岡本英子

岡本英子

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ハイエンド不動産を紹介するメディア『TERASS』を運営する株式会社TERASS・代表取締役CEOの江口亮介さんは、麻布十番にある築23年のマンションをフルリノベーションした1LDKのお部屋で暮らしています。

現在30歳の江口さんは、26歳の時にもマンションを購入し、フルリノベーション。その2年後に買った今の家が2回目のフルリノベーション経験になるそうです。

これまでに3回の不動産購入、2回のフルリノベーション、1回の不動産売却を経験したという江口さんに、物件購入のコツからリノベーションの方法まで、広くお話を伺いました。

名前:江口亮介さん
職業:株式会社TERASS 代表取締役CEO
場所:東京都港区
面積:54㎡ 1LDK
築年数と住宅の形態:築23年のマンションをリノベーション
物件購入費:5,600万円
リノベーション費用:約1,000万円

この部屋に住んだ理由は?

もう1回リノベーションを経験したかった

「今から5年前に麻布十番にある築47年のマンションを買って、フルリノベーションしました。その家は2年住んだのですが、マーケットがよかったので売れそうだったのと、2年経って好みが変わってきたので売却しました。

前回リノベーションの様子

数年経つと、これはこれで気に入っているんだけど、ちょっと違うテイストを試したいなぁと思うようになって。だから、リノベーションをしたのは今回が2回目ですね」

条件にあった物件の値段が手頃になっていたので

「職場のある六本木まで近くて眺望がいいという条件で家を探して、やっと出会えたのが1997年に建てられたこの家でした。

最初、5,900万円で売りに出されていたのですが、しばらくして5,680万円に下がっていたのを見て交渉し、5,600万円で購入。ちょうど大規模修繕が終わったタイミングだったし、お値段も手ごろだったんです。

築20年ちょっとでフルリノベーションするのは早いかなと思ったのですが、場所が気に入ったのでやっちゃえと思いました」

価格交渉するポイントは?

売却理由を知ること

「売りに出された当初からこの物件をチェックしていて販売が長引いていたのを知っていたので、一度価格が下がったタイミングで価格交渉をしました。価格を下げる=売主さんは早く売りたいんだ、と思ったからです。

次の家が決まっているので早く売りたい人/そうでない人など、個人によって事情が違うので、売却理由を知ることは重要です。その上で、価格交渉はできるものということを踏まえつつ、おとしどころを決めてしっかり交渉することが大事だと思います」

リノベーションの魅力は?

自分の好きな要素や好きなものに囲まれて住むことができる

「賃貸物件は必ずしも自分の好きなテイストとは限らないので、だったら自分好みの家をリノベーションしたいと思いました。

前の家はダクトやパイプが出ているような、今の家とは違った無骨なインダストリアル系で、黒とフローリングで男っぽい感じにしていました。

前回リノベーションのbefore

前回リノベーションのafter

それも好きだったんですが、次はグレー中心の家にしたいなぁと思っていたので、今の家をリノベーションしました。

1回リノベーションをすると普通の家には住めなくなります。おもしろくないし、自分の好みじゃないから。だから今後もリノベーションした家に住みたいと思っています。

僕の中で家は自己実現の1つ。自分の生き様が家に出ると思っています。気に入った家には人を呼びたくなるので、自分好みにリノベーションしたいんです」

1回目のリノベーション経験を生かして、今回こだわったことは?

リノベーションとインテリアコーディネートをセットで考える

「リノベーションはインテリックス、家具類はBoConceptにお願いしました。

1回目のリノベーションのとき、設計はプロに依頼しつつ、後から既製品の家具を買い足したりDIYしたりしたんですが、時間もかかるし調和感も出なかったんです。

リノベーションはインテリアの一部なので一緒に考えないとダメだなというその時の反省点を生かし、今回は家具との調和もテーマに設計段階から埋め込み家具にするなどの工夫をしました。

今回リノベーションの様子(2LDKを1LDKに改装)

実際、玄関の靴箱は埋め込んでもらっていますし、テレビ台も設計段階からしっかり考えました。1回目の反省点が生きている家なので、すごく気に入っています」

特注のグレーフローリング

「濃すぎず、薄すぎないグレーのこのフローリングが一番こだわったポイントです。何度も試作品を取り寄せて、グレーに塗ったものを特注でつくってもらいました。インテリア雑誌を見るとこういうフローリングが多いんですが、日本の家庭にはあまりないんですよね。

このグレーの床を生かしつつ、家具や壁で白と少しの黒を入れて引き締めています」

モアレ塗装の壁

「リビングダイニングのテレビのある壁は、ムラのある黒いモアレ塗装にしています。普通の塗料より3倍くらいお値段が高いんですが、テリの感じが気に入ってるんです。

この壁全体を濃い色にすると重くなる上に、のっぺりするので、あえてムラを入れています。夜になると光が反射していい感じになるんですよ」

リノベーションをする上で気をつけることは?

担当者のセンスを見極めることと、数社を比較検討すること

「今回、インテリックスとBoConcept、両方とも知り合いだったのでお願いしました。知り合いがいない場合は、3社くらいは問い合わせて見積もりをもらって、比較検討することが大事です。

もうひとつ大事なのが、担当者です。リノベーションは担当者のセンスに左右されるので、見極めることもとても大事だと思います」

リノベ経験者に話を聞く

「やってみないとわからないことがあるので、設計に入る前にリノベ経験者のアドバイスをもらうことも大事です。今回、僕は間接照明にこだわっているのですが、これは前の家には間接照明がなかったからなんです。

今回のリノベーションでは、『新築より綺麗なんじゃないか』という家づくりを目指しました。風呂、キッチンなどの設備も新築より劣っているところはないと思っています。

インダストリアルでもない、クラフトでもない、すっきりきれいめなテイストですが、築20年のマンションでもこれだけリノベーションできるんです。

この家を見て、『リノベーションって、めっちゃいいじゃん!』って思ってもらえたら、うれしいです」

「専門業者がリノベーション前の中古マンションを買ってしまうことが多いため、私たち素人が購入することはなかなか難しい」と江口さん。

その状況を踏まえて、江口さんが経営する株式会社TERASSでは、都内で家探しをする方に向けて自分の理想を叶えてくれる不動産エージェントから物件提案がもらえるサービス「Agently(エージェントリー)」をスタートするそう。リノベーションを考えるときのヒントになってくれそうな新しいサービスが楽しみですね!

部屋の詳細や暮らしのアイデアは「みんなの部屋」でご紹介しています。

Photographed by Motoki Adachi

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岡本英子

フリーライター、薫物屋香楽認定・香司、水引アーティスト。ラジオのショッピング番組台本などを書いています。また、和の香り文化を伝える「香司」、水引アーティストとしても活動し、都内を中心にレッスンを行なっています。休日はヨガ、ピラティス、サウナで整えつつ、お酒を飲みながら過ごしています。好きな食べ物は餃子とソフトクリーム。インスタグラムでお香や水引の情報を発信しています。

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中古物件を自分にとって最適な空間に生まれ変わらせることができるリノベーション。しかし、費用はどれくらいかかるのか、物件はどう探すべき、業者にはどう相談すべきかかなど、いくつかのハードルが存在します。「RENOVATION STORY」では実際にリノベーションを行った物件を訪れ、オーナーに踏み切った経緯や部屋づくりのコンセプト、苦労した点などを徹底リサーチ。一括りに語られがちな「リノベ」の持つ多様性と、リユースカルチャーを紐解きます。

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