浅田 よわ美

浅田 よわ美

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コンクリートから照り返す焼けつくような日差し、ベタつく日焼け止め、そして汗で蒸れた息苦しいマスク——。

例年とは様子の異なる夏に戸惑っているうちに、朝夕の風が急に冷たくなりました。

夏ならではの楽しみをほとんど味わっていないのに、いきなり季節が入れ替わったからでしょうか。疲れがどっと押し寄せてきたような気がします。

眠りも浅くなり、心なしか気持ちもトゲトゲしてきた感じ。これはきっと体がこのまま秋を迎えることを許してないのだと解釈したわたしは、以前から気になっていたある場所へ旅立つことにしました。

都内発、都内行きの平日ショートトリップへ出発

それは、今年の夏に東京・池袋にオープンしたばかりの「hotel Siro」

派手派手しい彩りの看板で飾られたビルがひしめく街に、こじんまりとした、まっ白い建物がぽつんと佇んでいるのが、かえって人目を惹きます。

「鳥も眠るホテル」をコンセプトに、都会の喧騒の中では気持ちよく眠れそうにない野鳥でも、ここなら羽根を休めてゆっくり眠れるように……との思いをこめて、宿り木をイメージして造られたホテルなのだそうです。

ホテル前の白ふくろう

ここで一晩ぐっすり眠れたら、わたしも、この建物のように真っ白にリフレッシュできるかも。

そんな期待を胸に、平日の夜、仕事終わりに池袋に降り立ちました。

19:00 平日仕事終わりにチェックイン

1001号室「ペントハウス」

夏の名残でまだまだ明るい19:00過ぎ、仕事終わりにチェックイン。

部屋には屋上につづく階段も

白色とやわらかな木目が調和する、こざっぱりとした空間を一目で気に入りました。

部屋の奥に足を踏み入れると、眼前に池袋の街の風景が広がります。街から背を向け入室したはずなのに、ドアを開けたら、また街が広がっている。

なんだか不思議な感じです。

部屋を探検したら、ちょっぴり一休み

今治のタオル「Royal-Phenix of the seas」

京都のオーガニックコスメ「NEMOHAMO」のバスアメニティ

うれしい気持ちのまま部屋を探検すれば、シンプルだけれど、触っただけでどれも良いモノだと分かるアメニティたちに次々と出会います。

思わず幸せな深呼吸をして、ちょっぴりひとやすみです。

解放的な夜のはじまり

すっかり暗くなったころ、さらなる楽しみが待ち受ける屋上へとつづく階段をのぼることに。

屋上に広がっていたのは、思わず都会の真ん中にいることを忘れそうになる解放的なグランピングスペース!

足を踏み入れた途端肩がぐんと軽くなるのを感じながら、テント内にある音響スイッチをオンにします。

スピーカーから流れるくるりや中村佳穂の曲を野外の風を受けながら聴くと、今年はいけなかったフェス気分も味わえていい感じ。

全体を見渡せるソファに腰を下ろし、缶ビールをプシュッと開け、家から持ってきたサーモスのタンブラーに注ぎ入れたら、セブンイレブンで買ったちょっといいお惣菜に乾杯。

食事を済ませてからのチェックインでも良かったのですが、ひとりでゆっくり過ごす時間を満喫したかったので、キャンプ気分でまったり過ごすひとときは最高に幸せです。

酔いを醒ましたら、備え付けの立派なジャグジーにお湯をためます。都会の真っただ中の屋外で真っ裸になるのはなかなかの冒険ですが、非日常感溢れるシチュエーションにワクワクしました。

ボタンを押すと、ピンクから青、青から緑と七色にライトの灯りが変わっていきます。下から噴き出るバブルが全身をマッサージしてくれるおかげか、夏の強すぎる冷房や急な夜間の冷えでがちがちに凝りかたまっていた足首からふくらはぎ、腰までもがゆっくりとほぐされていくようです。

時おり吹く涼しい風がおでこを撫ぜるのも心地良い。

音楽を消すと、リーリーという鈴虫の声が聞こえてきました。

「せっかく鳴いているのに気づかなくてごめん」と心の中で小さく謝罪。自然のオーケストラに敬意を払って耳を傾けているうちに、すっかり長風呂をしてしまいました。

濡れた髪をタオルで包み、部屋へ戻る階段を降りていきます。

まっ白に包まれて眠る夜

「TETELA」のルームウェア

髪を乾かして真っ白でふわふわの綿パジャマに着替えると、すぐに眠気が襲ってきました。

まだ22時前ですが、久々にゆっくりと湯につかったからでしょうか。ポカポカと温もった全身をすっぽりと包み込み甘やかしてくれそうな、真っ白なベッドに身を預けたくなりました。

