ホームパーティや家飲みなどに欠かせないワインオープナー。普段から一家に一台は持っておきたいものですが、電動式やガス式などさまざまな機能の商品があるうえ、値段も1000円未満から数万円のものまでピンキリで、どれを選べばよいのか迷ってしまいます。
そこで今回は、ワインアクセサリー選びのプロである日本クリエイティブ株式会社取締役の住田安清さんに、ワインオープナーの選び方を教えてもらいました。
自分にぴったりなアイテムを選ぶ方法を住田さんにレクチャーしてもらい、編集部がおすすめ商品をピックアップ。使い方がわかりにくいものについては、動画付きで解説します!
住田 安清さん
1975年、日本最初のワイン他アルコール関連アクセサリーの専門商社として創立された日本クリエイティブ株式会社の取締役として、ワイン用グッズの輸入卸事業に携わる。コーヒーグッズ専門店「ブランディングコーヒー」の店長も務めている。
日本クリエイティブ株式会社 https://www.winex.co.jp/
③ニーズ別のおすすめワインオープナー
【1:手軽・失敗しない!】おすすめ6選
【2:長く使える】おすすめ3選
【3:コンパクト】おすすめ1選
【4:おしゃれ】おすすめ3選
【5:高級・プレゼント】おすすめ3選
①そもそも、ワインオープナーにはどんな種類があるの?
ワインオープナーは、手の力だけで開けるアナログなタイプから、電力やガスなどの力を利用するタイプまでさまざま。初心者向けからテクニックが必要なものまで、幅広い種類があります。
なかでも定番は、ソムリエナイフ。使い方に少しコツがありますが、一台あれば長く使えるため、その名のとおりプロのソムリエに愛されるアイテムです。
誰にでも使いやすいタイプとしては、量販店でもよく見かけるウイング式、スクリュー式があります。ネットで探すと安価なものがたくさん見つかりますが、壊れやすいものも多いため、信頼性の高いブランドのアイテムを選ぶ必要があります。
また、最近は少ない力で簡単に開けられる電動式やレバー式などの商品もラインナップが増えていますが、コピーブランドなどで故障しやすい商品もあるため、やはり、信頼できるメーカーのものを選ぶことが大切です。
そのほか、コルクを傷つけずに開けられるプロング式や、ヴィンテージで脆くなったコルクに対応できるデュランド式など、上級者向けのアイテムもあります。
②ワインオープナーは、どうやって選べばいいの?
では、ワインオープナーはどうやって選べばよいのでしょうか?
初心者が手軽で簡単に開けられるものを選ぶなら、ウイング式、スクリュー式、電動式、エアポンプ式。開栓に失敗することはほとんどありません。
ワインをよく飲む人が、長く使えるものを選ぶなら、スタンダードなソムリエナイフか、品質の高いブランドのウイング式、スクリュー式がよいでしょう。
キッチンスペースが限られていて、収納性に優れたものが欲しいなら、ソムリエナイフやプロング式などのコンパクトなタイプがおすすめです。
見た目にこだわりたい人はレバー式(信頼性の高いブランドのもの)。ウイング式やスクリュー式にもさまざまなデザインの商品があります。
ワイン好きの人にプレゼントする場合や、これからワインを極めたいという人は、ソムリエナイフやデュランド式、ガス式といった商品からこだわりのアイテムを選んでみましょう。
③簡単・おしゃれ・高級まで。ニーズ別おすすめワインオープナー
【1:手軽・失敗しない!】ワインオープナーおすすめ 6選
テクニック要らずでスムーズに開けられる電動式・スクリュー式・エアーポンプ式・ウイング式。品質のよいものから見た目がかわいいものまで、編集部がピックアップしたアイテムをご紹介します。購入先の選定と記載も編集部によるものです。
太知ホールディングス|電動ワインオープナー

電動オープナーの老舗メーカーがプロデュースする、フォイルカッター付きの電動オープナー。頑丈な構造でスクリューの力が強く、初心者でも簡単に開けられる。スケルトンボディなので、コルクが抜ける様子を確認しながら抜栓できるのも安心。単4電池6本が必要で、開栓時のモーター音がやや大きいので注意。
【動画解説】電動式ワインオープナーの使い方
付属のフォイルカッターでフィルムを切ってはがし、ボトルにかぶせるようにオープナーを載せる。手でしっかりボトルを固定しながら、スクリューが止まるまで下側のボタンを押し続ける。最後に、上側のボタンを押してコルクを排出する。
recolte®(レコルト)|イージーワインオープナー

