紫外線から肌を守るためのアイテム、日焼け止め。敏感肌や乾燥肌の方は、肌にやさしいものを選びたいですよね。
ノンケミカルのものや、石けんで洗い流しやすいものは、肌への負担を抑えて使えます。日常生活用なら、SPF30、PA++くらいのものがおすすめですよ。
今回は、敏感肌向けの日焼け止めの選び方やよくある疑問を美容皮膚科医の山田ちいほ先生に解説いただきました。また、山田先生にお聞きした選び方のポイントを参考に、敏感肌向けのおすすめの日焼け止めを「プチプラ」「化粧下地向き」「メンズ向け」などタイプ別に、人気商品から厳選して紹介します。
二色クリニック院長・美容皮膚科医
山田ちいほさん
近畿大学医学部卒。放射線科、漢方皮膚科などを経験後、2021年に皮膚科・美容皮膚科「二色クリニック」を開院。健康的で自然な美しさをモットーに診療に取り組む。多数の女性向けメディア・雑誌でスキンケア・基礎化粧品の解説を行う。
敏感肌におすすめの日焼け止め12選|人気商品からジャンル別に紹介
– プチプラの敏感肌向け日焼け止め
– 敏感肌向け化粧下地におすすめの日焼け止め
– UV効果が高く焼けない!敏感肌向け日焼け止め
– ウォータープルーフの敏感肌向け日焼け止め
– 敏感肌のメンズ向けの日焼け止め
敏感肌でも日焼け止めは使ったほうがいい?

Image: Shutterstock
「敏感肌の方はお肌のバリア機能が弱っているので、日焼け止めをつけないとダメージを受けやすくなります。荒れている肌の上に塗るのは抵抗があるかもしれませんが、余計に荒れないために対策はしたほうがよいでしょう」
敏感肌向けの日焼け止めの選び方
敏感肌の方はお肌にやさしい日焼け止めを使うのがおすすめ。以下の特徴がある日焼け止めは敏感肌の方にぴったりなので、選ぶ際に注目してみてください。
・紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)
・SPF30、PA++以上
・洗い流しやすい
・添加物フリー/商品テスト済
上記の表示があれば、クリーム・乳液・ジェルなど日焼け止めのタイプで肌への負担は変わりません。自分の好みに合った使用感で選びましょう。
▼日焼け止めのタイプついては以下の記事で詳しく解説!
紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)

紫外線を防ぐ成分を大きく分けると「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」の2種類あります。敏感肌の方は、ノンケミカルのものを選ぶのが基本。紫外線吸収剤不使用のもの・紫外線散乱剤を使用しているものは、ノンケミカルとも呼ばれます。
紫外線吸収剤 | 紫外線を熱エネルギーに変えて放出する成分。塗ったときに白くなりにくい。 |
紫外線散乱剤 | 紫外線が肌に浸透しないよう反射ではね返す成分。塗ったときに少し白くなる傾向が。 |
「紫外線吸収剤に使用されている成分でかぶれたり、アレルギーをおこしてしまったりすることがあります。敏感肌の方は、肌が荒れない成分が使われているノンケミカルのものを選ぶことが重要。
紫外線吸収剤入りのものを敏感肌の方が使うと、塗っただけでかぶれたり、塗ってから光を浴びてかぶれたりすることがあります」
▼肌にやさしい日焼け止めにみられる表記
・ノンケミカル
・赤ちゃん用・子ども用
SPF30・PA++以上
SPFとPAが高いほどUVカット効果は高いです。使用シーンも考慮して選ぶとよいでしょう。
SPF | UVB(紫外線B波)の防止効果を表す指数。数値が50以上の場合は50+で表される。数値が大きいほど、UVBによる炎症を防止する効果が高い。 |
PA | シワやたるみなどの老化の要因となる、UVA(紫外線A波)の防止効果を示す指数。「PA+」といった形式で4段階の「+」で表される。「+」が大きいほど効果が高い。 |
「日常的に使うのであればSPF30、PA++くらいのものを持っておくとよいでしょう。レジャーに行くのであればもう少し強いものがおすすめ。
ノンケミカルの日焼け止めは、SPFやPAが低いものが多いです。なかにはノンケミカルでもSPF50のものもありますが、塗りなおして使うなら、そこまで高いものを選ぶ必要はないでしょう」
洗い流しやすい

