門岡 明弥

門岡 明弥

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アウトドアでの睡眠時に欠かせない「寝袋」は、その名を聞くだけで誰もが形状をイメージできるポピュラーなアイテムです。

封筒型、マミー型など形状の違いはあれど、仕切りがあって、その中にダウンが詰まっているという仕組みはどれも共通していると思っていました。

ですが、ROOMIEではお馴染みのモンベルがそんな共通認識を覆す画期的な寝袋が登場しているとの情報をキャッチ。

画期的な寝袋ってなんだ……?と訝りつつも、その正体を探るため、取材陣はモンベル品川店へと足を向けました。

モンベルの革新的な寝袋

画期的な寝袋をひと目見ようと意気込む編集部員の前に差し出されたのが、モンベルが昨年春に発売した「シームレスダウンハガー」という寝袋。

ぱっと見たところ一般的な寝袋との違いが分かりませんが、よく見ると気づくことがあります。

そう、この寝袋、表面にあるはずの縫い目がほとんどないのです。これ、どういうことですか……?

ンベル広報部の金森さん

そんな編集部の疑問に答えてくれるのは、モンベル広報部の金森さんです。

これまでの寝袋には、中に入っているダウンの片寄りを防ぐために、隔壁や縫い目が存在していました。

しかしこの寝袋は、それらが存在しないにも関わらず、中に詰められたダウンが片寄らない構造を実現しているんです。

隔壁がないのに、ダウンが片寄らない……?

まるで物理の法則を無視したかのようなその構造ですが、とにかく軽いダウンは縫い目による隔壁を作らなければ、一定の位置に留めておくことは不可能なはず……。

中身が片寄らない秘密

ただの容器に入ったダウンとスパイダーヤーンが張ってある容器に入ったダウンの比較

左:ただの容器に入ったダウン 右:スパイダーヤーンが張ってある容器に入ったダウン

隔壁をなくすヒントになったのは、蜘蛛の糸から着想を得て生まれた「スパイダーヤーン」という繊維でした。

簡単に説明すると、蜘蛛の巣のように周囲のダウンをこの繊維に絡みつかせることができるんです。これを寝袋の内部に張りめぐらせることで、常に一定量のダウンを保持することができます。

このスパイダーヤーンを用いた構造(スパイダーバッフルシステム)によって、寝袋の隔壁を取り除くことに成功しました。

2つの容器を見比べてみると、同じ量のダウンなのにスパイダーヤーンが中に張ってある容器は中身が全く片寄っていません。

容器を逆さにしてもビクともせず、中のダウンがしっかりとスパイダーヤーンに絡みついている様子が伺えます。

モンベル広報部の金森さん

もともと寝袋には隔壁があるのが当たり前だったんですよね。

なので前々から隔壁のない商品を作ろうとしていた訳ではなく、はじまりは辰野会長とスパイダーヤーンとの出会いでした。

辰野会長がこの糸を見て、「隔壁がない寝袋を作れるのではないか?」ということを最初に思いついたんです。そこから商品化が進められました。

話を聞くほどに驚きの機能が明らかなになる「シームレスダウンハガー」ですが、モンベル創業者である辰野会長のアイデアから生まれたのだとか。

隔壁がないとどうなるの?

モンベル広報部の金森さん

作ってみてまず気づいたのは、寝袋自体の膨らみが大きくなったということです。

これまでの寝袋は隔壁分の高さで膨らみが止まっていましたが、隔壁を取り除くことで今まで以上にロフト(かさ高性)を引き出すことができ、その結果としてダウン本来の保温力を活かすことに成功しました。

隔壁がないということは、隔壁を縫い留めておくためのステッチもなくなるということ。

これにより、縫い目からの冷たい空気の侵入を防ぎ、温まった空気の放出を防いでくれます

実際に入ってみました

シームレスダウンハガーに入ったライター・門岡さん

「シームレスダウンハガー」に入ってみると、背中部分に面していた空気が表側に回って、中身が一気に膨らむことに驚きました。

このように膨らむことで、保温性がキープされるのだなぁと実感します。

そのうえ、隙間なく体にフィットする安心感はあるのに、窮屈感が全くないというのもこれまた快適です。

シームレスダウンハガーに入ったライター・門岡さん

モンベルが生み出す寝袋は伸縮性が高いことも特徴のひとつにありますが、「シームレスダウンハガー」にもその伸縮性は採用されているそう。

それによって寝袋に入ったままでも至って無理なく寝返りを打つことができるため、これは寝相が悪い人でも熟睡できる気がします。

取材中にも関わらず、思わず寝てしまうところでした。あぶないあぶない。

シームレスダウンハガー

ちなみに、いくら中身が片寄らないとはいえ、長い時間吊るしておいたら多少は重力の影響を受けてしまうこともあるそう。

もし中身が片寄ってしまったら、手で軽くほぐしてあげるといいみたいです。

とはいえ普段は横に寝かせて保管するか、付属の収納袋に入れて保管しておくか……のどちらかと思うので、中身が片寄ってしまう心配はほとんどないかもしれません。

快適な眠りを求めて

シームレスダウンハガーを持つ広報部の金森さん

「シームレスダウンハガー」は軽量性・携帯性をはじめとした機能性を突き詰めた商品というだけでなく、どれだけ“快適に眠るか”ということも意識して作られたアイテムです。

しっかりあたたかく、窮屈な感じもしない……。そういったこと全てを含め、外で眠るときの快適さを中心に追い求めました。

しかし寝袋ひとつで眠ると体が痛くなってしまうこともあるので、ぜひ枕やマットと合わせて自分に合った睡眠環境を整えてみてくださいね。

“どれだけ快適に眠るか”ということを追求する中で生まれた、「シームレスダウンハガー」。

僕自身これまで睡眠に関して特にこだわりがある方ではなかったのですが、毎日目の前のことを頑張るあまり、意識的に立ち止まって休むということを忘れがちでした。

日々の生活やアウトドアシーンにおいて、今回の「シームレスダウンハガー」のような休み(睡眠)の質を向上できるアイテムを1つ持っておくことは、次の日を思いっきり楽しむためにも欠かせない存在のようにも感じます。

自分から選択して、“休み”を手に取ること。

もしかしたらそこに、ストレスフリーな日々を送るヒントが隠れているのかもしれない……と、「シームレスダウンハガー」との出会いを経て感じたのでした。

Photographed by Kaoru Mochida

モンベル 品川店
住所:〒108-0074 東京都港区高輪4-8-4 モンベル高輪ビル 1階
電話:03-6866-7501
営業時間:11:00~21:00(平日) 10:00~20:00(土日祝)

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門岡 明弥

編集・執筆|音楽講師・ピアノ弾き。『オトラボ』という音大生のwebマガジンを運営しています。

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