昔から音楽が好きで、家にいるときはもちろん、学校にもこっそりウォークマンを持って行っては休み時間に聴いていた青春時代。
私の中で雑誌といえば『セブンティーン』ではなくて『ロッキング・オン・ジャパン』だったし、バラエティ番組といえば「爆笑レッドカーペット」ではなくて「爆裂☆エレキングダム!!」でした。
ファッションも、周りの女の子たちが履くようなヒールの華奢なサンダルではなく、Dr. Martens(ドクターマーチン)のブーツみたいな、ちょっと野暮ったいものばかり。
サブカルチャーのアイコン・ドクターマーチン
ワークブーツとして生まれたドクターマーチンのブーツがイギリスで初めて発売され、ファッションアイテムとして人気を博すようになった1960年代。
ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランといった、その後の音楽シーンに大きな影響を与えるレジェンドたちが次々に生まれていった、ロックの黄金期とも言われる時代です。
マーチンのブーツは、初期のスキンヘッズやThe Whoのピート・タウンゼントが労働者階級の象徴として履くようになったことをきっかけに、音楽や、そこに付随する社会への反骨精神とともに、サブカルチャーとは切っても切り離せない存在としてあり続けてきました。
マーチンのサンダル「MYLES」
音楽とゆかりが深いということと、このポテッとしたシルエットが好きで、学生時代からずっとヘビロテしているマーチンのシューズ。
いつもは冬の間だけでさよならしていたけど、今年は気になっていたサンダルタイプの「MYLES」を購入することに。
中敷に彫られた「Dr. Martens」のロゴが控えめで、なんともエレガント。
靴底は、ギザギザしてちょっと厚めのziggyソール。
ファッションアイテムとしてすっかり馴染み、一般にも受け入れられるようになったマーチンですが、こんなギザギザの足元を見ていると、ロックスターたちが残した反骨精神のかけらが、わずかに感じられるよう。
ドクターマーチン履き回し3Days
女性誌によく出てくる「1週間着回しコーディネート」。
こんなにキラキラした生活、私にはできないよ……と、半ば恨めしくも感じながら、遠くの方から見ていました。
だけど私には今や、マーチンのサンダルがあります。
こいつがいれば私にも、3日間くらいはキラキラした生活が送れる気がするので、ちょっとやってみようと思います。
DAY1:友だちとピクニック!
今日は大学の友だちと、みんなでピクニック。
マーチンのサンダルは若干厚底になっていて、ルーズな丈でも引きずらないのがうれしい。
ソールは超軽量のEVA素材で作られているから、見た目以上にとっても軽いんです!
硬い素材で最初はちょっと歩きづらかったけど、慣れればほとんど気になりません。
DAY2:大好きな彼とデート
背伸びしない彼とのデートは、履きなれないヒールの靴でがんばるより、私は私らしくかわいさを演出したい。
ハードな見た目で、ナチュラルな格好には合わないのでは?と思いきや、これが意外と合っちゃうんです。
色が黒だと全体的に締まるし、厚底だからペタンコ靴よりちょっとドレッシー。
DAY3:のんびり過ごしたい休日
今日はなるべく家でゴロゴロ過ごしたいけど、天気がいいし、お昼は外で食べようかな。
脱ぎ履きしやすい2ストラップのスリッポンだから、すぐ近くまで出かけるときのつっかけとしても便利なんです。
いつもの手抜き服も、ちょっと締まるかも。
以上、着回し3DAYS。マーチンの靴があれば、なんだか何にでもなれる気がしてきます。
ロックンロールスターたちがくれた「無敵感」
100年以上の歴史をたどる、ドクターマーチン。
その歴史は、「普通ではいられない」というマイノリティな感覚とともに発展を遂げてきました。
2019年の今、私がマーチンを選ぶ根底にあるのも、やっぱり「他の女の子たちと同じにはなれない」という想い。
ザ・フーやオアシスが自身の労働者階級を誇りに思い、それを「個性」として届けたように、コンプレックスをポジティブなエネルギーに変えてくれるような力が、ファッションにはあるのかもしれません。
ドクターマーチンを履いていると、ロックンロールスターたちが私を無敵にさせてくれるような気がします。
Hey! Stay young and invincible
なあ! 若いままでいるんだよ、無敵のままで‘Cos we know just what we are, and
だって僕たちは自分ってものをわかってるんだから
Dr.Martens / MYLES[BEAMS]
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