唇の荒れや乾燥ケアに、また口紅の下地として一年中手放せないリップクリーム。とくに寒い時期や季節の変わり目になると荒れてしまいがちな唇は、スキンケア同様、日々のケアが欠かせません。でも、コンビニやドラッグストアでも手軽に手に入るリップクリームは、高保湿タイプから薬用、医薬品まで種類が豊富にあるため、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、ビューティースクールの講師としても活躍する美容家のCaoruさんに、おすすめのリップクリームをピックアップしていただきました。年代別や目的別、悩み別のおすすめリップクリームのほか、リップクリームの選び方や使い方のコツまでたっぷりと伝授します。
Caoruさん
株式会社L’eclat Beauty代表。大手エステティックサロンに勤務した後に、海外ブランドのナショナルトレーナーとして国内サロンへの講習を担当。海外のフェイシャルやボディテクニックを習得後に独立し、美容コンサルティングやプロ向けの技術指導、スキンケアアプリの開発監修などを行い、化粧品開発プロデュースにも多数携わる。2020年には書籍『スキンケアは洗顔が9割』(PHP研究所)を出版。How to監修や動画コンテンツ制作にも定評がある。
・オフィシャルサイト
https://leclat-beauty.com/
・Instagram @caoleclat
https://www.instagram.com/caoleclat/
・YouTubeチャンネル「Caoru Beauty Channel」
https://www.youtube.com/channel/UCnkQ-FN2UKDtTw7LGBD7m-A
1.リップクリームの基礎知識
リップクリームの役割
リップクリームの種類
2.リップクリームの選び方のポイント
目的に合わせて選ぶ
成分で選ぶ
使うシーンで選ぶ
テクスチャーで選ぶ
3.年代別おすすめリップクリーム
10&20代
30代
40代
4.目的別おすすめリップクリーム
ドラッグストアで買える
デパコスブランド
プチプラなのにデパコス並み
医薬品
精油タイプ
色付き
保湿力が高い
UV効果が高い
プレゼントに最適
5.お悩み別おすすめリップクリーム
妊娠中でも使える
口唇炎で荒れている
メンズでも使える
6.リップクリームのおすすめの使うときのポイント
リップクリームはいつ塗るのがいい?
メイクをしているときに塗るには?
正しいリップケア方法
より効果を高める使い方は?
リップクリームは家族でシェアしてもいい?
1.リップクリームの基礎知識

Image: Gettyimages
リップクリームの役割
唇は、顔の皮膚に比べて角質層が薄く、外部からの刺激に弱いパーツ。さらに汗腺や皮脂腺がないため、乾燥しやすいという特徴も。そのためリップクリームで保湿をするなど、荒れを防ぐための毎日のケアが欠かせません。
唇は、解剖学的には「口唇(こうしん)」といい、通常、普段からリップケアをしている部分を「赤唇縁(せきしんえん)」といいます。口唇にある多数の溝は「赤唇溝(せきしんこう)」といい、口唇はたくさんの筋肉によって支えられています。
リップクリームの種類
リップクリームには、お馴染みのスティックタイプからジャーに入ったバームタイプ、美容成分配合のものや色付きまで種類もさまざま。ここでは代表的なリップクリームの種類をピックアップして紹介します。
スティック | 棒状の固形クリームタイプで、直接口唇に塗ることができます。持ち歩きに便利で、使いやすいのも特長。 |
チューブ | 柔らかなテクスチャーで、荒れている口唇に刺激が少ないものが多くあります。 |
リキッドタイプ | ツヤのあるテクスチャーが特長。 瞬時にうるおいを与え、ボリューム感を出し、リップケア効果が長時間持続します。 |
バームタイプ | 手のひらサイズのジャーに入った固形タイプで、油分が多く、保湿力が高いタイプ。 口唇との密着力が高いため、外部からの刺激から保護してくれます。口唇以外にも使えるマルチユースなものも多く、いろいろな使い方が可能。 |