「敏感肌の方は石けんやお湯で落とせるものがおすすめ。油分が多い日焼け止めは、クレンジングで落とすときに、皮脂も一緒に流れていきます。石けんで落とせるものであれば皮脂を過剰に落とすことなく、お肌への負担は最小限ですみますよ」
▼洗いやすい日焼け止めにみられる表記
・石けんで落とせる
・お湯で落とせる
添加物フリー/商品テスト済み
「余分な添加物が含まれていなければ、そのぶんアレルギー反応を起こしにくいです。
メーカーごとに、炎症反応が起きるどうかのテストを実施している場合があります。商品テストをしている製品は、安心できる裏付けになりますね」
敏感肌におすすめの日焼け止め12選|人気商品からジャンル別に紹介
敏感肌向け、プチプラのおすすめ日焼け止め

敏感肌・乾燥肌の方向けの人気スキンケアブランド「キュレル」の日焼け止め。肌荒れしにくい潤い肌に保てるのが魅力です。
潤い成分である、セラミド機能成分・ユーカリエキス・アスナロエキスを配合。なめらか肌を夕方までキープできますよ。ウォーターベースのテクスチャで、ベタつきにくく、肌への負担が少ないのも魅力です。
敏感肌の方向けのパッチテストも実施済みなので、安心感があります。肌への刺激が少ないため、赤ちゃんの肌にもぴったり。
・UVケアしながら保湿もしたい方
・顔や体、化粧下地にも使いたい方
タイプ | 乳液 |
容量 | 50g |
SPF | 30 |
PA値 | ++ |
ノンケミカルかどうか | ノンケミカル |
紫外線吸収剤の使用 | 無 |

子どもの肌のために約10年かけて開発された、紫外線吸収剤フリーの日焼け止め。SPF50、PA+++の強力なUVカット効果のある一品です。
ビオレ独自技術の「ミネラルバリア」採用で、強力な紫外線も跳ね返します。汗や水にも強く、砂がつきにくいが特徴。遊び盛りの子どもにもぴったり。
無着色・無香料で敏感な肌に安心して使いやすいです。シアバターやBGなど保湿成分を配合しているので乾燥肌の方にもおすすめ。
・プチプラでUVカット効果が高いものがほしい方
・子どもの外遊び用がほしい方
タイプ | 乳液 |
容量 | 70ml |
SPF | 50 |
PA値 | +++ |
ノンケミカルかどうか | ノンケミカル |
紫外線吸収剤の使用 | 無 |

子ども用UVケアでドラックストアの個数実績NO.1の日焼け止め。クマのかわいいパッケージが印象的です。
90%食品成分で構成されているため、安全性が高いのが魅力。ジェルタイプで、重くないさっぱりとした使い心地。
せっけんで落とせるので肌に負担をかけにくいのも魅力。低刺激・弱酸性で、親子で使うのにおすすめの一品ですよ。
・さらっとした質感が好きな方
・買い物や散歩など日常生活で使いたい方
タイプ | ジェル |
容量 | 100g |
SPF | 33 |
PA値 | +++ |
ノンケミカルかどうか | ー |
紫外線吸収剤の使用 | 有 |
敏感肌向け、化粧下地におすすめの日焼け止め

敏感肌向けの化粧品を開発するコスメブランド「ミノン」の化粧下地用の日焼け止め。
低刺激・ノンケミカルですが、SPF47・PA+++の高いUVカット効果をもちます。肌の色を選ばずに、自然な明るさに調整できるのも魅力。
9種類の保潤アミノ酸が角質に浸透。保湿しながら紫外線に対するバリア機能を高めます。乾燥肌にもなじみやすい一品ですよ。
・UVカット効果の高い化粧下地用がほしい方
・トーンアップしたい&保湿したい方
タイプ | クリーム |
容量 | 25g |
SPF | 47 |
PA値 | +++ |
ノンケミカルかどうか | ノンケミカル |
紫外線吸収剤の使用 | 無 |

