最近話題のVR動画。楽しんでみたいけれど、何から始めていいかわからないという人も多いはず。
そんなVRビギナーにおすすめしたいのが、スマホに取り付けて使うVRゴーグル。価格も安価なものが多く、スマホと合わせて使えば誰もが簡単にVRの世界に飛び込むことができるんです。
今回はVRに詳しいYouTuberのアリマックスさんが、スマホ用VRゴーグルの種類や選ぶポイント、おすすめの商品をご紹介。VRに興味があるけれど、高いVR機器にいきなり手を出すのはちょっと…という人は、ぜひチェックを。
アリマックスさん
VRメディアのライター経験を活かし、VRゲームレビューやVRニュースなど、世の中にVRやメタバースの魅力を広く伝えるYouTubeチャンネル「アリマックスのVR」を運営中。
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4.おすすめスマホ用VRゴーグル10選
―高級スマホ用VRゴーグル
―ヘッドホン付きVRゴーグル
―リモコン付きVRゴーグル
―コントローラー一体化VRゴーグル
―おしゃれなVRゴーグル
―段ボール型激安VRゴーグル
―軽量お手軽VRゴーグル
6.使う時の注意点
―VR酔いとは
―13歳未満は使用禁止
1.VRゴーグルとは
「VRゴーグルとは、バーチャルリアリティ(Virtual Reality)と呼ばれる仮想現実の世界を体験できるデバイス。ゴーグルを装着すると、視界180°または360°が立体的な映像で覆われ、まるで体ごと仮想空間に入り込んだかのような気分が味わえます」
VRゴーグルは主に、スマホに取り付けて気軽に使える「スマホ取り付け型」、本格的なゲーム向きの「PC接続型」、本体だけで使える「スタンドアロン型」の3タイプに分かれており、価格もスペックもさまざま。VR動画を視聴したいのか、VRゲームを楽しみたいのか、自分の目的に合わせて選ぶことが重要です。
2.スマホ用VRゴーグルとは
Image: Sony
スマホ用VRゴーグルは、ゴーグルのフロント部分にスマホを取り付け、スマホに表示した画面をのぞきこむことで臨場感あふれるVR動画が楽しめるアイテムです。VRゴーグルというと精密な機器を想像する人も多いかもしれませんが、スマホに取り付けるこちらのタイプは100円ショップでも売られているほど簡単なつくり。手軽で安価なものが多く、数百円~数千円で購入することもできます。
「スマホ用のゴーグルは、基本的に動画視聴のために使う端末。頭の回転や傾きを検知して、360度の映像を楽しむことができます。仮想空間を歩いたりすることはできないため、VRの体験としては入口程度。それでもVR世界の感動は体験できるはず。とにかく安くVRを体験してみたい方におすすめです」
スマホ用VRゴーグルで楽しめるコンテンツは、YouTubeのVR対応動画やVR対応のライブ動画、アクアリウムやプラネタリウムなどのスマホ対応VRアプリなど。ほとんどの場合、アプリをスマホにダウンロードすれば、すぐにVR動画を視聴することができます。
3.スマホ用VRゴーグルを選ぶポイント
―スマホのサイズに合うものを選ぶ
「多くのVRゴーグルでは、スマホのサイズに合わせて取り付け幅を変えられるようになっています。しかし大型のスマホなど、一般的な規格ではない場合には対応していないことも。まずは自分の持っているスマホのサイズが、きちんとゴーグルに対応しているかの確認が必要です」
―重さは500g以下に
「重さとしては全体で500g以下のものが現実的。だいたい200g前後のスマホを取り付けて使うので、あまりにも本体が重いと首に負担がかかってしまいます。長く動画を視聴したいなら、なるべく軽い物を選ぶようにしましょう」
―焦点・瞳孔間距離の調整機能
「焦点距離調節はレンズを目に近づけたり、遠ざけたりして、ピントを合わせる機能。また瞳孔間距離調節は、レンズの幅を近くしたり広げたりする機能のこと。個人差がある両目の幅に合わせて、レンズを広げたり近づけたりすることで見やすさを調節することができます」
多くのモデルでは、本体の外側にダイヤルがついており、ダイヤルを調節することで自分にあった焦点や瞳孔間距離にレンズを合わせることができます。この調節機能がついたモデルを選べば、軽い近視の方なら裸眼でVR動画を楽しめます。
メガネをかけたまま装着できるか
「乱視がある場合は、VRゴーグルでは見え方を矯正することは難しいです。その場合は、目とレンズの間にゆとりがあり、自分のメガネをかけたまま装着できるVRゴーグルがおすすめです。ただし太いフレームのメガネなどは、やはり窮屈さを感じることがあるため、できれば試着して装着感を確かめたほうがベターです」
ヘッドホンの有無
よりVRの世界に没入したいのなら、ヘッドホンが一体化したVRゴーグルがおすすめ。ヘッドホンがない場合、スマホのスピーカーやイヤホンを通じて音声を聞くことになり、周囲の雑音や配線が気になってしまうことも。ヘッドホン一体化タイプのゴーグルなら、臨場感ある音声がダイレクトに耳に伝わり、より没入感がアップします。
リモコンの有無
VR動画の視聴中、再生やスキップなどのメニューは、視点操作が基本。画面上に視点ポインタがあり、その点を数秒間見つめることで操作することができるアプリが多いです。しかしながら、音量のコントロールはスマホ本体に依存するため、音量を変えたいときにはスマホをわざわざゴーグルから取り外して操作する必要があります。
わずらわしさを感じるなら、リモコンが付属したVRゴーグルを選んで。Bluetoothでスマホに接続すれば、動画の再生機能や音量のコントロール、アプリのセレクトなども手元で操作できます。ただしアプリによっては対応していないものもあるので、注意して。
内蔵コントローラーの有無
中には、Bluetoothコントローラーが本体に内蔵されており、動画の再生や音量のコントロールなどが本体のボタンで直接操作できるモデルもあります。ただしVR動画を視聴中の場合、ボタンを手探りで押すことになるため、スムーズに操作するには慣れが必要。
4.おすすめスマホ用VRゴーグル
実際にアリマックスさんがおすすめするスマホVRゴーグルをご紹介。
―高級スマホ用VRゴーグル
ソニー Xperia View

