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東京は杉並区。バスや丸の内線の分岐線として新宿へのアクセスもいい一方で、スーパーやコンビニなど生活に必要な商業施設も多いエリア。

地元の人からも「とにかく暮らしやすい」という声の多い方南町に、今回ご紹介する安藤さんとパートナーのBさんのお住まいはありました。

お名前(職業):安藤秀通さん(整理収納アドバイザー)、Bさん(システムエンジニア)
場所:東京都杉並区
広さ:2K 47㎡
物件購入費用:約3,200万円
住宅の形態:マンション
築年数:築34年

杉並区2Kのリノベーション済みマンションの部屋

編集部作成

バス停のある大通りに面したマンションは、平成初期のファミリー層をターゲットにした、よくある雰囲気の外観。

ところが部屋の扉を開けるとそこには、自由に移動できる可動棚とコンクリート躯体現しの内装による、秘密基地のようにワクワクする空間が。

ここに住み始めて整理収納アドバイザーの資格まで取られた安藤さんとパートナーのBさんに、住まいづくりや収納の工夫について話を伺ってきました。




お気に入りの場所

部屋を自由自在に変えてくれる可動棚


なんといっても特徴的なのが、住まいの間取りを自由に変えることのできる可動棚

これによって空間を仕切れば、寝室やダイニングなど、部屋の役割を変えてしまうこともできるそう。

棚に設置された収納ボックスはシンプルなデザインのものをチョイス。棚の列毎におふたりの荷物を分けているといいます。

棚を動かすレールゾーンの床は、異なる材質に

向こう側が見える仕様なっているため、仕切りとして活用しても圧迫感がないのがいいですね。

「もちろん友人が来たときなどは、布を使って隙間を隠せば、壁として使うことも可能です。

今は雑貨や植物のディスプレイとして、また無印良品やIKEAのボックスを使って書類などの収納にも使っています」(安藤さん)

部屋全体が見渡せるキッチン

部屋の中心に位置するのが、広々としたキッチンスペース。リビングダイニングと空間を隔てる壁もないため、会話をしながら楽しく料理ができる構造に。

「最初は匂いが部屋に充満しないか気になりましたが、実際は換気扇が効いているので全く問題ありませんでした」(Bさん)

また、キッチン収納は安藤さんの工夫が光るポイント。

「シンクの下だけだと収納が十分ではなかったので、反対側にはIKEAで購入したデスクを使って作業スペースを増築しました。

加えて天板の下には籠を使って、日常的に使わないものは収納しています」(安藤さん)

「大きな収納棚も検討しましたが、せっかくの開けた空間のよさをなくさないように、シンクと高さを揃えたデスクにして、視界が遮られないようにしています」(Bさん)

遊び心を取り入れた洗面スペース

洗面スペースにも、安藤さんの遊び心から生まれた収納スペースがありました。

「キッチン同様にIKEAのデスクを入れてスペースをつくった際、もうひとつ収納棚がつくれたらと考え、IKEAのドールハウスを収納ボックスとして使うことを決めました。

加えてメガネスタンドにウォールシェルフを追加。目に入るたびに楽しい収納になりましたね」(安藤さん)

「片付けはどうしても面倒に感じてしまうことだと思うので、こうして少しでも楽しい気持ちが生まれる空間をつくるのが大切だと思います」(安藤さん)

自由度の高いコンクリート天井

スタイリッシュな躯体現しは、植物のグリーンが相まってより印象的な空間に。吊り下げディスプレイには、コンクリート天井についた吊りボルトの孔を生かしているそうです。

「照明や植物など、ハンギングしてのディスプレイが多いので、とにかく使い勝手がよいです。

私はもともと、無骨でシンプルな空間が好きだったのですが、パートナーが植物好きということもあり今の形に落ち着きました。吊るされた植物を見る中で、グリーンとミックスされた空間がより好きになりましたね」(安藤さん)

