ROOMIE編集部

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人生も、世の中も、ナナイロに──。2022年3月17日、天然由来成分100%、高発色のカラーコスメで「ひとと社会が抱える課題」に向き合うクリーンビューティーブランドの一般販売が開始されました。

ブランドサイトより

7NaNatural(ナナチュラル)」を生み出したのは、化粧品会社やコスメブランドではなく、“編集者”である中村圭さんと黒飛紗代子さん。化粧品の専門家ではないお二人が理想のコスメをローンチするまでには本当にいろいろなことがあったそう。

「こんなメイクアイテムがあったらいいのにな」と妄想したことがあるコスメ好きさんにも、ぜひ読んでほしいインタビューです。

「編集の力」とZ世代の価値観から生まれたコスメブランド「7NaNatural」

右/黒飛さん 左/中村さん

──はじめに、お二人の普段のお仕事について聞かせてください。

中村:二人とも「ROOMIE」などのWEBメディアを運営する会社メディアジーンの編集者で、さまざまなブランドのクリエイティブ開発、コミュニケーション支援をする「The STUDIO. Glossy & MASHING UP(以下、THE STUDIO.)」というチームでクリエイティブディレクションのお仕事をしています。

──そもそもなぜ、編集者であるお2人が化粧品を展開することになったのでしょう。

中村:カラーコスメOEM(受託製造)で国内シェアNo.1の「トキワ」さんが、2020年から「TOKIWA Lab.ビューティーアクセラレータープログラム」という取り組みをスタートされて。

大手企業がベンチャー企業やスタートアップに出資や支援を行い、協業によって新しい価値を創出するという取り組みです。「TOKIWA Lab.」では私たちのようにゼロからのスタートでもコスメの開発やブランド構築ができて、トキワさんのノウハウなどをアドバイス・サポートいただけるんです。

黒飛:「TOKIWA Lab.」は「人にやさしく、地球にもやさしい化粧品づくりにつながる斬新なアイデアや新しい技術を公募する」という趣旨があって、そこに強く共感しました。アワード形式で、最終的に選ばれたら無償で一万個程度の製造サポートを受けられるというのもワクワクしましたね。

中村:これまで編集の力を生かして、企業のプロモーションだったり、ブランドストーリーを形にしたりするお手伝いをしてきました。2人とも美容が好きだし、使う人の自己肯定感を高めてくれるような、「こんなコスメがあったらいいのに」というアイデアはずっと持っていたんです。

私たちの肌感にプラスして、いまZ世代を中心とするSNSコミュニティで健康や美容に関する調査もしていて。「メイクでどんな気分になりたいか」「サステナビリティにどう取り組むか」といったヒアリングをしてきていたので、そういうみんなの「あったらいいな」を集めて形にしたのが「7NaNatural」です

ブランドサイトより

中村:でも正直、自分たちでプロダクトを作れるとは思っていなくて……。2020年夏の一般公募に応募して、そこから半年かけて審査とブラッシュアップフェーズが続き、12月に最終プレゼンテーションをして1位に選ばれたときは「まさか!」という感じでした。

“7つのフリー”でクリーンなものづくりを目指す

──「7NaNatural」は「クリーン」なものづくりを目指すというコンセプトで、“7つのフリー”を掲げていらっしゃいますよね。

中村:天然由来成分100%の「Chemical Free」や、生産段階から使い切るまでできるだけゴミを出さない「Waste Free」などがあるのですが、中でもコスメロスをなくす「Guilty Free」は、私たちの経験が元になっています。

「7NaNatural」のカラースティックがミニサイズで、マルチユースできるのは、使い切れて気持ちいいカラーコスメを作りたかったからなんです。

ブランドサイトより

中村:私たちは化粧品が好きでいっぱい持っているんですけど、使い切れた試しがないんです。買ってすごく気分が上がるんだけど、買ったときがピークだったり。調べたらアイシャドウの半数以上は使用期限内に使い終わらないというデータもあって、これはなかなか化粧品メーカーさんは着手できない問題なんじゃないかと。

黒飛:年齢や性別、固定観念にとらわれない「Free your mind」の考え方から、ロゴも容器もシンプルでユニセックスなものにしています。販売はオンラインで行いますが、ECサイトもフェミニンなデザインにはしませんでした。

中村:公式サイトの写真はフォトグラファーのTakako Noelさんに撮っていただきました。「人生も、世の中も、ナナイロに。」というコピーができたときに、Takakoさんにブランドフィロソフィを体現するビジュアルを撮影してもらえたら素敵だなと思っていたんです。

ブランドサイトより

中村:そして、サイトをご覧いただくとわかると思いますが、わたしたちのビジュアルイメージは、とても価値観やインスピレーションを大切にしています。大切にしすぎているかもしれません。(笑)

私たちが実現したかったのは、「Natural and Freedom cosmetics」。最終的に目指していきたいのはマインドアップで、さまざまな固定観念から解放されること

公式サイトもその表現のひとつだし、自由でいるためのツールとして「7NaNatural」を使ってもらえたらと思います。

天然由来成分100%で高発色。「ホップ・ステップ・ジャンプ」でチャレンジを後押し

7NaNatural 「カラースティック」全7色 各2,500円(税込)
「カラーパレット」1,500円(税込)

──こちらが「7NaNatural」の第一弾アイテムですね。

中村:リップのような形ですが、アイメイクやチークにもマルチに使えるカラースティックです。コンセプトの基軸は、天然由来成分100%で、今までにないプレイフルな色を作ること。7色の設計もすごく細かく考えました。

