1足手に入れて満足したと思ったら、しばらくしてまたすぐに新しいモデルが欲しくなるのがスニーカー。しかも近年のスニーカーシーンでは、毎日のように各ブランドから新作がリリースされ続けていることもあって、初心者はそもそも「何を買えばいいのかさえ分からない」という事態となっています。
そこで今回は“スニーカー芸人”としてメディアにひっぱりだこのグッドウォーキン 上田歩武さんのご自宅にお邪魔して、人気ブランドから定番ブランド、今最も旬なスニーカートピックまで、私物コレクションも交えながら色々と教えてもらいました。
グッドウォーキン 上田歩武
1980年11月12日生まれ。滋賀県彦根市出身のB型。20歳の頃に、大阪NSCに23期生として入学し、コンビ芸人・ピン芸人を経て2010年に上京。2015年に同期の良平とお笑いコンビ、グッドウォーキンを結成し、ツッコミを担当。その後、ファッション好きが高じて集めたスニーカーとその知識量が話題を呼び、スニーカー芸人としてブレイクし今に至る。ちなみに現在所有しているスニーカー足数は約100足ほど。
Instagram:@uedaayumu
1.人気スニーカーブランドから選ぶ上田さんおすすめの3足
– ナイキ
– コンバース
– アディダス
2.定番スニーカーブランドから選ぶ上田さんおすすめ3足
– ホカ オネオネ
– ニューバランス
– アシックス
– ヴァンズ
– プーマ
上田さんおすすめ人気スニーカーブランド3選
世の中にスニーカーブランドは数多あれど、好き者たちの足元を飾る人気ブランドといえば、こちらの3つが最有力。
自分好みのブランドやモデルを見つけ出そうとする前に、まずはココから一歩を踏み出してみましょう。
ナイキ NIKE
毎週のようにリリースされる新作&発売して即完売するコラボモデルといったホットな話題を提供し、常にスニーカーシーンを賑わせ続ける絶対王者。
ただ人気モデルは軒並み入手困難というのが、困った所ではあります。
【定番モデル】
ナイキ ダンク ロー
『ナイキ』を代表するテクノロジー“エア”非搭載のバスケットシューズとして1985年に誕生。
近年ではアパレルブランドやアーティストとのコラボモデルを次々に発表し、数多あるラインナップのなかでも随一の人気を誇っています。写真は“NIKE BY YOU”という自分だけのカスタムモデルが作れるサービスを利用して上田さんが作成した上田モデル。
「ここ数年の定番といったらコレしかありません! 個人的にはハイカットが好きですが、ファッションを選ばず履きこなしやすいのはローカット。とはいえ新作が発売されても即完売といった感じで、初心者は手に入れるのが困難かも。なので、同じく定番の『エア・フォース1』を狙うのが得策かもしれません」
【今年発売の注目モデル】
フラグメントデザイン×トラヴィス・スコット×ナイキ エア・ジョーダン1 ロー

