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都心から少しだけ離れた郊外の駅から、車で走ること5分ほど。

落ち着きのある住宅街の中にひっそりと、今回お伺いするりんさんとのーさんのお住まいはありました。

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

お名前(職業):りんさん(管理栄養士)、のーさん(会社員)
場所:東京都
広さ:60平米/2LDK
住宅購入費:非公開
築年数:6ヶ月
住宅の形態:戸建

東京のリノベーション済み戸建て間取り図

1F間取り図(編集部作成)

おふたりが結婚を機に集めはじめたというインテリアをこれまで以上に活かし、楽しめる空間に暮らしたいとの思いからスタートした住まいづくり。

お住まいのドアを開けると広がっていたのは、まるで美術館のような空間でした。

スピーカーから流れる音楽と、中庭から注がれる植物のさざめきの間で、こだわりのお部屋についてお話を伺ってきました。

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦
東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦
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東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

お気に入りの場所

お部屋と一体感を持たせた庭

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

お部屋に入ってまず印象的だったのが、住まいの真ん中に配置された中庭

白を基調にした、住宅とは思えない洗練された空間は圧巻の一言。

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

「ウッドデッキのような独立したお庭ではなく、部屋と庭が一体となっているような空間をつくりたいと思っていました。そのため、室内と中庭の床はモルタルで統一し、高さを揃えてあります。

晴れた日の朝はここでコーヒーを飲んだり、休日は音楽をかけてワインを飲んだり、外の時間を楽しんで過ごしています」(りんさん)

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

どこから見ても様になる螺旋階段

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

窓際の螺旋階段は、おふたりが家を建てる上で、絶対に外せない条件だったとのこと。そこには憧れの住まいのイメージが背景にありました。

「螺旋階段がある憧れの住宅があり、その存在感とデザインがとても好きでした。その方から住宅を設計した筒井紀博空間工房を紹介していただき、私たちの住まいづくりを依頼しました。螺旋階段の採用は、最初の打ち合わせで真っ先にお願いしたんです」(りんさん)

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

住まいの景色について明確なイメージがあったと話すおふたり。思い描いた空間の実現のために、とことん時間をかけられたとのこと。

「螺旋階段と部屋のバランスは、設計の段階で時間をかけて検討していただきました。当初のプランとは大きく変わりましたが、こだわりを持って進めた分、満足のいく住まいができました」(のーさん)

ショーケースのような廊下窓

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

中庭を囲む廊下窓にはカーテンがなく、まるでショーケースのような空間に。ここにもおふたりのこだわりがありました。

美術館やギャラリーのような空間をつくりたくて、中庭は大きな窓で囲んでいただきました。どこからでも庭を眺められるところが気に入っています。時間や季節によって光が入り込む様子が変わり、いつも新鮮な気持ちで楽しめるんです」(りんさん)

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

中庭に家具を置いているのを、外から見るのも絵になりますね。窓が大きな分、気になるのが室温や湿度ですが、全体が床暖房のため冬場でも暖かで乾燥はなく、とても快適だったそう。

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

「家の内側は大きな窓ですが、外側は小さな高窓(ハイサイドライト)を採用しました。カーテンが要らない暮らしをしたかったので、プライベートな空間が保てるよう外部から見えない工夫をしていただきました」(のーさん)

この部屋に決めた理由

大好きなヴィンテージ家具が映える空間

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

結婚当時、最初に購入したダイニングテーブルをきっかけに、ヴィンテージ家具にハマっていったというおふたり。

お気に入りの家具のよさを引き出せるギャラリーのような空間に住みたいという思いから、家を建てようと決意したのだそう。

おふたりの住まいには、フィンランドの有名な建築家であるアルヴァ・アアルトやイルマリ・タピオヴァーラの作品等、ヴィンテージの北欧家具がいたるところに置かれていました。

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

憧れの螺旋階段と大好きな北欧家具に囲まれた暮らしがしたかったんです。そうなると賃貸では難しく、戸建てを決意しました。

設定した予算で収まる土地を職場の沿線から探したのですが、なかなか気に入る土地は見つからず、今の場所に出会うまで1年ほどかかりました」(のーさん)

残念なところ

模様替えが難しい

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

住まいの完成まで綿密なコミュニケーションを繰り返したからこそ、大きく気になる点はないと話すおふたり。

ただ、詳細に決め込んだからからこそ、今後問題になる可能性はあるのだとか。

「住まいの照明や窓の位置は、数センチ単位で希望を伝えてきました。そのため、家具や設備の配置はほぼ想定通りです。

一方で理想のレイアウトが固定化されているため、今後、模様替えをしたいと思った時にしづらくなるだろうなという懸念はあります」(のーさん)

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

完成までは月1回以上、建築家や現場監督と打ち合わせを重ね、工事が始まってからも現場で確認しながら家づくりを進められたとのこと。

熱心に向き合われた時間が今の納得の空間に繋がっているんですね。

お気に入りのアイテム

空間と調和するスピーカー

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

ダイニングに配置され、お部屋全体で音を奏でていたのがsonihouseのスピーカー「sight」。バーチ材の質感と、立体的に配置されたスピーカーから広がる自然な音が印象的です。

「このスピーカーは一般的なLとRを並べる指向性スピーカーとは違い、全方位から音が出る無指向性です。そのため、空間全体に音が広がり、音に包み込まれるような感覚を味わえます。

わが家ではインテリアとしての役割を考慮し、天井吊りと床置きの2種類を配置しました。音質がいいのはもちろんですが、デザインが美しく家具との相性もいいので、空間と調和するところが気に入っています」(のーさん)

