ROOMIE編集部

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目黒区生まれの目黒区育ち。生粋の都会っ子が、どこにいても海を感じられる神奈川県大磯市に住まいを移したのは2018年のこと。

「海が近くて、空が広くて。この開放感は都心では味わえないですよね」と語るのは、今回の主人公である、株式会社インフォバーンの中村圭さん

家族との豊かな暮らしや、自分らしい生き方を求めて大磯に移り住んだ中村さんが、その考えをさらに広げたとき、行き着いたのが「女性たちが生きやすい社会」についてでした。

それを叶えるために社内で発足されたWOMEN’S HEART LAB.」は、中村さんを中心としたクリエイティブチームです。

今回は、このチームが誕生した経緯や、思い描く理想の未来についてお話を聞きました。

中村圭
株式会社インフォバーン 執行役員、プロデューサー/プランナー。出版社勤務を経て、2007年にインフォバーン入社。雑誌『MYLOHAS』にてデスク業務を担当。その後、ソリューション事業部へ異動し、コスメ、ヘアケア、健康食品などを中心に、女性のライフスタイル提案を行う企業、およびブランドのブランディングサイトやコーポレートサイトの戦略・クリエイティブ開発、コンテンツマーケティング支援を担当。2018年に社内で女性向けマーケティング&クリエイティブチーム「WOMEN’S HEART LAB.」を立ち上げ、女性が生きやすい社会を提案している。

大磯から渋谷へ。通勤時間は自分のために使うお気に入りの時間

幼いころから自然への憧れがあり、時間を見つけては海へ出かけて釣りをしたりして過ごしていたという中村さん。

リビングから海が望める築40年のヴィンテージマンションに家族3人で暮らしています。

「通勤時間が片道1時間30分って言うと感心されるんですが、朝は決まって座れるから本を読んだり海外ドラマを観たり、帰りは仕事のアイデアを頭でまとめたりできて、私にとってはなくてはならないお気に入りの時間です。

以前は電車に揺られるのは10分と短かったですけど、ぎゅうぎゅう詰めでみんながイライラしている電車に乗るほうが大変でしたね」

都会暮らしにストレスを感じていたわけではなかったものの、息子のはるくんが小学校に上がるタイミングも重なって、引っ越すことに決めました。大磯に暮らして「ああ、癒されるってこういうことか」と腑に落ちたそうです。

「毎日、都心から大磯に帰って来て電車を降りると、土や海の香りがして深呼吸したくなったり、家ではついつい黄昏たりしちゃいます」

「息子が3歳になった頃から、ママ友たちの話題が習い事や小学校に上がってからの心配事に変わっていったりして……。なんかもっと自由に“今を楽しむ”子育てをしたいなって考え始めました。

将来のことに気持ちを割くことももちろん大切だけれど、目の前にいる子どもに目を向けて自由にのびのびと育てるほうが、私たち家族には向いている。そんな思いも大磯暮らしへの後押しとなりました」

リビングには、流木で作られたハンドメイドアートがあちこちに。

「休みの日には、海から流木や石を拾ってきて部屋に飾ったり、朝から山へ散策に行ったり。鎌倉の大仏や熱海などの温泉地も近くていいですよ。夏の時期の磯遊び、ボディボードなんて、子ども以上に大人も全力で遊び倒していますね(笑)。

家族で過ごす時間を思いきり楽しみたいので、プレゼン前などのよほどのことがない限り、仕事の宿題は持ち帰らないようにしています」

平日は9時30分には出勤し、はるくんのお迎えもあるので16時30分には会社をあとにします。

中村さんが望む働き方を優先してくれる会社の方針はもちろんですが、何よりありがたいのがチームメンバーの理解とサポート

「稼働時間の『量』ではなく、『質』を上げることでワークライフバランスを保ち、チームと会社に貢献したいと日々精進中です」

女性が自分らしく生きられる世の中づくりを

WOMEN’S HEART LAB.公式サイトより

「とにかく人が好き」と語る中村さん。一時はファッションエディターを目指したこともあったそうですが、人に寄り添った取材を続けるうちに「人の生き方や暮らし方に向き合うことが心地いい。これが私らしい働き方だ」という考えに行き着き、大磯での暮らしがそれを膨らませました。

そのなかで、本当の自分らしさを見失っている女性がとても多いことに気がついたといいます。

「女性らしく、ママらしくとか、女のくせにっていわれると、自分らしさがわからなくなったり、表に出すのが怖くなってしまうこともあります。

小顔、スレンダーなモデル体型といった言葉も、画一的な美のイメージを押し付けられて、人と比べて自分を卑下するキッカケになってしまったりする。そんな固定概念に縛られた状況をどうにかしたいなって思っていたんです」

自ら企画書を作成し、会社に直談判までしてこのチームをつくりたかった理由はふたつ。

ひとつ目は、企業のデジタルコミュニケーションサポートを担うなかで、アイデアや施策が知見としてうまく活用できていなかったからです。

「私の会社の場合、案件ごとにチームをつくり、ブレストなどをおこなってインサイトを掘り下げていくわけですが、違うプロジェクトが始まれば、またイチから検討しなくてはいけませんでした。

それってすごくもったいない。とくに女性のインサイトを知見としてストックし、チームでシェアできれば考察はさらに深まり、クライアントへ提案する腕も磨けると考えました」

