ナガオカケンメイによって2000年に創設されたD&DEPARTMENT PROJECT。
「ロングライフデザイン」をテーマに、たしかな審美眼で普遍的なマスターピースをあまた世に発信してきました
「クラフトな遊び心地」を掲げるROOMIEが、コレはワクワクする!と興奮したアイテムを定期的にご紹介していきます。
今回は、世田谷区奥沢にあるD&DEPARTMENT TOKYOからお届け。
脚が生えちゃってびっくり!
D&DEPARTMENTで扱われているサンボックスは、大小さまざまカラフルでシンプル。だれもが一度は目にしたことがあるであろう名品です。
この度、そんなロングセラーアイテムに、ある異変が……!
なんと、脚が生えちゃいました!
「『サンプリングファーニチャー』と呼ばれるシリーズのひとつとしてリリースされた商品です」と教えてくれたのは、D&DEPARTMENT TOKYOスタッフの薗部(そのべ)さん。
サンプリングファーニチャーとは、「つくらないでつくる」をコンセプトに、既成のプロダクトに何かを付け足すことで新しい価値を生み出すプロジェクト。
「創業当時は、リサイクル品を発掘して販売するのがメインでした。その頃大量に廃棄されていたバイクシートに脚を取り付けてスツールをつくったのがはじまりでした」
同じ要領で、もともとロングセラーだったサンボックスに足をつけた、というわけ。
アイデアはシンプルだけど、そんなちょっとしたことで表情がここまで変わってしまうから面白い!
選べる3タイプ。何でも乗せちゃって〜
そもそもは、コンビニの商品輸送などで使われるプラスチック箱であるサンボックス。
業務用ということで、軽く、水場でも使えて、外に出していても劣化しにくいのが特長です。
そんなサンボックスに3つの高さから選べる脚をつけることで、より日常生活に寄り添ったプロダクトに。
「一番低いタイプは、お子さんが座ってちょうどいい高さ。おもちゃ箱として使っているお客さまが多いです。
中間のタイプは、ソファの横に置くとちょうどいいので、散らかりがちなリモコン類を入れたり、植物を入れたり。
そして一番背の高いタイプは、実はうちで扱っているダイニングテーブルに合わせられる高さにしてあるんです。」
ほかにも、リビングでCDやDVDを詰め込んだり、洗面所でアメニティ入れとして使ったり、使い手の数だけ用途がありそう。
耐荷重も50kgまでで、サンボックスを重ねて使うこともできる。想像力を試されるところだ!
スタッフならではの使い方も知りたい!と訊いてみたところ、
「メッシュタイプのコンテナを重ねて玄関で靴箱として使っているスタッフがいます。なかには、コンテナに自分で穴を空けて多肉植物を入れて育てているスタッフもいるようです。」
アイデアを温め続けたのには、こんな理由があった!
このサンプリングファーニチャーコンテナー、実は、ナガオカケンメイさんが長年アイデアを温めてきたアイテムなんだとか。
アイデアはすでにあったのに、これまでつくらなかったのにはもちろん理由がありました。
「“誰がつくってくれるか”が重要でした。アイデアをただ形にしてもらうのではなく、わたしたちの考えをしっかり理解した上でつくってくれるつくり手を探していたんです」
そうしてようやく出会ったのが、群馬県太田市の「太田機械金属共同組合」のメンバーで結成されたまちづくり会社「株式会社エーアイラボ オオタ」でした。
既成のプロダクトを使ったシンプルな商品だからこそ、「単に脚が生えただけ」に終わらないよう、時間をかけて大事につくることがなにより重要だったのでしょう。
Photographed by Kenya Chiba
あわせて読みたい:
Sampling Furniture Container サンボックス[D&DEPARTMENT]