テンピュール®素材のマットレス

hotel Siroのマットレスは、横たわった人の体形、体重、体温に反応するというテンピュール®素材。リモコン操作でマッサージをしたり、足や頭を預ける角度を変えたりすることもできるというハイテクな魔法のベッドなのです。

「気持ちいいなぁ」。

全身を預けるようにベッドに横たわると、そんな言葉が漏れました。

眠気で薄れていく意識の中で、この寝心地はなんと形容すれば良いのかと考えます。

浮かべたのは、弾力のあるマシュマロやトトロのお腹。

どちらにも実際に寝たことはないけれど、きっと近い寝心地に違いありません。

気づけば意識は途絶え、深い眠りへと落ちていきました。

背中から溶け出た疲れが、マットレスの下の、もっとずっと下の方へ吸い込まれていくのをたしかに感じながら。

街も、鳥も、眠るということ

朝の6時半。鳥がチッチッとさえずる声で目が覚めました。

たっぷり8時間、一度も目覚めず朝を迎えるのなんていつ以来でしょう。眠る前は素敵な夢を見ちゃいそうだななんて思っていましたが、目を閉じたと思った次の瞬間には朝でした。

目も頭もスッキリとして、軽い、軽い。

カーテンを開けて見える街は、昨日と変わらずごちゃごちゃしていますが、静かなたたずまいで、朝日がキラキラと反射してなんだかキレイです。

街にも自分と同じように眠って休む時間が必要なのかもしれません。

いつも元気な人がひとりのときは物静かにしているのをこっそりのぞき見たような気持ちになり、池袋の街にすこし親近感が芽生えました。

チェックアウトまでの残された時間を、室内のバスルームでゆっくりシャワーを浴びたり、

カップ「KIKOF」、メルボルン発オーガニックティー「LOVE TEA」

ほんのりお花の香りがする紅茶をゆっくり淹れてふうふうしながら飲んだり、さよならするのが名残惜しいくらい気に入ったマットレスに何度も寝転んだり、ゆったりとした気分で満喫します。

最後に、持ち帰る人も多いと言うホテルのレターセットにお礼を一言書いて置いたら、11時にチェックアウト。

足取りも軽く駅に向かいながら思いました。東京は忙しくて疲れるみたいなイメージがどこかにあるけれど、要は自分の過ごし方次第なのかもしれないな、と。

たくさんのヒトが行き交い賑わう街を、ガチャガチャとしてうるさいと思うか、穏やかな気持ちで眺めて、夜に浮かぶビルの灯りや朝日を浴びる姿を美しいと感じるかはわたしの日々の過ごし方次第なんだ。

そんな風に思ったら、なんだか午後からの仕事を頑張ろうという気持ちが湧いてきました。

でも、取得した午前の休暇がまだ少し残っています。最後に池袋でおいしいランチでもして、旅の〆としようかな。

心と体がスッキリとした東京発、東京行のショートトリップ紀行でした。

明日からもたのしく過ごすために、「たのしく」眠ろう

それでも、寝不足でちょっと嫌なやつになってきたときには、仕事終わりにまた池袋に足をのばすことにしよう、そんな心のお守りもゲットできた1泊2日なのでした。

Photographed by Kaoru Mochida
※16・17・21枚目のみ ライター撮影

「hotel Siro」

西池袋という刺激的な都会の喧噪に光射す晴れ間。
シンプルでクリーンでクリエイティブな、一点の白。
自由な気に満ちた、旅のはじまりを象徴しています。

ここを起点に、新宿や渋谷や銀座へも。
あなたは知るでしょう。東京そのものに暮らす臨場感を。
いつものホテル宿泊にはない新しい気づきと、特別な体験に満ちたものとなりますよう。(公式サイトより引用)

2F-4F_MINIMAL MODERN ROOM

1F,8F-10F_MODERN JAPANESE ROOM

5F-7F_WEST COAST ROOM

住所:〒170-0014 東京都豊島区池袋2-12-12
アクセス:JR山手線・東京メトロ「池袋駅」西口のC1出口より徒歩2分
代表電話番号:03-5985-4686
MAIL: info@hotel-siro.jp
URL: https://hotel-siro.jp/

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浅田 よわ美

奈良出身のライター。海が好きで、海が青くなるから夏も好きです。どこに住むのか、どう働くのか、人それぞれの個性に合った「らしい暮らし」を探ることに興味があります。

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