部屋の壁一面や天井などに映像や写真を映し出せるプロジェクター。最近は、PCやDVDプレイヤーとの接続に加えてスマホとの接続によってあらゆるアプリを大画面で楽しめる製品なども増えています。
用途や部屋の大きさなどによって選ぶべき製品は大きく異なりますので、今回は家電選びのプロとして活躍する安蔵靖志さんの監修のもと、「家庭用プロジェクター」を選ぶために押さえておきたい情報をお伝えします。
後半では、家庭用におすすめのプロジェクターを厳選して紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
安蔵靖志(あんぞうやすし)さん
デジタル家電や生活家電に関連する記事を中心に執筆業を展開。また、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など各種のメディアにも出演。 一般財団法人 家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)。
プロジェクターとは?家庭用プロジェクターとビジネス用プロジェクターの違い
プロジェクターの選び方
・視聴環境で選ぶ
・視聴目的で選ぶ
・家族構成で選ぶ
・投影方式で選ぶ
・価格で選ぶ
◎価格で探す
・安くてお手頃な小型プロジェクター
・高額だけど本格派なプロジェクター
◎ニーズで探す
・ネット動画をスマホ連携して観たい
・機械の操作や配線が苦手
・外にも持ち運んで使いたい
家庭用のプロジェクターとは?ビジネス用との違い
YouTubeやAmazonプライム、Netflixなどの動画サービスの普及によって、ホームシアターなどの家庭用として、プロジェクターを購入される方も増えてきています。
家庭用のプロジェクターを探す前の予備知識として、ビジネス用との違いを押さえておきましょう。
使用目的 | 重視したい要素 | |
家庭用プロジェクター | 自宅で、家族と一緒に映画やLVIE映像を楽しむ | 解像度の高さ |
ビジネス用プロジェクター | 商談や打ち合わせの際に、提案内容などを説明する。 | 映像の明るさ、本体の重さ(持ち運びの場合)、バッテリー駆動時間 |
【解説】
家庭用でもビジネス用でも、解像度の高さや映像の明るさにどこまでこだわるかは個人差がありますが、映像の美しさや鮮明さを求めるならば「解像度の高さ」を重視するとよいでしょう。
この解像度で注意しておききたいのは、「フルHD対応」「4K対応」などと謳っているモデルでも、実際の解像度はそれよりも低い製品があるということです。たとえば、入力映像はフルHDに対応しているのにスクリーンに映し出された映像などは解像度が低い製品も存在します。これは、入力映像と「パネル解像度」と呼ばれる出力映像の解像度に違いがあるためです。このパネル解像度の数値(映像の縦・横サイズ)が大きければ大きいほど、映像の品質は高くなります。
ちなみにビジネス用のプロジェクターは、大きな会議室などで明るく、くっきりと資料などを投影できるものが最適とされていますので、明るさを表わす「ルーメン」という数値が高い傾向があります。そのため、パネル解像度の数値が高かったとしても家庭用として使うには明る過ぎる場合もありますので注意が必要です。
具体的な数字でいうと、ビジネス用ではルーメンが4,000以上のモデルが目立ちますが、家庭用は2,000以上ならば映像の品質にも満足できるでしょう。
家庭用プロジェクターの選び方
・視聴環境でプロジェクターを選ぶ
ご家庭でプロジェクターを使う場合は、映像を投影する部屋の大きさから画面のサイズ(インチ)と、投影距離をチェックしましょう。
たとば、画面のサイズが最大で100インチほどであれば、さまざまな部屋に適応できますので家の中での持ち運びやアウトドア先での利用も可能になります。ただし、広いリビングの壁いっぱいに投影したい場合には最大サイズはそれ以上が必要な場合もあります。
また、広くない室内での鑑賞をメインとする場合には、「投影距離」も確認しておきましょう。たとえば、子ども屋やバスルームなどコンパクトな室内でも使用できる投影距離が短い0.8mに対応した製品でも60~80インチ(画面横幅:約132~約176 cm)の映像を投影することができます。
・視聴目的でプロジェクターを選ぶ
何を視聴するかによっても最適なプロジェクターは異なります。映画やLIVE映像をよく観る方であれば、投影サイズやスピーカーの有無が重要な選定基準となります。最大どれほどのインチまで視聴できるのか、Bluetoothなどを使って外部のスピーカーとの接続ができるのかなどをチェックしてみてください。
一方、ドラマを観る場合には、俳優や女優さんなどの演者の表情などがしっかり見えるように解像度が高いプロジェクターを選ぶことをおすすめします。
・家族構成でプロジェクターを選ぶ
お子さんや高齢の方がいる家庭など複雑な機械の操作を避けたい場合は、自動補正付きで簡単に投影できるプロジェクターがおすすめです。また、Wi-Fi接続ができてスマホから直接プロジェクターに連携してYouTubeやAmazonプライム、Netflixなどが楽しめるものがいいでしょう。
・投影方式でプロジェクターを選ぶ
プロジェクターの投影方式は、液晶方式、DLP方式、LCOS方式の3つに分けられます。投影方式で製品価格や性能がかなり変動するので、予備知識としてしっかりチェックしておきましょう。
概要 | メリット | デメリット | |
液晶方法 | プロジェクターから発する光を赤・緑・青の三原色に分解してからスクリーン上に拡大投射する方式。【用途】安価なモデルからスタンダードなモデルまであり、製品の選択の幅が広い。 | 価格が安い。鮮やかな映像を楽しめる。 | 映像のなかで「黒」がややグレーがかって見える傾向(黒浮き)がある。あまりコントラストを高くできない。※近年では性能が大幅にアップし、デメリットをカバーしたモデルも登場してきている。 |
DLP方式 | 微細な反射型ミラーを使用し、光の反射角度により映像などの表示を行う方式。【用途】 スマホサイズのポケットプロジェクターや価格が安いプロジェクターなど。 | コントラストが高い映像表現が特徴。構造がシンプルで小型化しやすい。塵や埃の影響を受けにくく、経年劣化が少ない。 | RGBの切り替えにより映像に虹のような模様がみえることがある(レインボーノイズ)。※業務用のハイエンド機などではRGB各色を連続投影するため色割れは起こらない。 |
LCOS方式 | 表示パネルに反射型の構造を用いた液晶式の進化系といえる方式。【用途】ホームシアター用プロジェクターの高級機やビジネス用途では医療用向けのプロジェクターなど。 | 高解像度でコントラスト比に優れていて高性能。4K対応プロジェクターなど高解像度化、ネイティブコントラストが高い。 | 構造が複雑でプロジェクター本体サイズも大きくなりやすい。価格が高い。 |
・価格でプロジェクターを選ぶ
10,000円以下で購入できるプロジェクター多くもありますが、その場合は出力される解像度が低い製品も多いため、大きく鮮明な映像を楽しみたい場合は10,000円以上のご予算になってくることが考えられます。
さらに内臓スピーカーの機能性などによっても価格は大きく異なってきます。ここまでにご紹介した選び方を参考にして、どのような機能を重視するかを踏まえて選びましょう。
家庭用におすすめのプロジェクター10選
安くてお手頃な小型プロジェクター
Tkisko 超小型プロジェクター 8500ルーメン 1280 x 720最大解像度