Xperia1Ⅲ、Xperia1Ⅱの約6.5インチ、21:9シネマワイドディスプレイに合わせて、 高解像・広視野角の専用レンズを開発。Xperia1Ⅲ、Xperia1Ⅱと合わせて使うことで、世界で初めての8K 360°の高精細な画像を120°の広視野角で楽しめる。また、スマホの側面ボタンでカーソルを動かす、本体をタップして決定する、などの直感的な操作も可能。
「Xperiaというハイスペックなスマホのために作られた、一般のスマホゴーグルとは一線を画した高級ゴーグル。スマホ取り付けタイプではあり得ない、8KのHDR画像を実現。スタンドアロンタイプのゴーグルでもなかなかないほど、素晴らしいクオリティの映像が楽しめます」
対応機種 | Xperia 1 III、Xperia 1 IIの約6.5インチ、 21:9シネマワイドディスプレイ |
サイズ | W197 ×H 108 ×D121mm |
重さ | 400g |
メガネの対応 | 〇 |
調節機能 | 瞳孔間距離 |
ヘッドホン | ― |
リモコン | ― |
―ヘッドホン付きVRゴーグル
エレコム VRゴーグル ヘッドホン一体型【VRリモコンセット】 ブラック VRG-XEHR01BK

遮音性の高いヘッドホンと一体化したタイプで、高い没入感を実現。広い開口部で、メガネを装着しながら動画を視聴することもできる。またヘッドホンだけでなく、Bluetoothリモコンも付属するなど、必要なものはすべてセットになった初心者に最適なモデル。
「ガジェット関連機器を数多く展開するエレコムならではの、信頼感あるゴーグルです。ヘッドホンとリモコンが付いているので、他に付属品を買う必要ないのもポイント。リモコン側に音量ボタンがあり、スマホを取り外すことなく手元で音量が変えられるのも便利です」
対応機種 | 4.8~7.0インチ |
サイズ | W210×H94×D220~250mm |
重さ | 約400g |
メガネの対応 | 幅約142mmのメガネまで対応 |
調節機能 | 焦点・瞳孔間距離 |
ヘッドホン | 〇 |
リモコン | 〇 |
エレコム3D VRゴーグル P-VRGEH01BK

