。
ピリッとした辛み、苦みも効いています。
イタリアのArroneという街で生産されたという、DOP(保護指定原産地表示)の認証を受けています。
相性のいい食材 | ・どんな料理にも合わせやすい ・和食 |
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5位 日清オイリオ|ボスコプレミアム エキストラバージンオリーブオイル

ボスコのオリーブオイルにはいくつか種類があり、オリーブの産地がブレンドされているものもありますが、ボスコプレミアムはオリーブの産地がイタリア限定のエクストラバージンオリーブオイル。
風味が強く、リッチな味わい。「トスカーナ」のようなピリッとした辛みがありつつ、ハーブのような香りも感じられますよ。
ハーブ香と苦み・辛みを生かして肉料理全般の仕上げに使うと、アクセントとしていい仕事をしてくれます!
用途は万能ですが、サラダやスープなど、シンプルな野菜料理のアクセントとしてもおすすめだそう。IOC(国際オリーブ協会)より厳しく管理されているという、イタリア品質協会の認定を受けています。
相性のいい食材 | ・肉料理 ・サラダ ・野菜のスープ(ミネストローネなどあっさりしたもの) |
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6位 日清オイリオ|ボスコオーガニック エキストラバージンオリーブオイル

同じくBOSCOから、イタリア産のオーガニックオリーブだけを用いた、エクストラバージンオリーブオイルがランクイン。苦みや香りのバランスの良さが特長です。
「ボスコプレミアム」に非常によく似ていますが、こちらのほうがマイルド。
風味がやわらかいぶん、さらに、さまざまな料理に使いやすいです!
”合わない料理はない”と言ってもいいくらいですね。
イタリアの倫理環境認証機関ICEAによる有機農業の認証を受けています。
相性のいい食材 | ・どんな料理にも合わせやすい |
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7位 オッギュ|エキストラバージンオリーブオイル

イタリアの南、シチリア産のオリーブを使ったエクストラバージンオリーブオイル。
非常にマイルドな味わいが特徴で、主張が強くないぶん、繊細な素材の味わいを引き立てる1本です。
「バルトリーニ・エミリオ」に似た青リンゴのような香り、やわらかいオリーブの風味が感じられます。苦みと辛みは少なめです。
帆立や白身魚など、繊細な味わいの魚介のカルパッチョに使うのがおすすめ。素材の味を邪魔せず、おいしさを引き立てます。
マイルドな味わいなので、比較的どんな料理にも合わせやすいのも特徴です。
相性のいい食材 | ・帆立や白身魚など、繊細な味わいの魚介 ・どんな料理にも合わせやすい |
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8位 ラニエリ|エクストラヴァージン・オリーブオイル

ボスコと並ぶ大手メーカー、ラニエリのエクストラバージンオリーブオイル。イタリアのプーリア州とカンパニア州産のオリーブがブレンドされています。
ランキング7位の「オッギュ」以上にマイルドで、苦味も辛味も感じられない非常にやわらかなタイプ。
辛み・苦み・青みなどの主張が少ないので、料理の仕上げに一振りというよりも、加熱での使用がおすすめです。
相性のいい食材 | ・パスタソースや炒め物などの加熱料理 |
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9位 バロックス|キヨエ EXVオリーブオイル・ギリシャ

ギリシャのクレタ島で収穫したオリーブを使ったエクストラバージンオリーブオイル。こちらも加熱調理向きの1本。
強く青々しい野草のような香りが薄くあり、辛みはほんのりとピリッとする程度です。
酸化に由来する鉄臭さを感じる場合があるため、生食はおすすめしません。軽い揚げ物などの用途に。
揚げ物に使う場合も、繰り返しの使用は避けた方がベターです。
相性のいい食材 | ・軽い揚げ物 |
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10位 ソル・デル・リマリ|エクストラヴァージンオリーヴオイル