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

お気に入りの家具とともに流れる音楽、おうち時間がもっと楽しくなりそうです。

ヴィンテージのロッキングチェア

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

こだわりの北欧家具の中でも、特にお気に入りなのがフィンランドの家具デザイナーイルマリ・タピオヴァーラの「マドモアゼル ロッキングチェア」

読書や音楽に浸りたいときなど、くつろぎの時間に座ることが多いそう。一緒に並べているエーロ・アールニオの間接照明とも相性がいいです。

「わが家の家具はフィンランドのデザイナーのものに統一していて、アルヴァ・アアルトやイルマリ・タピオヴァーラの作品が多いです。

どれもお気に入りなのですが、特にこのロッキングチェアは存在感ある見た目と『ゆれる』という遊びがあって気に入っています」(りんさん)

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言われて確かに、それぞれの椅子の温もりある木の質感と、ふっくらした脚のデザインには共通したものがあります。

黒の色合いも、白がベースの空間ではより存在感を感じさせますね。

つくり手の顔が見える食器

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

コロナ禍以前は外食をすることが多かったと話すおふたり。特にナチュラルワインが好きで、お気に入りのお店がデザインしたグラスを家での食事にも使われていました。

「夫婦揃ってコーヒーとナチュラルワインが好きです。お店というより、店員さんを好きになって通うことが多いです。よく行くお店からグッズが販売されると、自然な流れで買ってしまいます」(のーさん)

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「つくり手の顔が見えるという点でとても気に入っているのが、石川隆児さんさんの器です。5年前くらいのイベントで石川さんの器を購入したのがきっかけで、それ以来、石川さんが参加されるイベントにはよく通っています。

いいものであることはもちろんですが、つくり手が好きというのは、やはり大事なポイントです」(りんさん)

どうしても忘れられなかった照明

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

日中の灯りを灯していないリビングスペースでも存在感を放っていたのが、アルヴァ・アアルトのゴールデンベルA330のペンダントライトでした。

「ゴールデンベルは以前から憧れており、家の明かりに採用したいと決めていました。この白いゴールデンベルに出会った当時は、もともと憧れのあった真鍮製の方がよいと思っていたのですが、住まいが完成する頃にはどうしてもこの照明が頭から離れず、迎え入れることを決心しました。

シェードの隙間から光が漏れる仕様で、ぼんやりと照明自体が照らされる姿が美しいです。大切に引き継がれてきたヴィンテージなので、より愛着があります」(のーさん)

暮らしのアイデア

家具とともにくつろげる空間づくり

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

照明と椅子を各部屋に散りばめている、りんさん、のーさん夫婦の部屋。くつろぐためのスペースは小さく4か所に分けるようにされたそう。

「一般的な間取りではリビングを広くすると思うのですが、わが家はダイニングが最も広いです。お気に入りのダイニングと椅子、照明を、ゆとりある空間でかっこよくみせたかったので。僕ら夫婦にとっては家具を眺める時間も大事なので、そのために十分な空間を各部屋に取れるようにしました。

照明と椅子のセットはLDKに4か所あります。その時の気分に合わせて居場所を選べるようにしました。

サイズ感と間取りがとても重要だったので、前に住んでいた部屋では、メジャー片手に歩きながら必要な広さを何度もシミュレーションしました」(のーさん)

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

ここまででも十二分に伝わってくる家具への思い。購入まで、事前に調べ尽くして迎え入れるのかと思いきや、そうではないそうです。

「どちらかというと一目惚れに近い感覚で選んでいると思います。

フィンランドのヴィンテージ家具を中心に扱う行きつけのお店があるので、お店に足を運んでは、そこで偶然出会って気に入ったものを住まいに迎え入れています」(りんさん)

美味しいワインやコーヒーのある暮らし

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

「外食先で飲んだナチュラルワインの虜になり、いつしか飲みに行くお店の基準になっていました。自宅でも楽しめたらよいのですが、美味しくワインを飲むためには何年も熟成させる必要がありました。

そこで購入したのが、ワインセラーです。じっくり寝かせたワインを空けるのが、これからの楽しみです」(のーさん)

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

ワインだけでなく、コーヒーにもこだわりがあるおふたり。家で飲むコーヒーは徳島のaalto coffeeさんと石川の二三味珈琲さん。気に入ってリピートしているそう。

ふたりでグラスを交わしながら、自分たちのペースで楽しむおうち時間が憩いなのだとか。お店の雰囲気を楽しみながら飲む時間ももちろんいいですが、こうして“好き”の詰まった自宅で飲む時間もまた格別ですね。

これからの暮らし

美術館のような落ち着ける空間を目指して

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦
東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

これから増やしていきたいのは植物とアートなのだというおふたり。

「ギャラリーのような住まいにしたからこそ、家具以外のものでも空間を満たしていければと思っています。

ふたりとも花が好きなので、庭の植物はもっと増やしていきたいです。森のように緑が溢れる庭が理想です。アートもいいものがあれば迎え入れていきたいです」(りんさん)

東京のリノベーション済み戸建てに住む夫婦

おふたりの好きなデザインと愛情を深めるバックグラウンドを持った家具でつくり上げられている、今のお部屋。

今後、新たな出会いとともに、ギャラリーのように真っ白な住まいにどんな色や形が加わっていくのか。変化した住まいの絵を見るのが今からとても楽しみなお部屋でした。

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福岡県出身。海を渡ったポートランドで活動を始め、京都・東京・福岡を中心に全国を巡るフォトグラファー。僕と出会ってくれた素敵な方々の時間と想いをボトルにキープしてまだ見ぬ誰かに想いをシェアしていきます。

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北欧、ストリート、DIY、アウトドア。リアルでさまざまな「暮らしのあり方」にフォーカスすることで、「自分にとって、一番いい暮らし」を探っていく…。連載「みんなの部屋」はスタイルを探求する旅です。

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