人気連載「みんなの部屋」vol.91。部屋づくりのアイディア、お気に入りの家具やアイテムなどの紹介を通して、リアルでさまざまな「暮らしの在り方」にフォーカスする。

新宿から10分、吉祥寺から5分という好立地にありながら、商店街やスーパーなど住みやすい環境が整う荻窪駅周辺。隣の西荻窪には小さくも魅力的な個人店が多く、休日には散策を楽しめる。

建築設計事務所・INSTUDIOをご夫婦で主宰する小笹泉さんと奥村直子さんが暮らすのは、荻窪駅から徒歩数分のレトロマンション。仕事でも“できるところはなるべく自身たちで手を動かす”というDIY技術とアイデアが活かされた住まいには、DIY初心者も真似したくなるヒントがたくさん隠れていた。

名前:小笹泉さん 奥村直子さん
職業:INSTUDIO
場所:東京都杉並区
面積:32㎡ ワンルーム
家賃:85,000円
築年数:築40年

植物が多く、縁側を自分たちでDIYしたマンション

お気に入りの場所

窓際のソファスペース

緑が豊富な窓際のソファスペース
設計事務所INSTUDIOの夫婦建築家

光が射し込む窓際には、三鷹の中古家具屋で購入したソファが置かれている。ベランダや窓際にはおふたりの趣味だという植物がたくさん並んでいて、ソファに寝転がるとベランダをちょうど見渡せるのがお気に入り。

お酒が大好きなおふたり、平日はここでお酒を飲んだり、休日は友人を招いてホームパーティを楽しむ。

綺麗な本棚をDIY
可愛いグラスの緑茶

「西荻窪や三鷹の中古屋さんはけっこう掘り出し物が多いんです。わが家のTVもスピーカーもアンプも、中古屋さんで安く見つけました」(泉さん)

この部屋に決めた理由

ワンルームを活用するおしゃれなDIY

「結婚を機に、ふたりで住む部屋を探しはじめました。2年くらい前からふたりでINSTUDIOという建築事務所をやっているんですけど、僕の実家が荻窪でその一室を事務所として使ってるんです。なので、事務所から近いことと、DIYで生活がつくりやすいこと、見晴らしがいいことを条件に部屋を探しました。

最初は予算と最寄り駅で手当たり次第検索していたんですけど、出てくるのは似たような間取りの似たような部屋ばかりで……。○DKなど小部屋が多いと窮屈だなと思いました。広いワンルームなら、どこに何を配置するか自分たちで自由に決められて、よさそうだなって」(泉さん)

小笹泉さんと奥村直子さん

「外に向けて開けている雰囲気が理想だったので、窓の大きさもポイントでした。この部屋は陽当たりがよくて気に入りましたね。もう少し空が見えたらもっと気持ちいいけど」(直子さん)

残念なところ

ベランダに鳥よけの網がついていたり、正面に建物があること

ベランダに鳥よけの網がついていたり、正面に建物があること

このマンション、共有廊下から見てわかるとおり、ベランダ側に網が張られている。

「鳥よけだと思うんですけど、見栄え的にはないほうが嬉しいですね……。しかも結局、網の隙間からくちばしを入れて実をとっていくし(笑)。それと、最近植物が大きく成長してきたので、洗濯ものを干すと植物とぶつかっちゃって。ベランダがもう少し広いといいのになと思います。

それに、空が開けているのはいいんですけど、目の前に建物が建っているのもちょっと気になりますね」(直子さん)

キッチン側にも窓が欲しい

荻窪のワンルームマンションのキッチン
景色がいい荻窪のマンション

「キッチンに窓がひとつあれば、風が通っていいですよね」と直子さん。キッチンの先の玄関を出ると、中央線が見えて開けた風景が広がる。玄関扉を開ければ風通しがよさそうだが、都心のマンションではそうはいかないか……。

お気に入りのアイテム

結婚祝いにもらった品々

結婚祝いにもらったSTAUBの鍋や、ワイングラス
春慶塗という飛騨高山の伝統工芸・漆塗りを用いた弁当箱
テンポドロップ

友人たちからもらった結婚祝いは、どれもお気に入りばかり。春慶塗(しゅんけいぬり)という飛騨高山の伝統工芸・漆塗りを用いた弁当箱や、肉じゃががおいしく仕上がるバーミキュラの鍋、結晶の変化で天気が予測できるテンポドロップなど。どれも長く使えるアイテムばかりで、部屋のインテリアにもなじんでいる。

外国のリキュール

外国のリキュール

お酒好きなふたりは、昨日も自宅に友人を招いて飲んでいたらしい。棚には外国のリキュールが並ぶ。

「強いリキュールは僕しか飲まないですけどね。この夏は、ベランダのミントをラムに入れたモヒートをよく飲みました」(泉さん)

