えごまオイル

日々の食生活に欠かせない「油」。なかでも近年、健康と美容を気遣う人から注目を集めているのが「えごまオイル」です。注目される理由のひとつは、「オメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)」が豊富に含まれていること。

今回は、オメガ3系脂肪酸の第一人者である麻布大学 教授 守口徹先生(日本脂質栄養学会副理事長)と、日本で初めて食用えごま油を開発した太田油脂株式会社に聞いた、えごま油の栄養や摂取する際の注意点などをご紹介します。

「えごまオイル」とは

えごま

その名前から、「ごま」の一種と間違えられることもある「えごま」ですが、実はまったくの別物。

えごまはシソ科シソ属の一年草で、「青じそ」とよく似た見た目をしていますが、青じそよりも葉が硬く、丸みを帯びた形をしているのが特徴です。 「食べると十年長生きできる」という言い伝えから、一部地域では「ジュウネン」とも呼ばれます。

そんなえごまの種子から搾られた油が、えごまオイル。「オメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)」が豊富に含まれていることから、健康にいい油として近年脚光を浴びています。

現代人に不足しがちなオメガ3。主な働きは?

魚に含まれるオメガ3

オメガ3系脂肪酸は、人間が体内で合成できない必須脂肪酸なので、食事などで外から摂る必要があります。

主に「えごま油」や「しそ油」、「アマニ油」、「魚油」などに含まれていますが、現代日本の食生活では不足しがち。皮膚の健康維持を助けてくれる栄養素でもあるので、意識的に摂取したいところです。

また、オメガ3脂肪酸である「α-リノレン酸」は、体の中に入ると一部がDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)に変化。特にDHAは脳の神経細胞に重要な構成栄養素で、情報伝達をスムーズにしてくれる働きもあります。

オメガ3の摂取目安量は? えごま油なら小さじ約1杯でOK

小さじ1杯の油

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(※1)によると、オメガ3系脂肪酸の一日あたりの摂取目安量は1.6~2.4g

えごまオイルなら小さじ約1杯分(6~9分目)に相当します。摂り過ぎても効果が高まることはないので、バランスよく摂取しましょう。

ちなみにアジ3匹分に含まれているオメガ3脂肪酸の量は、えごまオイル小さじ1杯弱分の量(1.8g)とほぼ同じ(※2)。普段肉中心の食生活を送っている人も、えごまオイルなら手軽に摂取できるのがうれしいですね。

えごまオイルを使うときの注意点

オイルをサラダにかける

えごまオイルを使うときに注意したいのが、「熱」に弱いこと。炒め物や揚げ物などの調理時に使うのは避けましょう。ただし、できあがった料理にかける分には問題ありません。タンパク質が含まれる料理とあわせて摂取すると、より吸収率が高まりますよ。

また、えごまオイルは「光」や「酸素」にも弱いので、選ぶときはなるべく遮光瓶や箱に入ったものがおすすめ。開封後は生鮮食品と同じように冷蔵庫で保管し、なるべく早めに(1か月半程度)使いきってください。

体にうれしい栄養素がスプーン1杯で手軽に摂れる「えごまオイル」。ほかのオイルにくらべてデリケートな一面があるため敬遠していた人もいるかもしれませんが、この機会に一度取り入れてみてはいかがでしょうか。

※1 日本人の食事摂取基準(2015年版
※2 文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編」マアジ生1匹120gとする。可食部54g/1匹に含まれるオメガ3脂肪酸量は0.567g。

オメガ3を摂るメリットって?

守口徹教授

守口徹(もりぐち・とおる)教授
1982年に横浜市立大学を卒業後、製薬会社の薬理部門に勤務。国立がんセンター研究所、東京大学薬学部に研究出向の後、同大学で博士号を取得し、1997年に客員研究員として米国国立衛生研究所(NIH)で脂肪酸と脳機能に関して研究。2008年より麻布大学 生命・環境科学部に奉職、現在に至る。日本脂質栄養学会 副理事長。国際脂質脂肪酸学会 理事。

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