日本を代表するストリートのカリスマ・藤原ヒロシによるデザインプロジェクト『フラグメントデザイン』とアメリカの人気ラッパーであるトラヴィス・スコット、そして超人気作「ナイキ エア・ジョーダン1」の豪華トリプルコラボ。
先だって発売されたハイカットは『ナイキ』の公式アプリからの販売アナウンスが届いた人のみしか購入できないというシビアな販売方法だったため、リセール市場では良サイズなら30万円超えのプレミア価格で取引きされているとか。
「コレもこの記事が出ている頃にはもう買えないとは思いますが、間違いなく2021年下半期スニーカービッグニュースのトップ3に入ると思うので、話のネタにぜひ覚えておいていただきたいなと。
もしどうしても『エア・ジョーダン』が欲しい場合は、1以外のモデルを狙ってみてはどうでしょうか。個人的には4なんかもオススメです」
「こちらはアメリカにあるミシガン大学のカレッジカラーを落とし込んでいて、昔からのスニーカーファンには通称“紺黄(コンキ)”とも呼ばれ愛されています。 今年に入ってから、同じ配色のハイカットとローカットが復刻されたので、そちらもハイカットを1足、ローカットを2足確保済み。合計5足も同じミシガンカラーの『ダンク』が我が家にあります(笑)。 シューレースを付属品ではなく、当時のヴィンテージっぽく色褪せた風合いのタイプに変えているのが、こだわりのポイントです」 基本的にどのモデルもリーズナブルな価格設定となっているため、気に入ったらカラバリで揃えることも容易です。 “ヒゲ”の愛称で親しまれているヒールラベルと、微笑んだ口元のように見えるトゥ部分のライン“スマイル”が最大の特徴で、グランジロックのカリスマ、カート・コバーンが愛用してことでも有名です。 「この、いつの時代も変わらない感じが好きですね。あとファッション好きな人たちって、周囲と被らないように逆をいったりするじゃないですか? なので、今こういったモデルを履いていると“コイツ分かってるな!”って勝手に勘違いしてくれるのか、オシャレ上級者として見てもらえるというメリットも(笑)」 Image: Converse
ナイキ ダンク ハイ
定番として取り上げた「ナイキ ダンク」のハイカットは、上田さん自身が高校生だった1990年代に、ファッション誌で見て以来、ずっと憧れ続けたモデルなのだそう。コンバース CONVERSE
世代・性別問わず幅広い層から支持を集め、そのブランドカラーをひと言で表すなら“ザ・スタンダード”。【定番モデル】
ジャックパーセル
1935年に室内競技用シューズとして誕生。当時、その開発に参加したバドミントン選手の名前を冠した『コンバース』が誇る名作の1つ。【今年発売の注目モデル】
トーヤ・ホリウチ × コンバース スケートボーディングCS ローファー SK +
ニューヨークを拠点に、ストリートシーンの最前線で活躍する日本人アーティスト“トーヤ・ ホリウチ”と、スケートボードライン『コンバース スケートボーディング』によって実現したコラボレーションモデル。
普段履きしやすく合わせやすい「CS ローファー SK」をベースに、シュータンの形状やソールなど細部をアップデート。アッパーを上品なブラックのスエード素材で包み、甲部分にNEW YORKを象ったメタルパーツを配置。
「こういったローファータイプは近年のトレンドということもあって、いくつかのブランドからリリースされていますが、こんなに上品でストリートテイストあふれるモデルは、ちょっとないんじゃないでしょうか。買いです!」
【上田さんが気に入っている一足】
オールスター J 83カモ HI
元祖バッシュとしてもおなじみの永久定番品「オールスター」の中でも、高品質&日本製でファンが多い「オールスター J」。往年のファンにはうれしいカモフラ柄アッパーもポイントです。
「定番中の定番ですよね。インラインはいつでもどこでも買えて、かつリーズナブル。それでいて細かなディテールの違いで初心者向けから玄人向けまで、選択肢はまさに星の数。といっても、素人目にはどれも一緒に見えちゃいますけどね(笑)。
幅広い層に受け入れられる汎用性を備えながら、掘れば掘ったで面白い。最近ギターを始めたんですが、フォークギターと感覚的には近いですよね。見た目はクラシカルで素人目にはどれも同じに見えるけど実は全然違う、みたいな」
<こちらもおすすめ>
アディダス adidas
サッカーのイメージが根強い同ブランドですが、近年はライフスタイルラインの『アディダス オリジナルス』が主流に。
定番モデルは合わせやすいデザインが多く、玄人好みのスケートボードラインにも要注目です。
【定番モデル】
スーパースター
つま先部分のシェルトゥと呼ばれる補強用ラバーパーツ、サイドの3本ライン、スリーストライプスといった誰しもが思い描く『アディダス』像が凝縮された「スーパースター」は、まさにブランドのアイコンと言えるでしょう。
こちらも定番モデルの常ということで、膨大な種類のバリエーションが展開されています。ここで紹介するのは、スケートボーディングラインから発売されたプロスケーター“ブロンディ・マッコイ”のシグネチャーモデルで、現在は入手困難な品。
「とりあえず履いておけば間違いない1足といえばコレ。購入の際は普段よりもサイズアップして、シューレースをギュッと絞って履くとバランスが良く見えますし、おすすめの履き方です」
<こちらもおすすめ>
【今年発売の注目モデル】
スタンスミス

