森野 日菜子

森野 日菜子

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「玄関に積んである靴の箱をみると、幸せを感じます」

笑顔でそう話すこの家の主は、革靴を心から愛してやまないのだそう。

高田馬場で6年暮らすこまいさんの個性がぎゅっと詰まったお家を訪ねました。

・名前:こまいまことさん
・職業:IT系ベンチャー企業
・場所:東京都・高田馬場
・面積:約22平米
・家賃:8万円
・築年数:6年

お気に入りの場所

好きなものと“ちょいダサ”を詰め込んだリビングルーム

斜めの天井と打ちっぱなしの壁がアーティスティックな雰囲気を醸し出している、リビングルーム。置いてあるアイテムはどれも個性的ですが、どんな基準でモノ選びをしているのでしょうか?

「基本的に、好きだなと思ったものは何でも買います。でもその中でも“ちょいダサ”なのが好きで、気張りすぎず身の丈にあったものを選ぶようにしているんです。

例えばこのぬいぐるみたちもそうだし、スリッパや、ライトに吊るしてある木製の鳥もそう。ファッションでも同じですが、カチッとしすぎずちょっと力の抜けたコーディネートにしたいなって思っています」(こまいさん)

気張りすぎないこだわりが漂うリビングルーム。初めてお邪魔した私でさえ、ちょっと一息つきたくなるようなホッとする空間でした。

靴、靴、靴、の玄関

学生のころ、1908年から続く革靴ブランド・Parabootsでアルバイトをしていたというこまいさん。そんな彼女の玄関には、大量の靴箱が積まれています。

「靴は全部で35〜40足くらいあります。Parabootsの革靴も多いですし、最近はちょっと変わったスニーカーも買いました。

靴の状態もキレイに保てるのと、靴箱に入らないので、基本的に靴は箱に入れて保管しています。こうやって靴がたくさん置いてある玄関をみると、幸せな気持ちになりますね(笑)」(こまいさん)

Parabootsで働いていた時の経験から、革靴の靴磨きや革の色抜き、染めもやっているというこまいさん。靴の魅力は?と聞いてみると、たくさんの人の靴を見てきた彼女ならではの答えが返ってきました。

こまいさんが一年近くかけて脱色し、染めた革靴

「靴って、毎日の基本である“歩く”がそのまま反映されるものだから、靴を見るとその人の性格もわかるような気がするんです。

Parabootsの靴は10年20年と長持ちする革靴なので、靴磨きに持ってきてもらった靴を見ると、その人の生き方や人となりを感じます。かかとを踏んでいるから忙しい人なのかな、ピカピカに磨いているからこだわりの強い人なのかな、とっても大事に履かれているから、モノを大切にする人なのかな、とか。

安い買い物ではないけど、1つのものを大切にするのって素敵だなと思って、革靴が好きになりましたね」(こまいさん)

ひとりで没頭したい時、好きなお酒やコーヒーを飲みながら靴磨きをするのがお気に入りの靴との過ごし方なのだそう。自分と靴だけのゆったりとした時間、とっても素敵ですね。

この部屋に決めた理由

JR山手線の高田馬場駅に近いこまいさんのお家。大学生時代からもう6年も住んでいるのだそう。

「大学入学に合わせて上京する時、まだ大学の場所は決まっていなかったけど、どの大学になってもアクセスがよさそうな高田馬場を選びました。

実際に住んでみて、大学生は騒がしいけど治安は悪くないし、安くておいしい定食屋さんもあるので、気に入っています。でも社会人になってからは、もう少し大人の街に行きたいな、という気持ちもありますね(笑)」(こまいさん)

最終的な決め手になったのは、新築でオートロックもついているのに割安だったところ。でも実は、新築だったために内見ができず、蓋を開けてみたらびっくり!ということもあったんだとか。

「壁が斜めになっているのには驚きましたが、狭いところにこもりたい派の私には心地いい空間だし、打ちっぱなしの壁のことも知らなかったのですが、今ではとても気に入っています」(こまいさん)

残念なところ

内見ができないまま決めたというこまいさん。

うれしい驚きもあったようですが、想定外の残念ポイントもあったのだそうで……

収納が少ない

「住んでみてちょっと不便に思うのは、収納面です。

小さいクローゼットしかない上に、斜めっている天井のせいで高さのある収納ボックスが置けず、デットスペースが生まれてしまって……。入りきらなかった洋服は、100円ショップで買ってきたスノコに平置きしています」(こまいさん)

