家具やインテリアなど、日常をともに過ごすライフスタイルグッズ。ネットやスマホが普及してからというもの、巷に溢れる商品群からモノを選ぶ指標は、ランキングや口コミ、「〇〇で紹介された」など、わかりやすい情報に頼ることが多いのではないだろうか。
本当に優れた商品を選ぶ。そこには、商品に潜む価値を見定める「選ぶ視点」が必要だ。男たるもの、目利きたれ!
今回ROOMIE編集部は、日本一といわれている百貨店・伊勢丹新宿店の5Fにある、リビングフロアにお邪魔した。機能性、デザイン、使用方法、手入れの仕方まで、商品によって着目する点はさまざま。あらゆる悩みやこだわりを持つ人たちに、さまざまな角度から商品の提案を行ってきた販売員が教える「おすすめキッチングッズ」を紹介しよう。

伊勢丹新宿店リビングフロア担当の栗原さんが、事前にフロアの各スタッフへヒアリングを行い、
・リビングフロアで男性客に人気のグッズ
・伊勢丹新宿店の女性スタッフから見て、男性に使って欲しいもの
という軸で選出してもらった。
購入する方のモチベーションを交えつつ、リアルな生活風景と商品を結びつける巧妙な語り口。商品の特徴にとどまらない、栗原さんの解説が光る。
ストウブ ラ・ココット
三越伊勢丹のみでの展開中のリネンカラーが特に人気です。カラーに悩まれる方が限定品なので選ぶ、ということもありますが、やはり「みんなが持っていない色」だったり、「プレミアム感のあるグッズを持ちたい」という方が購入されている傾向があります。
ストウブを購入されるのは料理や調理器具にこだわりを持つ方が多く、最近では男性も増えています。色の質感がよく、光沢感があり、深みのあるヴィンテージ色に近いので、お客様がお持ちの調理器具の締め色として使っていただくのもいいですね。あまり料理をしない人でも、インテリアとして置いているという人もいるくらいです。
煮込み料理やシンプルな蒸し野菜も作りやすいですし、大きいブロック肉でもすごく柔らかくなるんですよ。ぜひ誕生日や記念日に、ストウブを使った男料理を作ってほしいです(笑)。
錦見鋳造 北京鍋
2年待ってでも購入したいという欲望を掻き立てるのは、この鍋の軽さ。厚さ1.5mmと、鉄鋳物なのに、本当に薄く軽いんです。男性はもちろん、女性でも北京鍋を振ることができるくらいの軽さなんですよ。
ただ鉄鋳物ということもあり、油の吸い取りが遅いので、必ず油慣らしをおすすめしています。また、水のあるとこに置くと錆びやすいので、購入される方には、必ず水気を取っていただくことをお伝えしています。入念にケアをして、フライパンを育てる意識でご使用ください。
クリステル 圧力鍋
片手で、ワンタッチでフタの開け閉めをできるから、調理がスムーズに行えます。この圧力鍋では、塊のお肉や角煮を作るのがおすすめですね。大きめのごろっとした野菜を入れたポトフなんかもいいと思います。ベーコンがホロホロにできますからね。
フタに付いているパッキンが簡単に外せるから、洗いやすいのも魅力のひとつです。
これひとつで済みますので、収納に困りません。キッチン周りをごちゃごちゃさせたくないお客様におすすめです。圧力鍋にありがちな長い柄が付いていないので、あまり店頭でも見ないかたちなんですよ。
鍛金工房 銅鍋
機能の面だと、銅製なので、金属の中でも熱伝導が早いんです。サッとお湯を沸かせますよ。同時に、熱の伝わり方がやわらかいんです。煮豆などをコトコトと、気長に調理したい人にもおすすめです。
3サイズ展開しており、用途に合わせて寄せ鍋やうどんすき、湯豆腐にマッチしています。
あと、IHは使えないという点は予めご了承ください……。
通常の銅鍋は、上の口が斜めに広がっていることが多いのですが、この銅鍋はストンと円柱状に仕上がっているので、その佇まいがきれいなんです。その由来は、洋食でも和食でも、食卓に置けるように作られているからなんだそうです。
毎日、来店する人たちを見ている栗原さんは「最近は料理好きな男性が増えてきたイメージ」と話す。取材中、特に「男らしい、ゴロゴロっとした大きな肉の塊を使った料理をして欲しいですね!」と話す際の笑顔が印象的だった。
第二弾は包丁やナイフ、ペッパーミルなど、細かい調理器具を紹介。説明書を見ているだけではわからない、商品に潜む価値を探していく。