ボタンを押すだけで、スムーズにコルク栓を抜けるスマートなオープナー。コンパクトかつスタイリッシュなデザインで、カラーバリエーションも豊富。フォイルカッターも付属。単3形乾電池が4本必要。
Le Creuset(ル・クルーゼ)|トリロジー・テーブルモデル ギフトセット

ワインオープナーの権威であるル・クルーゼのスクリュー式オープナー。同じ方向に回し続けるだけで開栓できるので、ビギナーにおすすめ。スクリュー部分はNASAのロケットと同じ加工技術が用いられており、摩擦が少なくスムーズに開けられる。付属のフォイルカッターがスタンドになるので収納にも便利。ヴィンテージワインなど、脆くなったコルクには不向き。
【動画解説】スクリュー式ワインオープナーの使い方
付属のフォイルカッター(なければ別売りの)でフィルムを切ってはがし、ボトルの口を挟むようにオープナーを固定する。ハンドルを時計回りに回し続け、コルクが瓶口から離れたらボトルから離す。ハンドルを反対側に回して本体からコルクを外す。
GHIDINI(ギディニ)|ウルトラコルク抜き

ポップなカラーリングがおしゃれなスクリュー式オープナー。お手頃価格で、ハンドルを回すだけで開けられるので、初心者にぴったり。イタリアの代表的なキッチンウェアメーカーの製品なので、品質も折り紙付き。ヴィンテージワインなど、脆くなったコルクには不向き。
Le Creuset(ル・クルーゼ)|フォイルカッター
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ワインボトルの口はフィルムに包まれており、ソムリエナイフ以外のオープナーは、事前に切り取っておく必要があります。カッター付きの商品もありますが、専用のフォイルカッターを持っておくと便利です。ル・クルーゼのアイテムは、回転する4つのホイール刃がポイント。安価な商品に多い2輪タイプなどよりも少ない力できれいに切り取ることができます。
Elicia|エアーポンプ式ワインオープナー

ポンプで空気を注入することで、瓶の中の気圧を上げ、コルクを押し出すタイプのオープナー。コルクに刺して5回ほどポンプを上下させるだけで開けられるので、握力に自信がない人でも安心。使わないときはコンパクトに収納でき、持ち運びにも便利。気圧によってコルクが飛び出してしまうことがあるので、慎重に開ける必要がある。
【動画解説】エアポンプ式ワインオープナーの使い方
別売りのフォイルカッターでフィルムを切ってはがし、コルクの真ん中に針を刺し込む。ポンプを5〜7回ほど上下させて空気を入れると、コルクが自然に上がってくる。
GHIDINI(ギディニ)| スパイラルウイング オープナー

イタリアのキッチン製品メーカーのリーディングカンパニー「ギディニ」によるウイング式オープナー。しなやかで耐久性が強いスクリューにより、より少ない力で開けることができる。ビビッドなカラーバリエーションはキッチン周りのアクセントに。回すハンドル部分の直径が狭いので、やや強い力が必要。
【動画解説】ウイング式ワインオープナーの使い方
別売りのフォイルカッターでフィルムを切ってはがし、ハンドルを回転させながらコルクにスクリューを差し込んでいく。ウイング部分が完全に上がったら、両手でつかんで下に下ろすと、コルクが引き上がる。
【2:長く使える】ワインオープナーおすすめ3選
耐久性の高い商品としては、世界中で愛されるソムリエナイフが定番。合わせて、日本のデザイナーによる高品質なウイング製もご紹介。
Pulltex (プルテックス)|ソムリエナイフ プルタップスライト

ソムリエナイフには2タイプの形状があるが、初心者でも使いやすいのがダブルアクションタイプのソムリエナイフ。安価なものは壊れやすいのが難点だが、ダブルアクションの元祖であるプルテックス社製は耐久性も抜群。人間工学に基づいて追求された使いやすいデザインで、世界中の専門家が愛用している。カラーバリエーションも豊富。ソムリエナイフの初めの一本としてもおすすめ。
【動画解説】ソムリエナイフ(ダブルアクション)の使い方
ナイフの部分でフィルムを切ってはがし、ハンドルを広げ、コルクにスクリューを突き立てる。ハンドルを回してスクリューを差し込んでいく。2段フックの付け根側のフックをボトルに掛け、てこの原理でコルクを引き上げる。コルクを途中まで引き上げたら、先端側のフックをボトルに掛け、さらにコルクを引き上げて抜く。