美容成分配合 | うるおいやなめらかさを与える「ヒアルロン酸」や「コラーゲン」を配合したものや、 ハリを与える「カプサイシン」などを配合したものがあります。 |
色付きタイプ | 保湿力の高いオイルタイプや、色の持続性が高く、マットなウォータータイプなどがあります。 |
2.リップクリームの選び方のポイント

Image:Gettyimages
目的に合わせて選ぶ
どれを選べばいいか迷ってしまったときは、まずはリップクリームを使う目的に合わせて選ぶといいでしょう。
「唇が荒れてしまった場合、『とにかく荒れをなんとかしたい』という人もいれば、『まずは見た目をカバーしたい』という人もいます。荒れをなんとかしたい場合は薬用リップや医薬品、見た目カバーには色付きタイプにするなど目的によって選ぶリップクリームは変わります」
成分で選ぶ
リップクリームなどを選ぶときには、配合成分がわかると自分の悩みに合わせたリップクリームを選びやすくなります。敏感な肌の人や子どもにも安心なものなどもあるので、参考にしながら選んでみるのもいいでしょう。
ヒアルロン酸・コラーゲン | うるおい・なめらかさ |
ワセリン・ アルコールフリー・パラベンフリー |
荒れ |
カプサイシン | ハリ・縦ジワ |
シアバター・ミツロウ・はちみつ・ ローヤルゼリー などの天然由来成分 |
肌が敏感・子ども |
「うるおいやなめらかさがほしいなら「ヒアルロン酸」や「コラーゲン」が配合されたものを。しみるほど荒れている場合は、刺激せずに唇を保護する「ワセリン」配合のものや「アルコール・パラベンフリー」のものを選ぶといいでしょう。
加齢によりハリを失った唇や縦ジワが目立つときには「カプサイシン」配合のものでふっくらとさせるのがおすすめです。口に塗るものなので「シアバター」や「ミツロウ」「はちみつ」「ローヤルゼリー」など天然由来の成分であれば、より安心して使えますね」
使うシーンで選ぶ
1日の中でも出番の多いリップクリームは、シーンに合わせて使い分けするのもおすすめです。
「数種類のリップクリームをポーチに入れているという方も多いのではないでしょうか。日中はメイク感覚で使える色付きタイプ、乾燥しがちな夜は保湿系など、シーンによって使い分けるのがおすすめです。
外出先では手軽に使えて持ち運びやすいスティックタイプ、おうちでは保湿重視のバームタイプなど、使う場所に応じて形状を選んでもいいでしょう」
テクスチャーで選ぶ
さらりとした使い心地のものからグロスのようにツヤのあるものまで、さまざまなテクスチャーがあるリップクリームは、好みの着け心地で選んでも◎。
「リップクリーム選びは、好みによるところも大きいと思います。チューブやリキッドタイプのようにこっくりとしたテクスチャーのリップクリームなら、グロス感覚で使うことができます。
男性の場合、テカテカしてしまう油分多めのものよりサラッとした着け心地のものが好まれると思います」
3.年代別おすすめリップクリーム
ここからは、Caoruさんおすすめのリップクリームを紹介します。唇は肌同様、うるおいやくすみなど、年齢によって異なる悩みが生じるもの。まずは年齢別のおすすめアイテムをピックアップ。
10&20代
Vaseline オリジナル ピュアスキンジェリー
顔や全身にも使える保湿ケア用スキンバーム。肌表面をコーティングすることで角質層内の水分の蒸発を防いで肌を乾燥から守ります。防腐剤無添加・無着色・無香料の低刺激処方なので、赤ちゃんの肌から大人の肌、敏感な肌の人まで、さまざまな人が使えるというのもうれしいポイントです。
「唇も肌も若々しい10、20代は、ケアいらずでも美しく見えるかもしれません。唇から顔、全身までマルチに使える保湿バームで、今のうちから日々のケアを習慣づけることが重要です。低刺激処方で赤ちゃんにも使えるのでママにおすすめ。お風呂上りに赤ちゃんのケアをしながら自分の唇もケアできますよ」
30代