オーディオミニプラグを差し込むだけですぐに使える、ヘッドホン付きのVRゴーグル。本体に音量調整ダイヤルも付いており、スマホを取り外さなくてもコントロールできる。また、フロントが透明グラスになっており、VRだけでなく、AR映像にも対応している。
「簡単に操作できるヘッドホン一体型モデル。カメラレンズを遮らない透明グラスを採用しており、カメラを通して実際の風景に動画やCGを重ねたAR映像も楽しむことができます」
対応機種 | 4.0~6.0インチ |
サイズ | W238×H120×D228mm |
重さ | 約680g |
メガネの対応 | ― |
調節機能 | 焦点・瞳孔間距離 |
ヘッドホン | 〇 |
リモコン | ― |
サンワサプライ VRゴーグルMED₋VRG6

Bluetoothコントローラーとヘッドホン内蔵のVRゴーグル。顔に当たる部分には肉厚のクッションを採用しており、視聴中のストレスを和らげてくれる。またVR視聴中に、スマホに着信があった場合でも、再生ボタンを押せば通話が可能。
「耳まで包み込む形状のヘッドホンがついており、没入感抜群。本体に再生、停止ボタンがついており、リモコンレスで、操作ができるのも便利ですね」
対応機種 | 4.7~6.1インチ |
サイズ | W205×H99×D217~245mm |
重さ | 約390g |
メガネの対応 | 〇 |
調節機能 | 焦点・瞳孔間距離 |
ヘッドホン | 〇 |
リモコン | ― |
リモコン付きVRゴーグル
エレコム VRゴーグル VRG-M01RBK

手軽にVRを楽しめる、スタンダードなタイプのVRゴーグル。歪みが少なく視野角が広い、VR動画専用設計の非球面光学レンズを採用。DMM VR動画プレイヤーアプリ専用設計のBluetoothリモコンが付いており、ゴーグルを装着したまま手元で操作ができる。
「ヘッドホンが付いていないので、価格もリーズナブル。重さも275gと軽く、装着していても負担になりにくい。シンプルイズベストな一本です」
対応機種 | 4.7~6.1インチ |
サイズ | W198×H108×D146mm |
重さ | 約275g |
メガネの対応 | 〇 |
調節機能 | 焦点・瞳孔間距離 |
ヘッドホン | ― |
リモコン | 〇(iOSのみ対応) |
コントローラー一体化VRゴーグル
エレコム VRゴーグル コントローラー一体型 ブラック VRG-BT02BK

スマホコントローラーが一体化しており、Bluetoothでスマホと簡単に接続できるVRゴーグル。再生やスキップ、音量など、7つのボタンが本体についており、簡単に操作できる。本体の左右にはコードの差込口があり、ヘッドホンを接続することも可能。
「早送りボタンや音量のコントロールボタンなども付いており、便利な一品。リモコンをなくす心配がありません。アプリによってはボタンが対応しないこともあるので注意して」
対応機種 | 4.0~6.5インチ |
サイズ | W198×H110×D135㎜ |
重さ | 約393g |
メガネの対応 | ― |
調節機能 | 焦点・瞳孔間距離 |
ヘッドホン | ― |
リモコン | ― |
段ボール型激安VRゴーグル
ハコスコ タタミ 二眼

1000円以下で手軽に楽しめるVRゴーグル。組み立てた段ボールゴーグルにスマホをセットし、のぞき込むだけで誰もがVR動画を視聴できる。使わないときは折りたたむことができ、持ち運びにも便利。独自のアプリケーションもオススメ。
「Google Cardbordという段ボールVRヘッドセットの規格にあわせて作られた、段ボールVRゴーグルの元祖。VRが話題になり始めた数年前から発売されており、歴史もあるゴーグルです」
対応機種 | iPhone5/6/6Plus/7/7Plusサイズ対応 |
サイズ | W162×H130×D85㎜ |
重さ | 約50g |
メガネの対応 | ― |
調節機能 | ― |
ヘッドホン | ― |
リモコン | ― |
ハコスコ タタミ 一眼

13歳以下の子どもの視覚の成長に影響を与えることなく、360°の動画が視聴できる。立体視はできないものの、VR体験をするならじゅうぶん。親子でVRを楽しみたいという人にぴったり。
「お子様の目にも悪影響を与えない一眼タイプ。没入感はそこまで味わえませんが、親子で楽しめるというのは大きなメリット。組み立てるときも、自由研究感覚で楽しめます」
対応機種 | iPhone5/6/6Plus/7/7Plusサイズ対応 |
サイズ | W162×H160×D85㎜ |
重さ | 約50g |
メガネの対応 | ― |
調節機能 | ― |
ヘッドホン | ― |
リモコン | ― |
おしゃれなVRゴーグル
HOMiDO GRAB

