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特に寒い季節に頭を悩まされる、窓の“結露”問題。朝起きたら窓ガラスが水滴でびしょびしょ、といった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

結露は放置するとカビやダニが発生する原因になり、アレルギーや肺炎を引き起こす可能性もあるため、子どもや高齢者のいる家庭では対策が重要です。

今回は、ブリッジブックハウスクリーニングの高橋武大さんと榎本祐輝さんに、結露対策や掃除のコツをうかがいました。お二人のアドバイスのもと、「かいサポ」チーム※が厳選した結露対策におすすめのグッズ8選も紹介します。

■ この記事の監修者

榎本祐輝さん(左)&高橋武大さん(右)のイメージ

榎本祐輝さん(左)&高橋武大さん(右)
小学校からの幼馴染2人で「ブリッジブック ハウスクリーニング」を開業。20代ならではの熱意と体力が強みで、あいさつやマナー、丁寧さを心がけ仕事や家事、育児に頑張る家庭を応援。「人や環境に優しい掃除グッズで汚れをしっかり落とす」がモットー。

結露ができる仕組みとは?

そもそも、なぜ窓に結露ができるのでしょうか。空気中に含まれる水蒸気の量というのは、温度によって変わります。室内の温度が高いうちは水蒸気をたくさん含むことができますが、冷たい外気によって温度が低くなると、空気中に含むことのできる最大の水蒸気量(飽和水蒸気量)を超えるため、余った水蒸気が水に変わります。

簡単に言うと、キンキンに冷えたビールをグラスに注ぐと水滴が付着しますが、これもまったく同様のメカニズムで、ビールとグラスの温度差によって起こるものです。

Image: Shutterstock

結露を放置するとどうなる? カビやサビ、アレルギーの原因に

結露による最大の問題は「カビ」の発生です。前述した通り、カビは悪臭やアレルギーの他、肺炎を引き起こす原因にもなり得ます。また、水分が長いこと付着すれば金属が酸化し、サビの発生にも。簡単に掃除や予防ができる方法は「結露の重要な予防対策は3つ! 換気、空気循環、温度・湿度調整」で詳しく解説しています。

結露が起こりやすい場所は?

結露が起こりやすい場所は、窓やサッシ、カーテン、壁、エアコンなどです。

まず、外気の影響を最も受けやすい窓ガラスやサッシで結露は特に起きやすく、その周辺にあるカーテンや壁も同様です。また、太陽が当たりにくい北側の部屋は外気で壁が冷え、室内との温度差が生じやすい場所。結露も起こりやすいので、日当たりが良くない部屋は注意が必要です。

また、クローゼットや家具の裏など、通気性が悪い場所は水蒸気の逃げ場がないため、寒い時期は特に拭き掃除をするなど、確認の対象にしましょう。

結露対策はこの3つ! 掃除・カビの除去・予防

結露対策には「掃除」「カビの除去」「予防」が肝心です。

「掃除」はいろいろな方法がありますが、吸水性の高いクロスや水切りワイパーを使えば、簡単に水滴を取り除くことができおすすめです。

カビが発生してしまった場合は、カビ発生から時間の短い初期段階であれば中性洗剤を水で薄めて拭き取ることも可能です。奥深くまで浸透したカビや、ゴムなどの落ちにくい場所に発生したカビには、グッズ紹介にも記載されている専用のカビ取り剤か漂白剤を使いましょう。

拭き取り後はアルコールをスプレーしておけば、殺菌効果もあるうえ、再びカビが繁殖するのを防止してくれるので一石二鳥です。

結露の重要な予防対策は3つ! 換気、空気循環、温度・湿度調整

Image: Shutterstock

結露対策は予防が重要です。結露を発生させないために重要なポイントは3つ。1. 換気、2. 空気循環、3. 湿度・温度調整です。予防さえ意識していれば、カーテンや壁にカビが生えていた!という問題は避けられます。

1. 換気

冬場など、家の中と外の温度差が激しくなりがちな季節でも、こまめに換気をしましょう。窓を開けるのは1回につき10分程度。寒さが気になる時は、暖房器具の近くの窓を開け、入ってきた冷気をその場で暖めてしまうのが効果的です。

また、窓を2カ所以上開けると、空気の通り道を水蒸気が逃げやすくなるので有効です。

2. 空気循環

換気ができない場合は、サーキュレーターなどで室内の空気を循環させましょう。結露が発生しやすい窓の方向へ風を送り込めば、水蒸気を含んだ空気を循環させ、分散することができます。

サーキュレーターの選び方・おすすめ商品は以下の記事をご参考に。

3. 湿度・温度調整

結露は飽和水蒸気量を超えなければそもそも発生しないので、室内の湿度や温度をコントロールすることも手です。湿度は40〜60%程度を目安に考えましょう。また、外気との温度差を極力少なくするため、薄手のダウンを着るなどの防寒対策を取り、室内を暖めすぎないよう心がけましょう。

【目的別】結露対策におすすめのグッズ8選と掃除のコツ!