結婚式の思い出がつまった鳥のオブジェ

結婚式の思い出がつまった鳥のオブジェ

棚のところどころにちょこんと置かれた鳥のオブジェ。ふたりで工夫して手作りした結婚式で使ったものだという。

「結婚式のアイテムってすごく高くて。自分たちでデザインを考えて、手作りできるところはしたんです。結婚式でライナー代わりに芝を敷いて、実家の花屋から調達した花や、この鳥たちを飾ったんです」(直子さん)

ベランダに並ぶ植物たち

ベランダに並ぶ植物たち
プランターもDIY

プランターもDIYしたもの

ベランダや窓際には、ホームセンターでリーズナブルに購入しているという植物がたくさん並んでいる。泉さんが買ってきて、世話はだいたい直子さんがしているらしい。「自然が好き」だというふたり。やはり植物があるだけで部屋が明るくなっていい。

陶器市で買った、益子焼の器

陶器市で買った、益子焼の器

「益子の陶器市で購入しました。友だちを呼んだ時には料理もするので、活躍しています」(直子さん)

暮らしのアイデア

DIYで暮らしを組み立てる

べニアと2×4材でDIY

友人宅のDIYを手伝ったことをきっかけにDIYをはじめ、今ではそれが仕事にもなっているINSTUDIOのおふたり。この部屋もDIYで暮らし方がデザインされている。材料は主にべニアと2×4材で、部屋トータルで約40,000円ほどと、かなり抑えめの予算でできている点も魅力的。

角材を組んで天板を載せ、マットレスを置いたベッド

角材を組んで天板を載せ、マットレスを置いたベッド。これは引越し前に3、4日でDIYしたもの。

ベッドを囲むように設置した、腰高の棚をDIY
ぴったりサイズのテーブルをDIY

ベッドを囲むように設置した、腰高の棚。高さはダイ二ングテーブルにぴったり合わせ、ベッドで起き上がったときに外が見えすぎず、かつちょうどいい“こもり感”が感じられる絶妙な高さにしてある。キッチン側は食材やキッチングッズの収納になっていて便利そう。

オープン収納棚をDIY
dIYした本棚

壁一面はオープンな収納棚に。カラーボックスのサイズを基準にすることで市販の収納グッズがすっぽりと収まる。ポイントは、床にベタ付きにしないで、設置面を少し上げること。それだけでホコリのたまり方がぜんぜん違うという。

便利なキッチン収納をDIY

素人がDIYを成功させる秘訣はあるだろうか?

サイズをきちんと測って合わせることですね。サイズがぴったり揃っていると、整って見えますよ。この収納棚のように、スペースにぴったり収まるサイズにすると、完成がバシッと決まると思います。

あと、棚はフタをつけると難易度があがるので、オープンの方がつくりやすいですよ(笑)」(泉さん)

室外機隠しもDIY、エコにもなるかも

室外機隠しもDIY

ベランダでどうしても生活感を出してしまう室外機も、DIYでカモフラージュされている。湿気対策には、オイル代わりにサラダ油を塗っているそう。直射日光が当たらないので、少しエコかも?

すっきり見える収納の工夫

すっきり見える収納の工夫
100円ショップを活用したキッチンの収納
キッチンの便利でお洒落な収納

この部屋は物が少ないわけではないが、すっきり見える。DIY棚の見せる収納、見せない収納を上手に使い分けている印象だ。収納好きだという直子さんは、TVや雑誌で見たアイデアを取り入れていた。キッチン下の収納は100円均一のグッズを活用して整頓。

「ぜんぶきちっとするのは逆に使いづらくなってしまうので、たとえば椅子やソファに座ったときに見える部分や、お客様から見える部分だけきちんとしたり。死角になるキッチンに向いた棚はある程度使い勝手重視で収納するなど、目線を意識してメリハリをつけています」(直子さん)

定期的に人を呼ぶことで整理整頓を

定期的に人を呼ぶことで整理整頓

「うちは本当によく友人を招きます。そうするとおのずと片付けをするし、いつでも人を呼べるように見せられるものしか置かなくなるので、部屋にとってもいいですよね」

包装紙を壁に飾ってみる

包装紙を壁に飾ってみる
包装紙アートを壁に飾ってみる

壁に飾られたテキスタイルやイラストは、実は包装紙や使い終わったカレンダーというから驚き。気に入ったものをランダムに貼っているそうで、見栄え的に気になるインターホンもカモフラージュされている。

これからの暮らし

植物にあふれたお部屋

「公園が近いとか、庭があるとか、自然を感じられる家に住みたいですね。あと私は京都出身なので、京都で仕事もしたいと思っています」(直子さん)

「あと2、3年はここに住むつもりです。まだ先ですが、いつかは自分の家を設計したいですね。海外もいいな。以前メキシコに留学していて、美術家と建築家の事務所で働いていたんですが、仕事の仕方が日本とは全然違って、ゆったりした雰囲気がよかったので」(泉さん)

建築資材をインテリアにする
建築資材をインテリアに

建築資材をインテリアに

INSTUDIOを立ち上げて2年、結婚して1年。住まいも未来も自由に手作りするDIYするふたりのこれからは、どう変化していくのだろう。

Photograghed by Kenya Chiba

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