9位の「キヨエ」と同様、こちらも軽い揚げ物に向くタイプ。
オリーブオイルとしては馴染みの薄いチリ産ですが、畑があるチリ北部のリマリ・ヴァレーは乾燥した半砂漠性の気候で、イタリアにも引けをとらない栽培条件なんだそう。
酸化したオイル特有のアーモンドのような甘い香りが感じられます。恐らく、酸度は1%ほどでしょうか。
加熱調理の中でも、炒めものやパスタソースというよりは、軽い揚げ物向きです。
相性のいい食材 | ・軽い揚げ物 |
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高級・個性派のこだわりオリーブオイル7選
前述のお手頃オイルに比べると、少し高級ラインのエクストラバージンオリーブオイル7本を紹介。
グレードが上がった分、味の各要素がはっきりと感じられ、オリーブの実をかじっているかのようなフレッシュ感も体感できる高品質なタイプです。
ファビオさんのテイスティングやアドバイスを参考に、おすすめ商品を編集部がセレクトしました。
▼記事中で紹介する7商品の味わいの特性
ちなみにファビオさんは、①②③を揃えて使い分けているそう。
辛みと苦みが効いている①、魚介との相性がいい②、雑味がなく繊細な料理に合わせやすい③があれば、どんな料理にも対応できるといいます。
いずれか1本をさまざまな料理に使いたいなら、バランスに優れた④がおすすめ!
①バルベーラ|ロレンツォNo1 有機エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル D.O.P. トラパニ

ロレンツォはイタリアのシチリア島で収穫・生産されているエクストラバージンオリーブオイルで、バルベーラ社の扱うオイルのなかでも最高級クラスのシリーズ。
なかでもこのNo1は、前述の「コスパの良いオリーブオイルランキング」1位のトスカーナの味わいを全体的にグレードアップさせた印象の1本。
ロレンツォにはNo1、No3、No5がありますが、No1は3つの中で最も辛み・苦みが効いています。フレッシュなオリーブの風味も感じられる豊かな味わいです。
赤身肉のステーキの仕上げに、ぜひかけてみてください。ピリッとした辛みがアクセントになり、仕上がりがワンランクアップしますよ。
数々のコンテストでの受賞歴、DOPの認定を受けているという点でも品質は折り紙つき。
認証 | DOP(保護指定原産地表示) |
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酸度 | 表示なし |
相性のいい食材 | ・サラダ ・あっさりしたスープ ・赤身肉のステーキ |
②バルベーラ|ロレンツォNo3 有機エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル D.O.P.

①で紹介した「ロレンツォNo1」と同じロレンツォのシリーズです。
ロレンツォシリーズの3本は、No1→No3→No5の順で味わいがマイルドに変化。No3はNo1とNo5の中間程度の苦み・辛みが特徴です。
青々しさのある若い風味もありますが、どちらかというとやわらかくマイルドな印象。
幅広い料理に使えるオイルですが、青々しい若い風味が青魚や魚卵によく合います。
イチオシは『明太子』です! ぜひ試してみてください。
マスキング効果が高いので、マリネにしたりまわしかけたりすると魚介の臭みがやわらぎます。
こちらも数々のコンテストでの受賞歴があるほか、DOPの認定を受けています。
認証 | DOP(保護指定原産地表示) |
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酸度 | 表示なし |
相性のいい食材 | ・どんな料理にも合わせやすい ・明太子などの魚卵 ・魚介のマリネ |
③バルベーラ|ロレンツォNo5 エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル

①、②と同じロレンツォのシリーズ。
シリーズの中で最もなめらかでやさしい味わいがこのNo5です。
一般的なオリーブオイルはオリーブを種ごと圧搾しますが、No5は種を取り除いてから圧搾している手間ひまかけた1本。
そのため、恐ろしいほど雑味が少なく、極めてなめらかでやわらかい舌触りです。
辛みやフレッシュ感もしっかりとあり、繊細なだけではない力強さも感じられる、特別なエクストラバージンオリーブオイルです。
モッツァレラチーズなど、繊細さやフレッシュさのある食材と相性が抜群。オイルの繊細さが素材の味を邪魔せず、それでいて、辛みや青みが味わいのアクセントに。
カルボナーラなどのクリームベースの料理、モッツアレラチーズ、お餅、バニラアイスなど、白い色の食べ物との相性がいいそう。
認証 | なし |
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酸度 | 表示なし |
相性のいい食材 | ・クリームベースの料理 ・モッツァレラチーズ ・お餅 ・バニラアイス |
④アイコノ|エキストラバージン オリーブオイル by MORE Chile