手のひらサイズで重さはコーラ1缶程度の超小型プロジェクター。カメラアームスタンドに取り付ければ、投影角度を360°自在に調整することも可能です。0.8mの焦点距離でクリアな映像を投影。
HD1280x720pの解像度、8500Lの輝度とコントラスト比は8000:1があり、より鮮明で鮮やかな映像を楽しめます。
・HDMI、USB、AV、3.5mmオーディオなどのポートを搭載し、汎用性が高い
・wifi機能に搭載している
・天井設置や三脚の取り付けにも対応
サイズ | 160×125×70mm |
消費電力 | ★★★☆☆ |
明るさ | 8,500ルーメン |
スピーカー有無 | あり ※2つ |
解像度 | 1,289×720p |
投影距離 | 0.8〜5.0m |
PO.YANK WiFiプロジェクター 6500LM 720Pネイティブ解像度

6500ルーメンの明るさと4000:1の高コントラスト比で、2021年に改善して部屋の明るさに負けない高輝度で映像をくっきりと安定かつ鮮やかな映像を投影できます。
家庭用やプレゼンやホームシアターにも大人気です。
2021年最新のアップデートでネイティブ解像度を720Pにグレードアップ。
1080PフルHDの画像と映像に対応でき、美しい画質が得られます。
スピーカーを2つ内蔵しており、映画もゲームも臨場感のあるサウンドを楽しめます。
AUXケーブルを利用して外部スピーカーを繋げることも可能です。
また、独自開発の冷却システムにより冷却効率を大幅に向上させ、長寿命を実現しました。
・IOSデバイス・Androidデバイスのどちらでも、wifiを介して簡単接続。
・業界初、USBケーブル経由でスマホと直接同期可能。HDMIアダプターやAPP不要。
・8割の小型ホームプロジェクターを上回る、6500ルーメンの明るさを実現。
サイズ | 260×246×112mm(梱包サイズ) |
消費電力 | ★★★★☆ |
明るさ | 6,500ルーメン |
スピーカー有無 | あり ※2つ |
解像度 | 1280×720 |
投影距離 | 1〜5.2m |
高額だけど本格的なプロジェクター
YABER プロジェクター 7000ルーメン

