diet_01

自宅にいる時間が長い今、太らないようにするためには「代謝を上げる」ことが重要です。代謝には3つの種類があり、それぞれに特性があると語るのは、管理栄養士の河村桃子さん。3つの代謝の特性を利用して、「太りにくい体」を作る方法をレクチャーしてくれました。

上げるべき「代謝」は3つある

「代謝とは、私たちが生きていくのに必要なエネルギーを作り出すこと」──と河村さん。3つの種類があり、それぞれに異なる役割があるといいます。

一日のエネルギー消費量
「Diet Plus」より引用
  1. 生活活動代謝……歩いたり、家事をしたり、運動をしたりなど、体を動かすときに消費されるエネルギー代謝のこと。
  2. 食事誘発性熱産生……食事をすることで体の中で栄養素が分解され、その一部がエネルギーとなって消費される際に発生するもの。
  3. 基礎代謝……呼吸、心臓を動かす、体温を維持するなど、私たちが生きていくために必要なエネルギーのこと。

冒頭の表は、1日のエネルギー消費量の目安をあらわしたものです。運動などで発生する「生活活動代謝」よりも、じつは体内の「基礎代謝」のほうがエネルギーの消費量が大きいことがわかります。

そして「基礎代謝」の項目で注意したいのは、骨格筋のエネルギー消費量である22%よりも、肝臓や腎臓といった内臓が占める割合のほうが大きいことです。これらのポイントを頭に入れたうえで、それぞれの代謝をアップする方法を見ていきましょう。

生活活動代謝を上げる方法:日常動作を「大げさ」に

音楽を聴きながら掃除をする女性

まずは生活活動代謝を上げる方法です。すぐに思い浮かぶのは運動ですが、河村さんのおすすめは、日常動作をほんの少し“大げさ”にすること

例えば、歩くときは両腕を振りながら大股で歩く、階段を登るときは膝を高く上げる、座っている時は胸を張って姿勢を正す、掃除機をかけるときは腕を大きく動かすなど、日常の動作を意識するだけでも生活活動代謝を高めることができます。

(「Diet Plus」より引用)

また、「ながら運動」を取り入れるのも効果的だそう。

  • 歯磨きをするときはつま先立ち
  • テレビを見ながらスクワット
  • 座りながら踵の上げ下げ

このように“何かをしながら〇〇をする”を習慣化することが、無理なく生活活動代謝を高めるコツです。

食事誘発性熱産生を高めるコツ:タンパク質をしっかり

タンパク質の多い食品

次の食事誘発性熱産生を高めるコツとして、河村さんは3つのポイントを挙げています。

ひとつめは「よく噛んで食べる」こと。料理をするときは食材を大きく切ったり、食感の異なる食材を組み合わせたりして、噛む回数を増やす工夫をしていきましょう。

ふたつめは朝食を食べること

同じ内容の食事を食べたとしても、夜遅くに食べるよりも朝に食べる方が食事誘発性熱産生は高くなります。

(「Diet Plus」より引用)

そして3つめは、タンパク質をしっかり摂ることです。

糖質や脂質に比べて、たんぱく質は食事誘発性熱産生が約5倍も高いです。

(「Diet Plus」より引用)

“巣ごもり”中に衰えがちな筋力を補うためにも、タンパク質を欠かさないことは大切。河村さんは肉や魚、卵、豆腐など、毎食手のひら一枚分のタンパク質豊富な食材を食べるようにアドバイスしています。

基礎代謝を上げる方法:しっかり食べて内臓を動かす

女性のお腹

最後の基礎代謝を上げる方法はふたつあり、ひとつめはちょっと意外かもしれません。

基礎代謝アップというと、よく言われるのが「筋肉をつける」こと。しかし冒頭の表では、1日のエネルギー消費量のうち骨格筋が占める割合よりも、内臓が占める割合のほうが多くなっていました。これは「しっかり食べる」ことの重要性を示していると河村さんは指摘します。

意外にも肝臓や腎臓といった内臓が占める基礎代謝量の割合は全体の29%と筋肉よりも高い割合を占めています。そのため、食べる量を減らすということは基礎代謝を低下させてしまう恐れが。そうならないためにも、日々の食事をしっかり食べて内臓を動かすことは基礎代謝を上げるためにも大切なことです。

(「Diet Plus」より引用)

食べる量を減らしすぎると、内臓は動かなくなり基礎代謝は下がる一方。食事制限をメインとするダイエットが失敗しやすい原因は、こんなところにもあったんですね。

肝臓を疲れさせない食べ方は?

内臓が痛む女性

基礎代謝を上げるふたつめの方法は、「肝臓を労る」ことだと河村さん。肝臓が占める基礎代謝量は全体の21%であり、筋肉についで大きな割合を占めているからです。

河村さんいわく、肝臓は代謝、解毒、エネルギーの貯蔵、胆汁の生成・分泌と大活躍してくれている臓器。知らないうちに“お疲れモード”になっていることも多いので、肝臓を労る食事を心がけてほしいといいます。

よく噛んで食べることは食事誘発性熱産生を高めるとともに、肝臓での栄養素の代謝をスムーズにしてくれます。また、食後2時間以内の就寝は寝ている間も肝臓を含めて内臓を動かすことになり、翌日に備えてしっかりと休ませることが出来ません。就寝3時間前には食事を終えるように、もしくは2時間を切っている時には消化しやすい食事にするように心がけましょう。

(「Diet Plus」より引用)

外出自粛中の今は、新しい習慣を身につけるにはぴったりのタイミング。毎日コツコツと工夫を続けながら、代謝を上げて「太りにくい体」を作っていきましょう。

家の中でもできるトレーニングはこちら

管理栄養士・河村桃子さん

河村桃子(かわむら・ももこ)さん
管理栄養士として病院やクックチル(食材を調理加熱したあとに急速に低温冷却しチルドの状態で管理する調理法)のコンサルティング、栄養専門学校講師の業務に携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、「今日の食事で明日の自分は変わる」をモットーに、コラム執筆や特定保健指導、レシピ提案、食事講座など働く大人の食事サポートを行っている。ブログ

[Diet Plus]

image via shutterstock

Ranking