大掃除をすると、“なんとなく”ここまで付き合ってきてしまったものの多さに気がつく。服も雑貨も家電も、愛着のあるものだけに囲まれた暮らしに憧れるけれど、いろいろな事情でなかなか簡単にはいかないし、これぞというアイテムを選ぶのも難しい。

そろそろ本気で模様替えがしたい人に向けて、素敵な家具を手に入れる方法をレクチャー。以前椅子のリペア方法を教えてくれた、ACME Furniture設樂真也さんに、何回かに分けてヴィンテージ家具のアレコレや家具のリペア方法についてうかがっていく。

今回はまず、「ヴィンテージ家具の魅力」と「どういうお店で買おうか?」について。

設樂真也
1960~70年代のアメリカヴィンテージ家具を独自の価値観でセレクトし、自社工房にてメンテナンスするライフスタイルショップ・ACME Furnitureの家具リペア職人、ファニチャープロデューサー。アメリカでの買い付けから家具のデザイン、実際のリペア作業までを一貫して担当。

ヴィンテージ家具に惹かれたきっかけは?

僕はACME Furnitureに20歳で入社しましたが、もともとインテリアに興味があったわけじゃなかったんです。実家でたまたまケーブルテレビを観ていたとき、ACME Furnitureのお店が紹介されて。ダイニングテーブルの天板が真ん中から割れて、収納されている板をそこにはめ込むと大人数で使えるサイズになる……という家具を紹介してて、“知らない世界だなー”と衝撃を受けました。下町の純和風な家で育ったので(笑)。


その当時のACME Furnitureのお店は2階に工房を併設していて、職人がもくもくと家具の修理をしてたんですけど、「経験がなくてもゼロから教えます」とテレビで言うのを聞いて。僕は昔から手でものを作るのが好きで、当時は大工の見習いとして働いてたんですけど、その日のうちにお店に飛び込んで、ここで働かせて欲しいと伝えました(笑)。

ACME Furnitureで働き出した当初、買い付け、買ってきた家具の修理、デリバリーがメインの仕事でしたが、それでも家具自体にはあまり興味がなくて。ヴィンテージ家具自体でなく「リペア作業が好き」だったんですよね。

でも、先輩たちはヴィンテージ家具が好きで働いてる方が多くて、その影響を受けてだんだんと興味がわきはじめました。

設樂さんにとって、ヴィンテージ家具の魅力って?

ACME Furnitureがベイクルーズグループに入って家具のリペアが増え、木製のオリジナル家具を開発する機会ももらえるようになって。それまでゼロから家具を作ったことはなかったんですけど、ヴィンテージ家具が自分の基礎だったから、まずはそれを模して作ってみました。

それで、ヴィンテージ家具は細部までこだわって作られていることが分かり、そこがおもしろいと思ったんです。


現在、新品で同じ家具を作ろうとしても、とても売れるような値段に収まらない。ACME Furnitureの家具は1950-60年代のアメリカのものですが、人件費や材料費など、そもそものコストがその頃とは違います。当時は戦争が終わって生活が潤い出し、家具が売れた時代。家具メーカーがこぞって競い合い、あの手この手で新しいデザインの家具を売り出したんです。こだわりにこだわって作ってたんですね。

“いいヴィンテージ家具”ってどういうもの?

昔の職人の切磋琢磨が見えるものと、今作ろうとしたら難しい技術や材料が使われているもの、だと思います。

今の技術を使えば“昔の技術の再現”はできるんですけど、手間がかかったり、特別な機械が必要で、まったく同じものを量産するのは難しいです。やろうとすると、ヴィンテージ家具の倍くらいの値段になってしまう。


でも、なによりも“自分が愛着を持って長く使いたい”ことが大切だと思います。家具を買うときって、収納しきれてないアイテムを納めたいとか、このスペースにちょうどいい家具が置きたいとか、一目惚れしたとか、機能性と使いやすさ、そしてデザインを見て決めるものですからね。

僕の場合、自宅の家具は都内のリサイクルショップへ遠征して宝探し(笑)したものをリペアしたり、キッチン収納をいちから作ったりして、自分と家族に最適化するのが楽しいんです。

ヴィンテージ家具は、どう選べばいいですか?

購入する際のオススメは、しっかりしたメンテナンスをしてくれるお店であること。

ヴィンテージ家具を買いたいひとに、ACME Furniture以外で僕が個人的にオススメするのは、ACME Furnitureに10年勤めて独立した方がやっているmate(マテ)というお店ですね。買い付け先はACME Furnitureと同じくアメリカなんですが、人が違うと買い付けるものも違って「いつもおもしろいものを仕入れるなー」と感心します。

ここがオススメの一番の理由は、店舗に工房が併設していて修理しているところが覗けるところ。気に入った家具とは長く付き合いたいですし、愛着もわきます。長く使っていれば家具は軋んだり、汚れたりもするので、その後のアフターケアが重要なんです。


ACME Furnitureの場合も、ACME Furnitureで購入したもの限定ではありますが、メンテナンス可能です。お店に連絡をもらって商標を聞いたり写真を拝見して、修理の概算を出してから、現物を送ってもらいます。修理内容によりますが、そこから2、3週間くらいで修理完了です。例えば、サイドボードをテレビ台に変えたい、とかもOK。

メンテナンスを依頼されるのは、大切に使ってくれている証拠ですので、とても嬉しいんです。中途半端に修理はできないなと、いつも身が引き締まります。いつでもお待ちしています!


ACME Furniture
@acme_furniture[Instagram]
@acme_vintage[Instagram]

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