キュレル リップケアバーム
ひびや荒れを繰り返しがちな唇のスペシャルケアにぴったりのアイテム。就寝前のひと塗りで、うるおいベールが翌朝までうるおいを密封し、ふっくらなめらかな唇へと導きます。乾燥性敏感肌を考えた低刺激性で、無香料・無着色・アルコールフリーのリップバーム。
「唇の荒れやひび割れを防ぐバームタイプ。唇の角層に浸透し、乾燥などの外部刺激から保護します。ひび割れがちな唇は、加齢によるターンオーバーの乱れも原因のひとつ。乾燥が気になりだす30代の唇におすすめです」
40代
MiMC ビオモイスチュアスティッククリーム
保湿ケアにフォーカスしたフルーツ&ナッツオイルのスティック美容液。プルケネチアボルビリス種子油やシアバターノキエキスなど天然由来成分で乾燥した唇をダメージケアします。メイクの上から滑らせればうるおいチャージができてメイク直しにも活躍。
「加齢によるターンオーバーの乱れや色素沈着により、40代の唇はくすみが気になるように。美容成分を配合した乾燥ケアができるスティックタイプの美容液は、スキンケアのひとつとして取り入れたいアイテムです。色のトーンをととのえる効果も期待できます」
4.目的別おすすめリップクリーム
ドラッグストアで買える
ユースキン リップケアスティック
2つの有効成分が唇荒れを防ぎ、ヒアルロン酸・ビタミンCがうるおいを与え、スクワラン・オリーブ油で乾燥した唇を守ります。高保湿でいてサラッとしたテクスチャーに加え、斜めカットで唇にしっかりとフィットした使い心地も優秀。医薬部外品。
「ビタミンB2色(黄色)のリップスティックは、プチプラ価格なのにヒアルロン酸やビタミンC、唇を守る成分も配合しています。医薬部外品なので、とてもコスパに優れたリップケアに効果的なアイテムです」
デパコスブランド
IPSA ザ・タイムR デイエッセンススティック
うるおい保湿成分を配合したスティックタイプの美容液。独自技術によりうるおい保湿成分を約65%配合。多量の水分を集中的に補給することで、日中の角層収縮した乾燥肌をうるおいのある肌に整えます。リップケアはもちろんメイク直しにも使えるのが便利。
「リッチ感のあるパッケージで、使うたびにテンションが上がるデパコスリップは、縦ジワがふっくらして、みずみずしくなります。ひと塗りで即効性があるのもポイント。縦ジワが気になる大人の唇にぴったりのアイテムです」
プチプラなのにデパコス並み
ニベア ディープモイスチャーナイト P 無香料 リップクリーム
ビタミンEとグリチルレチン酸ステアリルの2つの有効成分が唇の荒れ、ひび割れを防ぎます。さらに5つの保湿成分を配合し、就寝前のリップパックやマッサージにぴったり。指でたっぷりと塗れるバームタイプで、唇のキワのケアにも便利。
「はちみつ、ローヤルゼリーエキス、トレハロース、ホホバオイル、スクワランの5つの保湿成分が優秀です。パックのような感覚で夜つけてから寝れば、翌朝にその効果を実感できるはず。まさにデパコス級の効果です!」
医薬品
メンソレータム メディカルリップb
口角炎・口唇炎による荒れた唇をしっかりと治療し、しっとりなめらかにする医薬品リップ。殺菌、消炎、修復に効果的のある6つの有効成分を配合し、ひび割れにも効果的なアイテム。たっぷりと使えるバームタイプは、メントール配合で爽やかな使用感です。第3類医薬品。
「荒れた肌への治療として効果のある成分が配合された医薬品リップは、口角炎や口唇炎の治療に。荒れた唇の修復を促進するアラントイン、血行を促進し、口唇炎による荒れに効果的なビタミンE誘導体、皮膚の新陳代謝を促進するビタミンB6、唇の炎症を抑えるグリチルレチン酸、殺菌作用のあるセチルピリジニウム塩化物水和物の6つの有効成分を配合しています」
精油タイプ
Dr.Hauschka リップケアスティック
ドイツ生まれで50年の歴史を持つ認証オーガーニックケアブランド「ドクターハウシュカ」のリップスティック。100%天然由来処方でミツロウを配合。着色料・保存料フリー、認証オーガーニックで安心して使えます。