日本初のトータルビューティーブランド「エトヴォス」のクリームタイプの日焼け止め。美容液・化粧下地・コントロールカラー・UVケアなど多機能に活躍するのが魅力。
美容成分や植物エキスを豊富に配合。肌にハリやツヤ・弾力を与えてくれます。やわらかいクリーム状の質感で、ぴったり密着し毛穴をカバー。肌をきれいに見せてくれますよ。
紫外線吸収剤不使用。石けんで落とせるので肌にやさしく使えます。
・メイクアップ効果も求める方
・クレンジング不要のものがよい方
タイプ | クリーム |
容量 | 30g |
SPF | 38 |
PA値 | +++ |
ノンケミカルかどうか | ノンケミカル |
紫外線吸収剤の使用 | 無 |

UVカット効果に優れて紫外線吸収剤不使用ですが、リーズナブルなのが魅力。SPF50、PA+++で日常の紫外線対策からレジャーシーンまで幅広く使えますよ。
ミルクタイプの質感で、サラッとベタつかず、肌の負担感が少ないのも特徴。ヒアルロン酸配合で乾燥肌にもやさしい一品です。
化粧下地用にも使えます。落とす際はメイク落としなどを使いましょう。
・コスパ重視の方
・メイクに重ねてもべたつかないものがほしい方
タイプ | 乳液 |
容量 | 30ml |
SPF | 50+ |
PA値 | +++ |
ノンケミカルかどうか | ノンケミカル |
紫外線吸収剤の使用 | 無 |
UV効果が高い!敏感肌向け、おすすめの日焼け止め

紫外線だけでなく、シミやシワの原因になるスマホやPCのブルーライトによる刺激や、大気汚染からもガードするのが特徴。
ファンケル独自の「ムラやけ防止処方」により、肌のキメが乱れていても、伸びがよく均一に密着するためムラ焼けしにくいのが魅力です。ミルクローション状のテクスチャで、軽い付け心地でべたつかないのはうれしいポイント。
ウォータープルーフ処方で水辺のレジャーシーンでも活躍が期待できるでしょう。
・UVカット効果が高くて、ウォータープルーフ機能があるものがよい方
・肌なじみのよいものがほしい方
タイプ | 乳液 |
容量 | 60ml |
SPF | 50+ |
PA値 | ++++ |
ノンケミカルかどうか | ノンケミカル |
紫外線吸収剤の使用 | 無 |
・La Roche-Posay(ラロッシュポゼ)アンテリオス XL フリュイド

世界で9万人以上の皮膚科医に支持されている敏感肌向けのスキンケアブランド「ラ ロッシュ ポゼ」。
こちらは最高レベルの紫外線防御効果をもつ、アウトドア向けの日焼け止め。ロングUVA防御テクノロジーを採用で、シミ・シワ・たるみなどの原因となる「ロングUVA」からお肌を守ります。
サラッとした乳液タイプで、全身に塗りやすく白浮きせずに仕上げられるのが特徴。
・敏感肌向けで最強クラスのUVカット効果を求める方
・全身に使いたい方
タイプ | 乳液 |
容量 | 50ml |
SPF | 50+ |
PA値 | ++++ |
ノンケミカルかどうか | ー |
紫外線吸収剤の使用 | 有 |
敏感肌向け、ウォータープルーフのおすすめ日焼け止め
・資生堂 ANESSA(アネッサ)パーフェクトUV マイルドミルク N

資生堂の日焼け止めブランド「アネッサ」の敏感肌向けの日焼け止め。新生児以外であれば、赤ちゃんに使えるほどの低刺激。
世界初「スムースプロテクトテクノロジー」採用で、紫外線防御剤が低配合でも全方位の紫外線からしっかり防御。環境ダメージブロック処方で、紫外線だけでなく、チリや花粉などの微粒子汚れからも肌を守ります。
80分間にわたる水浴テストで耐水性は確認済み。汗をかきやすい方も安心して使えますよ。落とすときは、石けんで簡単に落ちますよ。
・落ちにくく・落としやすいものがほしい方
・シルクのようなサラっとした質感が好きな方
タイプ | 乳液 |
容量 | 60ml |
SPF | 50+ |
PA値 | ++++ |
ノンケミカルかどうか | ー |
紫外線吸収剤の使用 | 有 |