ソムリエナイフは、フックの数によって、シングルアクションとダブルアクションの2タイプに分かれます。シングルアクションのほうがデザインはスタイリッシュですが、開けやすいのはダブルアクション。初心者はダブルアクションを選ぶとよいでしょう。
▼シングルアクションの解説動画はこちら
Le Creuset(ル・クルーゼ)|ワインオープナー テーブルモデル

最小限の力でコルクを抜くため、石油発掘用ボーリング機をヒントに発明されたスクリュー式の元祖モデル。ハンドルが頑丈で、同じ方向にクルクル回すだけで開けられるので、誰でも簡単に使いこなせる。5年間の保証付きなのも安心なポイント。パックの中に立てて収納できるのも便利。
プリンス工業|FD STYLE ワインオープナー

力に自信がない人でも簡単に開けられるスタイリッシュなウイング式オープナー。スクリュー部分にセンターピンがあるため、コルクの中心に差し込みやすく、独自のギヤ構造によって少ない力でスムーズに開栓できる。少量生産のデザイナー商品なのでやや高価。スマートに折りたためるので、収納にも便利。
【3:コンパクト&収納しやすい】ワインオープナーおすすめ1選
小型なワインオープナーといえば、先に紹介したソムリエナイフのほか、コルクを傷つけずに開けられるプロング式があります。
MONOPOL(モノポール)|アーソー コルク抜き

コルクを挟んで引き抜くプロング式オープナー。かすがワインの中に落ちないうえ、コルクに穴があかないのでコレクターにもおすすめ。コルクをボトルに戻して再び栓をする「リコルク」もできる。テクニックと力が必要なやや上級者向けアイテム。
【動画解説】プロング式ワインオープナーの使い方
別売りのフォイルカッターでフィルムを切ってはがし、コルクとボトルの口の隙間に2枚の刃を差し込む。先端がコルクの下まで届いたのを確認したら、ハンドルを回しながらコルクを引き抜く。
抜いたコルクを2枚の刃の間に戻し入れ、ボトルの口に差し込んでハンドルを回しながらねじ込むと、再度コルクで栓ができる。
【4:おしゃれ&デザイン性】ワインオープナーおすすめ3選
かっこいいオープナーでワインを開ければ、パーティがさらに盛り上がるかも! タイプ違いでデザイン性の高いアイテムを3つご紹介します。
Le Creuset(ル・クルーゼ)|ガイア

レバーを上下させるだけであっという間にコルクが抜ける、レバー式のワインオープナー。NASAで開発された特殊コーティングが施されたスクリューで、摩擦なくスムーズに開栓できる。赤とブラックを基調としたデザインで、機能性の高さと合わせて、パーティの場で注目を集めるアイテム。
【動画解説】レバー式ワインオープナーの使い方
別売のフォイルカッターでフィルムを切ってはがし、レバーを上げて本体をボトルにセットする。本体ごとボトルをしっかり握り、レバーを下げた後、もう一度上げるとコルクが抜ける。さらにレバーを一往復させると、抜けたコルクが簡単に取り外せる。
ALESSI(アレッシィ)|Anna G/アンナ G ワインオープナー

女の子のモチーフがかわいい「Anna(アンナ)」シリーズのウイング式オープナー。デザイナーであるアレッサンドロ・メンディーニが、自身の恋人をモデルに作ったというロマンチックなストーリーも魅力。ドレスに見える本体部分のデザインも豊富。使わないときはオブジェになる。
WMF(ヴェーエムエフ)|ワインオープナー

150年以上の歴史を誇るドイツのキッチン製品メーカーWMFが開発したスクリュー式オープナー。ボトルの口に固定してクルクルと回すだけで、コルクをスムーズに抜くことができる。シルバーで丸みのあるスタイリッシュなデザインで、贈る相手の性別を選ばないギフトとしても優秀。
【5:高級・こだわり・プレゼントにも】ワインオープナーおすすめ3選
ワインを極めたいと思っている人におすすめのオープナー3種をご紹介。デュランド式やシャトーラギオールは、ワイン通なら誰もが憧れるアイテムです。
コルクポップス|レガシー

コルクに針を刺し、ボタンを押してガスをボトルに注入するとコルクが抜けるガス式オープナー。カートリッジ1本で60~80本のワインを開栓することができる。力を入れずに開けられるが、やや高額で、カートリッジの取り替えというランニングコストがかかるのに注意。
The Durand(ザ デュランド)|オールドヴィンテージワインコルク抜き

