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コロナ禍によって巣ごもり生活がすっかり身についたROOMIE編集部。

どうやらこれからも続きそうな、この「新しい暮らし」をもっと快適で楽しく過ごせる家のカタチを模索するなかで、以前にみんなの部屋に登場していただいた天井さんを思い出しました。

自分自身が深く関わって作られたリノベ住宅に住む彼女なら、きっとヒントをくれるはず……!

株式会社Style & Deco 取締役
天井理絵さん

仕事でも多くのリノベ物件を見てきた天井さん。過去にROOMIEでも紹介させさていただいたご自宅は、もちろんご自身が深く携わってリノベをされています。

さて、天井さんのお住まいには、どんなヒントが隠れているのでしょうか……?

3LDKから1LDKに 光あふれるLDK

天井さんのご自宅にお邪魔すると、まず感じるのが開放感!

玄関からは見えないよう導線が設計されていますが、一歩中に入ればキッチン、ダイニング、そしてリビングまで続く、明るくて大きな空間がそこにはあります。

リビングの吊り照明にはポトスが元気よく絡みついています。最初は小さな鉢植えだったのだとか。

そしてグリーンも豊富! 広い採光面からたっぷりと差し込む日差しが心地よさそうです。

この明るい空間が生まれたワケには、ちょっとしたヒミツがあります。

「私たちがこのリノベを始めるに当たって最初に決めていたのが、広いキッチンが欲しいということでした。

ただ、リノベ前の間取りではキッチンが隔離されていたので壁を取り払い、結果として3LDKが1LDKになったんです

こうして壁を取り払ったことで広く快適なキッチンが実現したのはもちろん、壁が少なくなったことでLDK全体に光が回るようになったというわけだったんですね。

経験が活きる、省エネで快適なリノベプラン

昼は自然光がたっぷり入って明るい天井さんのLDK。ぐるりとテラスバルコニーに囲まれた間取りが存分に活かされています。

実は、そんな明るさの恩恵はこんなところにも。

白いタイルと窓で光あふれるバスルーム

バスルームがとっても明るいんです。マンション住まいだと、お風呂の窓は諦めざるをえないことも多いですが……

「この家の場合は、バスルームがバルコニーに面していたので窓を取り付けました。朝のお風呂が楽しみになりますよ。

窓を開けることで一気に換気ができ、湿気がこもりにくいです。ただ、単板ガラスの窓だと冬の冷気が入りやすいため、二重サッシにしました。浴室に限らず、ほぼすべての窓を二重サッシにしたことで、家全体の保温性が高まって、省エネにつながっています

以前は、入浴時でも洗面スペースにガスストーブを置いて温めていたほどだったところが、真冬の朝でもバスルームに面した洗面所が寒くならず、その快適性と省エネ性は天井さんご自身も実感されているとのこと。

そして、省エネつながりでは、

玄関ホールの天井灯。施工時に埋め込みしており、高いデザイン性を実現

LED照明もおすすめの1つだとか。それも、あとから取り付けるのではなくリノベ施工時に埋め込むことで家のデザインに馴染ませることができるとおっしゃいます。

LEDは蛍光灯などと比べて省エネなのはもちろんなのですが、長寿命という特性も活かせばこうして埋め込んでしまうこともできます

吊り照明やシーリングライトでもいいのですが、玄関ホールのように仕切られた狭い空間なら、こんなデザインだとスッキリしていいですよね」

LEDといえば「省エネ」のイメージが強いですが、実はこんなメリットもあったんですね。

念願のひろびろキッチン! でも実は…

コロナ禍でいっしょに在宅勤務をすることになった旦那さんと。キッチンに二人でいても広いスペースを確保できます。

リノベの出発点となったというキッチンに戻ってきました。たしかにLDKとつながったひろびろとした空間です。

が、実は当初に希望していたものの実現できなかったこともあったのだとか。

「本当は、アイランドキッチンにしたかったんです。が、家の構造と配管工事の費用の兼ね合いでキッチンは壁付けのままになりました。

その代わり、このワーキングテーブルを造り付けたんです」

諦めざるをえなかったアイランドキッチンですが、モルタルの質感が美しいワーキングテーブルはとてもお気に入りなのだそう。

「キッチンと面した側は収納になっていてとても使い勝手がいいですし、作ってよかったなと思ってます。

一般的なモルタルの厚みの場合、乾燥すると割れやすい性質ですが、職人さんの技術で薄く仕上げたことで、割れにくくしてもらいました。おかげでヒビが入っていません。いまは、モルタライクなどのモルタル風に仕上がる塗料もいくつかあるので、選択肢も広がっていますよ。

無理かも、難しいかも、と思ってもまずは相談するところから、リノベの新しいアイデアは生まれるのだと思います」

リノベは取捨選択の連続

アイランドキッチンという理想は実現できなかったものの、希望通りの広さと、暮らしをより便利に楽しくするアイデアから生まれたワーキングテーブルで家の中心となったキッチン。