7,000ルーメンという明るさを実現したLEDランプと86mm大口径ガラスレンズを搭載し、映像の中心部だけでなく全体がしっかりと鮮明に投影できるのが特徴。リモコンで簡単に±50°(タテ/ヨコ)台形の調整ができ、ズーム機能もあるので、スクリーンの投影範囲にあわせて緻密に設定できます。
また、独自の冷却システムにより3ファンが同時に動作して本体を冷却し、他の1ファンだけがある小型プロジェクターより放熱効果が良く、本体の使用寿命も延びています。
・3万円以下で買えるフルHDプロジェクター
・ドルビーサラウンド対応の2つのHIFIステレオスピーカーを内蔵
・AV/VGA/USB/HDMIなどの入力端子にてさまざまな機器との接続が可能
サイズ | 400×320×155mm |
消費電力 | ★★★★☆ |
明るさ | 7,000ルーメン |
スピーカー有無 | あり HiFi高音質スピーカー(2個) |
解像度 | 1920×1080P |
投影距離 | 最短1.5m~ |
EPSON dreamio ホームプロジェクター(2500000:1 2000ルーメン)

エプソン社の3LCD方式の家庭向けに開発されたプロジェクター。3LCD方式に加えレーザー光源採用。4つのカラーモードを搭載し、ダイナミック・ブライトシネマ・ナチュラル・シネマをシーンに応じて選択可能。小型ながら観る動画にあわせて、最適な映像を楽しめます。
また、Amazon Fire TV StickやGoogle Chromecastなどメディアストリーミング端末を挿すだけでネット配信の映画や海外ドラマなどのコンテンツを楽しめるので機械操作が苦手な方にもおすすめです。
・メディアストリーミング端末を挿すだけでカンタンに利用できる
・4つのカラーモードでシーンに応じて最適な設定ができる
・3LCD方式に加えレーザー光源採用で明るい高画質な映像を楽しめる
サイズ | 292×290×194mm |
消費電力 | ★★★★☆ |
明るさ | 2,000ルーメン |
スピーカー有無 | なし |
解像度 | WXGA |
投影距離 | 0.91~2.33m ※3.40mまでを推奨 |
ネット動画をスマホ連携して観たい人におすすめのプロジェクター
POYANK データプロジェクター(4,000ルーメン WiFi接続可)

スマホやタブレットからWi-Fi接続でプロジェクター連携できる小型のプロジェクターです。Fire TV StickまたはRoku Stickを使用すれば、HDMI接続経由でAmazonプライムビデオ、Netflix、Huluなどを楽しむことができます。
小型ながら、4,000ルーメンの明るさのLEDランプを搭載し、1080P対応の高解像度の映像を楽しめます。マニュアルフォーカスすると、投影された画像サイズは32~170インチまで調整することができ、お部屋の大きさにあわせて自在にチューニングできます。
・3万円以下で買える4K対応のプロジェクター
・スマホ、タブレット、PC、DVDプレイヤー、ゲーム機など複数のデバイスに対応
・HDMI接続経由でAmazonプライムビデオ、Netflix、Huluなども楽しめる
サイズ | 400×320×155mm |
消費電力 | ★★★☆☆ |
明るさ | 4,000ルーメン |
スピーカー有無 | あり HiFi高音質スピーカー ※2つ |
解像度 | 800×480 |
投影距離 | 0.8~4.8m |
まるで映画館で見ているような大画面
TOPVISION プロジェクター小型 スピーカーが二つ内蔵

2400から3600ルーメンまで改善。
1080P HD 映画のプロジェクターは3600の明るさにアップグレードされており、1080PフルHDの画像と映像に対応できます。コントラストは2000:1で、鮮明的に投影できます。
スマホ/タブレットに直接接続可。スマホの充電ケーブルと繋いで接続することもできます。
交換ケーブルが不要で、スマホ/タブレットを簡単にこの小型プロジェクターに接続することができます。
2つのファンを動作により、放熱させて冷却効果を高めたことにより、ランプ寿命が50,000時間となりました。
・低騒音のファンを採用
・最大176インチの大画面に引き延ばせる
・ランプ寿命はなんと50.000時間
サイズ | 185×150×70mm |
消費電力 | ★★★★☆ |
明るさ | 3,800ルーメン |
スピーカー有無 | あり ※HIFIスピーカー2つ |
解像度 | 1080P HD |
投影距離 | 1.5~5.2m |
機械の操作や配線が苦手な人におすすめの家庭用プロジェクター
XGIMI MoGo Pro