掃除グッズ

吸水モップ グングン吸水激絞りワイパー・ミニ

Image: Amazon.co.jp

持ちやすいコンパクトサイズのワイパーです。先端には吸水力と柔軟性のあるスポンジが付いていて、窓ガラスはもちろん、床や壁面など、どんな場所にもフィット。窓ガラスや壁一面に付いた水滴を一気に拭き取ることができます。

持ち手のグリップを引けば、スポンジの端まで水分をしっかり絞れる仕組み。手を濡らしたり汚したりせずに済むので、手軽に結露掃除が可能です。

ワンポイント!

一般的なサイズの窓であればこのワイパーで十分ですが、高い場所にある窓には、最長130cmまで伸びるロングタイプを使うのもおすすめです。スポンジ部分はスペアも販売されていて、古くなってきたら取り替え可能。工具を使わず簡単に付け替えられます。

山崎産業 結露とりワイパー S

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窓ガラスの水滴を取りたい時に活躍するコンパクトなワイパーです。雑巾のように水気を絞る必要がないため、時短にも。手が汚れないため、気づいた時にサッと使えるのも魅力です。

一般的な水切りワイパーと違い、拭き取った水分が手持ち部分のボトルに溜まる仕組み。サッシに水が溜まることもなく、また、水はねを防止するため、室内の鏡やガラスの水切りにも安心して使えます。

ワンポイント!

ワイパーをガラスに沿うように押し当て、上から下へ動かしながら水滴を拭き取ります。拭き取るごとにタオルでヘッド部分の水気を拭くと、ガラスに拭き跡が残らないのでおすすめです。

水滴ちゃんとふき取り超吸水スポンジブロック

Image: Amazon.co.jp

その名前の通り、優れた吸水性で水滴を拭き取ることができる結露対策におすすめのスポンジです。タオルや雑巾では一度に多くの水分を吸収できませんが、このスポンジなら最大650mlの水分を吸い取ることが可能。大きいビール缶が500mlなので、それ以上に吸い取ると思うとすごいですね。

スポンジを絞れば吸水力がすぐに復活する点も優れていて、タオルや雑巾のように、拭いたあと布の繊維が窓などに付着する心配もありません。

ワンポイント!

開封前のスポンジは防カビ剤を含んでいるため、最初に水でもみ洗いしてから使いましょう。ブロックタイプのほか、薄手のクロスタイプも販売されています。キッチン周りの水気を拭き取るには、クロスタイプが重宝します。

【試してみた】
結露した窓にスポンジブロックをあてます。さっと拭き取ってみると……、二度拭きもいらず、あっという間に水分を吸収してくれました!

スポンジを使った後は、水気を絞って乾燥。カチカチに硬くなりますが、水に浸ければまた柔らかいスポンジが復活します。

カビの除去・防カビグッズ

カビハイター

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カビ掃除に欠かせないアイテムと言えばカビハイター。そう言っても過言ではないくらい、定番にして有効なアイテムです。塩素系の洗剤であるカビハイターは、黒カビと、浴室に発生しやすい、通称「ピンク汚れ」と呼ばれる菌の一種の掃除に使えるので、1本買っておいて損はありません。

結露の影響で、窓のサッシの端部分にも黒カビは発生します。黒カビは、根を張って奥深くまで入り込む習性があるので、一度発生してしまうと落とすのが大変。しかし、カビハイターは特殊な密着泡がカビに吸着し、根まで浸透して頑固なカビを落としてくれます。

ワンポイント!

壁やパッキンなど、垂直で洗剤が垂れやすい場所には、ペーパータオルや雑巾にあからじめハイターを吹き付け、数分放置してから掃除しましょう。スプレーした後に、上からサランラップを貼るのも有効です。

結露の予防対策グッズ

流れ落ちる結露を強力吸水 強力結露吸水テープ

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ニトムズの「強力結露吸水テープ」は、外出する機会の多い人や仕事で忙しい人に特におすすめのアイテムです。結露による水滴は、時間が経てば窓の下に垂れ、室内の場合はフローリングや絨毯部分まで水分が侵食することも。

この吸水テープは窓ガラスの下部分に貼るだけで、テープがしっかり水滴をキャッチ。結露による被害の拡大を防ぎ、腐食やカビなどの発生を防止してくれます。

ワンポイント!