ヘッドバンドがなく、手で持ってのぞき込むタイプのVRゴーグル。フランスのメーカーならではのおしゃれでポップなカラーリングが魅力。スマホを取り外すことなく、画面をタップできるアクションボタン搭載で、VR動画を視聴しながら簡単な操作もできる。

「6色のカラーバリエーションがあり、おしゃれでかわいい。バンドで頭に固定しないタイプで、手に持ったまま手軽に体験できるのがウリです」
対応機種 | 4.0 ~6.0インチ |
サイズ | W168 ×H 110 ×D 145 mm |
重さ | 約240g |
メガネの対応 | ― |
調節機能 | ― |
ヘッドホン | ― |
リモコン | ― |
軽量お手軽VRゴーグル
エレコム 3D折りたたみVRゴーグル P-VRG06BK

手のひらサイズに折りたためる、極小サイズのVRゴーグル。スマートフォンにクリップをはさむだけで、簡単に使用可能。ポケットに入るほどの大きさで、どこにでも持ち歩くことができるのも〇。
「ヘッドセットとは異なり、手軽に持ち運べるというのが最大の特徴。僕も友人にVRの世界を紹介するために、よく持ち歩いていました。周囲が暗くならないので、没入感はいまいちですが、導入としては面白いアイテムだと思います」
対応機種 | 4.0~6.0インチ |
サイズ | W115×H80×D62㎜ |
重さ | 40g |
メガネの対応 | 〇 |
調節機能 | ― |
ヘッドホン | ― |
リモコン | ― |
5.VR動画を見る前の準備

Image: Shutterstock
―アプリの準備
スマホでVR動画を見るには、まずVR動画を見るためのアプリをスマホにインストールしておきましょう。VR動画を視聴できるアプリや、スマホ用の簡単なVRゲームのアプリなどがおすすめです。
おすすめのVRアプリ
・YouTube
ご存知YouTubeでも、VR動画が多数アップされており、誰もが無料でVR動画を楽しむことができます。VR動画を探すときは、見たい動画のキーワードとともに、検索フィルタで「360°」「VR180°」「3D」などと指定すればOK。動画はゴーグルなしでも見られるようになっているため、ゴーグルを使って見る場合は画面の右端にゴーグルマークを押します。
<Apple Store>
<Google Play>
・360Channel
360°動画のオリジナルコンテンツを配信するプラットフォーム。バラエティ、ドキュメンタリー、音楽、観光など様々なジャンルで高品質な360°動画を無料で配信しています。
<Apple Store>
<Google Play>
・プラネタリウムVR
デバイスを空に向けるだけでVR空間に満点の星空と星座を映し出すことができるプラネタリウムアプリ。水辺に反射した星空を眺める感覚が味わえる「リフレクション」モードや、暗い場所に慣れた目に最適な「ナイト」モードなどのオプションも。
<Apple Store>
ゴーグルの準備

スマホ用のVRゴーグルでは、アプリをインストールして、本体にスマホを差し込めばそれだけで準備は完了。イヤホンやヘッドホンを使う場合でも、スマホに接続さえできれば使用可能で、難しい設定は必要ありません。
ただしモデルによっては、スマホをゴーグルに装着したまま、音量ボタンを押すことはできません。本体に音量ボタンやリモコンが付属していない場合は、事前にスマホ側でちょうどよい音量にしておくことを忘れずに。
また、焦点や瞳孔間距離を調節できるモデルは、事前に見え方を確認しながら、自分の目に合わせて調整をしておきましょう。
6.使う時の注意点
VR酔いとは
誰でも気軽に使えるスマホVRゴーグルですが、長時間の使用では酔ってしまうこともあります。
「VRで酔うのは、現実世界とVRの感覚がずれているから。現実には動いていないのに、VRで見る画像は動いているため、感覚の不一致によって酔ってしまいます。また、カクカクした映像などでも人は気持ち悪さを感じがち。目が疲れたり、気持ち悪くなった時には、ゴーグルを外すなどして、無理なく楽しんでください」
13歳未満は使用禁止
子どもも興味を持ちそうなVRの世界ですが、立体視を使う二眼ゴーグルは、ほとんどのメーカーで13歳未満の使用を禁止しています。
13歳未満の子どもの視覚は未発達なため、二眼のVRゴーグルを長く使うと内斜視になる危険もあるそう。VRゴーグルは子どもの手の届かないところに保管するか、子ども用に一眼タイプのVRゴーグルを用意しましょう。
構成/相馬香織
文/室井瞳子