もともと縦だった無印の棚も、できるだけデッドスペースがなくなるように分解して横に組み替えたのだそう。確かに、斜めの壁に合う収納って見つからなさそうです。

ロフトに上がるのが面倒

はしごで登るロフトは、こまいさんの寝室スペース。

ロフトがあることで、ワンルームのお部屋でも活動スペースと寝るスペースを分けられるのがいいところだと言いますが、意外な盲点もあったそう。

「ロフトに上がるために階段を動かさなければいけないのがめんどうです。登るのも一苦労で、この階段の途中で寝ちゃうこともあります(笑)。

冬は暖かくて心地いいのですが、天井がすごく低くて普通に座ることもできないくらい。ロフトに憧れている人は、ちゃんと天井の高さもチェックすることをおすすめします!」(こまいさん)

お気に入りのアイテム

“いつもここにいちゃう”ソファベット

リビングルームに馴染んでいるソファベットは、こまいさんのお気に入り。

いつもこのソファベッドにいます。このぬいぐるみの仲間たちもお気に入りだし、ご飯やテレビをみたり何でもできる場所です」(こまいさん)

友人がデザインした、コンバースinナイキのスニーカー

フランス人の友人がデザインしたという、ちょっとびっくりなデザインのスニーカー。

ナイキの靴の中にコンバースが入っているっていう、おもしろいデザインです。いつも、普通の黒い靴と同じような感覚でコーディネートしています」(こまいさん)

パタパタ時計

「これは、小学生のときに買ってもらってからずっと使っている時計。当時好きだったグーフィーが、アニメでパタパタ時計を使っていたので、欲しいと言って両親に買ってもらいました。

古くなってきて時間が遅れるようになってきたんですが、あえて早めに時間を進めておいて困らないようにしてます」(こまいさん)

小学生からの、15年以上にもなる付き合いの時計。小さい時からの変わらないセンスを感じます。

IDEEとミニッツメイドのコラボチェア

お部屋で目を引く、きれいなオレンジ色のチェア。

「これはTokyo Recycleで見つけました。もともとオレンジ色が好きで、いいなと思って買ったらIDEEとミニッツメイドのコラボ商品だったことを後から知ったんです。サイズも高さもいいし、お気に入りのチェアですね」(こまいさん)

アアルトのアート

打ちっぱなしの壁に飾られているのは、フィンランドの建築家・アアルトのポスター

「去年フィンランドへアアルトの建築物を見るために旅行に行きました。これは、そのときに買ったポスターです。ずっとアアルトが好きだったので、フィンランドのいたるところでartek(アアルトがデザインした家具を制作・販売する会社)のプロダクトに出会えてとても興奮しました」(こまいさん)

暮らしのアイデア

手作りのダイニングテーブル

Floyd Legに憧れてるんですが、まだ身の丈にあってないなと思って、IKEAで買った脚で代用しています。厚みが欲しかったので台所カウンター用の板を組み合わせています

6人くらいでも使える大きさなので、ちょうどよくて気に入っています」(こまいさん)

目指すイメージがありながらも、手の届く範囲で工夫をするアイデアが素敵ですね。

これからの暮らし

個性が詰まった素敵なこまいさんのお部屋ですが、実は取材時、次のお家へ引越す1週間前だったという衝撃の事実が。それなら気になるのは、次のお家のこと。

「次は、テラス付きで天井も高い、開放的な部屋に引っ越します。キッチンも広くてカウンターがついた部屋を選びました」(こまいさん)

靴やアートへのこだわりがあるこまいさん。気張りすぎないちょっと抜けた雰囲気を大事にしたお部屋づくりは、来る人を安心させてくつろいだ気持ちにさせてくれます

きっと、次のお部屋もこまいさんらしいお部屋になるんだろうな。また遊びに行かせてくださいね。

Photographed by Kayoko Yamamoto

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森野 日菜子

Freelance Writer / Director. 海と山と旅 。Oregonが好きです。

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北欧、ストリート、DIY、アウトドア。リアルでさまざまな「暮らしのあり方」にフォーカスすることで、「自分にとって、一番いい暮らし」を探っていく…。連載「みんなの部屋」はスタイルを探求する旅です。

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