無垢材ならではの木目には、見ているだけでひとの心を和ませる効果があるといいます。
たとえば住空間のなかに無垢材があるだけで体調が良くなる、といったことも学術的に証明されているのだとか。
そのことからも、インテリアの存在が、住まいにとってどれだけ大切かわかりますね。
「楽器」をインテリアと捉える
連載企画「みんなの部屋」にもさまざまな家具・雑貨が登場しますが、特に、デザインにこだわった「楽器」をインテリアと捉える人も多いようです。
Yamahaの『P-125』は、約6万円(※)というリーズナブルな価格ながら、本格的なピアノ性能と優れたデザイン性を兼ねそなえる電子ピアノです。※スタンド、ペダルは別売り
スタイリッシュな面構えがまさにインテリアにはうってつけ。
こんな楽器なら、住まいにもたやすく馴染みそうです。ピアノのデザインと相性の良い家具や雑貨があれば、それはなおのことでしょう。
というわけで今回、ROOMIEアドバイザーでDIYのプロ・むく太郎さんが、Yamahaの電子ピアノ『P-125』のためのオリジナル収納ボックスを作ってくれました。
かかった材料費は3,000円台。少なくシンプルなステップは、DIYをはじめたばかりの初心者から、いままさにはじめようと思っているあなたまで、必見です。
有孔ボードがキーアイテム。あとは簡単に揃う材料で
合板ベニヤ板 870円
有孔ボード 390円
ネジ96本 300円
三方面のジョイント金具8個 640円
キャスター4個 400円
フック5個程度 300円
塗料(「WATCOオイル(ワトコオイル)」マホガニー色) 1,080円
計:3,980円
道具はメジャー、さしがね(定規)、電動丸ノコ、直角器、インパクトドライバー、木工用ボンド、ヤスリ(目の粗いタイプと細かいタイプの2種類)、刷毛を使用。
電動丸ノコなど敷居の高いアイテムは、持っていなくても大丈夫!
丸ノコなしでもOK。ホームセンターを活用しよう
すべての木材を必要な大きさにカットします。メジャーで長さを測り、ペンで目印をつけたあと、電動丸ノコを使って木材をカットしていきます。
・天板/底板……(幅)29cm×(奥行き)22cm
・棚板……(幅)27cm×(奥行き)22cm
・側面……(高さ)50cm×(奥行き)22cm ×2枚
有孔ボード
・背板……(幅)29cm×(高さ)52cm
このとき、ぶれずに正確な直線切りができるように、直角器を使います。ちなみにむく太郎さんが使っていたのは、自作のもの。
「丸ノコを持っていない場合は、あらかじめホームセンターで木材をカットしてもらいましょう。1カットあたり30円程度と安価だし、作業時間も短縮できて、さらに失敗もありませんよ」(むく太郎さん)
ボンドで仮止めし、ジョイント金具で固定
早速、棚の組み立ての工程に入ります。
ただし、のちほど収納棚背面に有孔ボードを取り付けるため、ここでは前面の2カ所ずつをジョイント金具で固定していきます。
まず、片側の天板をボンドで仮止め。
その後ジョイント金具を当てて、インパクトドライバーを使ってビスを打っていきます。
「このとき欠かせないのが、ビスを締める位置にあらかじめ小さな穴を空けておくこと。たったそれだけで、木材の割れ防止につながります」(むく太郎さん)
真ん中の棚板も、念のためボンドで仮止め。もう片方の天板を取り付けた後、最後に棚板をビスで固定します。
側面の天板と同じ要領で、背面に有孔ボードを取り付けていきます。
「合板でも代用できますが、有孔ボードにすると、フックを掛けることができるため収納の幅が広がります。ピアノ周りだけでなくリビングでも使える収納ボックスになるのです!」(むく太郎さん)
多少の塗装ムラは目をつぶる。それが“味”になります
最後に全体に目の粗いタイプのヤスリを軽くかければ、組み立ての工程は完了です。
塗装の工程に入る前に、まずは、色をつけたくない部分にテープを貼ります。今回は、8ヶ所あるジョイント金具部分。
「ちなみに今回は、構造的に必要でない棚の前面にもビスを打ちました。これは“飾り”としても効果がありますが、ジョイント金具の固定を強めて全体の強度を増す意味を持っています」(むく太郎さん)
今回使用するのは、「WATCOオイル」という商品。むく太郎さん曰く、亜麻仁油ベースの自然系塗料で木目がきれいに出るうえ、環境や人体にも配慮された扱いやすい塗料なのだとか。
赤茶色系のマホガニーが、黒いピアノのアクセントとして効きそうですね。
刷毛を使って、塗料を塗っていきます。
「多少のムラができてしまってもOK。それがかえって“味”になるので、難しく考えすぎないように」(むく太郎さん)
全体を塗り終えたら、目の細かいヤスリで表面を撫でるようにすると、仕上がりの肌触りが格段によくなりますよ!
塗料が馴染み、乾くまで30分ほど天日干し。ここまできたらもう一息、次が最後の工程です。
作業開始から2時間弱で完成
底面四隅のジョイント金具に沿わせて、キャスターをビス止めします。
2時間もかからず、Yamaha『P-125』の下にぴったり収まる移動式収納棚ができ上がりました。
材料や工具も、一般的なホームセンターで揃うものばかり。それでいてDIY未経験者が初めて挑戦するのにはうってつけの、簡単な工程で作ることができます。
インテリア性の高いピアノに、収納ボックスが実用性を付加する
ひとり暮らしのワンルームにもさりげなく置けるコンパクトさ、反射を抑えたマットな質感のパネルに、本体組み込み式のスピーカー。
スタイリッシュに空間を彩るデザインは、インテリアとしても機能するYamaha『P-125』最大の魅力です。
自分で作った収納ボックスを添えれば、実用性はもちろんのこと、その空間に愛着も湧いてくることでしょう。
楽譜やメトロノームなど、電子ピアノの周辺機器を収納してもよし。ピアノの脇に置いて、コーヒーテーブルとして使えば、コーヒーを飲みながらピアノを楽しむ贅沢なひとときも。
有孔ボードを活用してフックを差し込めば、用途の幅がさらに広がります。
純粋な用途から少し離れたところでも、私たちを満足させてくれる多彩な楽器たち。
空間にちょっとしたこだわりをプラスできるのはもちろん、そこに自分ならではのワガママを叶えるDIYアイテムを添えてみれば、暮らしがまた少し豊かになることでしょう。
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sponsored by ヤマハ株式会社
P-125 [Yamaha]
Photographed by Yutaro Yamaguchi