1971年のデビュー以来、50年以上に渡ってブランドのアイコン的存在として君臨してきた不朽の名作が、この2021年からなんと、サスティナブル仕様にリニューアル! アウトソールには廃棄ゴム、アッパーの50%にリサイクル素材が使用されており、そのシンプルな見た目を変えることなく地球環境に優しい1足に。
「世の中の流れ的にもリサイクル素材を使うというのは、各ブランドが注力しているポイントなので見逃せません。
あのシンプル・オブ・シンプルな『スタンスミス』が実は進化していたという事実に時の流れを感じつつも、実に感慨深いですね。こうやってウンチクの語りどころがあるというのも、名作スニーカーの条件の1つです」
【上田さんが気に入っている一足】
キネ × アディダス オリジナルス スタンスミス
同じ「スタンスミス」ですが、こちらは80年代のカルチャーから着想を得た独自のスタイルで、国内外から注目を集める福岡出身のアーティスト“キネ”とのコラボ作です。
アッパーを爽やかなホワイトでまとめ、左右非対称のシュータンデザイン&カラーを取り入れているのが特徴。また素材には、高機能リサイクル素材“プライムグリーン”を使用することで、地球環境にも配慮されている点もポイントです。
「シュータン部分のイラストの片方が、スタン・スミスさんではなくキネさんが描く女の子になっているのが面白いですよね。同時期にリリースされたコラボTシャツも購入しましたが、そちらはタイミングを逃してしまい、今も新品状態のまま(汗)」
上田さんおすすめ定番スニーカーブランド5選
続いては、せっかくならコレも押さえておきたい定番5ブランド。上田さんのセレクト基準は“ファッションとして合わせられるモノ”なので「せっかく買ったけど履く機会がない」なんて心配もありません。ぜひ参考に。
ホカ オネオネ HOKA ONE ONE
【定番モデル】
ボンダイ6
ランニングシューズの厚底ブームを牽引した同ブランドの代表的モデルが「ボンダイ」シリーズ。そのボリューミーなデザインは、ファッションシーンでも人気を集めています。
「一見すると厚底で個性的に感じられますが、モノトーンカラーでどんな格好にでも合わせやすいし、この履き心地を一度でも知ったらもう病みつき!」
【今年発売の注目モデル】
ホパラ

ジャンルとしては、本格的なアウトドアシーンでも着用可能なマウンテンサンダルに属する「ホパラ」。シンセティック素材とネオプレン素材を組み合わせたアッパーは、切り込みをいれることで柔軟性、快適性、通気性を獲得。
「サンダルの気軽さとスニーカーの踏破性を持ち合わせた、この手のモデルは近年のトレンドでもあります」
【上田さんが気に入っている一足】
オラ リカバリー スライド

ランニングやトレーニングといった運動後に蓄積した足の疲労を回復させるべく開発されたサンダルです。
先述の「ボンダイ6」同様に、ブランドの特徴であるオーバーサイズミッドソールが採用されており、その快適性は多くのランナーの折り紙付き。
「コレを履いちゃうとほかのサンダルが履けなくなるくらい履き心地抜群」
ニューバランス
【定番モデル】
M993
2006年にブランド創立100周年を記念して登場。フラッグシップシリーズである99X番台の中でも屈指の人気を誇っており、昨年14年ぶりの復刻を遂げて大きな話題になりました。
「その人気は、通常販売されているインラインモデルでありながら、まったく手に入れることができないほど。もし見つけたら即購入をおすすめすします!」
【今年発売の注目モデル】
リーバイス × ニューバランス M992LV

こちらはその「M992」をベースに、毛足の長いスエードとデニムのコンビアッパーを採用。
また素材の一部にはアップサイクルされた“オーソライズド ヴィンテージ(『リーバイス』公式認定ユーズドデニム)”のデニムが使われていて、サスティナブル的観点からも注目の1足と言えます。
「コレは単純に、僕自身が欲しいだけ(笑)」
【上田さんが気に入っている一足】
BB550
『ニューバランス』といえばランニングの印象が強いですが、本作は1980年代ムードを漂わせるローカットバッシュ。
「小さめのNロゴや野暮ったさを残したオールドスクール的な雰囲気は、スニーカーシーン全体にただよう最近の気分。僕はシューレースをヴィンテージ風味のモノに変えて、よりその色合いを濃くして楽しんでいます」
アシックス ASICS
【定番モデル】
ゲルライト3