4K対応のDLPプロジェクターです。ANSI(アンシ)ルーメンと呼ばれる均一な明るさを表わす単位がありますが、そちらが300ANSIルーメンとなっており、鮮やかな発色の画像を映し出します。また、ハーマンカードン社のスピーカーを内蔵しており、ホームプロジェクターとは思えない迫力ある音質を実現。
また、特許取得済みの「スマート台形補正」やオートフォーカス機能により、画面が垂直および水平方向に±40度以上調整され、難しい設定がいらず、機械の操作が苦手な方でも快適に映像を楽しむことができます。
・300ANSIルーメンで鮮やかな発色の映像
・Android TV 9.0・Googleアシスタント対応し、動画やアプリのゲームも楽しめる
・ハーマンカードン社スピーカーによるパワフルなサウンドを実現
サイズ | 105×94×146mm |
消費電力 | ★★★★☆ |
明るさ | 300ANSIルーメン |
スピーカー有無 | 有 HiFi高音質スピーカー |
解像度 | 1920×1080 |
投影距離 | 1.06~2.66m
/td> |
ポップインアラジン2 プロジェクター付きシーリングライト/高音質スピーカー

照明器具に高性能プロジェクターと高音質スピーカーを搭載し、コードレスで操作できる「ポップインアラジン」の最新商品がこちら。
短焦点レンズを搭載することで4畳の部屋でも60インチ~(設置距離1.2m)の大画面を投影可能。また、画面の上下調整も32度と広いので、壁に梁や柱がある場合も綺麗にフィットした大画面を投影できます。スピーカーはドルビーオーディオプラスで臨場感あふれる音が楽しめます。
・調色・明るさが100段階、色味も100段階
・世界中でファンの多いハーマンカードン社のスピーカーを2つに分離して内蔵
・場所をとらない天井設置式プロジェクター
サイズ | 476×476×145mm |
消費電力 | ★★★☆☆ |
明るさ | 900 ANSIルーメン |
スピーカー有無 | あり ※2つ |
解像度 | 1920×1080(フルHD) |
投影距離 | 40インチ0.85~100インチ1.78m |
いつでもどこでも簡単に映画館のような気分が味わえる
FANGOR プロジェクター バッテリー内蔵 7500lm ワイヤレス投影&USB接続

最大200インチの大画面、1920×1080対応の解像度と7,500ルーメンの明るさ、6000:1の高コントラスト、新エンジンによって高精細かつ鮮やかな映像を楽しむことができます。
プロジェクターがスクリーンを見上げるような、高低差の大きい位置関係の斜め投影により生じる画像の台形歪みをデジタル補正し、スクエアな見やすい画像を投影することができます。
バッテリー8400mAhが内蔵し、Miracast/Airplayでモバイルデバイスと接続すれば、ケーブル接続不要の完全ワイヤレスで楽しむことができます。
・7500ルーメン高精細画質&ドルビーサウンド対応
・コンパクトで置き場所を取らない
・内蔵バッテリーが8400mAhあるのでモバイル機器として使用が可能
サイズ | 225×176×110mm |
消費電力 | ★★★★☆ |
明るさ | 7500ルーメン |
スピーカー有無 | なし |
解像度 | 1920 x 1080 |
投影距離 | 1~6m |
Anker Nebula Capsule II(世界初 Android TV搭載 モバイルプロジェクター)

米国のクラウドファンディング「Kickstarter」にて、1.8億円以上の支援金を集めたポータビリティプロジェクターです。世界で初めてAndroid TVを搭載したモバイルプロジェクターであり、YouTubeやAmazon Prime Video、Netflix、Hulu、Disney Theatre、TVer、Abema TV、DAZN 等の5,000以上のアプリを楽しむことができます。小型のプロジェクターですが、先進的なDLP投影技術により、最大100インチの大画面まで投影でき、前モデルのNebula Capsuleよりも明るさが2倍の200ANSIルーメン、解像度が1.5倍の720Pに進化しています。
・超小型で持ち運びやすいデザイン
・YouTubeやAmazonプライム、Netflixなど5,000以上のアプリに対応
・200ANSIルーメン、720Pの解像度で映像を楽しめる
サイズ | 400×320×155mm |
消費電力 | ★★★☆☆ |
明るさ | 200ANSIルーメン |
スピーカー有無 | なし |
解像度 | 720P |
投影距離 | 0.8~4.8m |
まとめ
プロジェクターは視聴環境や観る動画の内容によって、求めるスペックや欲しい機能が大きく変わってきます。近年では4,000ルーメン以上の明るいプロジェクターが増えてきていますが、家庭用としてリビングなどでの視聴であれば2,000ルーメン以上なら十分でしょう。解像度などの数値では映像がイメージしにくい場合もありますので、製品メーカーのサイトやYouTubeにアップされている実際に使用している動画などを探してみるのもよいでしょう。