そしてふたつ目の理由は、女性たちの日常にある無数の「Why」を立ち止まって考える場にしたかったという思い。

製品やサービスのターゲットとなる女性の心理を捉えてよりリアルなニーズやインサイトを検討し、課題解決へと導く「How」につなげます

「たとえば、どうして目を大きく見せるマスカラが人気なのかをあらためて考えると、その裏には、人と比べたり小さい目にコンプレックスを抱いていたりする女性の心理が垣間見えます。

その場合、目を大き見せる術はシェアしつつ、目元の個性を引き出すメイク法も併せて提案して、自分の顔を好きになるという文脈でコミュニケーションをとってはどうか、などとクライアントに提案します」

そうした提案に対してのクライアントの反応は、「たしかにその価値観はなかった」「ブランドとしての伝え方は要検討だけど、一個人の意見としては大賛成」などさまざま。

「こうなければならない、という価値観に縛られている女性たちが、ラクに生きられる世の中づくりに共感するクライアントが増えていっているのは肌感としてありますね。

小さなちゃぶ台をひっくり返しながら議論を続けて、既成の概念や価値観を変えられたら、世の中にもっと素敵なカルチャーが広がっていくと思うんです」

自分に正直な選択をして、人生を自由に楽しめる未来を

「女性たちが生きやすい社会をつくる」を掲げて発足した「WOMEN’S HEART LAB.」。

ここで、チームが目指す未来について聞いてみました。

「こうありたいという理想が、ひと言でおさまらないようなカラフルなチームでありたいですね。仕事のやり方も表現方法もチームメンバーそれぞれだから、一元化される必要はないと思っています。

とはいえ、身近なところでも、個々の個性を活かし合って、ともに働くことは時として難しいなぁと感じることもあります。でも、だからこそ、個々の反省や学びをアップデートしつつ、あきらめずにダイバーシティ&インクルージョンに向き合い、取り組んでいくことが大事なのではないかと思うのです。

クライアントに寄り添う提案や施策に取り組んでいくことは大前提ですが、その先にいる女性たちの気持ちが軽やかになって、生きやすさや自己肯定感などを得るお手伝いをさせてもらいたいです」

そのためには、“気持ちのサスティナビリティ”も大切だと中村さんは語ります。

「サスティナビリティは地球環境として語られることが多いですが、人が健やかに毎日を送るためにはメンタリティーもサスティナブルであることが大切だと思っています。

すべての人が自分に正直な選択をして、人生を自由に楽しめるようになる。そして、1人ひとりが自分を大切にできるから、他人のことも理解して、心地よく共存できるようになる。

そんな社会、カルチャーをつくっていけたらと願っています」

女性も男性も。目指すは「“HUMAN BEING’S” HEART LAB.」

チームメンバーと議論するなかで感じるのは、偏った価値観に窮屈さを感じているのは女性だけではないということ。

中村さんは「女性性を考えることは、男性性を考えることでもある」と強調します。

「チーム名に“WOMEN’S”を冠しているからといって、女性のことだけを考えているわけではありません。女性性の話は、男性性なしに検討できるわけがありませんから。

男女共通の課題であるジェンダーギャップ、セクシャリティ、ダイバーシティの促進、自己肯定感の向上、子どもたちの貧困、地球環境など、いろんな問題を掘り下げていくと、もう対象は“ヒューマン”になっちゃいますよね!

目指すのが「HUMAN BEING’S HEART LAB.」だと、ちょっと大きすぎるでしょうか(笑)」

紙媒体やWEBメディアの記事・原稿という体裁を超えて、ブランドの価値創出から、企業コミュニケーション戦略支援、イベントプロデュース、商品開発まで、「WOMEN’S HEART LAB.」の企業との関わり方はさまざま。

現在、チームを構成するのは女性編集者ですが、今後は男女問わず、多様な価値観を持つ人材を迎えたいと思っているのだそうです。

「幅広い領域のカルチャー創出、社会変革に編集力をもって挑んでみたいと思う人や、制作のルーティンを脱して“編集力の拡張”をさせた人はもちろんですが、編集キャリアを問わず、社会課題に熱量をもって当事者意識で向き合える人。

そして物事を俯瞰して見ることが好きな人。どんなこともおもしろがれる柔軟性がある人の視点は大切ですよね。みんなで、女性の本音を、男性の本音を、あるべき社会の姿をディスカッションしていきたいです。問い続ける、考え続けるチームでありたいと思っています」

WOMEN’S HEART LAB.が掲げる「人が生きやすい社会をつくること」のはじめの一歩は、「自分が生きたい社会を考えること」なのかもしれません。

どんな社会なら自分が自分らしくいられるか、どんなふうに社会と関わっていきたいかを、「Why」の目線を持って、中村さんたちと一緒に考えてみませんか?


WOMEN’S HEART LAB. HRMOS採用ページ


Sponsored by WOMEN’S HEART LAB.

Text by 大森りえ
Photographed by Kaoru Mochida

ROOMIE編集部

ROOMIEエディターたちが研究員となり、最新のアイテム情報を収集したり、みなさんの部屋を訪問。好奇心を刺激する「暮らしとスタイル」にまつわるすべてのことを研究していきます。

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