吸水された結露は乾燥時に自然蒸発するため、効果も持続。しかも、テープの貼り方も簡単で、価格もお手頃。はがす際も糊が残ることは稀ですが、6ヶ月を過ぎるとはがしにくくなるため使用期限には注意してください。

結露3Sブロッカー

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スプレータイプの結露防止剤。結露しやすい場所に、スプレーして拭くだけなので、誰でも簡単に使えるのがおすすめの理由。旅館やホテルなどでも愛用されていて、その実力は確かなものです。

スプレーの効力が発揮されるのは、使用してから1〜2日後ですが、一度の使用で、最長14日間も効果が持続。小まめな窓拭きの手間も省けます。窓だけでなく、壁やドアにも使えるので、重宝します。

ワンポイント!

窓ガラスを事前に水拭きし、乾いてからスプレーしましょう。スプレーしたら、乾いたタオルなどで液体をまんべんなく伸ばすイメージで拭きます。結露を予防するコーティング剤なので、完全に拭き取らないようにするのが重要。

窓ガラスに使用する場合は、外の景色が少しぼやけるくらいが目安。あとは乾燥するまで放置するだけです。扇風機やエアコンのドライ・除湿機能を使えば、乾燥しやすく時短になりますよ。

【試してみた】

まずは結露した窓を綺麗に拭きます。水分がなくなった窓にササッと結露3Sブロッカーを吹きかけます。

そして乾いたタオルで拭き取るだけで完了。翌日から嘘のように結露しなくなりました!

マドピタシート

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シートを窓一面に貼ることで、4mm厚、3層構造の空気層が断熱効果を発揮します。室外側からの冷気の侵入を抑制してくれるため、ガラスの表面温度の低下を防ぎ、結露の発生を防止してくれます。

一度貼り付ければ剝がれにくく、全面粘着タイプのためテープも不要。はがす時も接着面の糊が残りにくい工夫が施され、UVカット率は95%なので、結露・防寒対策になるとともに、紫外線対策までできてしまう優れものです。目隠し効果もあり、プライバシーを守るのにも役立ちます。

ワンポイント!

窓ガラスが冷えているとはがれやすくなってしまうため、冬の時期は、ドライヤーで温めた濡れタオルなどで窓ガラスを温めてから貼るといいでしょう。また、貼り付ける前に、霧吹きなどで窓を軽く濡らしておくと、貼り直しがスムーズです。

ただし、貼れるガラスと貼れないガラスがあるので、その点は事前に調べてから購入することをおすすめします。

窓ガラス結露防止シート水貼り

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「窓ガラス結露防止シート水貼り」も、価格が安くておすすめです。接着剤ではなく水で貼るタイプのシートなので、糊が残ることもありません。窓ガラスに貼っておけば、約7mm厚、3層構造の空気層が窓ガラスへの熱の伝わりを小さくし、シミやカビの原因となる結露を予防します。

断熱することによって、暖房効果も高めてくれるので、冬の時期には電気代の節約に効果的です。光を通す素材でできているため、シートを貼っても室内が暗くなることはありませんし、適度な目隠し効果も得られます。

ワンポイント!

シートを貼る前にはタオルや雑巾で窓拭きし、窓に付着した埃や汚れをしっかり落としておきましょう。

窓ガラスの大きさに合わせてシートをハサミでカットしたら、霧吹きを使って窓ガラスをたっぷり水で濡らしましょう。手の平でシートを押さえながら、窓の隅から丁寧に貼り付けますが、ズレてしまっても、水で貼り付けているので気軽に修復可能です。

プロ直伝。軽度なカビなら中性洗剤でもOK!

結露によりカビが発生してしまったら、なるべく早めに除去することが重要です。軽度な黒カビであれば、中性洗剤をカビに付けて5分ほど時間をおき、乾いたタオルや雑巾などで拭き取れば落とせます。それでも落ちない頑固なカビ汚れには、上で紹介したカビハイターのような塩素系のカビ取り洗剤を使いましょう。

掃除・カビの除去・予防の3つの対策を万全に、結露による不快感と無縁な一年を過ごしましょう。

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