わたしたちの心地よい暮らしに役立つもの、積極的に選びたい社会や環境に優しい商品、みんなにとって気持ちがいいアイテムやサービスを、編集部がピックアップする連載「Editor’s Pick」。
今回ご紹介するのは「MOMOTANI HAPPINESS BEAUTE(モモタニ・ハピネス・ボーテ)」。
世界中の人が安心して使える化粧品を目指し、ハラール認証を取得
有害な成分を使用せず、動物実験を行なわないなど、人や環境に優しい設計の「クリーンビューティ」は、日本でもここ1〜2年で急速に広まっています。クリーンビューティを提唱するブランドが数多く登場するなか、注目したいのが2021年春に誕生した「MOMOTANI HAPPINESS BEAUTE」。クリーン設計であり、かつハラール認証を取得しているブランドなのです。

「日本ほか、世界21の国と地域へ向けて商品を展開するなかで、イスラム圏のお客さまにもリーチできるようになりました。そこで気がついたのが、海外と比較して、日本製のハラール化粧品がまだまだ少ないということ。グローバル化への対応としてフォローアップの必要性を感じ、ブランド開発に着手しました。といっても、イスラム教徒専用商品というわけではありません。誰にとっても安全でヘルシーな製品であることがコンセプトとなっています」(MOMOTANI HAPPINESS BEAUTE PR担当・田﨑久美子さん)
ハラール認証製品を生産するために生まれた課題
ハラール認証を取得するにあたり、まずはハラールとは何かを正しく理解する必要がある。そう考え、許されていること、禁忌とされていることを把握するために、日本アジアハラール協会による勉強会を実施したそう。
「また、生産拠点である岡山工場への設備投資を行いました。製造機械や充填装置はもちろん、資材を運ぶ台車から治具に至るまで、ハラール専用とするためです。他製品と混じることを防ぐためには厳重な処置を要しますから、専用エリアも新設しています」(田﨑さん)

使用できる原料が限られている点もチャレンジの1つだったと言います。
「いままでの製品と遜色ない効果を提供できる成分配合を模索しなければなりませんでした。使用感へのこだわりも欠かせません。というのも、イスラム教徒は世界さまざまな国・地域で生活をしていますから、高温多湿エリアであればベタつく使用感は好まれませんし、乾燥地帯であればサラっとした使用感では物足りなく感じられます。多くの人に心地よく使ってもらえる処方・使用感を決めることは、新しい挑戦でした」(田﨑さん)
肌の基礎力を上げる独自成分を開発
こうして生まれたのが、HBPコンプレックスと呼ばれる独自成分。キメの整ったなめらかさをキープさせるローズマリーエキスや、明るく弾力のある肌へと導くカカドゥプラムエキスとセイヨウハッカエキスなど、肌の基礎力を上げる植物由来成分がたっぷり配合されています。
やわらかく、深みのあるフローラルを主体にした香りも、思わず深呼吸したくなる心地よさ。

さらなるハピネスのために……
ちなみに、ブランド開発にあたり、化粧品に関するインサイトを探るべく、在日東南アジアのイスラム教徒へのグループインタビューも実施したのだそう。
「イスラム教徒は1日5回行われる礼拝前に、手や顔、足などを清潔な水で清めます。インタビューを通し、礼拝後のスキンケアの頻度は高くないことがわかりました。こういった習慣をサポートする製品開発を今後行う必要があると思っています。また、イスラム圏は西アジア・中央アジア・南アジア・東南アジア・北アフリカなど幅広い地域にわたっており、生活エリアの気候や宗派によっても習慣が異なりますから、ハラール製品を展開するうえで、これからもインサイトを深堀りしていく予定です」(田﨑さん)