1990年に長距離ランナーの着用を前提に作られたパフォーマンスモデルとして誕生し、去年30周年を迎えたばかり。優れた衝撃吸収性を備えた独自技術“ゲルユニット”をソールに搭載しています。
「シュータンとライナーが一体化して縦に2分割されたスプリットタンも特徴的ですし、なによりも日本人の足にすごくフィットします」
【今年発売の注目モデル】
ヴィヴィアン ウエストウッド × アシックス ゲルカヤノ 27 LTX
2019年からスタートしたコラボの第4弾は、フルマラソンにも対応する最新パフォーマンスモデル「ゲル カヤノ 27」がベースとなっています。
撥水性に優れた半透明のTPU素材でアッパー全体を覆ったデザインは、ゴム素材のストッキングが着想元だとか。
「パンクの女王が作るヴィヴィアンとコラボするという意外性に驚きました」
【上田さんが気に入っている一足】
隈 研吾 × アシックス メタライド アム
世界的建築家・隈 研吾による“面でなく線を使って空間を作ることで、空間に光や風を取り込む”というコンセプトを日本の伝統竹細工技法“やたら編み”をモチーフに実現。
「木材由来の繊維や和紙糸などを用いるなど、和の雰囲気がユニークな1足です。しかもすごく履きやすくて、一歩踏み出すだけで推進力が感じられます」
ヴァンズ VANS
【定番モデル】
オールドスクール
同ブランドで初めてアッパーにレザー素材を採用し、さらに今ではブランドの象徴として親しまれている“サーフライン”が初めて搭載されたモデルでもあります。
「元祖スケートシューズの『エラ』とも迷いましたが、より幅広い層におすすめするならこっちかな。色・柄ともに豊富に揃い、このチェッカーボード柄は特に人気です」
【今年発売の注目モデル】
ジョウンド × ヴァンズ ボルト スケートミッド

カニエ・ウエストとも親交の深いジャスティン・サンダースが手掛けるクリエイティブスタジオ『ジョウンド』と『ヴァンズ』のハイエンドラインがコラボ。
定番モデル「スケート ハイ」の履き口部分を短く設計したミッドカットフォルムが特徴です。
「このありそうでない中途半端なフォルムと絶妙なカラーリングが渋いですね」
【上田さんが気に入っている一足】
ヴァンズ × シュプリーム オーセンティック プロ
『ヴァンズ』の最初期モデルとして知られる「オーセンティック」のクラシカルな見た目は継承しつつ、クッショニングなどをプロスケート仕様にアップデート。
「コラボのベースモデルに採用されることも多く、こちらも『シュプリーム』とのコラボ作。チェッカーボード柄にボックスロゴを組み合わせた意匠が、実に秀逸ですね」
プーマ PUMA
【定番モデル】
スウェード

誰もが知る『プーマ』の代表作。90年代にビースティ・ボーイズなどの人気海外アーティストが愛用したことで、ここ日本でも多くのファンを生みました。
「ストリートでは『アディダス』の「キャンパス」と双璧をなすスエードスニーカーの2大巨頭とも言われます。ファットシューレースもよく似合っていますし、そろそろ人気再燃の予感も」
【今年発売の注目モデル】
アトモス × プーマ スリップストリーム ミッド MIJ スネーク