──天然由来成分100%のナチュラルコスメなのに高発色。この色出しには、とても苦労されたそうですね。

中村:もう本当に、わからないことだらけだったんですよね。色の調合や容器を開発する職人さんが使う専門用語が、まずまったくわからない。そもそもナチュラルな成分で鮮やかな発色を実現するのがすごく難しくて、何度も何度も試作してもらいました。

「あのブランドとこのブランドのこの色の中間みたいな色で、パールはこのブランドくらいの質感で」といった感じで具体的に伝えたくて、サンプルになるコスメをお店でひたすら試したり、集めたり。

黒飛:もはや持って帰る時間も惜しくて、商業施設のベンチで買ったアイテムを開けて試したりしてましたよね。アワードで採択されてから、ローンチまでのこの1年、本当に駆け抜けた感じでした。(笑)

──お2人の今日のメイクも「7NaNatural」ですか?

中村:私はアイシャドウに「ダイダイ」と「サクラ」の2色を重ねています!

黒飛:私もリップに「ダイダイ」を。これ忖度無しで、本当に良くて。(笑)自分で使いたいものを作ったというのももちろんあるし、とくに「ダイダイ」と「アカ」はヘビロテしてます。

黒飛:「キ」は個性的に見えますが、つけると肌なじみがいいし、重ね使いしやすいところがいいですね。「アカ」はシルバーと赤色のパールが入っていて、浮かないのに顔色がパッと明るくなる!「ダイダイ」はゴールドのメタリックパールの主張がさりげなくて、抜け感のある目元になれそうです。

黒飛:質感はセミマット。マット系のリップって素敵ですけれど、すごくパサパサになったりしませんか? 唇の皮がはがれてきて、塗り直してものらなくて……みたいな。このスティックは潤いが続くので、パサパサにならないのが一つのポイントです

準備期間にたくさんの人にコスメについてインタビューしたんですが、リップとリップクリームを併用しているという声が多かったんです。「それも1本に集約できたらよくない?」って。

中村:2本持ち歩くのは面倒臭いよね。これは1本でいけることを極力目指したので、リップとして塗ると潤いをすごく感じます

──手の甲に伸ばしただけでしっとりします。雪みたいにほんのりチラチラするパールがかわいい……。この「ナナ」はシルバーですか?

黒飛:オパールのようなきらめきのあるパールを配合しています。

ブランドサイトより

中村:色ではなく“ナナ色”の輝きをまとうイメージで、ちょっとニュアンスを変えたいときやハイライトに。他の色と混ぜたり重ねたりして、目元やリップに自由に使ってみてほしいです

──7色の配色の設計にこだわったというお話でしたが、どんな意図があるのでしょうか。

中村:配色は「ホップ・ステップ・ジャンプ」という考え方で組み立てました。初級編、中級編、上級編という感じ。

左からナナ、チャ、アカ、サクラ、キ、モモ、ダイダイ

黒飛:ホップはデイリー使いにおすすめの「ダイダイ」「モモ」。ステップは自分の気持ちを高め、センスアップしてくれる「キ」「サクラ」「アカ」。ジャンプはハードルが高そうに見えるけど、ぐっと個性を引き立ててくれる「チャ」「ナナ」というバリエーションです。

中村:私たちのスタート地点として、メイクをより自由に楽しんでほしい自分の個性や顔立ちを楽しめるメイクアイテムを作りたいという思いがありました。

まずはカラーコスメの色選びから、少しだけ挑戦して、新しい自分を発見してほしい。そのためには使い切りサイズで価格も手頃にして、ホップ・ステップ・ジャンプで段階的にチャレンジができるような色設計にしたらいいんじゃないかと。

リサイクルプロジェクトで最後まで心地よく使い切る

──先ほどの“7つのフリー”のお話でも登場した「Waste Free」。容器に再生プラスチック原料を使用して生産したそうですが、さらに使用済み容器の回収も行っているんですね。

中村:使用済みの容器は、商品発送時に同封している返送用封筒に入れて返送いただくことで、テラサイクルさんと協働して回収・リサイクルします。事務局まで送っていただくのは少し手間かもしれませんが、最後まで使い切って、それを循環させることができるのって本当に心地よいことですよね。

中村:環境問題の繋がりで話すと、じつはカラーパレットにはブラシが付属していないんです。“7つのフリー”の1つである「Guilty Free」とも繋がるのですが、動物由来の毛を使いたくなかったので、あえてつけないという選択をしました。

これからの展開は…?

ブランドサイトより

中村:これからは公式Instagramアカウントの場でコミュニティをさらに拡張していきながら、価値観の共有やマインドアップにつながる対話と情報発信をしていきたいです。

黒飛:現状が完成形ではないと思っているので、対話の中で次のプロダクトアイデアを育てていけたらいいですよね。

中村:コミュニティでの対話がしていけると、「おもしろい小さなブランドだね」って言ってもらえるんじゃないかと。ブランド側と買う側じゃなくて、ずっとみんなでお喋りをして、何かを創造し続けるようなブランドにしていけたらいいですね。

「7NaNatural」第一弾アイテムであるカラースティックとカラーパレットは、現在公式オンラインストアにて販売中。

天然由来成分100%で肌にやさしく、鮮やかな発色なのに肌になじみが良い、新しい自分の魅力に出会わせてくれる「7NaNatural」のコスメたち。パッケージのボックスには、7色の箔押しプリントで、「7NaNatural」のロゴがデザインされているそう! 家に届くのが今から楽しみです。

Text by Airi Tanabe
Photographed by Kosumo Hashimoto(メイン画像、2、6、7、8、9枚目)

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