「スーパーウォータープルーフ」機能採用で汗や水に強い日焼け止め。さらに「スーパーフリクションプルーフ」機能搭載で、摩擦やこすれに非常に強いのが魅力。
汗を拭いても落ちにくいので、炎天下のスポーツやレジャー用にもおすすめ。崩れにくい化粧下地用がほしい方にもぴったり。
みずみずしいジェルタイプで、するする伸びて塗りやすいですよ。洗顔料やボディソープで落とせるのも特徴。
・体にも使える、ウォータープルーフ機能付きものがほしい方
・服やタオルなどでこすれ落ちないものがほしい方
タイプ | ジェル |
容量 | 90g |
SPF | 50+ |
PA値 | ++++ |
ノンケミカルかどうか | ー |
紫外線吸収剤の使用 | 有 |
敏感肌のメンズ向け、おすすめ日焼け止め

人気メンズコスメブランド「NULL」のスポーツにおすすめの日焼け止め。マラソン・トライアスロン・キャンプなど幅広いシーンで使えます。
特殊な製法により、日焼け止めが汗で流れる原因となる「再乳化」を防止。水分で日焼け止めが流れ落ちにくい仕様ですよ。白くならないため、メンズの方にも使いやすいのも魅力。
石けんだけでするりと落ちるため、クレンジングをしたくない方にもおすすめ。
・肌にやさしいメンズ用を探している方
・日焼け止めをつけている印象を与えたくない方
タイプ | ジェル |
容量 | 40g |
SPF | 50+ |
PA値 | ++++ |
ノンケミカルかどうか | ー |
紫外線吸収剤の使用 | 有 |

ニベアのなかでも最強レベルの紫外線防御力の日焼け止めジェル。しっとりとしたボディークリームのような質感。さわやかなクリアフローラルの香りで、強い香りが苦手な男性にも向いています。
美容液成分の金銀花エキス・真珠タンパク抽出液・ダマスクバラ花水などが配合され、日焼けによるシミを予防。保湿効果により小ジワが目立ちにくくなるのもうれしいポイント。
スーパーウォータープルーフ機能搭載で、汗でも落ちにくいです。海水浴やスポーツシーンで使えますよ。
・UVカット効果が高いものがほしい方
・日焼け止めの香りが苦手なメンズの方
タイプ | ジェル |
容量 | 80g |
SPF | 50+ |
PA値 | ++++ |
ノンケミカルかどうか | ー |
紫外線吸収剤の使用 | 有 |
Q&A|使い方や注意点
Q.日焼け止めの正しい使い方は?
A.「たっぷり塗ることが大切です。ティッシュを張り付けても落ちないくらいの量を塗るとよいでしょう。少量しか塗らないと効く時間が短くなり、塗り方にムラがでて『ムラ焼け』することも。また、日焼け止めは汗をかいたり、こすれたりすると取れてしまいます。2~3時間おきくらいに塗り直すとよいでしょう」
Q.日焼け止めを使うと、かゆくなる原因・対策は?
A.「紫外線吸収剤が入っていると、アレルギー反応を起こしてかゆくなることも。敏感肌の方は、なるべく紫外線吸収剤の入っていないものを選ぶとよいでしょう」
Q.日焼け止めが肌に合っているかを判断するポイント
A.「おおまかにいえば、塗ったときにかぶれなければOKです。あとは塗り心地や触った感じが、好みかどうかもチェックしましょう」
Q.日焼け止めをしっかり落とす方法は?
A.「ノンケミカルの日焼け止めは、石けんで落とせるものが多いです。紫外線散乱剤が入っている製品はクレンジングが必要。しっかりクレンジングしないとかぶれる原因になります」