1988年に誕生した知る人ぞ知る名作バッシュ。90年代のヴィンテージブームにおいて注目を集めた1足が、厳選された姫路レザーのアッパーなどの上質な素材と、日本の職人によるこだわりのクオリティを引っさげて、アトモス別注で復活を遂げました。
「待望の復刻! 当時はリーバイス501XXにコレを合わせて履くのが夢でした」
【上田さんが気に入っている一足】
ビースト ロー
2013年にリリースされた本作は、1980年代に誕生した名作「ビースト」の復刻版。スニーカー製作工程のすべてを日本工場で行ったという贅沢な作りと久しぶりの復刻ということで、当時話題になりました。
「ハラコ素材×豹柄というアクの強いコンビネーションが好みです」
上田さん注目! 2021年スニーカーTOPICS
さて、これで人気ブランド3選+定番ブランド5選の計8ブランド、そして各ブランドの推しモデルが出揃いました。ここでは上田さんが注目する今旬キーワードから、20201年スニーカーTOPICSを読み解いていきましょう。
サスティナブル
“持続可能な”を意味するサスティナブルというキーワードは、様々な分野へと広がり、今や世の中の新たな常識に。それはスニーカー業界もまた然りです。
今回紹介した『アディダス』の「スタンスミス」はアウトソールに廃棄ゴム、アッパーの50%にリサイクル素材を使用していますが、同様に『ナイキ』も既存のプラスチック、糸、テキスタイルを再利用することによって、二酸化炭素排出量を大幅に削減。
『コンバース』は、フードロス削減のために廃棄食材を使って染色した生地をアッパーに使うといった試みを進めていたりと、サスティナビリティを意識したモノ作りは、各ブランドの急務となっています。
これからこの動きが、さらに大きな流れになっていくのは必然であり、その中でいかにデザイン性にも優れたスニーカーが開発されるのか、今後とも目が離せません。
コラボレーション
こちらは、アメリカの人気コメディアニメ『サウスパーク』に登場するキャラクター“タオリー”を『アディダスの』定番モデルとしてファンが多い「キャンパス 80s」に落とし込んだ1足。
アッパー素材をタオル風のパイル地に変更。さらにシュータン部分に描かれた目玉は、紫外線を当てると血走ったような色へと変わるギミックがユニーク。上田さん自身も最近買った中ではお気に入りとのこと。
上田さんの話にもたびたび出た“コラボ”という言葉。元々はスポーツショップの別注品を指すことが多かったのですが、最近ではミュージシャンにマンガ、アニメ、映画といったエンタメコンテンツから食品など、その種類は多種多様。
とはいえ、やはり人気が高いのはアパレルブランドとのコラボです。
近年はストリートブランドだけでなくハイブランドとのコラボも登場し、昨年リリースされた『ディオール』と「エア・ジョーダン1」のコラボモデルはその代表例。
抽選に当選しないと買えないという販売方法だったこともあり発売前からプレミアが付いて激しい争奪戦が繰り広げられた結果、なんと80万円近く(!)で取引きされていました。
最近では、上田さんも挙げていた「フラグメントデザイン×トラヴィス・スコット×ナイキ エア・ジョーダン1 ロー」が大きな話題に。コラボはどれも抽選販売が基本なので入手も困難ですが、お祭り感覚で参加するのも一興かと。
今後来そうなトレンド
「先日のオリンピックでの堀米雄斗選手の活躍などもあって、今スケートボードに注目が集まっていますよね。その流れで『ヴァンズ』はもちろん、『ナイキ』や『アディダス』、『コンバース』に『ニューバランス』など“各ブランドのスケートボーディングライン”が、さらにアツくなるのは必至です。
個人的には、90年代~00年代に一世風靡し、今は表舞台から姿を消しているスケートシューズブランドが復活してくれたら、さらに面白くなるんちゃうかなと楽しみな部分もあったりで。
それ以外のトレンドとしては、僕が以前から提唱していた“ヴィンテージ加工”も早い人の間ではにわかに広がっています。とはいえ僕自身は天邪鬼な性格なので、逆にちょっと飽き気味ではありますが(笑)。
あと、モデルとして注目しておきたいのが『ナイキ』の「エア・フォース1」でしょうね。来年で40周年を迎えるので、大々的にコラボモデルなどもリリースされるでしょうし、まだ持っていない人は定番のオールホワイトかオールブラックを押さえておけば、間違いありません!」
上田さんが考える「最強のスニーカー」
上田さん的理想のスニーカー
「スニーカーは常に技術革新され続けているジャンルということもあり、驚くほどの機能性を備えたモデルが次々と発表されています。それはそれで興味深いのですが、僕的にスニーカーはあくまでファッションの一部として考えているので、デザイン性と機能性を切り分けてファッションに特化したモデルが好きですね。
なので理想のスニーカーがなければ、もう自分で作るしかないと思っているので、ぜひどこかのブランドさんと上田シグネチャーモデルを作れたらなと! あとは理想のスニーカーとはちょっと違っちゃうかもですが“欲しいスニーカーが絶対に買えるシステム”が構築されたら、それがベストですね(笑)」
上田さんにとってスニーカーの一番の魅力は?
「僕と同世代の30代後半~40代だと、ラジコンやミニ四駆、ガンプラにビックリマンなど何かしらハマって収集するという行為を楽しんでいたと思うんですね。それが成長して大人になっていく中で、人によっては車やバイクだったり、楽器や音楽だったりと変わっていく。それが僕の場合はファッションであり、スニーカーでした。
たとえば“この服にはこのスニーカーを合わせてみよう”と自分だけのコーディネートを組み上げる。これなんかは、ミニ四駆で自分だけのセッティングを考えたり、ガンプラを改造するのと一緒の感覚ですよね。
また、収集物という点では数が少なくて手に入りづらいレアモデルを情報収集し、ショップに並んだり抽選で手に入れるという過程自体もまた楽しく、ゆえに手に入った時の喜びもひとしお。集めても・履いても・眺めても、楽しい。それがスニーカーなんちゃうかなと」
「最近はレアがどうか、どれだけ価値があるかで語られることも多いスニーカーですが、僕の場合は“絶対に履く派”なので、手に入れた瞬間よりも、それを好きなファッションに合わせて履いて出掛ける瞬間に1番テンションが上がります。
なにより大事なのは“それをどう履くか”。皆さんにも、そんな感じで肩ひじ張らず、自分らしく好きなようにスニーカーを楽しんでもらえたらうれしいです」
Photo by 鈴木竜一朗