「また、整備されたコンクリート壁面ではないからこその凹凸が、夜には間接照明によって違う雰囲気をつくり出してくれるところも気に入っています」(安藤さん)

この部屋に決めた理由

リノベ済み物件では珍しいつくりの部屋

以前おふたりで住んでいた部屋から、広めの住まいを購入しようと物件探しをスタート。

いい物件がなかなか見つからず引越しを先送りにしようかと考え始めた頃、最後に1件だけと訪れたのが今の住まいだったそう。

「簡単なDIYは自分たちで行うつもりで、リノベ済みの住まいを巡っていたのですが、どれも白がベースのキレイすぎる空間がイメージに合わなくて……。

この部屋は訪れたときに、これまで見たこともなかった可動式の棚に魅力を感じて興味を持ちました。棚を動かせば、仕切りのない開けた空間にできるところもよかったですね」(安藤さん)

「住まいを構成する要素として、木の温もりとコンクリートの無骨さのバランスがよくて。

以前の住まいを思い出させる、文字や線の痕跡が残っていたのも好きが深まるポイントでしたね」(安藤さん)

十分な広さのキッチン

部屋の条件の中でも、パートナーのBさんが外せなかったのは十分な広さのあるキッチン

「前の住まいは1Kで、つくりたくてもできない料理があったので、広い住まいにする上でキッチン設備も充実させたいなと考えていました。

また、広さに加えて住まいの真ん中にキッチンが位置していたことで、料理の時間もより楽しめそうというイメージが湧きましたね」(Bさん)

残念なところ

クローゼットがないこと

ウォークインクローゼットとして活用しているサービスルーム

安藤さんのお住まいには、可動式の棚を除いてクローゼットのような収納空間はありません。それでもスッキリとした印象を受けるのには、日々の断捨離への努力がありました。

「引っ越す前の住まいでは、モノが多いタイプだったんです。

この住まいを選ぶにあたってすべて見える収納になり、隠せる収納がないことが最初は残念でしたが、モノを減らしたり、収納を工夫したりするきっかけになりました」(安藤さん)

「引っ越す際にも、使っていないものはだいぶ手放したのですが、それでもまだモノが多くあることが目立つレベルでした。

そのため、“1日1捨”を目標に手放すものに目を向けたり、パートナーともゴミの日には10分ほど手放すものを探す時間を設けたりすることで減らしていき、この住まいに順応させたライフスタイルへと変化させることができましたね」(安藤さん)

可動棚の中の収納はもちろん、レール上のスペースも収納場所として活用

「趣味の楽器やスーツケースといった大きなアイテムは、このスペースを使うことで空間を無駄にせずスッキリと収納できています」(安藤さん)

さらにキッチン上のレールには、Bさんが育てているという水耕栽培まで。

住まいにもともと備わっている構造を生かし、実用的な収納から生活を豊かにする工夫まで見られるのが素敵ですね。

お気に入りのアイテム

一点物の耳付きテーブル

おふたりが食卓を囲むダイニングテーブルは、ご友人が遊びに来ても十分な広さがありました。

「一枚板のダイニングテーブルが欲しくて探していたのですが、どれも高価でなかなか予算と折り合いが付くものが見つからず……。そんな中で最終的に辿り着いたのがminneでした」(安藤さん)

「結局一枚板ではなくなったのですが、耳付きが気に入って購入。今でもお気に入りです」(安藤さん)

睡眠の質が変わったマットレス

寝室でイチオシと話されていたのがコアラマットレス。マットレスを使ううちにベッドフレームも欲しくなり、SNSのモニターに応募したところ、運よく当選したのだとか。

「とにかく寝心地がよくて、熟睡できるようになったのか夢を見る頻度が減りました。ベッドフレームも工具なしで、組み立てがとにかく楽でよかったですね」(安藤さん)