チリで収穫・生産されたエクストラバージンオリーブオイル。
とにかく味わいのバランスの良さが特出していて、1本だけ購入してさまざまな料理に合わせたいという方におすすめの、万能タイプ。
早摘みの実だけを使用し、収穫から搾油まで4時間という短時間で鮮度にこだわって作られています。
スパイシーさがありつつ、絶妙なバランスを保っていることが特徴です。
オリーブの実をそのまま食べているようなフレッシュな青々しさ、フルーティーな味わいもありますね。
苦み、辛み、マイルドさ、フレッシュさなどのバランスの良さから、肉、魚、野菜などあらゆる食材との相性が◎。和食にも合わせやすいです。
認証 | IOC(国際オリーブ協会) |
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酸度 | 0.2% |
相性のいい食材 | ・どんな料理にも合わせやすい ・和食 |
【試食レビュー】万能タイプ『アイコノ』ってどんな味わい?
今回紹介したオリーブオイルの中でも、とくにバランスに優れているという「アイコノ」。実際にどんな味わいなのか、編集担当がじっくり味わってみました。
ファビオさんによれば、テイスティングの基本は、料理にはかけずに味わうこと。
アドバイス通りそのままなめてみると、さわやかで青々とした香りが鼻を抜けていきます。オリーブオイルが舌の上を滑っていった後にスパイシーさが立ち上ってきて、少し喉が温かくなるような感覚も。
辛み、苦み、青々しさなどが感じられますが、それらをマイルドな味わいがバランスをとりながら包みこんでいることで、全体的には非常にリッチな印象を受けます。
シーンを選ばずとても使いやすそうなオイルだと感じました。
⑤レ・トレ・コロンネ|コラティーナ EXVオリーブオイル

イタリアのプーリア州で収穫・生産されたエクストラバージンオリーブオイル。
ハーブ香がしっかりしていて苦みもあり、今回の7選のなかでは、最も「若い香り」が楽しめるオイル。青々しいオリーブオイルが好きな方におすすめです。
キレがあり、すっきりした印象で、豊かな風味と香りを楽しめます。
オイル自体に苦みがあるので、ピーマンのように苦みがある野菜のグリルや、ルッコラなどにかけると、お互いの苦みを打ち消し合い、素材の味を引き立てます。
ハーブのような香りは、肉料理や魚料理にもよく合います。ハーブ代わりのアクセントに使っても。
認証 | DOP(保護指定原産地表示) |
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酸度 | 表示なし |
相性のいい食材 | ・ピーマンなど苦みがある野菜のグリル ・ルッコラ ・肉料理 ・魚料理 |
⑥ヴィラージ|ポリフェモ EXVオリーブオイル

イタリア南部のシチリア島で収穫・生産されたエクストラバージンオリーブオイル。今回の7選の中では、最も「甘い香り」が感じられるタイプ。
前述のロレンツォシリーズもシチリア産ですが、こちらは品種が異なるんだそう。
フルーティーで口当たりがよく、甘みのあるオリーブオイル。青リンゴのようなさわやかな香りもあり、フレッシュで心地よい舌触りも特長です。
和食の煮魚にかけてみてください。魚の臭みをおさえながら、フレッシュな風味をプラスできますよ。
そのほか、カルパッチョやアクアパッツァといった魚介、パン、サラダなどにも合います。スープに入れてアクセントにしても◎。
認証 | DOP(保護指定原産地表示) |
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酸度 | 0.1% |
相性のいい食材 | ・カルパッチョ、アクアパッツァなどの魚介 ・パン ・サラダ ・スープ ・和食の煮魚 |
⑦クアトロチョッキ|オリヴァストロ EXVオリーブオイル