古くなったり脆くなったりした天然コルクを開栓できるため、ヴィンテージワインには欠かせないプロのソムリエ御用達のアイテム。開けるのにテクニックも力も必要な上級者向け。値段も張るが、ワインを愛するマニアなら一度は憧れる商品なので、ワイン通の友人へのとっておきのギフトとしても。
【動画解説】デュランド式ワインオープナーの使い方
別売のフォイルカッターでフィルムを切って剥がし、スクリューをコルクの中心にねじ込む。スクリューハンドルに垂直になるよう、2枚刃のついたハンドルをコルクの両脇に差し込む。片手でボトルを抑えながら、二つのハンドルを一緒に握り、ひねりながらコルクを引き上げる。
シャトーラギオール|グランクリュ ブラック
デザイン性の高さから「究極のソムリエナイフ」と名高いフランス製のソムリエナイフ。同社のシンボルであるミツバチのモチーフがポイント。さまざまな素材が用いられるハンドル部分だが、グラン・クリュ ブラックは水牛の角の根元を使用している。特別な製法を施し、スクリューやナイフ、ハンドルの接続部分に至るまで、美しく滑らかな形状に仕上げている。シングルアクションなので、開けるのにやや慣れが必要。コピー品が出回っているので、正規輸入元・正規販売店から買うこと。
【動画解説】ソムリエナイフ(シングルアクション)の使い方
ナイフの部分でフィルムを切ってはがし、ハンドルを広げ、コルクにスクリューを突き立てる。ハンドルを回してスクリューを差し込んでいき、スクリューがコルクを貫通したら、フックをボトルに掛け、てこの原理でコルクを引き上げる。
※ソムリエナイフにはシングル/ダブルの2タイプあります。解説コラムはこちら
ワインオープナーの各タイプ別の特徴
機能も価格もバリエーション豊かなワインオープナー。自分に合ったものを見つけるため、それぞれのタイプのメリットとデメリットをご紹介します。
T字スクリュー式![]() |
ソムリエナイフ![]() |
ウイング式![]() |
スクリュー式![]() |
エアポンプ式![]() |
電動式![]() |
レバー式![]() |
プロング式![]() |
ガス式![]() |
デュランド式![]() |
シンプルな構造で、安価なオープナー。 開けるのにかなり力がいるうえ、 品質の高い商品を選ばないと 手を怪我してしまうことも。 |
さまざまなワインオープナーの中でも定番。 一台あれば比較的長く使え、 収納もしやすいが、使用には多少の慣れが必要。 フックが2つついたダブルアクション、 フックが1つのシングルアクションがある。 |
初心者でも使いやすく、 リーズナブルなアイテムが多い。 スクリューが貫通しないまま上げて コルクがちぎれてしまったり、 古いコルクは崩れてしまったりすることがある。 ワインの中にコルクかすが入ってしまうのも難点。 スクリュー部分の素材によって耐久性に差がある。 |
レバーを同じ方向に回し続けるだけで 開けられるので、誰でも簡単に使える。 ワインの中にコルクかすが入ってしまったり、 古いコルクの場合は 崩れてしまったりすることがある。 スクリュー部分の素材によって 耐久性に差がある。 |
手動のポンプで空気を注入し、 瓶内の気圧を上げるため、一瞬で開けられる。 慎重に開けないと コルクが飛び出してしまうので注意が必要。 |
電気の力で簡単かつ数秒で開けられる。 抜栓したコルクを崩さずに外せるのもメリット。 モーター音が大きいほか、 ワインの中にコルクかすが入ってしまうことがある。 壊れやすいものがあるので、 補償を含めて 信頼できるブランドを見極める必要がある。 |
てこの原理でほとんど力を入れずに開けられる。 安価なものだと故障しやすかったり、 スクリューが伸びてしまったりすることがある。 記事中で紹介しているル・クルーゼなど 信頼性の高いブランドのアイテムを選ぶのがおすすめ。 |
上級者向けだがリーズナブル。 コルクを両脇から挟んで引き上げるので、 コルクに穴が開かない。 使いこなすにはテクニックが必要。 |
専用のガス缶からガスを注入し、 瓶内の気圧を上げるため、一瞬で開けられる。 カートリッジの取り替えに ランニングコストがかかる。 慎重に開けないと コルクが飛び出してしまうのでコツが必要。 |
デュランド社が出しているプロ御用達の商品。 ヴィンテージワインの脆くなったコルクでも 崩さずに開けることができる。 価格は高く、 使いこなせるようになるまでにテクニックが必要。 |
たくさん種類のあるワインオープナーは、品質や機能性の見極めが大事。プロ直伝の選び方でチョイスしたワインオープナーで、特別な日のワインをさらにおいしく演出しましょう!
撮影:野口翔平、イラスト・図版:渡邊文子