以前は玄関横のサービスルームを寝室にされていたこともあったそうで、組み立てやすさが移動の自由度を高めているところも魅力的でした。

ずっと欲しかったポータブルライト

間接照明も多い安藤さんの部屋ですが、中でも気に入っているのがダイニングテーブルに置かれたルイスポールセンのポーダブルライト「PANTHELA PORTABLE」

「ずっと前から欲しかったアイテムでもあったのですが、とにかく着けたときの感動が今までにないほど大きかったです。

はじめて住まいに迎え入れた日は、ひたすら眺めてうっとりしていました」(安藤さん)

片付けの気分が上がるドールハウス

洗面台スペースで見つけたIKEAドールハウスは、安藤さんのアイデアで収納アイテムとして活用されていました。

「木製のアイテムや家モチーフのデザインがもともと好きで、住まいの中でも多く取り入れています。

このドールハウスもインテリアを探しにIKEAを訪れた際、一目惚れで購入しました」(安藤さん)

「最初は何のために購入しているんだろうと不思議に見ていましたが、実際に使い始めるとサイズ感もぴったりで使い勝手もいいですね」(Bさん)

暮らしのアイデア

お気に入りのアイテムや香りが近くあるように

日々の生活や片付けが楽しくなるように、ディスプレイにもこだわっていると話す安藤さん。

「棚が部屋内の仕切りなどで常に目に入る位置にあるため、飾っているものがガチャガチャ見えないように収納アイテムを工夫したり、しまうところと見せるところを分けたりしています」(安藤さん)

「以前は全くものを置かないようにしていたこともあったのですが、今は部屋での時間が楽しくなるように自分たちの好きなものは積極的に目に入る場所に置くようにしています。

また収納のボックスや棚自体も、目に入って好きだなと思えるものを選ぶようにしましたね」(安藤さん)

香りが好きだと話す安藤さん。

目に入る好きなアイテムにはディフューザーやアロマオイル用の石など、ルームフレグランス用のアイテムも多く見られました。

これからの暮らし

DIYでより理想に近い住空間へ

この住まいを購入する前からお互いにDIYが好きで、「購入後も自分たちで部屋を磨いていきたい」との思いがあったというおふたり。

「これまでも自分たちの生活しやすいお部屋を目指して、天井のボルトの孔を使ってベッドのカーテンレールやキッチンの吊るし棚をつくってきました。

吊せるスペースはまだあるので活かしつつ、他の部分にも着手していきたいですね」(安藤さん)

「壁面は、コンクリート以外のスペースは白壁になっていますが、今後は手塗りでモルタルを塗るなど、住む中で生まれる味を活かしながら、自分たちに合ったオリジナル住空間をつくっていけたらと思います」(安藤さん)

変わった間取りと自然を感じる住まい

今後は整理収納アドバイザーやルームスタイリストとしてのキャリアに進まれる予定の安藤さん。

今回の住まいを踏まえて、住空間への関心はより高まったそう。

「今の住まいとは、また異なる住まいにも関心があります。もっと無機質な空間やメゾネットタイプのお部屋も住んでみたいですね」(安藤さん)

「今回の住まいを探す際に、内見前に埋まってしまった広いルーフトップのあるお部屋が印象的でした。

今の部屋は交通の便がいい分、ベランダは限られたスペースになってしまったので、大好きな植物を思う存分楽しめる空間にも憧れますね」(Bさん)

好きを起点に生活に合わせて、日々のアイテムや収納から住まいの間取りさえも変えられている安藤さん。

今後さらに住空間への知識や経験が積み重なる中で、住まいがどう組み替えられていくのか。その変遷もまた面白そうな部屋でした。

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福岡県出身。海を渡ったポートランドで活動を始め、京都・東京・福岡を中心に全国を巡るフォトグラファー。僕と出会ってくれた素敵な方々の時間と想いをボトルにキープしてまだ見ぬ誰かに想いをシェアしていきます。

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北欧、ストリート、DIY、アウトドア。リアルでさまざまな「暮らしのあり方」にフォーカスすることで、「自分にとって、一番いい暮らし」を探っていく…。連載「みんなの部屋」はスタイルを探求する旅です。

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