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中古物件を自分にとって最適な空間に生まれ変わらせることができるリノベーション。しかし、費用はどれくらいかかるのか、物件はどう探すべき、業者にはどう相談すべきかかなど、いくつかのハードルが存在します。「RENOVATION STORY」では実際にリノベーションを行った物件を訪れ、オーナーに踏み切った経緯や部屋づくりのコンセプト、苦労した点などを徹底リサーチ。一括りに語られがちな「リノベ」の持つ多様性と、リユースカルチャーを紐解きます。

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建築系企画事務所で働く奈良岳さんが暮らすのは、三軒茶屋駅近くの、築40〜50年が経過したレトロな一軒家。ここで上野黄さん、宮地健太郎さん、荻野高弘さんとともにシェアハウスをしている。なんとこの家は、自分たちで住みながらリノベーションをしているらしい。というのも彼らは全員、大学で建築設計や都市計画、不動産を学んでいたメンバーで、設計や施工の知識を持っているというわけだ。

とはいえ、どうやってそんなプロジェクトが始まったのか、具体的にどういう作業をしてきたのか……お話をうかがってみた。

この家はどうやって見つけたんですか?

シェアハウスで暮らす建築男子たち

そもそもここで暮らす前は、それぞれが一人暮らしや実家住まいをしていて、千葉大学の建築学科メンバーで「みんなでリノベーションしながら住めるところを探そう」という話になったのがきっかけでした。

DIYが前提の物件を掲載しているDIYPというWebサイトで三軒茶屋にいい一軒家を見つけて、即決したんです。集まったメンバーが9人いたので、千葉大学2人と友達の繋がりで集まったもう2人が三軒茶屋、5人が別の目白の一軒家に別れて暮らし始めました。それが2015年3月頃ですね。以来、メンバーが入れ替わったりしながら、リノベを続けています。

古民家に自転車を吊るす

この家は修繕や内装工事をして、入居者が好きに仕上げるのを前提にした物件でした。キッチンやバスなどの水回りすらない状態で、そのままじゃ住めなかったですね(笑)。ただ、改装費用として100万円のオーナー負担がある点が魅力でした。定期賃貸借契約3年の家で、5年後には取り壊される予定なので、好きにしていいみたいです。

どのようにセルフリノベーションを進めたんですか?

セルフリノベした男子の家

まずは住み始めながら、工事を開始しました。生活インフラがまったく整っていない状態だったので、シャワーとトイレ、最低限のキッチンを整備するのにまず20万円くらい使いましたね。季節は春だったし、古い木造住宅は夏も涼しいので、夜中も窓を全開にすれば問題なかったです。

結局、1階全体と2階の一部は100万円を使いきってリノベできました。

断熱材がむき出しの天井

断熱材がむき出し

工事は、構造に関わるところ以外はやってOKな決まりです。作業前に、オーナーに図面を送って事前申請しないといけないんですが、承諾を得た工事は原状回復が不要になります。黄さんが図面を書いてくれて、それで申請しています。

レトロな一軒家のリビング
セルフリノベした一軒家のキッチン

1階は広いリビングにして、収納が多いキッチンと、靴箱を作ったりしました。トイレと風呂場はあまり手をつけてないです。

OSB合板でDIYした家
DIYした二段ベッド
セルフリノベしたおしゃれ部屋
DIYで作りつけた収納

2階は3畳の部屋、7畳の部屋、中央に広めのスペースがあって、3畳に1人、7畳にベッドや収納を作って2人、そして僕は中央スペースに壁を建てて自室にしています。はじめは壁を建ててなかったんですけど、あまりに丸見えなので建てました(笑)。

アンティークな材のテーブル

材料はホームセンターで安く買ったり、知り合いからもらったり。床は2階だけ変えて、1階はもともとパレットを解体した廃材をフローリング代わりにして土足暮らししてましたが、あまりに汚れるので土足はやめて、杉の木を引きました。30㎡で10万円くらいかかりましたが、風合いが気に入っています。

セルフリノベーションで、特に大変だったことは?

レトロな一軒家の玄関

やるべき作業が、かなり多かったことですね。なにしろインフラも何もない状態だったので(笑)。はじめのうちは寝袋で寝て、毎週末作業をしていました。

でも、もっと手を入れやすい物件もあると思いますよ。それなら初心者でも、DIYして暮らせると思います。今は、DIYについてのHow toやツール、ノウハウを提供するサービスがネット上でも見られるし、たくさんありますからね。

ただ建築に詳しい人間が4人もいて、友人たちも集まってくれるので、作業の手には事欠かないですね。家具も、自分たちがもともと持っていたものや、もらいものがたくさんあるので、揃える必要がまったくないから助かりました。

いまの暮らし、どうですか?

カーテンレールにワイシャツを干す

もともとは「シェアが目的ではない」と思っていたけど、実際にシェアハウスを始めてみると、すごくいいですね。飲み友だちがいつでも家にいるのが楽しいですし、イベントを開催するとか、この家が“人が集まる場所”になって、フレキシブルに使える拠点になっています。

特に2階はまだまだ手を加えたいところがありますけど、残り1年半で作業をしながら、みんなで楽しんで暮らしていきたいと思っています。

玄関にコンクリートの靴箱
部屋に植物を置く
レトロな一軒家の文字電番
水色の壁に絵を飾る
タイルがレトロな一軒家

編集部ノート

レトロな一軒家での暮らしを、満喫して暮らしていた「三茶ハウス」のメンバー。いちからリノベーションをするなんて大変そうと思うけれど、仲間で知恵を集めて作業をするのは、かけがえのない時間になりそうだ。

1階は2年かけてリノベーションをしていて、2階はまだまだこれから手を加えていく予定だという。

DIYを本格的に始めてみたいなら、DIY可能物件に絞って家を探すのもいいかもしれない。適度にものが溢れた一軒家は居心地がよく、つい何時間もいてしまいそうだった。

部屋作りのアイデアやお気に入りアイテムは「みんなの部屋」をどうぞ。

Photographed by Kenya Chiba

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