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毎日にクリエイティブをおくる、今月のうたと暮らしは、「短歌」の表現のおもしろさを知ってもらう企画。
「短歌」に意識を向けてみたら、140文字より圧倒的に少ない“31文字”のことばに、詰まっているものに驚いた。ハッとしたり想像が膨らんだりするのがとても楽しく、日々にクリエイティブな視点を与えてくれる気がしている。

その月に合ったテーマで月1本、リレー形式で毎月異なる歌人の短歌を、描き下ろしの10首連作でお届けする。
連作の中にある展開やストーリーを、まずは楽しんでみてほしい。

第2回目の歌人は平岡 直子さん、5月のテーマは「」。

その海岸線の名前

平岡 直子


無口なるふたりが長く乗ってきた荷台を揺する道のでこぼこ



外国の案山子かかしはどこか火の匂い添乗員の帽子を乗せて



トロフィーは持ち歩くには重いので強盗がくるのを待とうか



さまよっているのはあなたくつろいでいるだけなのよ巨大な駅は



サイエンス的に求めた頬ずりを手紙のように返してくれる



客室までの長い廊下は歩くうちきみの気管の要素が混ざる



ドアを開け、またお茶会か今度こそ到着ロビーのはずだったのに



ソフトクリームをのぼる蟻は周遊というものをわかっていない



コインチョコ、ひと月前の指定券、ジョーカー、行けるとこまで行こう



新緑の痛々しさのそのなかにたまに探している置時計


平岡 直子(ひらおか・なおこ)
1984年生まれ。長野県出身。学生短歌会を経て、同人誌を中心に活動。2012年に連作「光と、ひかりの届く先」で第23回歌壇賞受賞。好きな旅先は金沢市。
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illustrated by ki_moi

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