イタリアのラツィオ州で収穫・生産されているエクストラバージンオリーブオイル。
青っぽいトマト、セロリ、バジルのような個性的な香りが特徴です。フルーティーで甘めの味わいの中に、苦みやスパイシーさもあります。
個性的な香りではあるんですが、意外と何にでも合わせやすいオイルですね。
ちょっと意外かもしれませんが、ごはんにこのオイルと塩をかけて食べてみてもらいたいですね。
タルタルステーキやねぎとろなどとも相性がよく、香りを楽しめます。
ほかにも、サラダ、スープ、パスタソースにも合います。パンにつけてそのまま食べるのもおすすめ。
認証 | なし |
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酸度 | 0.1% |
相性のいい食材 | ・サラダ ・スープ ・パスタソース ・パン ・ごはん ・タルタルステーキ ・ねぎとろ |
ふるさと納税で選べる、おすすめオリーブオイル2選
ふるさと納税は、希少な国産オリーブオイルを手に入れるチャンス。
国産の場合、オリーブの収穫から生産・販売までがすべて国内でスピーディに完結するため、輸入のオイルに比べて限りなくフレッシュです。
希少なぶんだけ高額ですが、ふるさと納税ならチャレンジしやすいはず。プロもおすすめする高品質な2本を紹介します。
①金両緑油|小豆島産プレミアムエクストラバージンオリーブオイル【ミッション種】

日本のオリーブオイルの一大産地、香川県の小豆島で収穫・生産されているエクストラバージンオリーブオイルです。
0.1%と酸度が非常に低くフレッシュで、生のオリーブの実に近い味わいが感じられる、クオリティの高いオイルです。
これ以上フレッシュなオリーブオイルを日本で探すのは難しいのではないでしょうか。
ややフルーティー寄りの味わいが特徴ですが、全体的にバランスがよいので、どのような料理にも合わせやすいです。
相性のいい食材 | ・どんな料理にも合わせやすい |
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②アグリオリーブ小豆島|小豆島しぼりセット(3本入り)

①の金両緑油と同じく、香川県の小豆島で収穫・生産されたエクストラバージンオリーブオイル。
「金両緑油」と味わいもよく似ていて、フルーティーでバランスのとれたオイルです。辛み、苦みは「金両緑油」と比較するとさらにマイルド。
酸度も低く、日本産という地の利を生かしたオイルです。
①と同じく、味のバランスがいいので万能に使えるタイプ。和食にもぜひ合わせてみてください。
相性のいい食材 | ・どんな料理にも合わせやすい |
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Q&A|保管・賞味期限など
Image: Shutterstock
賞味期限の目安、保管方法などについてファビオさんに質問!プロの知識を教えてもらいました。
Q.賞味期限は?どのくらいで使い切ればいい?
A. 1カ月が目安です。長くても、2カ月以内に使い切ってください。
オリーブオイルはとても酸化しやすいため、フレッシュな風味を楽しむことができるのは開封から1カ月ほどです。もし2カ月以上経ってしまったら、匂いを嗅いでみてください。酸っぱい臭いがしなければ、1回限りであれば揚げ物などに利用できます。酸っぱい臭いがする場合は、食べられません。
また、未開封のものでも少しずつ酸化は進むため、買いだめはせずに、必要な分をその都度購入してください。
Q.保管はどうする?冷蔵庫にいれてOK?
A. 暗くて涼しいところに置いてください。
オリーブオイルは光や熱でも酸化するため、暗くて涼しいところに置いておくのがベストです。ただし、冷蔵庫では温度が低すぎるためNG。これは開封前・開封後どちらの場合でも同じです。
Q. スパイシー、フルーティーなど、味に違いがあるのはなぜ?
A. 産地、品種、圧搾方法によって味が変わるためです。
オリーブオイルは産地の土壌や品種によるオリーブの味の違い、また臼で挽く、打ち潰す、種を抜いて絞るなどの圧搾の方法によって、風味が変わります。
Q.辛み・苦みが苦手。上手な使い方はありますか?
A. 加熱して使ったり、苦みのある食材に合わせて。
ピリッとした辛みや、独特の青い香りが苦手という方は少なくありません。
「高級・個性派」のオリーブオイルはどれも味わいのポテンシャルが高いため、マイルドなタイプを選んだ場合でも、風味が豊かなので、心地よい辛み・苦みなどがあります。
購入後、辛み・苦みが食べにくく感じる場合は、パスタソースや炒め物などの加熱料理に使ってみてください。
高品質なオリーブオイルの場合、辛みや苦みは加熱するとなくなりますが、フルーティー、青々しい、ハーブ香などの風味は残ります。
サラダやピーマンなどの苦みのある食材と合わせるのも、オリーブオイルの苦みが打ち消されるのでおすすめ。
▼オリーブオイルについてファビオさんが解説するYoutube動画はこちら。
記事で紹介しているオイルも登場するので、おさらいにチェックしてみては。