今日から新しい連載がスタートします。タイトルは「テーブルに ひと工夫」。連載「野菜をひと皿」で野菜料理の魅力を紹介してくれた料理家・松本日奈さんが、台所を中心にまわる日常や、「おいしい」に関わるモノやコトをつづります。

きっかけは、料理教室の生徒さんから得た気づき

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自宅でおこなう料理教室、開催前のひとシーン。わが家のアイドル、2歳半のオーヴも着席。

料理家の松本日奈です。食材店を営む夫とふたりの娘、愛犬と暮らしています。

最近つくづく感じるのは、キッチンはとてもクローズドな空間であるということ。家事や料理のやり方は、その多くが「自己流」であるように思います。自宅で料理教室をする際、キッチンまわりのあれこれや下ごしらえの手順に「それは使い勝手がいい!」とか「そんなコツがあったんだ」と驚かれる生徒さんは少なくありません。

そこで、料理教室で得た気づきのなかから、「台所仕事の負担を軽くして楽しいものにかえる“ひと工夫”をご紹介できたら……」と思い、この連載をはじめさせていただくことになりました。これからどうぞよろしくお願いします!

朝食の準備を助ける、前の晩のルーティン

今回ご紹介するのは、私が朝食のために前の晩にやっているルーティンです。忙しい朝、皆さんはどんな工夫をしていますか?

1. 朝食の献立は決まったものを

わが家の朝食は、ごはんの日とパンの日が1日おき。そして、献立はほぼ同じにしています。

朝食メニュー例

ごはんの日…目玉焼き、焼きたらこ、ピクルス、もずくと青さのりと梅干しのすまし汁、果物、ごはん
パンの日……トースト(ベーコンとチーズ)、水切りヨーグルト(バナナとキウイ、小麦ブラン、季節のジャム)
※ごはんとパンの日を1日おきに。日によって、玄米ごはんになったり、はちみつトーストになったり。

同じ献立にするのは、忙しい朝にできるだけ手がかからないようにするため。同じものを食べることで、その日の体調の変化に気づきやすいということもあります。

2. 朝食をぜいたくにするひと手間

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写真左:炊いたごはんをお櫃に移し、翌朝あたためて食べる。
写真右:「水だし」は、昆布と干し椎茸やいりこに水を加えるだけ。ひと晩のあいだに旨みがじわじわ出てきておいしくなる。

できるだけささっと、それほど頑張らないで作るために「ごはんの日」の前の晩にしておくことは、水だしを用意すること。翌朝、鍋に入れて煮立たせたら、梅干しをちぎって加えます。

ごはんは夜のうちに炊いてお櫃(ひつ)に移しておきます。ごはんは炊き立てもおいしいけれど、お櫃で適度に水分をとばしたごはんもとても好きです。

3. 朝食に使う食器を出しておく

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「パンの日」の例。食器などを夜のうちに出しておけば、何も考えずただ淡々とテーブルに並べていくだけなので、朝に弱い私でも苦にならない。

そして、もうひとつが、朝食用の食器を1か所にまとめて出しておくこと。パンの日なら、トーストやヨーグルト用のお皿、コーヒーカップ、カトラリー、玉子、フルーツ、さらに清潔なふきんが用意されていれば「今日も新しい朝が来たな」と思うのです。この何てことないささやかな準備が、日々の朝支度をとてもラクに、スムーズにしてくれています。

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松本日奈(まつもと・ひな)
料理家。北イタリア留学中に現地の料理人やマンマから料理を学ぶ。オリーブオイルや白バルサミコなどの調味料を使い、シンプルで素材を生かした家庭料理を提案。レシピ開発やケータリング、ひな弁と活動の幅を広げる。料理教室は毎回キャンセル待ちになるほどの人気ぶり。目黒区鷹番にある食材店「ラ・プティット・エピスリー」を営む夫、ふたりの娘、愛犬と暮らす。インスタグラム

写真・文/松本日奈

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