「100%天然由来成分で、ホホバ油、シアバター、ミツロウなど天然のワックスや油分がバランスよく配合されています。香料に天然由来の精油を使った、主張しすぎない柑橘系の香りが気に入って、ヘビロテしているアイテムです。精油を使ったリップクリームはバームタイプが多いなか、こちらはスティックなので使いやすいのもポイント」
色付き
VECUA Honey ワンダーハニー 色づくジューシー蜜リップ すもも
ひと塗りでほんのり色付くリップクリームは、ナチュラルメイクも唇ケアも1本で叶います。ハチミツやローヤルゼリー、ミツロウなどリッチなうるおいで唇を保護。乾燥に負けないぷるぷるの唇に。自然な色付きで内側から発色しているような赤みがプラスされ、ほのかなハチミツの香りに癒されます。
「唇がぷるぷるに仕上がる「色づくジューシー蜜リップ」シリーズは、色付きタイプですが荒れにくく、唇をふっくらと見せられます。とくに『すもも』の色味がかわいらしくておすすめです」
保湿力が高い
BLUME edena ナッシングリップバーム
マカデミアナッツオイルと東京利島産の椿油を主成分としたリップバーム。唇に触れた瞬間に体温ですーっと溶け、うるおいがすばやく浸透。グロス代わりにも使えるツヤ感がありながら、ベタつきがないので使いやすく、乾燥した唇をしっかり保護します。
「若さの脂肪酸といわれるマカデミアナッツオイルは、高価で手に入りにくい成分。それを主成分にしているところに注目しています。浸透力が高いのでベタつかず、それでいてしっかりとうるおいを実感できます」
UV効果が高い
メンソレータムリップ メルティクリームリップ ミルクバニラ
UVカット(SPF25/PA+++)のリップクリームは、唇や空気中の水分と反応してうるおいを抱え込み、クリームに変わる「モイストバンク技術」を採用。体温でとろけるようななめらかな塗り心地で、乾燥した唇をうるおいで守ります。
「肌と同じように唇にもUVケアが必要です。しかし、SPFがそれほど高くないリップクリームが多いなか、こちらはSPF25/+++とかなり攻めた処方。外出時にぴったりです。とろけるような柔らかなテクスチャーで使い心地も申し分ありません」
プレゼントに最適
ジルスチュアート リップバーム ロージーズ
美容オイルをたっぷりと配合したリップバームは、乾燥や荒れから守り、ふっくらぷるぷるの唇に。高粘性油剤と低粘性油剤のバランスに優れ、ツヤツヤ感がありながらもべたつかない使用感。宝石のようなパッケージも女子の心をギュッと掴みます。
「美容オイルがたっぷり配合され、とにかくぷるぷるの唇に。なにより見た目のかわいさでギフトに最適です!年齢問わず使いやすい色と香りなので、大人の女性にも喜ばれるでしょう。アルコール・パラベンフリーで敏感な肌の人にも贈りやすいのもポイントです」
5.悩み別おすすめリップクリーム
ここではリップクリームを使うにあたり、とくに気になる悩み別におすすめのアイテムを紹介します。
妊娠中でも使える
健栄製薬 ベビーワセリン
無香料・無着色・防腐剤不使用で、肌をコーティングして外からの刺激を防ぎ、うるおいを保ちます。従来のワセリン製剤よりも不純物が少なく、リップケアはもちろん全身の保湿に使える汎用性の高さも魅力。持ち運びにも便利なチューブタイプ。
「妊娠中の肌は刺激や乾燥に弱く、免疫も低下しがなので、不純物の少ないベビーワセリンがおすすめです。妊娠中はもちろん、産後には赤ちゃんのケアにも使えますよ」
口唇炎で荒れている
メンソレータム メディカルリップnc
口角炎・口唇炎を治療する医薬品リップ。アラントレインが荒れた唇の修復を促進し、ビタミンB6が皮膚の新陳代謝を促すためひび割れにも効果的。清涼成分無配合だから敏感な唇に使いやすく、唇にそのまま塗れるチューブタイプが携帯にも便利。第3類医薬品。
「口唇炎で荒れてしまったら医薬品のリップがおすすめ。5つの有効成分を配合した医薬品のリップでしっかり治療しましょう。メントール無配合なので敏感な唇にもしみにくく、やさしい使い心地です」