さすが、専門家として多くのリノベを見てきた天井さんならではの家づくりです。

しかし、家の中には妥協したポイントもあるとおっしゃいます。

「たとえばテレビの後ろの壁ですが、本当は石を貼りたかったんです。でも全体の金額感を調整する中で削りました。使いたいと思ってた石はデザイナーのアイデアで小さなディスプレイテーブルになっていて、これはこれで気に入ってます」

そう。理想の家づくりが大切なのはもちろん、一方で「お金」とは向き合わなくてはいけません。

「私がそうだったように、リノベを考えている皆さんは『ああしたい、こうしたい』と理想をお持ちだと思います。が、やっぱり最後は現実との戦いになりますね(笑)。いわゆる、減額打ち合わせというやつです

デザイナーや設計士との打ち合わせを経て作り上げてきたプランも、最後には「金額」にどう折り合いをつけるかという現実と向き合わなくてはいけない、と天井さんは言います。

リビングの一角にはお子さんの玩具が集まったスペースも。

前回の記事でお話を伺った飯塚さんもおっしゃっていたように、家と暮らしは切り離せないもの。理想を追い求めた結果、ローンの支払いで暮らしがきゅうくつになっては本末転倒です。

そんな、リノベ住宅のローンをサポートしてくれる【フラット35】リノベについて、天井さんにお話を伺ってみました。

【フラット35】リノベは、中古住宅の購入資金とリフォーム費をまとめて借入れでき、一定の要件を満たすリフォーム工事を行うことで、全期間、固定金利の住宅ローン【フラット35】の借り入れ金利から当初一定期間(10年間または5年間)、年0.5%の金利引下げが受けられるプランです。

詳しい要件については、【フラット35】リノベのサイトをご確認ください。

「リノベプランの取捨選択は重要な作業ですが、理想通りに家を作ることができるのなら、それに越したことはありません。多くの人にとって、その助けになるでしょうね。

金利の引下げが受けられるということは、その分だけ諦めなくてはいけないプランが少なくなるということですから

私も、リノベに携わる仕事をしている一人として、【フラット】35 リノベには注目しています。」

【フラット35】リノベは、2021年1月の制度変更により、さらにご利用いただきやすいように要件が変更になります。

詳しい要件などについては、【フラット35】リノベのサイトをご確認ください。

多くの人にとって、人生でもっとも大きな買い物になる「家」。やはりお金のこともしっかり考えたいものですよね。

細かいところに光る、リノベのアイデア

こうして多くの工夫を凝らして理想と現実が絶妙なバランスで釣り合っている天井さんのご自宅。洗面ボウルにも、「さすがリノベのプロ!」と思えるような工夫がありました

こちらのホテルライクな2つ並びの洗面ボウル

「これは、夫のこだわりが強かったので残しました。私の中では削るつもりだったんですが、いざ使い始めるととても便利ですね。

朝、待たなくていいのももちろんなのですが、子どもが泥汚れをつけてきた服を浸け置きしておいても1つは使えるわけなので。

それに、実は洗面ボウルを1つにするか2つにするかで金額が大きく変わることもないんですよ

とのことで、とてもコストパフォーマンスに優れたおすすめのリノベプランだとおっしゃいます。

また、キッチンの冷蔵庫を格納する部分にもアイデアが。

実はこの部分、取材の中でとても気になっていました。

3年以上前に行われたリノベと合わせて造り付けたという収納棚に、最新型の冷蔵庫がすっぽりと収まっています。

そのことについて伺ってみると、天井さんは笑いながら、

「これ、あとで大きい冷蔵庫に買い換えることを見越して自分たちで冷蔵庫スペースのサイズを変えられるように設計してもらったんです。

つい先日この冷蔵庫を運んできた宅配のお兄さんが、『これ本当に入りますか?』って心配するほどぴったりサイズに(笑)。思惑通りです」

と答えてくれました。

理想と現実をしっかり見つめた上で、変化していく暮らしにも対応できる家づくり。新築のマンションで実現するのは難しい、リノベならではの工夫です。

変わるものと、変わらないもの

天井さんのご自宅で印象に残ったのは、ただ理想を追求しつづけただけではなく、現実と向き合い、変化も楽しめる家づくりでした。

自分の気に入った家に住み続けられる喜びはもちろん他には変えられません。一方で、世の中や暮らしは変化し続けていきます。

そんななかで、理想と現実の間にある「私たちらしい暮らし」や「私たちらしい家」を考え続けること。それこそが「リノベ」なのだと気付かされます。

予算的なハードルに半ば諦めがちなリノベーションであっても、条件を満たせば金利引下げというカタチでサポートしてくれる【フラット35】リノベを上手に活用したいところ。住宅購入の総返済額も抑えられるだけではなく、自分好みの家づくりが叶います。

家と暮らしを考えるとき、大きなヒントとチャンスを私たちに与えてくれるかもしれませんよ。

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